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小生は大学病院に7年ほど在籍いたしましたが、その間多くの患者さんとの出会いと別れがありました。その中で心に残った患者さんをお話してみたいと思います。まず、最初は17歳の男子高校生の経験を述べたいと思います。彼は岩手県出身で、すでに近くの病院で急性リンパ性白血病の治療をうけており、再発のため第3内科に入院となったのです。当時は骨髄性は90%以上の完全緩解(CR)を挙げておりましたが、リンパ性は70%程度であり、再発率もかなり高かった状況でした。しかも既に初回治療が不成功である場合はさらに再導入困難が予想されました。さっそくU先生独自の治療レジメで再導入を図り、完全緩解に達し、その維持のための強化療法を4クール終了。CRを維持しておりましたので、退院させ、外来通院に切り替える予定でした。しかし、再度、再発傾向が認められ再々導入治療を余儀なくされました。彼は我慢強く、寡黙な少年で不満も多々あっただろうと思いますが、我慢して小生についてきてくれました。その期待に答えようと頑張りましたが、とうとう疲れ果て逝ってしまいました。その間、付きっきりで看病していたお母さんが素晴らしい方で、子供を励まし続けたその姿は涙ぐましいものがありました。そんな一生懸命の家族に剖検の話をするのは抵抗感もありましたが、心を鬼にして剖検のお話を致しました。同席した父親は「先生!もう勘弁してください!この子は十分苦しみました!早く自宅に帰してください・・・!」「・・・・・」しばしの沈黙の後、母親が重い口をあけ「生前、この子は先生が大好きでした!もしこの子が生きていたら先生の申し出をきいていたでしょう!」「・・・・!」そして切ない感動を抑え答えましたが、「有難うございます。シッカリみさせていただきます。その結果は剖検終了後に、みなさんに御報告させていただきます・・・。」そんな訳でその切ない感動は決して忘れられません・・・!紫陽花(あじさい)の綺麗な季節でありました。
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