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どうしたの?ようさん。
今日あさ7:00ころにある患者さんの家族から電話があった
んだ。
「先生!父が病院変わりたいってきかないんです!どうし
たらいいんですか?」
寝耳に水でびっくり!
てっきり、紹介した先の病院で癌を告知されて治療に専念
していることとばかり思っていたのにね。
この患者さんはね82歳の男性でね、咳が止まらなくって
ね、胸部レントゲンで左の肺門部に異常陰影があって、病院
に紹介したら肺がんって診断されてね。しかも、大動脈浸
潤。即、入院して放射線治療をしてたんだ。最近も途中経
過が届いてね、今後は化学療法で経過を診るとのことだっ
たんだ。
へ~。じゃあ、主治医と相性があわなかったんだ。
ぼくも、最初はそう思ったんだ。だから、あわないもんは
しょうがない。転院かな?と、軽い気持ちで話し合いに望ん
だんだ。ところが、本人と話していくうちに予想外な展開に
なったんだ。
「おじいちゃん。なんで、病院変わりたいの?」
「だって、先生、ちっとも良くならないし、放射線のとこはただ
れるし、段々弱ってくんじゃ。もう、いやなんや...........。
もう4ヶ月も経ったんや。」
ぼくは、
『あー、癌と戦うのに疲れたんだな。しかも、治ると思って
るんだなあ。』
と思いできるだけ話を聞こうと決心した、その矢先である、衝
撃の一言がおじいちゃんから言い放たれた。
一瞬にして凍りつくぼくと看護士と患者さんの妻。
妻はあわてて
「おとうさん!家族3人で主治医の先生からちゃんと聞いたじ
ゃないですか。」
と否定。
おじいちゃんは意に介さず話を続ける。
「細胞もとったけど変なのは無かったっていったんじゃ。癌じ
ゃないのに......それなのに治らん。前、肺炎で入院した
OO病院に変わりたいんじゃ。そうすれば、治るんや。先生お
願いや、頼んでや。」
妻は妻で
と、繰り返す。
ね~ようさん、なんでこんなに話がややこしいの?
結局、こうゆうことなんだ。
このおじいちゃんは、とっても優しく人がいいんだ。いつも笑
顔でね。でも、少し耳が遠くてね。もちろん認知症なんかな
いよ。主治医の先生はきちんと告知してたんだ。でも、おじ
いちゃんには良く聞こえなかった部分があったんだ。で
も、人がいいから聞き返すことは失礼だと思ったんだよ。主
治医がきつい先生ってことでもなかったみたいだよ。で、結
局自分で色々聞こえたところを繋いで解釈してたんだ。
結局、どうしたの?
妻と話したら
「きちんと先生から告知してください、先生の言うことなら聞き
ますから。」
と言われ、おじいちゃんに告知したんだ。おじいちゃんは最初
は全然信じなくてね。当たり前だけど...................。
で、病院からの手紙を見せたんだ。
おじちゃん、やっとわかったみたいで、泣き出してね。
「それじゃ、しかたないね。わしももう歳.........だし......。
そんなら、今の病院で治療せなあかんわな。当たり前や。
ごめん...................ね、先生。朝、はようから。煩わしい
ことゆうて。」
おじいちゃん、すこし気を持ち直して妻に連れられ診察室を
後に。
「OOさん。むこうで判らんかったり、不安になったら夜中でも
いつでもかまわんから電話しておいで!」
咄嗟に言うと、最後に軽く微笑みながらペコリ。
その小さい後姿をみてたら、ここ4ヶ月の苦悩がいかに重か
ったかを訴えてるようでぼくも泣きたくなったんだ。
でもね、やっとおじいちゃんは重荷をひとつひとつ降ろしてい
くんだなって。きっと、今回の重荷だけじゃなくって80年かけ
て背負った重荷もね。少しずつ少しずつ。
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ようさん、どうしたの?
やっつけ仕事完徹にて終了。
さあ~、本業に力いれるぞ!
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