いつものように、ネットをだらだらと見ていたときのことキャリアブレインニュースにとあるタイトルが飛び込んできました。
mocという雑誌です。
>「メディアなど世の中には『どう生きるか』というテーマがあふれているのに、『死』はきちんととらえられていないと思った」。
>同人の中心人物、飯島ツトムさん(59)は、こう話す。医療の発達で寿命が伸び、核家族化が進んで身近な人の死に触れる機会は減っている現代。
>「生きることの先に、必ず死ぬことがある。死をきちんと意識すれば、今をもっと豊かに生きられるのではないか」との考えを、雑誌に結実させたという。
これは、まさに私が多くの患者さんやその家族をみてきて、実感したものです。
>創刊号は、これから形作っていくという意味を込めて「0号」とした。月末に都内の主な書店に並ぶ予定で税込み1000円。
>飯島さんは「読者から寄せられる意見などと一緒に、双方向で雑誌を作っていきたい」と話しており、テーマに関連したイベントなども計画している。
ぜひ、読んでみたいものです。
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ついでといっては何ですが、最近下火のインフルネタを。
『新型インフル感染死亡率は予想よりも低い、イングランドの調査』
>推定死亡率は、全体で0.026%、子どもが0.011%、高齢者は0.98%
>全体の推定死亡率は10万人当たり26(11~66)人であり、当初の予想よりも低かった。年齢別の解析では、5~14歳の子どもが最も低く[11(3~36)/10万人]、65歳以上の高齢者が最も高かった[980(300~3,200)/10万人]。子どもは高感染/低死亡率で、高齢者は低感染/高死亡率という傾向が見られた。
>死亡原因が新型インフルエンザ感染と確定されたのは138人で、年齢中央値は39歳であった。その2/3(92人、67%)が、現在であればイギリスのワクチン接種基準を満たしていた。50人(36%)は既存疾患がないか、あってもごく軽度であった。多くの患者(108人、78%)が抗ウイルス薬を処方されていたが、そのうち82例(76%)は発症後48時間以内の投与を受けていなかった。
>これらの知見を踏まえ、著者は「統計学的には、今回の新型インフルエンザのパンデミックは20世紀に起きた爆発的感染拡大に匹敵するものである。今回の方が感染者数は少ないが、これは対策を講じないことを正当化するものではない」としている。
>また、「高リスク例には優先的にワクチン接種を行うべきである。本研究には対照群がないため外挿するには限界があるが、死亡例の多くは抗ウイルス薬の投与が遅れていることから、適切な時期に投与すれば死亡率は低減できることが示唆される」「既存疾患のない健常者が感染した場合は実質的に死亡数が少なかったことから、ワクチン接種プログラムを拡大し、早期の抗ウイルス薬治療を広範に実施すべきと考えられる」と考察している。
もうひとつ
岩田先生ブログから
『インフルエンザ まとめ』
mocを、紹介したかったのでエントリーしました。
『患者と医者をつなぐもの』も読んでね。
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ここ1ヶ月ほどろくに更新もしていないのに多くのアクセスありがとうございます。
m3で1500以上あり、FC2でも100前後のアクセスがあります。
携帯から過去記事を見るのがしんどいとのお声をいただいたので目次の目次を作ります。
新しいものから、順に並べています。
さて、近況報告ですが『がん薬物療法専門医』の資格を取得しました。
また、PCの調子が悪く新しいのを購入しようかと考えております。
これからも、がんの治療、心のケア、そして後輩医師の指導などに力を注いでいきたいと思います。
また、ときどきエントリーを更新することがあるかも知れませんがよろしくお願いします。
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ちょうど、FC2のブログを作って丸2年になりました。
初エントリーが2年前の1月3日だったと思います。
m3のブログからは3年弱になります。
ブログを開設してからいろいろな事がありました。
m3をはじめた当時は、医療崩壊という言葉は医療者以外ほとんど知られていませんでした。
医者自身も、日本の医療レベルが世界と比べて本当に優れているのかを詳しく知っている医者はほんの一握りでした。
私も、ブログをはじめて、他の医者ブロガーとの交流をしたうえで今の医療情勢、政治的な問題、司法の問題などを知っていきました。
その過程で医療関係者と一般の方との医療に関する常識のずれが非常に大きくて、それが医療崩壊の原因のひとつになっていると感じました。
せっかくブログを開設しているのだから、少しでも医療崩壊を避けるべく力になりたいと思い今までのブログの形式となりました。
ブログの内容としては
・医者が一般に考えていること。
・がんに関する情報の提供
・一般医療のニュースに関してのコメント
・今までの患者さんの生き様
などをつづってきました。
多くの医師ブロガーがそうだったのですが、大野事件は大きなインパクトを持っていました。
大野事件の判決が出た後にブログをやめた先生方も多かったのも事実です。
確かに、あの判決の後にブログに対する情熱が少し冷めてきました。
さらに一番印象に残っていた『遠くて遠い』をあげてさらに気力が減りました。
その後も、いろんなネタでブログを続けていたのですが、途中から自分の趣味をかねてブログを書いていたのがだんだんと義務のような感じになって来ました。
そう感じだしたときに、新型インフルエンザなどがあり、また、ブログを書かなければならないというような使命感があり続けてきました。
一番楽しかったのは、やはり『楽しい入院生活』のUさんでしたね。
なんだか、ブログを終わるみたいに感じられたかと思いますが終わるわけではありません。
残しておきます。
ただ、新しいエントリーはもうないと思います。
もう、更新する気力というのがなくなりました。
最後に気力を奪ったのは事業仕分けで来年の診療報酬がマイナスになるとの話が出たときです。
最終的には少しプラスですが、今の状況は大幅プラスにしなければ行けない状況だと思っています。
病院は、まだまだ人手が足りていないので新たな雇用を作り出せる場でもあるのです。
この時代こそ医療や介護にお金をかけるべきだと思います。
3年にも満たない短い間ですが今までおつきあいいただいて本当にありがとうございます。
これからは、目の前の患者さんと学会などの活動で医療に貢献していきたいと思っています。
もしかして、また書かなければという気力がわいてきたら再開するかも知れません。
今のところ、2週間放置していましたけどもそう言う気力は出てきていませんけど。
現実的なのは、他のブログで今までのエントリーを小出しにしていくことはあるかも知れません。
新年早々のお知らせでした。
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ひとつ心残りがあるとすれば尊厳死についてのエントリーをあげようと思っていたのですが、あげることは出来ませんでした。
難しすぎて、うまくまとめることが出来ませんでした。
3年前から、考えていたんですけどね。
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いろんな患者さんと出会います。
それは、医師として出会うわけですが
出会うことによってその患者さんの病気について勉強したりして医師として成長します。
研修医の頃は、すべてが勉強でした。
採血や注射の仕方、点滴の管のつなぎ方や分岐のさせ方、輸血、様々な手技など。
そして、病気そのものであったり症状であったり。
症状が病気に結びつかないものもある事も知りました。
そして、いろんな経験を積んで医者としての自分ができあがっています。
今までの経験のどれ一つかけても今の自分にはなり得なかったでしょう。
そして、今後も勉強の積み重ねです。
論文、学会などから仕入れる新しい知識も大切ですが、自身が患者さんから経験することも非常に大事なことです。
本当に様々な人たちが患者さんとなり、私と接してきました。
ただ、風邪を引いただけの人から心筋梗塞で意識のない状態でやってきて助かった人もいますし、そうでなかった人もいます。
まあ、そんな緊急を要するような仕事をしていたのは、医者としての最初の頃だけなんですけど。
そのときの経験も非常に役に立っています。
また、その患者さんの考え方や生き方などをみて人間として成長します。
当たり前ですが、世の中にはいろんな人がいます。
誰でも病院にかかることがあります。
今まで、病気になったことのない人から、小さいときから持病があり病院にかかっていた人まで。
お金持ちもいれば、貧乏な人もいる。
若い人も病院に来ますし、超高齢者も来ます。
神経質な人も来れば、いい加減な人もいます。
仕事も様々です。
普通の会社員、主婦、経営者、農業、新聞屋さん、派遣社員、、、、、挙げればきりがありません。
中には、誰もが知っているような会社のトップの方などもいました。
家族との関係も様々です。
我々医療スタッフにはヘコヘコしていても家族の前では偉そうだったり。
その逆もあったり。
仕事を始めて、いろいろな人に出会い、非常に勉強になりました。
自分で、『いい勉強になった。』とか感じた場合に『人生いろいろ』にあげています。
医師以外の職種ではここまでいろいろな人たちと出会うことはないでしょうから。
本当にこの仕事をしていて良かったと思います。
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久しぶりにがんの話題です。
多くのがん種にTMN分類が用いられています。
がん診療で大切なことは、診断です。
診断にもいろいろありまして、まずがんかそうでないかを判断しないといけません。
がんと判断できたら確定診断がついたといいます。
肺がんをはじめ多くのがん種では、組織や細胞をとってきて染色をして顕微鏡でみて悪性細胞であればがんと診断されます。
確定診断がついてもすぐに治療にはいるわけではありません。
どこにあるのかや、どこまで広がっているのか、遠隔転移はあるのかなどを考慮しなければ最適な治療方針はたちません。
ある程度経験を積んだ医者なら、同じ状態の患者さんなら同じような治療方針をたてたれる必要があります。
その為にTMN分類があります。
その分類に従うことによって、日本のどこでも同じような治療が可能になるのです。
Tは、腫瘍(原発巣)のひろがり
Nは、リンパ節へのひろがり
Mは、遠隔転移
を表してそれらを組み合わせることによって病期分類がなされます。
1期の肺がんとか3期とか4期とかに分類されるわけです。
肺がんなら2期までが手術、3期は抗がん剤と放射線を組み合わせた治療、4期は抗がん剤治療が標準的な治療です。
もちろん、分類が微妙なケースや施設によって若干の方針が異なる場合もありますが、多くの場合は同じです。
その分類が来年からかわります。
詳しくは『肺癌取り扱い規約』なるものがありそれに詳細が書いてあります。
ちなみに第6版は200頁を超える厚さです。
来年からは第7版ということになります。
どう変わるかというと大きさでの分類が細かくなります。
今までは、T因子(腫瘍本体)の大きさが3cm未満と3cm以上で分類していたのが2cm未満、2cmから3cm未満、3cmから5cm未満、5cmから7cm未満、7cm以上と従来、2ランクに分類されていたのが5ランクに分けられるようになるのです。
この変更によって今まで1期だったものが2期になったり、2期だったものが3期になったりします。
もちろん、多くは今までと同じ分類なのですが。。。
また、今までは悪性細胞を伴う胸水を認めても遠隔転移がなければ3期だったのですが、4期に分類されるようになりました。
それと大きな違いがリンパ節の番号が変わることです。
今までよく3番とか7番リンパ節がといっていたのですが、3番リンパ節がなくなりました。(正確には3pとかで残っているのですが頻度が非常に低くなります。)
今まで3番だったところは4番になって4Rとか4Lとか(RLは右、左という意味です)になってしまいます。
ややこしいんですけど、世界で統一されたのでいいことなのでしょうね。
今までよりもかなり細かく分類されるようになるように感じます。
どうしてこのような変更が行われるのかおわかりですか?
これは、今の病期分類でのデータを解析して同じような予後の見通しがもてるグループに分類しなおしたのです。
もちろん、今までも同じような予後のグループとして病期分類が行われていたのですがそれがさらに的確にするために細かく分類されたと理解するのが正しいでしょうか。
ちなみに、日本を含む19カ国、10万人の患者さんのデータをもとに作られたそうです。
どうです。
良さそうに感じるでしょう。
でも、実際に新しい分類で診断して、治療をしてみてそれで新しい分類が優れているかどうかの評価をしなければなりません。
そうしているうちに新しい事実が判明してもっと優れた分類法がみつかったりすることもあります。
そうすれば、第8版が作られるでしょう。
ただ、あまりに細かくまた、先進的すぎる分類だと困ることがあります。
基本的には、世界共通ですので医療資源が豊富にある地域は分類が簡単に行えるけれども、そうでない地域では正確な病期分類が難しくなる可能性があります。
そうすれば、各国同士の比較が困難になるのです。
もちろん、好ましいことではありません。
それと、もう一点。
このブログでも分子標的薬について何度か説明しています。
分子標的薬は、効果のない患者さんと効果のある患者さんが特定の検査でわかることがあります。
非小細胞肺がんのEGFR遺伝子変異や乳癌のハーセプテストなどのバイオマーカーといいます。
それがわかることにより治療方針が変わることがあるので今後は、そのような情報が病期分類に取り入れられていくでしょう。
さらに進んでいけば、病気のひろがりよりもバイオマーカーが病期分類の中心となってくる可能性さえあります。
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いやー、こんな話題も久しぶりでしたね。
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少し前に韓国の射撃場で火災があり何人もの日本人の命が失われました。
何日か入院して治療に当たったのですが、結果的に亡くなられた方がいました。
そして、こんな記事が
>韓国釜山市の室内射撃場火災で大やけどを負って同市のハナ病院に入院し、22日に死亡した長崎県雲仙市の中尾和信さん(37)の遺体を家族に引き渡す際、同病院が雲仙市に約1千万円の治療費の支払いを保証するよう要求していたことが27日、分かった。
まあ、支払いを保証というのはひどい話ですが保険がないとその程度の治療費がかかると思います。
正直、日本の医療費世界でもかなり安いレベルだと思います。
コメントで医療費が高いとのコメントをいただきましたが、世界で高いといわれているアメリカではどの程度かかるのかみていきましょう。
アメリカでは初診時に診察費として7000円から8000円程度が一般的といわれています。
また、急性虫垂炎での入院も1日で100万円以上の請求がくるそうです。
日本では、1週間の入院で50万円程度でしょうか?
特に手術代金が開腹手術で6万円ほど、内視鏡を使った手術で19万円ほどで安く抑えられています。
しかも3割負担ですので15万程度の請求で、高額医療制度があるので7万円ほど戻ってきます。(収入により異なりますが)
実質、8万円程度の自己負担ですみます。
もう一例ありました。
この中で
>急ぎサンノゼの病院に運び込まれ「大腸切除術」の手術を受けた。入院は10日間にも及んだ。手術後、請求金額の見当がつかずドキドキしていたが、後日、請求書が来ると、医療費の請求額は全部でなんと12万2000ドル(当時の為替レート、123円換算で約1500万円)だった。
とあります。
日本の医療費は安いと思いませんか?
韓国の医療費は知りませんが当然保険のない状態なら全額自己負担ですので、1000万円の請求は不思議ではありません。
おそらく、助かるかも知れませんので最高級の医療を提供したのでしょう。
日本国内なら、同じ治療でいくらかかるのでしょうか?
やけどの専門家でないのでわかりませんが、おそらく半額以下の治療費で可能かと思います。
仮に半額の500万円とすれば自己負担は150万円です。
しかも、高額医療制度で90%以上かえって来ると思います。
それほど、国が決めた診療報酬で安く抑えられているのです。
それでも日本の医療費は高いと思いますか?
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ちなみにアメリカでの医療費
虫歯の治療費1本5万円
出産費用 150万円
集中治療室料 1日100万円
だそうです。
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以前から、紹介しないといけないと思いつつ今まで紹介できなかったものがあります。
とうとう、書籍化されましたので遅ればせながら紹介させていただきます。
それは、『妊娠の心得11か条』です。

『産科女医からの大切なお願い』←楽天に飛びます
もう、ご存じの方も多いと思いますけど。
転載自由ですので堂々と転載します。
1.セックスをしたら妊娠します。
この世に100パーセント避妊する方法は、セックスをしない以外にありません。(ピルですら100%ではありません。でも、もちろん避妊することは望まぬ妊娠を大幅に減らすことが出来るので、妊娠したくない人は必ず避妊しましょう!!)
日頃セックスをしているなら、常に妊娠の可能性を考えましょう。
そして、子供が欲しいと思っているなら、赤ちゃんの神経系の病気(二分脊椎など)を防ぐために葉酸のサプリメントを飲みましょう。(1日0.4mg)
2.「この男の子供を産むためなら死んでもいい!」と思うような男の子供しか妊娠してはいけません。
妊娠出産は何が起こるかわかりません。妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症)、妊娠糖尿病など、妊娠にまつわる病気になるかもしれません。また、お産も体にとっては大きな負担となります。
毎年、約60人の妊婦が出産で死亡しています。あなたが生きて出産を終える保証はどこにもありません。
妊娠をするにはそれなりの覚悟が必要ですよ!
(妊娠はよく考えて、覚悟を持って!、というたとえでシングルマザーなどの選択を否定するものではありません。)
3.妊娠しただけでは喜ばない。安易に他人に言わない。
妊娠が非常に初期に診断されるようになってから、妊娠初期の流産が15%以上と非常に多いことがわかりました。
最低でも妊娠4ヶ月に入るまでは手放しで喜んではいけません。職場で仕事を軽くしてもらいたいと上司にお願いするなど重要な時だけ人に言いましょう。
出来ることは赤ちゃんを信じてあげることだけ。
また、運悪く15%に入っても、あなたのせいじゃありません。不必要に自分を責めないでくださいね。
4.神様から授かったら、それがどんな赤ちゃんでも、あなたの赤ちゃんです。
この世に完全に正常な人間なんていません。重いものから軽いものまでいろんな障害を持って生まれてくる赤ちゃんもたくさんいます。
妊娠中に診断できる異常はごく一部。中には幼児になってからわかる異常もあります。
誰しも自分の赤ちゃんが正常だという保証のもと、出産することなんて出来ません。
親になるということは、どんな赤ちゃんが生まれても自分の子供として受け入れることです。
5.産む、産まないは自分たち夫婦で決めましょう。
とはいえ、妊娠中に赤ちゃんの異常や、もしかしたら異常があるかもしれないというサインがあると主治医に告げられるかもしれません。
それが中期(妊娠21週まで)であれば、望んだ妊娠であっても異常の程度によっては中絶という選択肢が出て来る場合もありますが、あくまでも夫婦二人でよく話し合って決めましょう。価値観や考え方は人それぞれ。大事なことは責任を持って自分たちで決めましょう。(大事なことを責任を持って決められる大人になってから妊娠しましょう。)
また、このことについては妊娠前から二人で話し合っておくべきです。
6.かかりつけ医をもちましょう。
当然ですが、ちゃんと妊婦健診を受けましょう。
きちんと初期に超音波で予定日を決めること、HIV、B型肝炎、血液型、梅毒などの初期検査を受けることは、妊娠中に管理方針を決めるのに後々重要であったり、あなたの赤ちゃんを守ったりするために必要です。また妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症)の早期発見には欠かせません。
もしあなたにお金がなくても、自治体が発行する母子手帳には最低限の妊婦健診を受けるためのチケットがついていますし、分娩費用も援助してくれる制度があります。
また、産科医不足からお産を出来る場所が限られています。妊娠が分かったら、病院などに早めに問い合わせてお産をする場所を確保しましょう。里帰りしようなどと思っていても、受け入れてくれる場所がないかもしれません。
7.赤ちゃんは全ての運命をあなたに預けていることを忘れないで。
赤ちゃんは栄養や酸素など、生きて成長するために必要なものを全てあなたに依存しています。お母さんが煙草やお酒など赤ちゃんにとって毒となるものを摂取すると、胎盤を通して赤ちゃんに移行します。
体型を気にして、妊娠中にダイエットをするなどはもってのほか。(妊娠前に標準的な体重だった人は9〜12キロ体重を増やさなくてはいけません。)
煙草が我慢できないような人は、お母さんになる資格はありません。
また、「出産したら遊べなくなるから」と旅行をするのもいいですが、何かあっても後悔しない程度に。旅先で何かあってもすぐに診てくれるところがあるかは最低確認を。
おなかの赤ちゃんのために時には自己犠牲を払うことも覚悟の上妊娠しましょう。
8.赤ちゃんが完全に元気であるか分かる方法はありません。
胎児心拍のモニターや超音波など、赤ちゃんが元気であるか評価する検査はありますが、どれも完全ではありません。
予定日を目前にお腹の中で突然死をしてしまう赤ちゃんもいます。もし動きが少ないと思ったら病院へ。
無事に産まれるまでお母さんも赤ちゃんも安心できないのが妊娠なのです。毎年5000人以上の赤ちゃんがお産の間際や生まれてすぐに死亡しています。
また、脳性麻痺になる赤ちゃんがいますが、その90%は分娩前にすでに原因があり、分娩を機に脳性麻痺になる赤ちゃんはわずか10%であることも知っておきましょう。
9.出産は出来うる限り安全な場所でしましょう。
妊娠経過にどれだけ異常がなくとも、出産の時に赤ちゃんやお母さんが急変することは誰にでもありえます。
専門家が考える安全な場所とは、緊急時に、高次の医療機関(産科医と新生児医と麻酔医が揃っていて、帝王切開や未熟児医療ができる体制)か、そこへすぐ搬送できるくらいの近さの産院です。
部屋がきれいだから、ご飯がおいしいから、好きな姿勢で産めるから、上の子を立ち会わせたいから・・
そんな理由で緊急時の安全性が劣る産院を選ぶのはおすすめしません。
もちろん、納得の上でなら構いませんけれども。
お産をなめてはいけませんよ。
(残念ながら現在産科医不足のため、妊婦さん全員が安全性の高い病院を選ぶとパンクしてしまいます。だから、リスクの低い妊婦さんには高次の医療機関ではなく開業の産婦人科を選んでもらわないといけない場合も多いです。でも、最低でも産婦人科医立会いの下お産しましょう。)
10.下から産んでも、お腹から産んでも、あなたはお母さん。
人によっては骨盤位(逆子)などの理由ではじめから帝王切開をしないといけない人もいます。また、陣痛が来て頑張っても、下から産まれなくて帝王切開をしないといけない人もいます。
どんな出産になっても、あなたが身を削って赤ちゃんを産んだことには変わりありません。
帝王切開で産むと子供の性格が悪くなるとか、親子の愛情が無くなるとかいう悪意に満ちた色々な妄説に惑わされないで。
あなたと赤ちゃんにとって一番安全な方法でお産をしましょう。
11.妊娠・出産は一つとして同じものはありません。
妊娠・出産を経験すると、自分が何でも知ってる気になってしまう人がいます。年配のご婦人で「私のときはこうだったわよ」のように先輩面をする人もよくいますよね・・
でも、一つとして同じ妊娠・出産はありません。
同じ人が次にまた妊娠しても、同じようになるとは限りません。
自分の経験を別の人や別の妊娠にあてはめないようにしましょう。
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また、お知らせもありますので紹介します。
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産婦人科医のLUPOこと宋美玄と申します。
「産科女医からの大切なお願い~妊娠・出産の心得11カ条~」という題名で、無双舎より発売されました。
昨年11月に、私のブログである「Yahoo!ブログ LUPOのぶらぶら地球紀行」に、「妊娠の心得11カ条」を作って載せたところ思わぬ反響があり、インターネットのニュースや雑誌に取り上げられ、無双舎より書籍化のお話をいただいたという次第です。
拙ブログに載せた「妊娠の心得11カ条」とは以下のようなもので、産婦人科医ならばだれも当たり前と思うような内容です。これに長すぎぬよう解説を加えていました。
この心得を作ったきっかけは昨年秋、脳出血を起こした妊婦さんが、受け入れ先がなかなか決まらず、結果的に命が助からなかったという報道を見たことでした。私たち産婦人科医からみると妊娠中の脳出血はそれだけで非常に予後の悪いものですが、私には報道が「受け入れ先がすぐに見つかりさえすれば命が助かった」と視聴者を誤解させてしまうもののように感じられました。そのため、妊娠出産は本来リスクを伴うものだということを理解してもらいたいと思い、この心得を作りました。
現在日本では産科医の不足が社会的問題となっています。これにはいろいろな原因がありますが、その一つに、「妊娠出産は安全で当たり前。何かあったらミスではないか。」という非医療者の認識が、現場の医療者のやりがいを失わせ、ストレスとなっていると日々の診療で感じていました。また、妊婦さんに専門知識がないばかりに的外れなことで悩んでいるとも感じていました。そのため、正しい知識の啓蒙が医療者にとっても非医療者にとっても必要だと思い、作成しました。そして、周産期を専門とするベテラン医師たちから非医療者の方々まで幅広く共感を得ることが出来ました。
(21世紀医療フォーラムで取り上げていただきました→http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/gdn/report/200905/510824.html)
ブログ版の心得は医療者である私からの心得を一方的に述べたものでした。その後私は日本の臨床を一時離れ、ロンドンに胎児超音波と胎児治療の勉強のために留学したため少し客観的に見ることができました。また、身近な人の妊娠・出産・子育て、さまざまな立場の人の意見やこちらのメンバーの方々からいただいた体験談(ほとんどそのまま載せさせていただいたものもあります)に触れることで、より非医療者側に立った視点で見つめなおすことが出来たと思います。より非医療者の方々の共感を得られやすい内容で、非医療者と医療者の架け橋の助けとなるようなものが書けたと自負しています。ブログ版に共感してくれた方も、ちょっとどうなのと思った方も、知らなかった方も、是非ご一読ください。
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大手チェーン書店の店頭にはあると思いますが、お近くの書店でご注文の場合には、ISBNコード978-4-86408-402-4で尋ねていただけるとスムーズです。
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前回、『日本の医療費』についてのエントリーをあげました。
はやり、医療のことを考えていた方々の意見はみな似たようなもので私の意見と非常に近い意見が多くあります。
『医療ガバナンス学会』というのがありいろいろな方がご自身の意見を述べています。
もちろん、私のように匿名でなく実名で発信されており信頼度も高いものです。
しかも、教授クラスの偉い先生が発信されていることが多いのです。
春くらいからはインフルエンザの話題が多かったのですが、最近はワクチン全般の話題などもたくさんありました。
そして、つい最近は事業仕分けの話題から医療費についての話題が続いているのです。
漢方薬を保険適応外にする事に対する批判の話題から始まり『医療崩壊 - 「立ち去り型サボタージュ」とは何か』 、『医療の限界』 の著者でもある小松先生の登場です。
小松先生が11月23日そして、24日にも医療にのことについてのエントリーが。
そして、25日には行政学の井関先生が登場です。
同じ日にもう一つのエントリーが。
臨時 vol 366 「整形外科、眼科、皮膚科の開業医は稼ぎすぎ?」
いずれの内容も細かいところは異なりますが大きくは同じ主張をされています。
この医療費の問題は、多くの医師が実感していることなのです。
お願いですから、医療費を増額する方向に動いてください。
医師の技術料でさえ安すぎるのです。
詳細は『技術の値段』を読んでみてください。
ちなみに尼崎の件とは、『腹水穿刺という手技』でわかるかと思います。
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民主党の政策とし『骨太の方針2006』での社会保障費削減方針を撤廃するとのことです。
『崖っぷち日本の医療、必ず救う!』とあります。
この中の一番はじめに
>日本は今、医療崩壊の瀬戸際に立たされています。
>その主たる原因と責任は、「財政制約」という名目で医療費削減及び医師数の抑制を続けたこの10数年の政府にあります。
次にグラフも使い世界的に見ても日本の医療費は安くもう少し増やす方向性を示しています。
>自公政権はこの5年間、毎年2200億円の社会保障費を削減してきました。
その結果、現在の日本は、OECD 諸国(先進30 カ国)ので医療費の対GDP比が22 位、一人あた
りの医療費は17 位、人口10 万人当たりの医師数は26 位でOECD 平均310 人に対し206 人
という有様です。ちなみに、先進7 カ国の中では全て最下位です。
世界的に見て人口あたり少ない医師の数で安い医療費で世界的に見ても優秀な医療を提供しています。
しかも、ほとんどの国民が保険を利用して医療を受けれるのです。
その医療が崩壊しつつあります。
病院の倒産も相次いでいます。
一般病院は売り上げに対しマイナス4.5%の赤字とのことです。
そんななかで民主党の鳩山首相の所信表明演説で
>医療や介護をめぐる政策について、「財政のみの視点から医療費や介護費をひたすら抑制してきたこれまでの方針を転換し、質の高い医療・介護サービスを効率的かつ安定的に供給できる体制づくりに着手する」と述べ、財政の在り方を「コンクリートから人へ」転換する方針を鮮明にした。
『「コンクリートから人へ」で医療費抑制を転換—鳩山首相が所信表明』
ようやく、医療情勢がまともになると思っていました。
それが、先月末からなんか怪しい雰囲気になってきました。
開業医の年収が多いので勤務医をサポートするために診療報酬を病院へ優遇するようにしようみたいな報道がなされました。
この理論には、間違いがあります。
開業医は、個人経営者です。
個人経営者ならではのリスクを抱えています。
急に休んだら休んだ分だけ収入がなくなります。
さらに、スタッフの事も考えなければなりません。
しかも、退職金などはありません。
一方、勤務医はサラリーマンです。
ある程度の年収の差はついて当然だと思います。
しかも、病院の利益が出たからと行ってそれがすぐに勤務医の収入に結びつくのでしょうか?
少しは増えるかも知れませんが、多くの病院は赤字です。
赤字で古い建物を建て替えできない病院もたくさんあります。
そんな状況なので、まず、赤字の補填に消えるでしょう。
その次に、古くなった機器(CTなど)の更新に消えるでしょう。
会社が赤字から黒字に変わってすぐに給与に反映するはずがあません。
しかも、公立の病院なら公務員なので給与下がりますよね。
いったい何をいいたいんだかと思っていたら理由がわかりました。
正直、目が点になりましたけど。
えっ!
減らすの?
何度も言いますが、病院の多くは赤字なんですよ。
新しい機器を入れたいのに赤字だから難しい病院もたくさんあるんですよ。
診療報酬と給与は何の相関もしてませんよ。
しかも、高齢者社会になっているんだから、医療を必要とする人口は増えています。
必然と医療費高くなるのは当然でしょう。
しかも、高度な医療になればお金かかるでしょう。
高度な医療になれば人手もかかることが多いのです。
世界的に見ても安い医療費です。
『【中医協】診療側「医療費底上げを」、支払側「引き上げ環境にない」』
所信表明演説はなんだったのでしょうか?
デフレだから引き上げ環境にないのでしょうか?
もう、これ以上下げるのは無理でしょう。
本当に崩壊しますよ。
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医療者側からの要望も
要望書では、財務省が19日に発表した医療予算に関する査定方針に言及。方針では、▽官民の人件費カットやデフレ傾向の反映▽収入が高い診療科の報酬見直し▽開業医と勤務医の平準化−などが求められていると指摘した上で、「勤務医と開業医」「病院と診療所」「診療科」などの対立構図を誘導し、全体の改定枠を引き下げる財務省のやり方に抗議するとの姿勢を示した。
また、2002年度からの4回連続マイナス改定の影響を指摘した上で、「急速な地域医療の崩壊を招いた主たる原因が、医療費削減政策にあったことはあきらか」と強調。医療費の総枠拡大と、次期診療報酬改定での10%の総枠引き上げを要望している。
まあ、当然といえば当然でしょうけどね。
『患者と医者をつなぐもの』も読んでね。
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それから、数ヶ月が経った外来での出来事です。
レントゲンを見ると肺の腫瘍は間違いなく大きくなっています。
診察室に入ってくるEさんは、明らかにふらついています。
『Eさん、どうですか?』
『別に、かわりないです。』
『えっ、ふらふらしてませんか?』
『いや、大丈夫です。』
『Eさん、おそらく頭の転移も大きくなってきていると思います。
入院して、治療した方がいいと思いますよ。』
Eさんは、入院したくなさそうでしたが、家族にも勧められ入院することになりました。
また、点滴も始まります。
Eさんは、点滴も嫌いでした。
また、ナースたちの言う事は聞いていないようです。
Eさんと家族と相談の上、1種類での抗がん剤治療をはじめることになりました。
抗がん剤治療が始まり、2週間が過ぎてもEさんのふらつきはよくなっていません。
吐き気なども出てきており、むしろ悪化している印象です。
しかも、足がしびれるとの訴えも出てきました。
調べてみると腰椎(腰骨)への転移が見つかりました。
神経を圧迫していて、両足が完全麻痺になる可能性もあります。
その場所にも放射線治療を開始しました。
残念ながら、Eさんは手すりを持って歩くことすら出来ない状況になってしまいました。
Eさんと奥さんとに病状説明を行いました。
『Eさん残念ながら、抗がん剤の効果はありませんでした。
放射線の効果はもうしばらくしてから出てくるかも知れませんが、今のところ効果はありません。
病気で動けなくなっているので、Eさんのプライドは許さないかも知れませんが看護師の世話になってください。』
Eさんは、うなずきました。
しかし、なかなかしもの世話や身の回りのことを看護師にさせてくれません。
腕の力だけでベットから動こうとしたりさえします。
しかも、ナースに文句は言う口だけは元気です。
そんなある日、奥さんが私の元にやってきました。
『先生、あのひとよくなることはないですよね。
家で過ごすことはできませんか?』
『……、出来なくはないですけど、奥さんが大変ですよ。
奥さんや家族の方さえよければ、また往診してくれる先生が見つかれば出来ると思いますよ。』
Eさんの性格、その他を考慮すれば自宅療養がベストなのはわかるのですが、完全に寝たきりの状態で足さえ動かせなくなった今、正直、かなり自宅療養は厳しいと思われました。
ただ、奥さんは、
『あの人の性格はわかっています。
わたしが甘やかしたから、ああなった面もあるんです。
だから、がんばってみます。』
奥さんは相当な覚悟でいるようです。
『もう、うちで診れないと思ったらいつでも連絡くださいね。』
Eさんは、退院しました。
1ヶ月が過ぎようとしたある日、往診の先生から連絡が来ました。
Eさんが自宅で亡くなったと。
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Eさんのご冥福をお祈りします。
そして、奥さんのがんばりに心から敬意を表します。
『患者と医者をつなぐもの』も読んでね。
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