いろんな患者さんと出会います。
それは、医師として出会うわけですが
出会うことによってその患者さんの病気について勉強したりして医師として成長します。
研修医の頃は、すべてが勉強でした。
採血や注射の仕方、点滴の管のつなぎ方や分岐のさせ方、輸血、様々な手技など。
そして、病気そのものであったり症状であったり。
症状が病気に結びつかないものもある事も知りました。
そして、いろんな経験を積んで医者としての自分ができあがっています。
今までの経験のどれ一つかけても今の自分にはなり得なかったでしょう。
そして、今後も勉強の積み重ねです。
論文、学会などから仕入れる新しい知識も大切ですが、自身が患者さんから経験することも非常に大事なことです。
本当に様々な人たちが患者さんとなり、私と接してきました。
ただ、風邪を引いただけの人から心筋梗塞で意識のない状態でやってきて助かった人もいますし、そうでなかった人もいます。
まあ、そんな緊急を要するような仕事をしていたのは、医者としての最初の頃だけなんですけど。
そのときの経験も非常に役に立っています。
また、その患者さんの考え方や生き方などをみて人間として成長します。
当たり前ですが、世の中にはいろんな人がいます。
誰でも病院にかかることがあります。
今まで、病気になったことのない人から、小さいときから持病があり病院にかかっていた人まで。
お金持ちもいれば、貧乏な人もいる。
若い人も病院に来ますし、超高齢者も来ます。
神経質な人も来れば、いい加減な人もいます。
仕事も様々です。
普通の会社員、主婦、経営者、農業、新聞屋さん、派遣社員、、、、、挙げればきりがありません。
中には、誰もが知っているような会社のトップの方などもいました。
家族との関係も様々です。
我々医療スタッフにはヘコヘコしていても家族の前では偉そうだったり。
その逆もあったり。
仕事を始めて、いろいろな人に出会い、非常に勉強になりました。
自分で、『いい勉強になった。』とか感じた場合に『人生いろいろ』にあげています。
医師以外の職種ではここまでいろいろな人たちと出会うことはないでしょうから。
本当にこの仕事をしていて良かったと思います。
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久しぶりにがんの話題です。
多くのがん種にTMN分類が用いられています。
がん診療で大切なことは、診断です。
診断にもいろいろありまして、まずがんかそうでないかを判断しないといけません。
がんと判断できたら確定診断がついたといいます。
肺がんをはじめ多くのがん種では、組織や細胞をとってきて染色をして顕微鏡でみて悪性細胞であればがんと診断されます。
確定診断がついてもすぐに治療にはいるわけではありません。
どこにあるのかや、どこまで広がっているのか、遠隔転移はあるのかなどを考慮しなければ最適な治療方針はたちません。
ある程度経験を積んだ医者なら、同じ状態の患者さんなら同じような治療方針をたてたれる必要があります。
その為にTMN分類があります。
その分類に従うことによって、日本のどこでも同じような治療が可能になるのです。
Tは、腫瘍(原発巣)のひろがり
Nは、リンパ節へのひろがり
Mは、遠隔転移
を表してそれらを組み合わせることによって病期分類がなされます。
1期の肺がんとか3期とか4期とかに分類されるわけです。
肺がんなら2期までが手術、3期は抗がん剤と放射線を組み合わせた治療、4期は抗がん剤治療が標準的な治療です。
もちろん、分類が微妙なケースや施設によって若干の方針が異なる場合もありますが、多くの場合は同じです。
その分類が来年からかわります。
詳しくは『肺癌取り扱い規約』なるものがありそれに詳細が書いてあります。
ちなみに第6版は200頁を超える厚さです。
来年からは第7版ということになります。
どう変わるかというと大きさでの分類が細かくなります。
今までは、T因子(腫瘍本体)の大きさが3cm未満と3cm以上で分類していたのが2cm未満、2cmから3cm未満、3cmから5cm未満、5cmから7cm未満、7cm以上と従来、2ランクに分類されていたのが5ランクに分けられるようになるのです。
この変更によって今まで1期だったものが2期になったり、2期だったものが3期になったりします。
もちろん、多くは今までと同じ分類なのですが。。。
また、今までは悪性細胞を伴う胸水を認めても遠隔転移がなければ3期だったのですが、4期に分類されるようになりました。
それと大きな違いがリンパ節の番号が変わることです。
今までよく3番とか7番リンパ節がといっていたのですが、3番リンパ節がなくなりました。(正確には3pとかで残っているのですが頻度が非常に低くなります。)
今まで3番だったところは4番になって4Rとか4Lとか(RLは右、左という意味です)になってしまいます。
ややこしいんですけど、世界で統一されたのでいいことなのでしょうね。
今までよりもかなり細かく分類されるようになるように感じます。
どうしてこのような変更が行われるのかおわかりですか?
これは、今の病期分類でのデータを解析して同じような予後の見通しがもてるグループに分類しなおしたのです。
もちろん、今までも同じような予後のグループとして病期分類が行われていたのですがそれがさらに的確にするために細かく分類されたと理解するのが正しいでしょうか。
ちなみに、日本を含む19カ国、10万人の患者さんのデータをもとに作られたそうです。
どうです。
良さそうに感じるでしょう。
でも、実際に新しい分類で診断して、治療をしてみてそれで新しい分類が優れているかどうかの評価をしなければなりません。
そうしているうちに新しい事実が判明してもっと優れた分類法がみつかったりすることもあります。
そうすれば、第8版が作られるでしょう。
ただ、あまりに細かくまた、先進的すぎる分類だと困ることがあります。
基本的には、世界共通ですので医療資源が豊富にある地域は分類が簡単に行えるけれども、そうでない地域では正確な病期分類が難しくなる可能性があります。
そうすれば、各国同士の比較が困難になるのです。
もちろん、好ましいことではありません。
それと、もう一点。
このブログでも分子標的薬について何度か説明しています。
分子標的薬は、効果のない患者さんと効果のある患者さんが特定の検査でわかることがあります。
非小細胞肺がんのEGFR遺伝子変異や乳癌のハーセプテストなどのバイオマーカーといいます。
それがわかることにより治療方針が変わることがあるので今後は、そのような情報が病期分類に取り入れられていくでしょう。
さらに進んでいけば、病気のひろがりよりもバイオマーカーが病期分類の中心となってくる可能性さえあります。
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いやー、こんな話題も久しぶりでしたね。
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最近、血圧を自分で測ることはほとんどなくなりました。
呼吸器を主に診ていますので血圧の重要度は低いのです。
必要であっても看護師が測定した値を見たり、外来においてある自動血圧計の値を持ってきてもらったりしています。
そんなの医者が測るべきと思われる方もいるかも知れませんが、診察室でたまに測る血圧よりも家庭でいつもどれくらいの血圧であったかのほうが大事です。
まあ、前置きはそんなところで。
血圧を測るとき腕をまくりますよね。
でも、中には下着はまくらなかったり場合によってはセーターをまくらずに測ろうと腕を出す方がいらっしゃいます。
それでは正確に測れません。
血圧は音で測っているので素肌より服を着ていた方が聞こえにくいのです。
また、服の厚みで圧力がかかりにくくなったりしてでしょうか。
右腕に着けたカフの内側には、以下の厚みの布を巻き込んで測定し、左腕の測定値をコントロール値として、布(衣服)の影響をみた。血圧の左右差は、布を巻き込まずに測定した値で補正した。
0.2mm厚のシャツ
1mm厚のトレーナー
2mm厚のニット+0.2mm厚のシャツ(ニット薄)
4mm厚のニット+0.2mm厚のシャツ(ニット中)
7mm厚のニット0.2mm厚のシャツ(ニット厚)
膜型聴診器を皮膚に密着させて測定した場合、左右の測定値の差(mmHg)は上記5パターンの順に、収縮期血圧で0.9±3.2、0.2±2.9、0.8±3.0、3.4±3.8、4.9±2.7で、ニット中とニット厚はコントロール値に対して有意に高い血圧値となった。
やはり、厚手の方が差が出やすいんですね。
みなさんも血圧を測るときは服を巻き込んで測ることのないようにしてくださいね。
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最近、TBSがひどいと感じます。
市橋容疑者を乗せた車の警備を突き放し公務執行妨害で逮捕されたのもTBSの社員でした。
ゴルフの試合中に取材用のカートで詩とをはねたのもTBSでした。
しかも、前日に主催者側から注意されていたらしいのです。
http://www.j-cast.com/2009/11/30055062.html
石川選手がらみでは、ヘリコプターが近づきすぎて試合中断させたこともありました。
また、試合中の発言を盗聴しようとしたりしていました。
両方ともTBSです。
また、内藤・亀田戦でも『内藤×亀田戦の舞台裏でリングアナがTBSに激怒 』とあります。
>29日夜に行われた内藤大助(35)vs亀田興毅(23)のプロボクシングWBCフライ級タイトルマッチの舞台裏で、中継局のTBSが判定の採点内容を読み上げないよう、リングアナウンサーに指示していたことが分かった。
スポーツをいったい何だと考えているのでしょうか?
またこんなサイトもあります。
内容を見ると本当にひどいですね。
そういえば、『坂本堤弁護士一家殺害事件』もTBSでしたよね。
正直、放送免許剥脱して欲しいと思います。と思ったら、そんなアンケートがありました。
ここでは、9割を超える方が剥奪した方がいいと考えているようです。
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そういえば、毎日新聞もいろいろ話題を提供してくれましたね。
新聞の時代は終わりました。
テレビの時代も終わろうとしています。
そんなときに、こんな事ばかりしていては自分の首を絞めているだけなのに。
いったい何を考えているのでしょうかね。
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先日、『日本の医療費』についてのエントリーをあげました。
これと似たような話があります。
『ノーベル賞受賞者・フィールズ賞受賞者、「事業仕分けに対する緊急声明」』
資源のない我が国が未来を持つためには、「科学技術創造立国」と「知的存在感ある国」こそが目指すべき目標でなければならない。この目標を実現するために、苦しい財政事情の中でも、学術と科学技術に対して、科学研究費補助金を始め、それなりの配慮がなされてきた。このことを私たちは、研究者に対する国民の信頼と負託として受け止め、それに応えるべく日夜研究に打ち込んでいる。
学術と科学技術は、知的創造活動であり、その創造の源泉は人にある。優秀な人材を絶え間なく研究の世界に吸引し、育てながら、着実に「知」を蓄積し続けることが、「科学技術創造立国」にとって不可欠なのである。この積み上げの継続が一旦中断されると、人材が枯渇し、次なる発展を担うべき者がいないという《取り返しのつかない》事態に陥る。
現在進行中の科学技術および学術に関する予算要求点検作業は、当該諸事業の評価において大いに問題があるばかりではなく、若者を我が国の学術・科学技術の世界から遠ざけ、あるいは海外流出を惹き起こすという深刻な結果をもたらすものであり、「科学技術創造立国」とは逆の方向を向いたものである。
学術と科学技術に対する予算の編成にあたっては、このような点検の結論をそのまま反映させるのではなく、学術と科学技術の専門家の意見を取り入れ、大学や研究機関運営の基盤的経費や研究開発費等に関する配慮を行い、将来に禍根を残すことのないよう、強く望むものである。
ただでさえ、日本の教育費は医療費と同じように絞られています。
http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/3950.html
こんな状況で研究費をけずれば医療と同じようにズタボロでしょうね。
しかし、この国は目先のことしか考えてないんですかね。
ため息が出ます。
もっと、将来を見据えてお金の使い方を考えて欲しいものです。
もし、どうしても削りたいなら他にも削るところがあるでしょう。
例えばJAL。
こんな時に、なぜ税金をつぎ込まないといけないのか?
アメリカの会社が支援をと手を挙げているではないのですか?
任せたらいいんじゃないですか?
何か問題でもあるんでしょうか?
地方空港も存続しておくだけでどれほどの赤字を生み出すのでしょうか?
聞いた話ですけど、地方空港の整備会社などが天下り法人でどんな仕事にせよそことの契約が他の水準からしたら高額でそれがJALの赤字の原因となっているとのこと。
おそらく、外資系と提携させずに税金をつぎ込もうとしているのは外資が入ればそのような天下り法人との契約が一番無駄なことにすぐ気がつかれて契約更新しないからだろうとのことです。
JALの現場で働いている人間は、結構削られているらしいですよ。
もし、このまま税金がつぎ込まれたら、天下り法人がぶくぶく太ることになるようです。
JALに税金投入は本当にやめて欲しいものです。
確かに、日本は大きい国ではないので飛行場は今ほどいらないでしょう。
本州なら陸路でいいのではないでしょうか。
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少し前に韓国の射撃場で火災があり何人もの日本人の命が失われました。
何日か入院して治療に当たったのですが、結果的に亡くなられた方がいました。
そして、こんな記事が
>韓国釜山市の室内射撃場火災で大やけどを負って同市のハナ病院に入院し、22日に死亡した長崎県雲仙市の中尾和信さん(37)の遺体を家族に引き渡す際、同病院が雲仙市に約1千万円の治療費の支払いを保証するよう要求していたことが27日、分かった。
まあ、支払いを保証というのはひどい話ですが保険がないとその程度の治療費がかかると思います。
正直、日本の医療費世界でもかなり安いレベルだと思います。
コメントで医療費が高いとのコメントをいただきましたが、世界で高いといわれているアメリカではどの程度かかるのかみていきましょう。
アメリカでは初診時に診察費として7000円から8000円程度が一般的といわれています。
また、急性虫垂炎での入院も1日で100万円以上の請求がくるそうです。
日本では、1週間の入院で50万円程度でしょうか?
特に手術代金が開腹手術で6万円ほど、内視鏡を使った手術で19万円ほどで安く抑えられています。
しかも3割負担ですので15万程度の請求で、高額医療制度があるので7万円ほど戻ってきます。(収入により異なりますが)
実質、8万円程度の自己負担ですみます。
もう一例ありました。
この中で
>急ぎサンノゼの病院に運び込まれ「大腸切除術」の手術を受けた。入院は10日間にも及んだ。手術後、請求金額の見当がつかずドキドキしていたが、後日、請求書が来ると、医療費の請求額は全部でなんと12万2000ドル(当時の為替レート、123円換算で約1500万円)だった。
とあります。
日本の医療費は安いと思いませんか?
韓国の医療費は知りませんが当然保険のない状態なら全額自己負担ですので、1000万円の請求は不思議ではありません。
おそらく、助かるかも知れませんので最高級の医療を提供したのでしょう。
日本国内なら、同じ治療でいくらかかるのでしょうか?
やけどの専門家でないのでわかりませんが、おそらく半額以下の治療費で可能かと思います。
仮に半額の500万円とすれば自己負担は150万円です。
しかも、高額医療制度で90%以上かえって来ると思います。
それほど、国が決めた診療報酬で安く抑えられているのです。
それでも日本の医療費は高いと思いますか?
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ちなみにアメリカでの医療費
虫歯の治療費1本5万円
出産費用 150万円
集中治療室料 1日100万円
だそうです。
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以前から、紹介しないといけないと思いつつ今まで紹介できなかったものがあります。
とうとう、書籍化されましたので遅ればせながら紹介させていただきます。
それは、『妊娠の心得11か条』です。

『産科女医からの大切なお願い』←楽天に飛びます
もう、ご存じの方も多いと思いますけど。
転載自由ですので堂々と転載します。
1.セックスをしたら妊娠します。
この世に100パーセント避妊する方法は、セックスをしない以外にありません。(ピルですら100%ではありません。でも、もちろん避妊することは望まぬ妊娠を大幅に減らすことが出来るので、妊娠したくない人は必ず避妊しましょう!!)
日頃セックスをしているなら、常に妊娠の可能性を考えましょう。
そして、子供が欲しいと思っているなら、赤ちゃんの神経系の病気(二分脊椎など)を防ぐために葉酸のサプリメントを飲みましょう。(1日0.4mg)
2.「この男の子供を産むためなら死んでもいい!」と思うような男の子供しか妊娠してはいけません。
妊娠出産は何が起こるかわかりません。妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症)、妊娠糖尿病など、妊娠にまつわる病気になるかもしれません。また、お産も体にとっては大きな負担となります。
毎年、約60人の妊婦が出産で死亡しています。あなたが生きて出産を終える保証はどこにもありません。
妊娠をするにはそれなりの覚悟が必要ですよ!
(妊娠はよく考えて、覚悟を持って!、というたとえでシングルマザーなどの選択を否定するものではありません。)
3.妊娠しただけでは喜ばない。安易に他人に言わない。
妊娠が非常に初期に診断されるようになってから、妊娠初期の流産が15%以上と非常に多いことがわかりました。
最低でも妊娠4ヶ月に入るまでは手放しで喜んではいけません。職場で仕事を軽くしてもらいたいと上司にお願いするなど重要な時だけ人に言いましょう。
出来ることは赤ちゃんを信じてあげることだけ。
また、運悪く15%に入っても、あなたのせいじゃありません。不必要に自分を責めないでくださいね。
4.神様から授かったら、それがどんな赤ちゃんでも、あなたの赤ちゃんです。
この世に完全に正常な人間なんていません。重いものから軽いものまでいろんな障害を持って生まれてくる赤ちゃんもたくさんいます。
妊娠中に診断できる異常はごく一部。中には幼児になってからわかる異常もあります。
誰しも自分の赤ちゃんが正常だという保証のもと、出産することなんて出来ません。
親になるということは、どんな赤ちゃんが生まれても自分の子供として受け入れることです。
5.産む、産まないは自分たち夫婦で決めましょう。
とはいえ、妊娠中に赤ちゃんの異常や、もしかしたら異常があるかもしれないというサインがあると主治医に告げられるかもしれません。
それが中期(妊娠21週まで)であれば、望んだ妊娠であっても異常の程度によっては中絶という選択肢が出て来る場合もありますが、あくまでも夫婦二人でよく話し合って決めましょう。価値観や考え方は人それぞれ。大事なことは責任を持って自分たちで決めましょう。(大事なことを責任を持って決められる大人になってから妊娠しましょう。)
また、このことについては妊娠前から二人で話し合っておくべきです。
6.かかりつけ医をもちましょう。
当然ですが、ちゃんと妊婦健診を受けましょう。
きちんと初期に超音波で予定日を決めること、HIV、B型肝炎、血液型、梅毒などの初期検査を受けることは、妊娠中に管理方針を決めるのに後々重要であったり、あなたの赤ちゃんを守ったりするために必要です。また妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症)の早期発見には欠かせません。
もしあなたにお金がなくても、自治体が発行する母子手帳には最低限の妊婦健診を受けるためのチケットがついていますし、分娩費用も援助してくれる制度があります。
また、産科医不足からお産を出来る場所が限られています。妊娠が分かったら、病院などに早めに問い合わせてお産をする場所を確保しましょう。里帰りしようなどと思っていても、受け入れてくれる場所がないかもしれません。
7.赤ちゃんは全ての運命をあなたに預けていることを忘れないで。
赤ちゃんは栄養や酸素など、生きて成長するために必要なものを全てあなたに依存しています。お母さんが煙草やお酒など赤ちゃんにとって毒となるものを摂取すると、胎盤を通して赤ちゃんに移行します。
体型を気にして、妊娠中にダイエットをするなどはもってのほか。(妊娠前に標準的な体重だった人は9〜12キロ体重を増やさなくてはいけません。)
煙草が我慢できないような人は、お母さんになる資格はありません。
また、「出産したら遊べなくなるから」と旅行をするのもいいですが、何かあっても後悔しない程度に。旅先で何かあってもすぐに診てくれるところがあるかは最低確認を。
おなかの赤ちゃんのために時には自己犠牲を払うことも覚悟の上妊娠しましょう。
8.赤ちゃんが完全に元気であるか分かる方法はありません。
胎児心拍のモニターや超音波など、赤ちゃんが元気であるか評価する検査はありますが、どれも完全ではありません。
予定日を目前にお腹の中で突然死をしてしまう赤ちゃんもいます。もし動きが少ないと思ったら病院へ。
無事に産まれるまでお母さんも赤ちゃんも安心できないのが妊娠なのです。毎年5000人以上の赤ちゃんがお産の間際や生まれてすぐに死亡しています。
また、脳性麻痺になる赤ちゃんがいますが、その90%は分娩前にすでに原因があり、分娩を機に脳性麻痺になる赤ちゃんはわずか10%であることも知っておきましょう。
9.出産は出来うる限り安全な場所でしましょう。
妊娠経過にどれだけ異常がなくとも、出産の時に赤ちゃんやお母さんが急変することは誰にでもありえます。
専門家が考える安全な場所とは、緊急時に、高次の医療機関(産科医と新生児医と麻酔医が揃っていて、帝王切開や未熟児医療ができる体制)か、そこへすぐ搬送できるくらいの近さの産院です。
部屋がきれいだから、ご飯がおいしいから、好きな姿勢で産めるから、上の子を立ち会わせたいから・・
そんな理由で緊急時の安全性が劣る産院を選ぶのはおすすめしません。
もちろん、納得の上でなら構いませんけれども。
お産をなめてはいけませんよ。
(残念ながら現在産科医不足のため、妊婦さん全員が安全性の高い病院を選ぶとパンクしてしまいます。だから、リスクの低い妊婦さんには高次の医療機関ではなく開業の産婦人科を選んでもらわないといけない場合も多いです。でも、最低でも産婦人科医立会いの下お産しましょう。)
10.下から産んでも、お腹から産んでも、あなたはお母さん。
人によっては骨盤位(逆子)などの理由ではじめから帝王切開をしないといけない人もいます。また、陣痛が来て頑張っても、下から産まれなくて帝王切開をしないといけない人もいます。
どんな出産になっても、あなたが身を削って赤ちゃんを産んだことには変わりありません。
帝王切開で産むと子供の性格が悪くなるとか、親子の愛情が無くなるとかいう悪意に満ちた色々な妄説に惑わされないで。
あなたと赤ちゃんにとって一番安全な方法でお産をしましょう。
11.妊娠・出産は一つとして同じものはありません。
妊娠・出産を経験すると、自分が何でも知ってる気になってしまう人がいます。年配のご婦人で「私のときはこうだったわよ」のように先輩面をする人もよくいますよね・・
でも、一つとして同じ妊娠・出産はありません。
同じ人が次にまた妊娠しても、同じようになるとは限りません。
自分の経験を別の人や別の妊娠にあてはめないようにしましょう。
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また、お知らせもありますので紹介します。
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産婦人科医のLUPOこと宋美玄と申します。
「産科女医からの大切なお願い~妊娠・出産の心得11カ条~」という題名で、無双舎より発売されました。
昨年11月に、私のブログである「Yahoo!ブログ LUPOのぶらぶら地球紀行」に、「妊娠の心得11カ条」を作って載せたところ思わぬ反響があり、インターネットのニュースや雑誌に取り上げられ、無双舎より書籍化のお話をいただいたという次第です。
拙ブログに載せた「妊娠の心得11カ条」とは以下のようなもので、産婦人科医ならばだれも当たり前と思うような内容です。これに長すぎぬよう解説を加えていました。
この心得を作ったきっかけは昨年秋、脳出血を起こした妊婦さんが、受け入れ先がなかなか決まらず、結果的に命が助からなかったという報道を見たことでした。私たち産婦人科医からみると妊娠中の脳出血はそれだけで非常に予後の悪いものですが、私には報道が「受け入れ先がすぐに見つかりさえすれば命が助かった」と視聴者を誤解させてしまうもののように感じられました。そのため、妊娠出産は本来リスクを伴うものだということを理解してもらいたいと思い、この心得を作りました。
現在日本では産科医の不足が社会的問題となっています。これにはいろいろな原因がありますが、その一つに、「妊娠出産は安全で当たり前。何かあったらミスではないか。」という非医療者の認識が、現場の医療者のやりがいを失わせ、ストレスとなっていると日々の診療で感じていました。また、妊婦さんに専門知識がないばかりに的外れなことで悩んでいるとも感じていました。そのため、正しい知識の啓蒙が医療者にとっても非医療者にとっても必要だと思い、作成しました。そして、周産期を専門とするベテラン医師たちから非医療者の方々まで幅広く共感を得ることが出来ました。
(21世紀医療フォーラムで取り上げていただきました→http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/gdn/report/200905/510824.html)
ブログ版の心得は医療者である私からの心得を一方的に述べたものでした。その後私は日本の臨床を一時離れ、ロンドンに胎児超音波と胎児治療の勉強のために留学したため少し客観的に見ることができました。また、身近な人の妊娠・出産・子育て、さまざまな立場の人の意見やこちらのメンバーの方々からいただいた体験談(ほとんどそのまま載せさせていただいたものもあります)に触れることで、より非医療者側に立った視点で見つめなおすことが出来たと思います。より非医療者の方々の共感を得られやすい内容で、非医療者と医療者の架け橋の助けとなるようなものが書けたと自負しています。ブログ版に共感してくれた方も、ちょっとどうなのと思った方も、知らなかった方も、是非ご一読ください。
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