先日、『若者よ、インフルエンザに大いにかかれ〜21世紀型医療は「自分で治す」〜手を洗うな、マスクはするな、キスをしよう』
の記事を紹介させていただきました。
新潟大学の安保先生はこの記事を読んでもまだ、自分の説を声高に主張するのでしょうか。
『カナダとメキシコでICUに入院した新型患者の多くは若年成人
急速に呼吸器症状が悪化、多臓器不全も進行』
いずれの論文も、2009 H1N1感染によりICUに収容される人々の多くが、ワクチン接種方針において優先順位が最も低い60歳までの比較的健康な成人であることに触れ、「呼吸不全が急速に悪化し、通常の機械的人工換気では低酸素血症がなかなか改善せず、人工換気を12日程度必要としたことに注意しなければならない」と述べている。さらに、極めて重症な患者が死を回避できるかどうかは、担当医の、呼吸管理と補助的な治療の能力に依存する可能性がある、という。
まずは、カナダの報告から
研究期間に極めて重症になった患者は、2009 H1N1確定例162人と可能性例6人の計168人(平均年齢は32.3歳、67.3%が女性)。うち50人(29.8%)が小児患者で、60歳超はわずかだった。成人患者のAPACHE IIスコアの平均は19.7、小児ではPRISM IIIスコアの平均は9.1だった。
受診時に98.2%(165人)の患者が何らかの併存疾患を持っていたが、主要な併存疾患を有していたのは51人(30.4%)。最も多く見られた併存疾患は慢性肺疾患(41.1%)、肥満(BMI 30超、33.3%)、高血圧(24.4%)、喫煙歴(22.6%)、糖尿病(20.8%)、免疫抑制状態にある(19.6%)、神経疾患(15.5%)、心疾患(14.9%)、妊婦(7.7%)など。
受診時に多く見られた症状は、発熱(90.5%)、呼吸器症状(94.6%)、虚弱感(55.9%)、筋痛(40.1%)など。
さらに、受診時に両側の肺炎の疑いがあった患者が54人(32.1%)、昇圧薬が必要な低血圧だった患者が23人(13.7%)、喘息または慢性閉塞性肺疾患(COPD)の増悪を示していた患者が23人(13.7%)、意識レベルの変化が認められた患者が17人(10.1%)いた。また、急性腎障害が12 人(7.1%)、虚血性胸痛は5人(3.0%)に見られた。
これらの患者は発症から中央値4日で受診していた。しかし病状はその後速やかに悪化し、中央値1日後(0〜2日)にはICUでの治療が必要になった。
極めて重症になった時点で、70.8%の患者の両側肺野に浸潤影が見られ、72.6%は急性肺損傷と診断された。
136人(81.0%)が機械的換気を必要とした。ICU収容当日に機械的換気が必要となった患者が136人(81.0%)で、うち81人に当初から侵襲的な換気が用いられた。当初は非侵襲的な換気を適用された患者が55人いたが、うち47人はその後侵襲的換気を必要とした。
薬物療法はほとんどの患者に行われており、ノイラミニダーゼ阻害薬は90.5%、抗菌薬は98.8%、ステロイドは50.6%の患者に投与されていた。
ICU入院後に2次性の細菌性肺炎を起こした患者は41人(24.4%)いた。
28日死亡率は14.3%(24人)だった。最初の14日間に10.7%(18人)が死亡していた。90日死亡率は17.3%(29人)。死亡者の 72.4%(21人)が女性で、男性は8人(27.6%)のみ。極めて重症となった50人の小児のうち死亡は4人(8.0%)に留まった。
ICU入院期間の平均は12日(5〜20日)。生存者のICU入院期間は平均12日、死者では10日だった。
機械的人工換気を必要とした期間の平均も12日(6〜20日)で、生存退院者と死者の間に差は無かった。
死亡者29人(平均年齢42歳)と生存者(139人、30歳)のベースラインの特性を比較したところ、有意な差が見られたのは、年齢(p=0.007)、 APACHE IIスコア(26と18、p<0.001)、1日目のSOFAスコア(8.4と6.4、p=0.01)などだった。性別、BMI、発症から入院までの期間などは、死亡/生存というアウトカムに有意な影響を与えていなかった。
ほぼすべての患者に対して抗ウイルス薬の投与が早期に開始されていたため、抗ウイルス薬使用の有無や投与開始時期とアウトカムの関係を評価することはできなかった。
次にメキシコから58人(6.5%)の報告
58人のうち確定例が29人、可能性例が14人、疑い例は15人。年齢の中央値は44.0歳(10歳から83歳、53.4%が女性)。成人患者の APACHE IIスコアの平均は20.1だった。小児患者は2人のみ(10歳と14歳)で、PRISM IIIスコアの平均は6.5だった。
何らかの併存疾患を1つ以上持っていた患者は49人(84.5%)。最も多く見られたのは肥満で、BMI 30超が21人(36.2%)いた。続いて喫煙歴ありが20人(34.5%)、高血圧が15人(25.9%)、糖尿病が10人(17.2%)など。呼吸器系の併存疾患を有していた患者はわずかで、COPDが2人、喘息も2人だった。
58人全員が発熱を示し、57人(98%)に呼吸器症状(咳、呼吸困難、喘鳴)があった。全身虚弱感が41人(71%)、筋痛が35人(60%)、頭痛が33人(57%)、消化器症状(悪心、嘔吐、下痢)が18人(30%)に見られた。
症状発現から入院までの日数の中央値は6日、入院からICU収容までの日数の中央値は1日だった。
54人が、重症の呼吸窮迫症候群と難治性の低酸素血症により機械的人工換気を必要とした。32人が侵襲的換気、6人が非侵襲的換気、16人がこれら両方の適用を受けた。
95%の患者が抗菌薬、78%がノイラミニダーゼ阻害薬、69%がステロイド投与を受けていた。
60日間の死亡率は41.4%(24人)。小児2人はいずれも生存した。多くは極めて重症になってから2週間以内に死亡していた。4人が救急部門での死亡で、うち3人は到着から8時間以内、1人が24時間以内の死亡だった。
28日間では23人が死亡。主な死因は呼吸不全だった。それ以降60日までの死亡は1人だけで、死因は多臓器不全だった。
生存者のICU入院期間は13.5日、死亡者のICU入院は7.0日だった。機械的人工換気の適用期間は生存者が15日(8〜26日)、死亡者が7.5日(3〜13.5日)だった。
死亡者(中央値39歳)と生存者(45歳)を比較すると、死亡者は、受診時により重症(APACHE IIとSOFAスコアが高い)で、動脈圧が低く、腎不全と肝不全が認められ、低酸素血症が進んでおり、クレアチニンキナーゼレベルとクレアチンレベルが高く、臓器不全が進行中だった。
メキシコでは、ノイラミニダーゼ阻害薬は生存の可能性を有意に高めていた(オッズ比7.4、1.8-31.0、p=0.006)。
カナダとメキシコでは、極めて重症と判定された患者の多くが、比較的健康な若い成人だった。ほぼすべての患者が発熱と呼吸器症状を示して入院し、その後急速に極めて重症な状態まで呼吸器症状が悪化、多臓器不全も進行した。多くの患者に10日以上にわたって機械的人工換気を適用されたが、低酸素血症は難治性を示した。
だんだんと新しいことがわかってきた状態です。
ほとんどの方(90%ほど)が併存疾患を持っていたのですが、併存疾患の中には肥満、喫煙歴、高血圧なども含まれています。
カナダの報告で主要な併存疾患は30%とあります。
ということは、新型インフルエンザで非常に悪くなった人の7割はごく普通に日常生活を送っていたであろう人です。
しかも、90%タミフルが使用されています。
それでも悪くなるときは悪くなるのです。
もう一度考えてみてください。
>安保教授は言う。「これだけ流行し始めた新型インフルエンザで毎日、何人が亡くなっているか。その数字を見ただけでも、毒性が弱いことははっきりしています。ここは効果がほとんど期待できないワクチンに頼るのではなく、自分の力で解決すべきです」。
安保先生の主張を信じますか?
信じない方人気blogランキングへクリック宜しくお願い致します。
良心のある新潟大学の先生方、本当にこのままでいいんですか?
『患者と医者をつなぐもの』も読んでね。
固定リンク | コメント (2) | トラックバック (0)
| 日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 2 | 3 | 4 | |||
| 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 |
| 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 |
| 19 | 20 | 21 | 22 | 23 | 24 | 25 |
| 26 | 27 | 28 | 29 |
コメント
コメント一覧
でも、特に疾患のなかった方でも新型インフルエンザで亡くなった例も出ました。弱毒性といっても、全員にとってというわけでもなく、用心するに越したことはありません。
すっごいバルーンの上げ方だと思いますた。。。
さてさて、本当にどうなるかはまだ誰にもわかりません。
情報を多く持っている方の予想が一番真実に近いと考えられますが、本当にどうなるのでしょう。
マスクは、5月よりも今した方がいいにもかかわらず、5月より圧倒的に少ないです。
5月のヒステリックな状況はやりすぎですが、今、もう少し気をつけた方がよいかと思います。
コメントを書く