ではでは、早速続きに参りましょう。
第11条 病人への接し方
1 人は喜怒哀楽を常とし、腹を立てるなど、知らずと悪を重ねてしまうものです。まして病に苦しむ病人については、そうしたたしなみに欠けていると誤解したり、偏見や差別の目で見てしまうものです。ですが、ここは病の仕業と思い、たとえ、病人の態度が悪かったとしても、腹を立てて怒らないように気をつけてください。そういう時こそ親切で優しい心で接してあげるべきでありましょう。
2 物事の善悪について直接言葉で表現するよりも、目配(めくば)せによって行なう方が好ましい時もあります。できる限り、良いことも悪いことも、病人の思いに沿ってさしあげられるようお努めください。
3 病人が言うことを聞かなくとも、無理に聞かそうとしたり、怒ったり、恨んではいけません。
4 このことは何も病人に限ってのことではなく、日頃の自分達の生き方とも深く関わります。生涯にわたって身を慎むべきことでしょう。
5 いずれにせよ、心が乱れることによって再び迷いの世界(この世)に戻ることのないよう、そうした原因を的確に取り除いて、死を安らかに迎えられますよう接することが肝心かと存じます。
>環境をよくしてせん妄などを起こりにくくしようということでしょうね。
第12条 守秘義務
1 常に病人は夢で見たことや現実に思ったことを隠さず看病人に話す方がよいでしょう。また、病人から話さないのなら、こちらから丁寧に尋ね聞くことをおすすめいたします。
2 その話の内容が悪いときには一緒にお念佛などでし懺悔し、慰め、勇気付けてさしあげます。あるいは良い話のときは、一緒に喜びを共有なさってください。
3 善悪を問わず、他言しないよう心掛けてください。
>この時代から守秘義務の話があるとは、ビックリです。
第13〜15条 死の準備教育 念佛のありかた
4 その他には、『浄土三部経』や先ほど紹介した善導大師の『五部九巻』の中に示された臨終に関する言葉なども、常に耳元でお念佛するとともにお聞かせするようにして、心乱れる原因を取り除いて、死を安らかに迎えられますよう接してください。
2 いずれにしても、「まさにこの時にこそ、この苦しみが一切なくなり、み佛のお迎えによってこの上もない素晴らしい死後の世界が訪れるのだと心から念じ、そこに往きて生まれるのだと信じるべきです。だから決してそのことを忘れて、心乱してはいけないのです。今日まで信仰してきたお念佛の功(功徳)はここでまさに発揮されるのです。み佛は決してあなた1人を漏らすことなく、極楽浄土へ導くために迎えに来てくださいます」と言って、どれほどの苦しみがあろうとも病人を常に励まし、勇気付けてさしあげてください。
1 病人に訪れる臨終の時の心掛けは、み佛による「今まさに臨終を迎えようとなさるお方のもとに、慈しみの心をもって来て下さる」というお誓いをひたすら頼みとし、信じ、仰ぎ願うことでございます。すなわち、「日頃から積み重ねてきた信仰によって臨終の枕辺には必ずみ佛が姿を現され、迎えに来てくださり、やがて静かに心安らかなうちに息を引き取れます」と、お心得おきください。ですから、日頃からそうした事柄をしっかり願い描いておくことが大切でありましょう。お互いこのことをよく話し合うなどして忘れないようにしたいものです。
2 私達が往生するには、み佛のお救いのお力を借りなければならず、でなければ永遠に苦しみを繰り返してしまうことになりかねません。ですから、こうしたみ佛の救いの力を日々信じられるよう努めたいものであります。
3 その上で病人を常に励まし、勇気づけてさしあげてください。
>さすが、このあたりは宗教の一番得意とするところでしょうか。
第16〜17条 急変、苦痛時における看病人の対応
もし何かの原因で激痛に見舞われ、責められて心乱れだしたりした時には、これから往く世界の様子が思い描かれるような言葉を耳元でささやき、また、お念佛などして、心を穏やかに静まるようにおとりはからいください。
1 激痛に見舞われて気を失うなど、手に負えそうにもない時、「どうにもならない」と言って、見捨てるようなことをなさらないようにしてください。
2 どのような悪人も、時として出会いによっては改心して、生まれ変わることがあります。まして日頃からまじめに勤めを果たし生きてこられた方には、そのような場合、いつにもまして、いよいよ親切心、真心をもって包み込むように接してさしあげてください。もし、あなたが落ち着いてそのような行動をとられたなら、それは誠に尊いことであります。
3 最期を安らかにして息を引き取られますよう病人の願いをかなえてさしあげてください。
>患者さんが取り乱しても周りはとりみだすことなく、患者さんが落ち着くようにと言うことでしょうね。
第18条 臨終の看取り
1 病人の息耐える瞬間を見届けることは最も大切なことでございます。決して気を許してできることではありません。くれぐれもお気をつけください。
2 息絶える直前というものは人によって様々ではありますが、よく、苦痛がなくなり病状が回復したような錯覚をいたします。また、呼吸に変化があったり、意識がはっきりしてよく話すようになったりもします。時には、病人自身が「まさか、今、死ぬことはあるまい」などと言うことすらあります。特に病状が回復してきたととれるような変化については、勝手な解釈で看病を怠らないようになさってください。決して息絶える瞬間を見逃さないようにお努めください。
3 どこまでも安らかに息を引き取れるよう、また、み佛のお迎えがありますよう祈り、看護ってさしあげてください。
>本当に、医療を知らない人にでも理解しやすくなってますね。(当たり前ですけど)
第19条 死後の処置
1 病人の臨終が目前になろうとしている時、決して病人に触れたり、動かすことのないようになさってください。人生にとって最も大切な時を迎えているからです。わずかな空気の動きでも、心をかき乱してしまいます。ただ、「み佛が迎えに来てくださるのだ」という落ち着いた雰囲気で、より心が澄み渡るようにご配慮ください。
2 また、臨終の後もできるだけ同様にし、2〜4時間といったしばらくの間は、騒がしくしないようになさってください。
3 その間、この世界から次の世界である極楽浄土に往きて生まれるのでございます。さらに病人を静かに看護り続けてください。
読んだ感想は、本当に看護マニュアルだということです。
もちろん、仏教ですので宗教的な要素も入っており医学的なところから考えると違和感を覚える部分もあるのですが大きくは同意します。
本当に、500年以上前にこのようなマニュアルが存在したことに驚きを覚えます。
これを読んで落ち着いて看病が出来た方は多数いると思います。
すごく参考になりました。
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『患者と医者をつなぐもの』も読んでね。
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コメント
コメント一覧
小さいころは、母親に、
大人になってからは、持病&手術やら、怪我やらで、彼に、看病され...。
いつも患者役ばかりでした。
なので、看病する側の振る舞いがわからないです。。。
500年以上前のマニュアルだけど、
看病するって、結構難しい。
それで、いろいろ気をつけるようになったのですね。
患者さんは看病する人にどっぷり甘えていいと思いますよ。
甘えすぎたら注意されるかも知れませんが。。。
500年以上経過しても大きくは間違ってないと思いますから凄いものです。
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