それから、何ヶ月か経ったある日、Fさんは外来にやってきました。

『背中が痛いんです。』

『Fさん、骨に転移してるかも知れないし、ちゃんと調べないとはっきりしたことは言えませんよ。』

『痛み止めで様子を見たいんです。』

『わかりました。』

それから、1ヶ月後。

『痛みが強くなってきました。

でも、入院はしたくありません。』

『Fさん、背骨に転移していて神経を圧迫するようなことがあれば、両足麻痺することもあります。

また、膀胱直腸障害といっておしっことか便とかの感覚がなくなるかも知れません。

ちゃんと、調べましょう。

痛み止めの量の調節もした方が良さそうでしょう。』

『でも、入院は本当にイヤなんです。』

その日はかえられましたが、次に外来の時に家族に連れられてやってきました。

『尿と便の感覚なくなるのはイヤです。

入院します。

でも、1週間くらいで帰らせて欲しいんです。』

そんなこんなで、入院しました。

疼痛コントロールで麻薬の量や副作用対策の薬の調整をしながら、胸腰椎への転移の有無を調べました。

腰椎への転移がありましたが、麻痺を起こすようなものではなさそうです。

また、肺の原発巣もだいぶ大きくなっています。

Fさんとご主人さんに病状説明をしました。

そして、抗がん剤治療と骨転移に対する放射線治療をすすめました。

『先生、1週間って言ってたやん。

どんだけかかるの?』

『放射線は、外来でも可能ただし、毎日来てもらわないと。

アムルビシンという薬なら3日間連続で点滴して退院したらいいよ。』

『先生、ほんまにしんどくならん?』

『大丈夫やと思うよ。

前のしんどさの100分の1くらいやと思うわ。』

『しんどなったら、恨むよ。』

こんな感じでアムルビシンを3日点滴した後に退院しました。

幸い、本当に楽だったようで感謝されました。

さらに、効果もあり外来で3コースほど行いました。

肺の影も小さくなり、また外来で様子を見ていくこととなりました。

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また、続いちゃいます。


なかのひと

『患者と医者をつなぐもの』も読んでね。



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