少し前の話題ですが、今年のASCO(アメリカの腫瘍学会)でトピックとなる発表がなされました。
それは、『HER2陽性進行胃癌に対する1st-lineとしての標準化学療法+トラスツズマブ併用の第III相試験:ToGA試験』という演題でありToGA試験と呼ばれています。
簡単にまとめるとHER2と呼ばれるタンパクがたくさんがん細胞の表面にある胃がんの初回治療で標準的な治療とそれにトラスツズマブ(ハーセプチン)を加えて治療したらどうなるかを比べてみた試験です。
結果としてハーセプチンを加えた治療の方が成績がよかったんです。(生存期間を延長させた)
何が凄いかというと胃がんでもハーセプチンが効果があったということです。
ハーセプチンは分子標的薬であり、乳がん治療薬として使われています。
細かく言うと抗体薬です。(大分子化合物ですね。)
『分子標的薬の分類』でおさらいしてください。
乳がんの中でもHER2が陽性の患者さん以外はほとんど効果がありません。
そんな薬が胃がんでも効果がありました。
やはり、HER2が陽性の胃がん患者さんです。
ハーセプチンの作用を考えると当然とも考えられるのですけどね。
何が凄いかわかりましたね。
わかりませんか?
他にも卵巣がんなどがHER2が陽性のタイプがあるようです。
HER2が陽性の卵巣がんにも効果がありそうですよね。
もしそうだとしたら。。。。
今までは、乳がんは乳がんの治療
胃がんは胃がんの治療
肺がんは肺がんの治療
大腸がんは大腸がんの治療
…………
だったわけですが、胃がんでも乳がんでも肺がんでも腎がんでも
HER2陽性はHER2陽性の治療
○○陽性は○○陽性の治療
☆☆陽性は☆☆陽性の治療
となる時代が来るかも知れません。
その幕開けとなる発表なのかも知れません。
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本当にそんな時代になったら、本当の臨床腫瘍医が治療を行うべき時代なのでしょうかね。
『患者と医者をつなぐもの』も読んでね。
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コメント一覧
先日、保険屋をやっている友人から聞いたのですが、お金に糸目を付けませんというと、最新のがんの治療薬(保険適応外)を使ってくれ、末期からの生還を果たした人が居ると聞きました。
その患者を含め、当時8人入院して、生還した3人はみな、同じく金に糸目を付けなかったとか。 全部で500万ほどかかったそうです。
今の医療だと、そのような状況にあるということでしょうか。
だめだといっているのではなく、アメリカ並みに、持っている人は、最高の医療を受けるのだという現実だと理解しました。
はじめまして。
>末期からの生還を果たした人が居ると聞きました。
その患者を含め、当時8人入院して、生還した3人はみな、同じく金に糸目を付けなかったとか。 全部で500万ほどかかったそうです。
今の医療だと、そのような状況にあるということでしょうか。
正直そのようなことはないと思います。
例えば手術可能な方が手術を拒否して300万円以上かかる粒子線治療を受けるなどはあると思いますが、もともと治る見込みが低い状態ならお金を積んでも治る率はせいぜい数%上昇するだけでしょう。
まだ認可されていない薬を使う、肺がんならアバスチンを使って治療しても延命効果は平均1から2ヶ月です。
しかも、治療費すべて保険がきかなくなるので何百万もかかるのはありえると思います。
おそらく、お金に糸目をつけなかった人がたまたま早期のがんであったのだろうと思います。
なんてことはあると思います。
データはないですけどね。
がん細胞が数個から数百個ならどんなに検査してもわかりません。
ですのでその状態の時ならハーセプチンを使えば治る可能性は高いでしょう。
治らないまでも数を減らせば見つかるまでの期間は長くなるでしょうからね。
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