2009.07.23 13:24 |  診療  |  研究  |  仕事 / 職場  |  癌関連  |  よっしぃ  | 推薦数 : 0

がんの種類を超えた治療

少し前の話題ですが、今年のASCO(アメリカの腫瘍学会)でトピックとなる発表がなされました。

それは、『HER2陽性進行胃癌に対する1st-lineとしての標準化学療法+トラスツズマブ併用の第III相試験:ToGA試験』という演題でありToGA試験と呼ばれています。

簡単にまとめるとHER2と呼ばれるタンパクがたくさんがん細胞の表面にある胃がんの初回治療で標準的な治療とそれにトラスツズマブ(ハーセプチン)を加えて治療したらどうなるかを比べてみた試験です。

結果としてハーセプチンを加えた治療の方が成績がよかったんです。(生存期間を延長させた)

何が凄いかというと胃がんでもハーセプチンが効果があったということです。

ハーセプチンは分子標的薬であり、乳がん治療薬として使われています。

細かく言うと抗体薬です。(大分子化合物ですね。)

『分子標的薬の分類』
でおさらいしてください。

乳がんの中でもHER2が陽性の患者さん以外はほとんど効果がありません。

そんな薬が胃がんでも効果がありました。

やはり、HER2が陽性の胃がん患者さんです。

ハーセプチンの作用を考えると当然とも考えられるのですけどね。

何が凄いかわかりましたね。

わかりませんか?

他にも卵巣がんなどがHER2が陽性のタイプがあるようです。

HER2が陽性の卵巣がんにも効果がありそうですよね。

もしそうだとしたら。。。。

今までは、乳がんは乳がんの治療

胃がんは胃がんの治療

肺がんは肺がんの治療

大腸がんは大腸がんの治療

…………

だったわけですが、胃がんでも乳がんでも肺がんでも腎がんでも

HER2陽性はHER2陽性の治療

○○陽性は○○陽性の治療

☆☆陽性は☆☆陽性の治療

となる時代が来るかも知れません。

その幕開けとなる発表なのかも知れません。

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本当にそんな時代になったら、本当の臨床腫瘍医が治療を行うべき時代なのでしょうかね。


なかのひと

『患者と医者をつなぐもの』も読んでね。



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