約束通り、MAC症のお話です。
よくわからない方はNTMを先に読んでください。
まず、MAC症の診断基準をあげます。
1.胸部画像所見(HRCTを含む)で、結節性陰影、小結節性陰影や分枝状陰影の散布、均等性陰影、空洞性陰影、気管支または細気管支拡張所見のいずれか(複数可)を示す。ただし、先行肺疾患による陰影が既にある場合は、この限りではない。
2.他の疾患を除外できる。
B. 細菌学的基準(菌種の区別なく、以下のいずれか1項目を満たす)
1.2回以上の異なった喀痰検体での培養陽性。
2.1回以上の気管支洗浄液での培養陽性。
3.経気管支肺生検または肺生検組織の場合は、抗酸菌症に合致する組織学的所見と同時に組織、または気管支洗浄液、または喀痰での1回以上の培養陽性。
4.まれな菌種や環境から高頻度に分離される菌種の場合は、検体種類を問わず2回以上の培養陽性と菌種同定検査を原則とし、専門家の見解を必要とする。
以上のA、Bを満たす。
要するに画像がMAC症を疑う画像でタンの検査なら2回、気管支鏡(肺カメラ)の検査ならば1回M.intracellulareイントラセルラーレもしくは、M.aviumアビィウムを検出すればいいのです。
気管支鏡ならまず確実だけど、水や土の中にいるのでタンの検査では2回出てこないと信用ならん。ということでしょう。
診断がつきました。
さて、治療をとなるのですがここで大きな問題があります。
なぜか?
まず、薬剤感受性検査(薬がその菌に対して有効かどうかの検査)が当てにならないと言われています。
ちなみにクラリスという薬剤のみ感受性をみた方がいいと言われています。
結核であれば薬剤感受性の結果をみて治療薬を決めるんですけど。
標準的な治療は、結核薬であるリファンピシン+エタンブトール+クラリスがよく用いられます。
他にもニューキノロン系薬剤やリファブチン、ストレプトマイシンなどを使うこともあります。
治療の問題点はいくつかありますので下にあげます。
・副作用が多い
肝障害、アレルギー、皮疹などの頻度が高いです。
・治療期間が長い
排菌陰性化後1年程度の内服が必要とされています。
多くの場合、1年半から2年の治療期間が必要です。
結核だと半年から9ヶ月の治療でいいんですけど。
それだけ治療をしても約70から80%しかよくなりません。
しかも、半分以上の方が再発します。
ですので、治療を行わないことが多いのです。
また、治療を行わない理由の一つに進行が非常にゆっくりな事が多いのです。
5年経ってもほとんど変化がないとか、
一時的に悪くなっても、様子をみていたらよくなってきたりとか。
気をつけないといけないのはごくまれですが、急に悪くなることがあります。
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ほんと、MAC症って不思議な病気だと思います。
あなたなら治療しますか?
わたしなら、なったとしてもよほどひどくならなければ治療しません。
『患者と医者をつなぐもの』も読んでね。
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コメント
コメント一覧
治療しがいのない病気ですね...。
さほど悪さをしないなら、放っておいてもよさげですが、
他の病気になったら、急に悪化したりするのですか?
でも、ほっといても治るわけでもないんですよね?
別に急に悪くならない方もいますからね。
他の病気になったからすぐに悪くなるわけでもなく。。。
難しいですね。
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