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2009.06.19 12:32 |  診療  |  仕事 / 職場  |  生活 / くらし  |  よっしぃ  | 推薦数 : 1

EBMとNBM

EBMって、聞いたことありますよね。

Evidence Based Medicineの略で日本語では、『根拠に基づいた医療』と訳されています。

ひと言で言えば過去の疫学的(統計的)データに基づいた医療です。


治療効果・副作用・予後の臨床結果に基づき医療を行うというもので、専門誌や学会で公表された過去の臨床結果や論文などを広く検索し、時には新たに臨床研究を行うことにより、なるべく客観的な疫学的観察や統計学による治療結果の比較に根拠を求めながら、患者とも共に方針を決めることを心がける。



wikipediaより引用しました。

以前、『エビデンスのレベル』というエントリーでエビデンスのことについて触れましたが今回も似たような話です。

EBMとは、簡単に言うと過去の臨床試験などの成績からよりよい治療戦略を導こうというものです。

なるべく、主観を排除して客観的にみようとしている一面もあります。

EBMの実際は、まず『臨床上の疑問の定式化』して、それにあう『系統的な情報収集』を行い集めた情報を『情報の批判的吟味』して臨床上の疑問を解決できるものかどうかを考え最終的に『自分の患者への適応』できるかどうかを判断します。

ですので、一般的な状況で患者さんにあてはめることはできるのですが、一般的でない患者さんに当てはめることは難しいのです。

一般的でないとは、高齢過ぎたりとか、肝機能が悪かったりとか、何らかの問題を抱えていることです。

また、患者さんの集団で考えると正しいのですが、個人個人に当てはめると正しいとは限らないのです。

例えば、100人の4期の非小細胞肺がんの初回治療の患者さんにAという抗がん剤を使ったならば30人の患者さんのがんが半分以下に縮小し、50人の患者さんがあまりかわらず、20人の患者さんが大きくなったとします。

そうした場合、大きさが半分以下になるのが30人以上ある治療法が他にない場合は、当然初回治療としてAという抗がん剤がすすめられるわけです。

ただ、Aという抗がん剤は、今から治療をはじめてみようとするBさん(一般的な患者さんとします。)にとって効果があるかどうかわからないわけです。

もちろん、半分以下に縮小する可能性は30%見込めるわけですが、BさんにとってAという抗がん剤が効くかどうかはやってみないとわからないのです。

ただ、Aという抗がん剤よりも効果の見込める治療がないからAという抗がん剤を使うわけです。

あと、Bさんが一般的な患者さんの状態から外れていた場合は効果の予測すら難しいことがあります。

ですので、EBMにおいて大切なことは、目の前の患者さんにそのエビデンス(根拠)を当てはめることができるかどうかが非常に大切なわけです。

ここ数年、EBMに対して『NBM』(Narrative Based Medicine)という考え方が出てきたようです。

Narrative(ナラティブ)は物語の意味で、患者さんとの対話を通じて、抱えている問題に対して全人格的に対応していこうとするものです。

EBMの過剰な科学性を補完することが主な目的だと思います。

再び引用します。


物語りという意味について、説明しますと、
   
   『王様の死、王妃様の死』

という言葉があります。最も単純な物語は、
 

『王様が亡くなりました。王妃様がなくなりました。』

となります。これでも一定の意味をなしますが、さらに

『王様が亡くなりました。そのあとすぐ王妃様がなくなりました。』

という文=物語りとなりますと、→時間経過に沿った物語りということになります。

さらに、

『王様が亡くなりました。悲しみのあまり王妃様が亡くなりました。』

という物語では、

→因果的に意味づけられた物語り

となります。

このように同じ王様の死・王妃様の死ということでも物語は、いろいろなかたちを取ることとなります。

別のひとにとっては、別の物語があるかもしれません。

どちらが正しいかと言うことではない、ということがここでの物語で大切な一面です。


長くなりそうなので続きは次回にしたいと思います。

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参考『NBM入門〜NBMってなに?』


なかのひと

『患者と医者をつなぐもの』も読んでね。




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