少し前に人生いろいろ(誰の意志か1)人生いろいろ(誰の意志か2)のエントリーをあげました。

患者さん自身が意思決定を出来ない状況でどのような医療を行うのかという問題です。

Mさんの場合は、尊厳死を望まれており書類にもサインがされていたこと、またその控えも尊厳死協会に保管されていることより医療関係者としては方針を決めやすい状況にあります。

ただ、そんな場合でも身近な家族が反対し続けたならば一筋縄ではいかなかったでしょう。

元気なときからの意思表示の問題点としては状況が変わったときも元気なときと同じ方針を望んでいるのかという問題がある。

誰しも元気なときは、悪くなった状況を想像して意思表示を行うわけですが元気なときにどこまで細かい状況を想定して意思表示をしているのでしょうか?

たとえば、急に事故などにあって急に状態が悪くなった場合と慢性の良性疾患で徐々に衰えていく場合、また、悪性腫瘍で数ヶ月から1年程度で衰えていく場合など様々です。

どの場合でも同じ意志表示ができるかはわかりません。

そこまで細かい意思表示を事前にすることは一般の方にはきわめて困難でしょうし、医療関係者でも難しいと思います。

そんな中国立長寿医療センターで『国立長寿医療センターにおける終末期の希望調査開始のお知らせ』なるものがあります。



これまで、多くの高齢者の方々は最後の瞬間(とき)にどうして欲しいのかの希望を残しておられませんでした。そのため、特に終末期の治療方針について、医療スタッフやご家族が判断に困り苦悩する場合がしばしばありました。
この調査票では、将来ご本人が終末期を迎えた時に、どのような医療を希望されるかを記載・提出していただきます。



と前置きがあり本題に入ります。


私の医療に対する希望(終末期になったとき)
終末期とは「生命維持処置を行わなければ、比較的短期間で死に至るであろう、不治で回復不能の状態」です.
・患者様が終末期になったときの受けられる医療に対する希望を患者様ご本人が記載してください
・患者様ご自身で判断できなくなられたとき,主にご家族・主治医の参考になると思われます.
・この希望はいつでも修正・撤回できます.
・法律的な意味はありません.

1.基本的な希望(希望の項目をチェック(✓)してください)
・ 痛みや苦痛について□ できるだけ抑えて欲しい(□ 必要なら鎮静剤を使ってもよい)□ 自然のままでいたい
・終末期を迎える場所について□ 病院□ 自宅□ 施設□ 病状に応じて
・その他の基本的な希望(自由にご記載ください)

2.終末期になったときの希望(希望の項目をチェック(✓)してください)
・心臓マッサージなどの心肺蘇生□ して欲しい□ して欲しくない
・ 延命のための人工呼吸器□ つけて欲しい□ つけて欲しくない
・ 抗生物質の強力な使用□ 使って欲しい□ 使って欲しくない
・ 胃ろうによる栄養補給□ して欲しい□ して欲しくない
「胃ろうによる栄養補給」とは、流動食を腹部から胃に直接通したチューブで送り込むことです
・鼻チューブによる栄養補給□ して欲しい□ して欲しくない
・点滴による水分の補給□ して欲しい□ して欲しくない
・その他の希望(自由にご記載ください)

3.ご自分で希望する医療が判断できなくなったとき,主治医が相談すべき人は
どなたですか.(お書きいただかなくても結構です)



ちょうど1枚の紙におさまるアンケート用紙です。

必要な情報がびっしり詰まっています。

このアンケートがあると医療現場は非常に助かります。

もちろん、アンケートに沿って医療を行うわけではなく、参考にしてご家族の方と最終的な治療方針を決定するのでしょう。

また、1年後に内容の再確認を行うようになっています。

非常にいい試みだと思います。

日本ではこういうのが受け入れやすいかなぁと思います。

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後ろに言葉の説明もついていますし。

参照ください。



1.基本的な希望
痛みや治療について
・ 強い鎮痛薬(麻薬系鎮痛薬等)で痛みを抑えると意識が低下する
場合が多い。
・ 鎮静剤を使うと、意識は低下するが、副作用で呼吸が抑えられる
ことが多い。
・ 「自然のままでいたい」とはできるだけ自然な状態で死を迎えたい、
したがって、ある程度痛みがあっても、強い薬で意識レベルを低
下させることは避けてくださいという希望です。

2.終末期になったときの希望について

心臓マッサージなどの心肺蘇生
・ 心肺蘇生とは、死が迫ったときに行われる、心臓マッサージ、気管挿管、気管切開、人工呼吸器の装着、昇圧剤の投与等の医療行為をいいます。
・ 心臓マッサージをすると、心臓が一時的に動き出すことがあります。
・ 気管挿管の場合、必ずしもすぐに人工呼吸器を装着する訳ではなく、多くの場合、手動のバック(アンビューバック)を連結して医療スタッフが呼吸補助をします。この行為により、一時的に呼吸が戻ることがあります。

延命のための人工呼吸器の装着
・ 終末期の疾患の違いにより、装着後、死亡するまでの期間は異なります。

抗生物質の強力な使用
・ 感染症の合併があり、通常の抗生剤治療で改善しない場合、さらに強力に抗生物質を使用するかどうかの希望です。

胃ろうによる栄養補給
・ 事前に内視鏡と若干の器具を用い、局所麻酔下に開腹することなく栄養補給のための胃ろうを作る手術(経皮内視鏡的胃ろう造設術)を受ける必要があります。鼻チューブよりも一般的に管理しやすい方法です。

鼻チューブによる栄養補給
・ 胃ろうや鼻チューブでは、つねに栄養補給ができます。しかし、終末期の状態では供給された栄養を十分に体内に取り入れることができないため、徐々に低栄養になります。また、栄養剤が食道から口の中に逆流して肺炎を合併することがあります。

点滴による水分補給
・ すぐに重度の脱水にならないようにできます。栄養はほとんどなく次第に低栄養が進行します。
・ このほかに太い静脈に点滴チューブを通し、より多くの栄養を持続的に入れる高カロリー輸液(IVH)という方法がありますが、胃ろう・鼻チューブでの栄養補給の時と同様、終末期では徐々に低栄養になります。また、点滴チューブを介した感染症を起こすことがあります。


なかのひと

『患者と医者をつなぐもの』も読んでね。




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