2009.02.10 11:46 |  診療  |  仕事 / 職場  |  生活 / くらし  |  よっしぃ  | 推薦数 : 0

わかりやすい例え

以前、『NHKスペシャルの編集』で紹介したブログでぜひひろめたい話しを見つけました。

「レジデント研修、医療の不確実性に挑戦」です。

レジデント研修では、毎回第3セッションで自由討論をします。
12月のテーマは、複合性局所疼痛症候群(CRPS)でした。

私も初めて聞く言葉ですが、よく、検査で血液を取りますね。
静脈に針を刺して、血液を取るのですが、そのときに神経を損傷して、腕に痺れや強い痛みが残ってしまうことがあるのだそうです。

完治まで半年近くかかったり、場合によっては完全に痛みが取れないこともあります。

で、これがどうして起こるのかという説明、発生する確率などについて
研修医のほうからお話がありました。

要約すると
血液と神経の走り方には個人差があるので、場合によっては針が神経に当たってしまうことがある。
一人ひとりの神経が腕の中でどのように走っているかを見極めることは出来ないので、
これは「ミス」ではなくて「合併症」だということでした。

「医療の不確実性」という言葉があるのですが、
医療スタッフが最善を尽くしても望ましくない合併症が生じたり、何らかの後遺症が残ったり、
場合によっては命を落とすことがあります。
その中にはいわゆる「医療ミス」ではなくて、
一定の確率で起こることがあります。

この認識が、医療者と患者の間でずれているときにトラブルが生じます。
今回はこのギャップを埋めて、
医療者も最善を尽くすし、患者も100%の安全はないということを理解して検査を受けることができるようにしたい。
そういう願いからディスカッションのテーマを設定しました。

12月、1月、2月と3回にわたって話し合って、
最後には医療者、患者双方が納得して採血検査が出来るような掲示物を作ることをめざしています。

========================
引用終わり

素晴らしい試みです。

「複合性局所疼痛症候群」の解説はここがわかりやすいかな。

どんくらいの頻度かというと極めて稀です。

『末梢静脈穿刺後後遺症軽症例の検討』という学会発表の要約をみると

当院では1年間に採血や点滴を合わせた静脈穿刺はおおよそ168,000件行われており、一定の頻度(約0.007%)で末梢神経障害疑い症例が発生している。今回は2003年1月から2005年11月までの35ヶ月間に当科で対応した症例の中で、説明のみまたは1回だけの治療や投薬によって解決した軽症例について、発生状況、治療内容、所見、愁訴等について検討した。
[結果]期間中の軽症例は28例で、年齢17〜83歳、男14例、女14例であった。説明のみで解決したものが15例、1回だけの治療や投薬を行ったのが13例であった。発生時に電撃痛を伴った症例はなかった。治療としてはレ−ザ−照射5例、リドカインテ−プ貼付3例、ステロイド局注2例等であった。投薬としてはメコバラミン8例(内ノイロトロピン併用4例)であった。初診時にTinnel徴候陽性が3例で交感神経症状を呈していたものはなかった。愁訴ではしびれが21例、痛みが13例、脱力が7例であった。愁訴の組み合わせではしびれのみが10例、しびれと脱力が6例、痛みのみが5例、しびれと痛みが4例であった。
[考察]末梢神経の損傷が疑われても大部分は大事に至ることなく自然治癒すると考えられるが、時にはCRPSへと進展する危険性もあり注意が必要である。また、軽微なものであっても本人の受けとめ方と病院側とで差がある場合には事態が大げさなものになる可能性もあり、慎重な対処が必要とされる。
[結語]35ヶ月間で末梢静脈穿刺後後遺症軽症例を28例経験した。交感神経症状を呈していたものはなく、愁訴ではしびれが21例、痛みが13例、脱力が7例であった。


1年で0.007%で採血の合併症が起こるのですが複合性局所疼痛症候群は1例もありません。

それだけ頻度の低いものなのです。

私も、10年以上医療現場にいますけど実際に複合性局所疼痛症候群と言われた患者さんと接したことがないくらい頻度が低いです。

ただ、1人だけ疑わしい方はいましたけど。

でも、実際に起こればミスしたからではないのかと患者さんや家族が思うことは無理からぬ事だと思います。

ただ、ミスと言われると『ミスではないです。合併症なんです。』としか説明できません。

なぜなら、医療者側に落ち度がないからです。

非常に不幸なことだとは思いますけど。

ですので、こんな事が起こってすまない気持ちになるのは当然でそれに対して遺憾の意を表すことになります。

ただ、それはミスをしたから謝罪したわけではないのです。

人気blogランキングへクリック宜しくお願い致します。

引用ばかりですみません。


なかのひと

『患者と医者をつなぐもの』も読んでね。



レンタル

固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)

よっしぃ
More プロフィール

Search

Calendar

<< 2009/02 >>
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28

トップページ

Doctors Blog

ブログの購読

新着コメント

新着トラックバック