以前、結核の話しのリクエストがあったので今日は肺結核のお話しです。
肺結核は、結核菌を吸い込むことにより発症します。
結核の患者さんが咳をしたときに水分とくっついた結核菌(飛沫核といいます。)が漂います。
ですので、人にうつる可能性の高い状態の方は、結核病棟に入院しての治療となります。
飛沫核を吸い込むことにより感染が成立します。
ですので感染予防に一番大切なモノは換気です。
ただ、結核菌を吸い込んでも肺結核を発症する率は約5~10%程度であり多くは発症しません。
症状としては、発熱、倦怠感、寝汗、咳、痰、体重減少などです。
(多くは症状もなくたまたま検診で引っかかることも多いです。)
それまで順調に低下していた結核の罹患率(10万人中何人が罹ったか)が平成9年に結核が増加に転じました。
そして、平成11年に『結核緊急事態宣言』が出されたわけです。
あれから、10年結核患者は確実に減少しています。
若年者が減少しているのですが、高齢者なかでも超高齢者の結核は減っていません。
多くは、若いときにかかった結核の再燃かと思われます。
結核は、高齢になり免疫力が低下すると再燃することがあります。
ただし、結核は減っているといっても世界的にみると多い方で欧米諸国の約4倍もの罹患率です。
特に大阪、東京など大都市に多くタイとほとんどかわりません。
ですので、まだまだ結核に対する注意は必要です。
せっかくここまで減ったのですから。
肺結核の標準的な治療法は4種類の薬剤を用いて半年間の治療が標準です。
しかし、副作用も大きく高齢者では3種類の治療(最低でも9ヶ月)もしくはそれよりも少ない薬剤での治療となります。
数種類の薬を用いるのは耐性菌(薬の効きにくい菌)が出来やすいからです。
複数の種類の薬剤で一気にたたきのめして耐性菌が出来る前にやっつけようとの戦略です。
ですので、飲んだり飲まなかったりすることは非常にまずいことです。(耐性菌が出来やすくなる。)
なので、DOTS(Directly Observed Treatment,Short-course(直接監視下短期化学療法))といい直接飲むのを観察したり毎週薬にシートが空になっているかどうかをチェックしたりしてきちんと内服していることを確認する方法がよいとされています。
アメリカなどでは、軽食のチケットを配ったり交通費を支給したりしてDOTSを行っています。
ちゃんと飲んでもらうために。
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長くなってきたので続き作る予定です。
『患者と医者をつなぐもの』も読んでね。
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>複数の種類の薬剤で一気にたたきのめして耐性菌が出来る前にやっつけようとの戦略
う~ん、ということは、少々副作用がでようとも、とことん薬を飲まなくちゃいけないということですね。
それにしても、半年も治療ということは、それくらい長く入院が必要になると、仕事や家事もすべて投げ出して治療になり、大変!
私自身のの母子手帳から、BCG接種の記録とともに、ツベルクリン反応の結果がわんさと出てきて、妙に気になってました。
大都市に多いのは、やっぱり、どこ行っても人混みだから?
続きの記事も気になる~。
少々の副作用なら頑張って飲んでもらいます(^_^;)
治療期間と入院期間は一致しません。
入院は、2から3ヵ月程度が多いのではないでしょうか。
飲み屋のマスターとか、日雇い労働者など相部屋住み込みで働いていたりしたら集団発生したりしますね。
じゃ、近日中に2回目を
でも、発病しちゃったら、家族にも会えなくなるのかしらん?
ところで、BCG接種を一度すれば、10~15年くらい効果があるって聞いたことあるんですが、そうすると、もう大人になっちゃったら、感染する可能性があるってことですか?
ところで、『ガラスの仮面』って連載開始は昭和40年代後半~50年初頭だったという記憶ですが、あのマンガに描かれている時代背景ってどう考えても昭和30年代だと思われます。
ラーメン店の住み込み店員だった母親が結核を患う・・・うーん、これって、昭和40年50年代というよりも、30年代のほうが現実性ありそうです。
ところで最近BCG接種回数減ったような気がするんですが。私は中学2年のツベルクリンを最後に打ってないです。今の子は中学ではツベルクリンもやらないようです。
(まあ私の頃でも、殆ど擬陽性か陽性で、BCG打つ人は少なかったですけどね)
入院期間は他人への感染の危険がないと判断されるまでです。
>でも、発病しちゃったら、家族にも会えなくなるのかしらん?
マスクをして面会は出来ますよ。
ただし、小さいお子さんとか高齢者はやめた方がいいですけどね。
>ところで、BCG接種を一度すれば、10~15年くらい効果があるって聞いたことあるんですが、そうすると、もう大人になっちゃったら、感染する可能性があるってことですか?
そうですね。
免疫の記憶だどれほどまであるかは人それぞれなのでね。
ただ、発症する人は、結核菌を吸い込んだ人の5%から10%程度ですよ。
azukiさん
>医療が崩壊すると、結核のような感染症がまた復活する危険性も懸念されますね。
懸念はありますけど、2類感染症なので(結核予防法から感染症予防法へ変更になった。)よっぽど医療がぼろぼろにならない限り大丈夫だと思いますよ。
BCGは小さいときにほぼ全員打ってますからね。
>そうですね。
>免疫の記憶だどれほどまであるかは人それぞれなのでね。
BCGの効力が切れ、且つ、免疫力が低下した可能性の高い高齢者に、再びBCGの予防接種をする必要ってないのですか?
インフルエンザの予防接種は、毎年やらなくちゃ効力ないけど、BCGなら15年に1回で済むし合理的な気もします。が、これはやり過ぎなんでしょうか。
と言うわけで日本では子供にしかBCGを行っていません。
ちなみにアメリカはBCGの予防接種をしていないようです。
それは半分冗談ということにして。
結核が減ってきたのは、有効な治療薬が出来たのと、国民の栄養状態が全体的に良くなってきたことがその理由だと思うのですが、元々日本は火山灰で作物が育たない土地柄の上、穀物や野菜中心の食事が昔からの基本。肉や魚、卵や乳製品といった食材は、特に第二次大戦中特に不足していたものです。アニメ映画『火垂るの墓』では、親戚のおばちゃんが卵やバターなどをありがたがるシーンが登場します。
それはさておいて、BCGは生ワクチンに分類されますね。これは結核菌を非常に弱くしたものを接種します。これによって体外から結核菌が進入した時に、新たな結核菌を排除させるものです。まさに『毒をもって毒を制す』といったところです。
インフルエンザワクチンは、BCGとはタイプが違うワクチンだったと思います。毎年打つのは、その年に流行する型を予測した上で打つので、毎年でないといけないようです。
間違いです。
弱毒株を体内に入れてそれで結核菌に対する免疫をつけておくのです。
つまり、結核菌との戦い方を学ばせるのです。
次に入ってきたときにすぐに戦えるように。
なので、結核菌と接する機会がないとだんだんと戦い方を忘れてきて効果がなくなる状態になるのです。
>毎年打つのは、その年に流行する型を予測した上で打つので、毎年でないといけないようです。
その通りです。
流行の予測が外れる場合もあります。
ROMしていて、azukiさまの鋭い着眼点にはいつも敬服しておりますが・・・ひとこと。
よっしぃ先生のおしゃるのは、「新しい菌を排除する」という表現は、医学的に不正確であるという意味ではないでしょうか。
抗体反応で菌をやっつけることができるので、病気にかからないで済む。
たぶん、asukiさまはだいたいの内容は理解していらっしゃることと存じますが、
私たちは医学や医療については素人ですから、自分なりの言葉で書いてしまうと、
医師の目から見ればどうしても、学術的には不正確であるとか、ピントがずれているといった場合があるだろうと思うのです。
インターネットは多くの人が読みますから、コメントに間違った情報が書き込まれると、それが一人歩きして誤解が誤解を呼び、中には、そのことによって不利益を受ける人が出てくるかもしれません。
そんなことになれば、ブログ主のよっしぃ先生にもご迷惑がかかります。
だから、私たちは自分の専門外のことについては、断定的な発言は避けて、専門家の皆様の説明を謙虚に聞き、教えてもらおうする姿勢が大切と思います。
もちろん、素人なりの感想を述べたり、疑問点を質問することは、構わないと思いますが・・・
axukiさまのご専門のことについては、私も喜んでaxukiさまに教えていただきますから、
このブログで、医療・医学の問題が出たら、ブログ主様や他の医師の方の解説をお待ちすることにしましょうよ。
ご指摘ありがとうございます。
個人的には、言葉の表現等含めて、不適切或いは間違いである場合は、間違いです、と言ってくださるほうが、当方としては非常にありがたいのです。曖昧な表現だと、時にどのように受け止めて良いのか迷うことがありますので。
恐らく、よっしい先生はそのあたりを配慮なさってのことだと受け止めています。そのこと自体、とても嬉しいことだと感じております。
YUNYUN様のお名前は存じておりましたが、思いがけず、このように配慮あるコメントを頂戴いただき、感謝しております。
ありがとうございました。
風邪なんかと同じ症状だから、とくにこんな冬の時期だと、
普通に病院に行っても、風邪だと判断されてしまうものなんでしょうか?
風邪みたいな症状で、いちいちレントゲンとらないでしょうし。
インフルエンザみたいに、検査のキットってあるんですか?
>普通に病院に行っても、風邪だと判断されてしまうものなんでしょうか?
そうですね。
一般的に、2週間以上症状が続けば結核も疑うと教科書的な記載はあり多くの医者がそう考えています。
風邪が2週間以上続くことはおかしいですからね。
インフルエンザみたいなキットはないですけど、喀痰中に結核菌の遺伝子配列が混じってるかどうかが一番確実ですかね。
1〜3日程度調べるのにかかりますけど。
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