臨床試験などを行う場合において、一番大切なものは主要評価項目がどうなるかです。
英語で言うとプライマリーエンドポイントです。
臨床試験についての簡単な解説は昔のエントリーでどうぞ。
『薬嫌い、健康食品好き』
『新しい抗がん剤の誕生』
『臨床試験とは?』
『臨床試験の現実』
簡単に言えば、Aという治療とBという治療のどちらが優れているかを何で評価しようかというものです。
悪性腫瘍の臨床試験(第3相試験)の場合は、主要評価項目を『全生存期間(お亡くなりになるまでの期間)』でみるか『無増悪生存期間(病状が進行するまでの期間)』とする場合が多いです。
中には、『1年生存率(1年後に生存している割合)』などとしている試験もありますけど。
これに関しては、試験をはじめる前に試験を行う機関なりが決定します。
まあ、この主要評価項目が統計学的に差がつくかどうかで優れた治療なのかもしくは、劣っていない治療なのかを調べます。
ですので、この主要評価項目で差がつかないと試験全体の結果はネガティブ(新しい治療は効果がない)と考えられます。
もちろん、主要評価項目は差がつかないが、主要評価項目以外で差がついた試験もたくさんありますが、結果の信頼度には雲泥の差があります。(要するにエビデンスレベルが低いということです)
エビデンスレベルの解説は『エビデンスのレベル』をどうぞ。
話しがややこしくなってきましたが、今回、何が言いたいかというと、『悪性腫瘍の第3相試験において、主要評価項目が全生存期間とするのがいいのか、無増悪生存期間とするのがいいのかどっちでしょう。』ということです。
全生存期間を主要評価項目とすれば、その治療によって生命予後がどれだけ改善されるかをみることができます。
ただし、初回治療の試験だとすると、2回目以降の治療によって生存期間も左右されます。
Aという治療した後にBという治療を受ける方、Bの治療の後にAの治療を受ける方もいらっしゃいます。(クロスオーバーといいます。)
本来ならば、クロスオーバーを避けて試験を行うべきなのでしょうけど倫理的にそれは、できません。
また、観察期間が長くなり試験の結果が出るまで時間がかかるというデメリットがあります。
無増悪生存期間なら、観察期間は短くてすみますが、過去の臨床試験の結果から無増悪生存期間は延長してよい結果が出ている試験でも、全生存期間は延長させていない試験もたくさんあります。
もちろん、クロスオーバーの影響だといわれればそうだと思いますがそうだとすれば、必ずしもその時点で使わなくてもよい治療だ(後から行ってもよい治療)というようにも考えられます。
難しい問題ですね。
もちろん、早く試験結果がわかるというのは大きなメリットですからね。
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