< 前のページ
2008.10.31 11:49 |  診療  |  仕事 / 職場  |  生活 / くらし  |  よっしぃ  | 推薦数 : 1

感度と特異度

感度と特異度ってあんまり聞いたことないですよね。

感度と特異度は医療を行う上では非常に重要なものです。

医療を行うならば常に感度と特異度を考えなければなりません。

簡単いうと

感度とは、病気であるときに検査が陽性と出る確率

特異度とは、病気でないときに検査が陰性と出る確率

まだ、難しいですか。

つまり、感度が100%ならば病気であるときに検査は100%陽性(+)です。

また、特異度が100%ならば病気でないとき検査は100%陰性(ー)です。

ですので、感度と特異度が療法100%の検査があれば非常に役に立ちます。

なぜか、わかりますよね。

その検査をすれば、病気か病気でないかがすぐわかるんです。

他を考えなくてもその病気であるかどうかがはっきりわかるんです。

感覚的にいえば感度、特異度ともに90%を超えていたら『すごく役立つ検査だ。』という感覚があります。

でも、ここまで感度と特異度ともに良好な検査は少なくてどっちかは、90%だけど、反対は70%程度とかが多いのです。

だから、ひとつの検査結果が陽性に出ても確実にその病気だとは決めにくいし、陰性に出てもその病気でないとは決められないのです。

医者は、診察所見、画像所見、検査結果、今までの病気の状況などを総合的に判断してどんな病気かを推測して治療を行います。

もちろん、99%間違いないと自信を持って治療をしているときもあれば、あんまり自信がなくて治療をしていくこともあります。
(診断的治療とも言います。)

ちなみに、感度がよいといわれているPSAという前立腺がんの腫瘍マーカをみてみましょう。

だいたい、1.1ng/mL以上を陽性とすると感度は83%、特異度は40% 弱です。

この値を4.1ng/mLとすると感度は21%、特異度は94%となります。

感度、特異度ともに高い検査なんてそうそうないことわかりますよね。

勉強になった方人気blogランキングへクリック宜しくお願い致します。


なかのひと

『患者と医者をつなぐもの』も読んでね。




SEO対策

固定リンク | コメント (6) | トラックバック (0)

2008.10.29 12:01 |  診療  |  医療制度 / 行政  |  生活 / くらし  |  よっしぃ  | 推薦数 : 2

だんなさんの言葉

まず、先日墨東病院でお亡くなりになった妊婦さんに追悼の意を表します。

その脳出血で亡くなられた妊婦さんのだんなさんが会見されました。

内容をみると本当に心を打たれ、涙が出てきます。

おそらく、つらい気持ちの中、今の医療情勢、などをこの方なりに理解して以下のようなコメントを発したのだと考えられます。

「妻が浮き彫りにしてくれた問題を、力を合わせて改善してほしい。安心して赤ちゃんを産める社会になることを願っている。」

「伝わらないはずがないと思うが、誰も責める気はない。」

「傷ついて辞めるようなことになったら意味がない。絶対辞めないでほしい。」

「墨東病院の医師も看護師も本当に良くしてくれた。彼らが傷つかないようにしてほしい。」

「のど元過ぎれば忘れるのではなく、具体的な目標を持って改善に向かってほしい。何かが変われば『これを変えたのはおまえのお母さんだよ』と子供に言ってあげたい。」

この発言をみて、非常に無念な気持ちが伝わってきます。

無念な気持ちを目の前の誰かに責任を求めるのではなく、原因を分析されて、原因は、こわれつつある医療全体にある事を理解されたのだと思います。

病院の医師を責めても問題は解決しない。

強いて言うなら、今の医療情勢をほったらかしにしていたのが悪い。

これは、理解していてもなかなか出来ることではないと思います。

頭の下がる思いです。

この、1ヵ月にも満たない時間すごく考え、すごく悩み、医療の現場の状況を理解したと思います。

このだんなさんのこのような発言を聞くと、現場の人間としてはもう少し頑張れるような気がします。

ただ、悲しいことは、ことり先生のブログ『夫の会見ー『毎日』の悪意』にもあるように伝え方で全然違う印象になると言うこと。

それと、病院同士の、言った、言わないの件がどうでもよくなったというか、その様なことを伝えるために会見までひらいたこと。

また、行政同士で責任のなすりつけあいをしたこと。

これらの行為、全部、かすんで見えます。

だんなさんの発言は、偉大な力を秘めています。

望まれたように、今の医療情勢をかえるだけのパワーを持っているような気がします。

この言葉の前に、お前が悪いんだと責任の所在を求めたり、責任のなすりつけあいをすることがどれほどむなしいものかよく伝わったと思います。

 

人気blogランキングへクリック宜しくお願い致します。

 

今回の件をきっかけに少しでも医療がよくなりますように。

 


なかのひと

『患者と医者をつなぐもの』も読んでね。

 

と思っていたら今回の件をきっかけに少しでも医療がよくなりますように。

今日発売の週刊文春に、この件に関する記事がありました。

しかも、続くそうです。

もしかして、文春が売り上げを伸ばしたいから先週のあのタイミングでたきつけたのか?

そうだとしたら、文春、ゆるせません。

あかがま先生も『争いの序曲』なんて、先読みしてますし。

固定リンク | コメント (6) | トラックバック (0)

2008.10.27 12:07 |  診療  |  仕事 / 職場  |  生活 / くらし  |  よっしぃ  | 推薦数 : 2

モンスター対策

日経メディカルに『困った患者2008』なる特集がありました。

その中でモンスターのタイプを分類している記事がありました。

・性格的問題型
独善的な価値観でクレームや不当要求を繰り返すタイプで交渉拒絶を通知したり窓口を弁護士にするのがいいらしいです。

・精神的問題型
私を排除しようとしているなどと思っているタイプでクレームとも愚痴ともつかないことを述べるそうです。
真の目的は担当者との心理的密着により『心の欠損』を埋めることらしいです。

・反社会的悪質型
巨額の金銭を得るのが目的で病院をターゲットにすることはまれ。

・常習的悪質型
比較的少額の金銭を得るためのクレームを繰り返す。
相手の矛盾をついたり、毅然とした態度が大切のようです。

この4つに関しては弁護士の方の記事でした。

また、別の病院事務の方の記事で
背景や真の要求を読み解くことが大切とありました。

真の目的は院長と話すきっかけが欲しかっただけであったりしたこともあるようです。

また、見放されたと思いこませない配慮も必要とのこと。

うーん、なんだか、医者の仕事がじわじわと増えているような印象を持ってしまいました。

考え過ぎかな。

人気blogランキングへクリック宜しくお願い致します。


なかのひと

『患者と医者をつなぐもの』も読んでね。



レンタル

固定リンク | コメント (4) | トラックバック (0)

2008.10.25 08:37 |  診療  |  仕事 / 職場  |  生活 / くらし  |  癌関連  |  よっしぃ  | 推薦数 : 2

保険で出来ないの?


以前、『悪性腫瘍遺伝子検査』でゲフィチニブ(イレッサ)やエルロチニブ(タルセバ)などの効果予測ができるという話しをしました。

今回は、9月に保険で大腸がんに使えるようになったばかりの薬セツキシマブ(アービタックス)のお話しです。

セツキシマブ(アービタックス)もゲフィチニブ(イレッサ)やエルロチニブ(タルセバ)と同じようにEGFRに作用して抗腫瘍効果を発揮するものです。

イレッサやタルセバと大きく異なるのは大分子化合物(抗体薬)であることです。

ですので、内服薬ではなく点滴で用いる薬剤です。

今わかっている事は、セツキシマブ(アービタックス)は手術などの組織を使って遺伝子変異を調べてみるとK-rasと呼ばれるがん遺伝子に変異があると効果がないのです。

K-ran変異のある患者さんはセツキシマブ(アービタックス)を使っても効果がないのです。

ですので、K-ras変異を調べてみて変異のない患者さんに投与すればいいのです。

ちなみに、K-rasは40%程度の患者さんで陽性のようです。

しかし、保険では、そのK-ras変異を調べる事ができないのです。

普通に調べたら数万円かかる検査です。

1回セツキシマブを投与すれば10万円は超えます。

100人の大腸がんの方に検査をせずにセツキシマブを使うのとK-ras変異を測定してからセツキシマブを使うのと副作用の面、金銭的な面と両方の面からK-ras変異を測定してから使うべきですよね。

医療費を増やさないようにするんだったら、こんなところをキチンとすれば少しはマシになるでしょうに。

人気blogランキングへクリック宜しくお願い致します。

噂によると将来的には保険適応になるらしいですが。

それまでは、病院の持ち出しで検査をしろと?

なんだかなぁと思います。


なかのひと

『患者と医者をつなぐもの』も読んでね。




固定リンク | コメント (3) | トラックバック (0)

2008.10.23 08:47 |  診療  |  医療制度 / 行政  |  仕事 / 職場  |  よっしぃ  | 推薦数 : 2

東京でも

都内でも、なかなか搬送先が見つからなくて、脳出血の妊婦が亡くなられたとのニュースが流れています。

この件に関して、多くのブログで意見が述べられています。

本筋はそちらを見て頂きたいと思います。

私は、この件に関する名の知れた方々の意見に関してコメントしたいと思います。

石原都知事
「初めて聞いた。あってはならないこと。そういうことがないように(救急医療体制を)作っているのに。なお調べて対処します」

全く私の推測ですので間違っていたらすみません。

行政の方針としては、ある程度の規模の病院をER指定してそれで終わりにしたんじゃないでしょうか?

いくら、ER指定され設備が充実しても働く医者がいなければ当然機能しないわけで、医師の数が少ないのに補充されない(まあ、他にも産科医は余っていないので仕方ないことですけど)現実を理解されたいなかったのですね。

日本の行政の考えを表しているようですね。

ERの病院を作れば大丈夫。

でも、実際は中で働く人がいないと機能しない。という現実。

重粒子線の施設のようですね。

参考記事

放射線治療医の数が少ないから、施設を作ってもスタッフがいなくて困ってるらしいですよ。

河村官房長官
「極めて遺憾だ。原因をきちんと究明し、防ぐにはどうしたらいいか、必要な措置をとらないといけない。東京都で起きたことがどういう意味を持つのか、きちんと検証しないといけない」

>えっと、ずいぶん前から、医者がいない事(特に産科)は有名な話しじゃないですか?

墨東病院の定員と実際の医者の数知っていますか?そんな病院がER指定されているんですよ。

結論から言うと、医者の数を定員にして同様のことが起こるなら問題があるでしょう。

まず、そこから始めてください。

医者の数を定員にするのは、医者の仕事ではありません。

病院経営者の仕事です。

公立病院なら行政の仕事です。

前にあった大淀の件で産科医が不足しているのはわかっているはずです。

それを放置していた、対策をここの病院に任せていたのは行政の責任です。

間接的な責任は有権者にもあると思います。

別の方ですが、

ERなんだから、ゆとりのある医師数を配置しろって意見もありましたけど。

病院内では、不採算部門は経営会議でつつかれるんですよ。

ゆとりある医師数があれば、経営的にはよろしくないですわね。

診療報酬をあげて、人材を確保できるようにするのがまずすることでないのでしょうか。

医療費亡国論がいまだに生きているのがいけないのでしょう。

早く、必要な医療に必要な予算を回してください。

医療にお金をかけることは、新たな雇用も生み出します。

医者の仕事を医者以外にするようにしていく機運が高まっています。

そうすれば、雇用促進にもつながると思います。

人気blogランキングへクリック宜しくお願い致します。

結果的には、東京でこの様なことがおこったことで国が本腰を入れて対応してくれるのではないでしょうか。

報道関係者も、医者ブログにたくさんアクセスしているようですしね。

どうすればよくなるかを考えて報道してくださいね。


なかのひと

『患者と医者をつなぐもの』も読んでね。




固定リンク | コメント (4) | トラックバック (1)

2008.10.22 12:18 |  診療  |  研究  |  仕事 / 職場  |  よっしぃ  | 推薦数 : 1

言葉をわかりやすくする提案

以前、『わかりやすい説明』という話しを書きました。

もう半年以上前だったんですね。

おわかりですよね。

新聞でも取り上げられてたし、m3のブログでもみなさん、取り上げてます。

少し出遅れた気分ですが。。。

医療用語をわかりやすく言い換える例などを示した「病院の言葉の手引」(仮称)を作成していた国立国語研究所「病院の言葉」を分かりやすくする提案(中間報告)を昨日、公開しました。

中を見てみると患者さんに言葉が伝わらない理由は

・患者さんに言葉が知られていない。
・患者さんの理解が不確か。
・患者さんに理解を妨げる心理的要因がある。(腫瘍など)

なるほど、その通りですね。伝わらないのは知らないのか、よくわかってないか、あまり知りたくないのかのどれかですね。

理解を妨げる心理的要因に関しては、考えたこともなかったので勉強になりました。

で、その対策が書いてありました。

・日常語で言い換える。(イレウスを腸閉塞とかですね。)
・的確に説明する。(言葉では簡単ですが実際は難しそうです。)
・重要で新しい概念を普及させる。

『重要で新しい概念を普及させる。』そんな手があったんですね。

全く、気がつきませんでした。

さすが、国語研究所です。

ただ、 患者に理解を妨げる心理的負担がある場合の対応は『心理的不安を軽減する言葉遣いを工夫する。』とあります。

なかなか、難しいですね。

不安を取り除きながら、説明をする。

具体的にどうするのかも教えて欲しいですね。

「病院の言葉」を分かりやすくするための工夫の類型わかりやすい図での説明です。

一回見てください。

また、以下のページでは57個の言葉を分類してしかもクリックするとその言葉のわかりやすい説明のページにとびます。

http://www.kokken.go.jp/byoin/teian/ruikeibetu/teiango/

非常によくできていると思う方人気blogランキングへクリック宜しくお願い致します。

いかも、現在アンケート募集中です。

みなさんもご意見を。

なかのひと 『患者と医者をつなぐもの』も読んでね。

固定リンク | コメント (2) | トラックバック (0)

2008.10.21 13:01 |  診療  |  研究  |  仕事 / 職場  |  よっしぃ  | 推薦数 : 1

新聞報道に問題あり

ケアネットコムをみていると面白そうな話題がありました。

『医薬品研究をめぐる新聞報道に問題あり、一因に記者の無知』

そうそう、あんまり勉強もせんと記事を書いてるんやからと思い内容に目を通しました。

JAMAと呼ばれるアメリカのメジャーな医学雑誌に載った論文でした。

『News media coverage of medication research: reporting pharmaceutical company funding and use of generic medication names.』

主に何を調べているかは、

・報道された研究が製薬会社の資金提供を受けて行われたかどうか
・医薬品の名前が一般名か商品名かどうか

この2点を主に調べていました。

ですので、医療側からしたらとんでもない内容ばっかり書いて困ったよ。というような内容ではありませんでした。

残念?!

実際どうだったかは、約半分弱は資金提供があったにもかかわらずこの事実を報道していなかったようです。

一般名の報道がなく商品名だけでの報道もあるようです。

その事を報道のレベルが低いとしているようです。

こないだの、ビタミンCの話しもそうですが、日本の報道はいかにも効果がありそうに思えるような報道をしてくれるので困ったものですね。

まだ、動物で効果があっただけなのに。

少なくとも事実を客観的に伝えられるようになったらアメリカの論文に書いてある報道レベルに到達するのでしょうね。

それでもまだまだなのに。

人気blogランキングへクリック宜しくお願い致します。

ひとつ、日本の報道を擁護するなら、新しい発表はほぼ全部が英文雑誌での発表です。

ですので、それを精読して正確に日本語で記事にするのは難しいと思われます。

だからといって興味をそそるだけの報道がいいとは思いませんが。


なかのひと

『患者と医者をつなぐもの』も読んでね。




固定リンク | コメント (2) | トラックバック (0)

2008.10.19 11:26 |  診療  |  研究  |  生活 / くらし  |  癌関連  |  よっしぃ  | 推薦数 : 1

ビタミンC

今年の夏にこんな話題がありました。

『ビタミンC投与でがん半減 マウス実験で、米研究所』
『魚拓』

この件に関する細かいつっこみはあかがま先生のところに載っています。
『NIH発、ビタミンCでがん半減』

そんな話しがつい数ヶ月前にあったところですが、Cancer Reserchという雑誌に『高用量のビタミンCが広範囲の化学療法薬の細胞傷害作用に干渉する可能性のあることが、前臨床試験で示された』と言う記事が載ったようです。

概要はm3のニュースに日本語で書かれていますがメンバーでないと読めないのかな一応アドレスを。

『ビタミンCは化学療法への反応を弱める可能性がある 』

どちらも原文は読んでないので詳しい批判を避けますが、両方ともに人間に使った成績ではないようです。

実際に使ったらどうなるんでしょうね。

まあ、ある程度に方はサプリメントでビタミンCを飲みながら抗がん剤治療を受けてるでしょうね。

この論文に対するアメリカの腫瘍医のコメントが非常にまっとうでした。

ビタミンCは癌の予防と治療において長い歴史がある。ビタミンCが癌患者の転帰を改善させるということを示したエビデンスは存在しないが、癌患者はビタミンCの便益の可能性を信じ続けるという報告もある。
腫瘍医は癌患者に過剰量のビタミンCを摂取することを定型的に勧めたりはしないが、癌患者は別の臨床医からビタミンC治療を受けていることが報告されている。

まあ、この論文の内容が人間でどうであるかがまずわからないですし、今のところビタミンCをやめた方がいいと言う根拠は当然ながらありません。

同じように、ビタミンCがいいという根拠もありません。

個人的には、何事もほどほどにバランスよくがいいかなって思います。

何事もやりすぎはよくないかと。

人気blogランキングへクリック宜しくお願い致します。

どんな情報もきっちりと吟味しないとダメですよ。


なかのひと

『患者と医者をつなぐもの』も読んでね。


固定リンク | コメント (3) | トラックバック (0)

2008.10.17 13:03 |  診療  |  医療制度 / 行政  |  仕事 / 職場  |  よっしぃ  | 推薦数 : 3

トリアージについての私見


最近、トリアージの仕方が悪かったとの報道をちょこちょことみかけます。

いろんなブログでも取り上げられています。

もちろん、反省は必要なので今後こうすればよくなる可能性があるなどと前向きな議論は必要です。

ただ、報道の多くは、トリアージが悪かったがために命を救えなかったような論調を見かけます。

そうでしょうか?

まず、トリアージの概念がなかった場合と比較してどうでしょう。

意識のない患者や外傷のはでな患者から順番に救急車に乗せてみたらどうなるでしょう。

とくに、内臓損傷(肝破裂など)は外傷もなく痛み以外に症状のないことも多いです。

ですが、治療が送れたら命取りです。

やはり、トリアージは必要だと思いませんか?

トリアージについて批判するならまずトリアージがなかった場合と比較すべきじゃないでしょうかね。

トリアージが必要な状況というのは、日常ではありません。

非日常です。 

そんな中で一人でも多くの人を助けようとしている人間をお前が悪いみたいな感じで言うのはどうかと。

それならば、黒タグをつける基準や赤タグの基準について議論をすべきだと思います。

トリアージについての反省は次にトリアージが必要になったときに生かせるようにあるのですから。

残念ながら、亡くなられた方は生き返ることはありません。

それよりも、次にトリアージされるかも知れない今命ある自分自身や家族のために議論しませんか?

その場にいる人をせめても何も生まれません。

しかも、その場にいた人は一生懸命凄いストレスを持ちながらトリアージを行った人です。

よくやったね。と褒め称えられるべき存在だと思います。

人気blogランキングへクリック宜しくお願い致します。

あと、最近のイヤな流れとしては、こんにゃくゼリーが製造中止となったことです。

こんにゃくゼリーがなくなったらそれで解決する問題なのでしょうか?

もっと、大切なことがあるんじゃないでしょうか?


なかのひと

『患者と医者をつなぐもの』も読んでね。

固定リンク | コメント (6) | トラックバック (0)

『先生、わし、もうそんなに長くないやろ。

隠さんでもええ。

わかるから。

先生、ひとつ、お願いがあんねん。

ちょっと遠いところやけど、行きたところあるんや。』

『Bさん、どこまで行くの?』

Bさんが行きたい場所は、病院から新幹線で3時間近くかかる場所でした。

酸素も必要であり、点滴も毎日必要な状態、かつ、体力はかなり落ちています。

正直、厳しい。

『Bさん、不可能ではないけど、厳しいで。絶対行かなあかんところなん?』

『そやな、会わなあかん人がおるんや。チーちゃんに会わなあかんねん。』

『。。。。。Bさん、Bさんが行かなくてもその方に病院にきてもらった方がいいと思うけど。』

『いや、あかんねん。先生、チーちゃんは、来られへんねん。』

正直、どういう状況なのか理解が出来ません。

Bさんもこれ以上は話したくないようでした。

『とりあえず、可能性を探っていきましょう。
もちろん、一人で行けないのはわかってますよね。
娘さんが一緒について行ってくれるなら何とかなるかも知れません。』

『ありがとう。』

娘さんも協力的でした。

1泊で行くことになりました。

泊まるホテルに酸素の手配や点滴をしてくれる病院を探さなければなりません。

娘さんの旦那さんの車で行くことになりました。

出発の日の数日前の事です。

『やっぱり、先生には言わなあかんって思ってたんや。』

Bさんが、涙ながらに語ってくれました。

『実はな、チーちゃんは、ワシの嫁やねん。

今な、刑務所におんねん。

だから、出られへんねん。

あと、1年経ったら出てこれるみたいやけど。

あと、1年経ったら、。。。。。。』

Bさんは、声にならないような声で言いました。

『なんとかならへんのBさん?』

Bさんにたずねました。

『塀の中の人間は、親の死に目にもあわれへんから無理や。やっぱり、ワシが行かな無理やねん。』

そう言ってBさんは、旅立ちました。

我々の心配をよそに、Bさんは大きなトラブルもなく帰ってきました。

帰ってきたBさんは、充実した顔をしていました。

『あえて良かったぁ、先生、ありがとう。』

もちろん、他のスタッフにも大感謝をされていました。

ただ、なぜ塀の中にいるのかは誰も聞くことが出来ませんでした。

人気blogランキングへクリック宜しくお願い致します。

Bさんは、まもなく天国へ旅立ちました。

もちろん、チーちゃんは、塀の中でした。

心から、無理をしてでも人生最大の旅行のお手伝いができてよかったと思います。


なかのひと

『患者と医者をつなぐもの』も読んでね。




固定リンク | コメント (9) | トラックバック (0)

よっしぃ
More プロフィール

Search

Calendar

<< 2008/10 >>
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31

トップページ

Doctors Blog

ブログの購読

新着コメント

新着トラックバック