< 人生いろいろ(結婚式2) | メイン | 救急隊と酸素投与 >
2008.07.30 12:58 |  診療  |  仕事 / 職場  |  生活 / くらし  |  癌関連  |  よっしぃ  | 推薦数 : 1

がんと自殺

今日は、重たい話です。

気が滅入ってる方は、読み進めないようにしてください。

この間、ある研究会に参加してきたのですが、がんと自殺の話でした。

幸い、私の医者人生で自分の担当患者さんが自殺したことはありません。

しかし、知人の医者の患者さんが病院内で飛び降りたりとかしたことは何回かあります。

研修医の頃はがんの病名を伝えるだけで、その方の自殺には気をつけるようにと教えられました。

今は、あまりそのような事を細かく言わなくなったと思いますが。

しかし、がん患者さんの0.2%の方が自殺で命を落としているそうです。

その頻度は、がんでない方と比べると約2倍高いそうです。

がんと診断されて1年以内であることが多いそうです。

そして、男性、進行がんに多いようです。

何となく理解は出来ますね。

終末期であれば、痛みが出現したりして、精神的にも落ち込んでまた、周りのサポートの薄い方が『死にたい。』と周囲にもらすようです。(希死念慮と言います。)

この『希死念慮』の意味ですが、多彩な意味が含まれているようです。

『「生きたい」と言うことに対する逆説的表現。』であったり、

『今現在や将来起こりうるであろう耐え難い苦痛に対する援助の求めや対処法。』であったり、

『自身をコントロールするための主張。』であったり、

『自分のことに関心をいだいて欲しい。』や『家族から見捨てられる不安』であったり、

『悲嘆や苦悩』や『だんだん状況が悪くなっていく過程のつらさ。』などを意味していることが多いそうです。

希死念慮は、進行がんにおいて、身体的な機能が低下していて、痛みなどの症状があり、うつ状態になっている場合に多いのです。

ただ、『死にたい。』と口に出す方のほとんどは、生きる事への援助を求めていることが多いのです。

ですので、サポートが必要なのです。

家族の方の支えでもいいですし、心理カウンセラーや場合によってはナースや主治医が支えることもできます。

そして、過去に自殺企図があったかや、若くしてお亡くなりになった家族はいないかの確認をしなければなりません。

希死念慮の患者さんに対しては、自殺することは悪いことと批判するのではなく、なぜ、そう考えたのかなどありのままの心をさらけ出してもらうことが大切です。

と同時に希死念慮の強さや計画性を持っているかなども評価していかねばならないでしょう。
人の心は、難しいですよね。


人気blogランキングへクリック宜しくお願い致します。

万が一、自殺してしまった場合は、家族、医療スタッフへの対応(心のケア)が一番肝心です。

決して、個人を責めてはいけません。

無念な気持ちは誰もが同じなのですから。

何が悪かったかを話し合ってはいけません。

いろんな行為が悪かったことに思えてくるからです。

『この経験を次に生かすようにする。』を第一に考えなければなりません。


なかのひと

『患者と医者をつなぐもの』も読んでね。



レンタル


固定リンク | コメント (8) | トラックバック (1)

トラックバック

この記事のトラックバック URL

http://blog.m3.com/yosshi/20080730/1/trackback

トラックバック一覧

死にたい”という癌患者のほとんどは生きることへの援助を求めている
第6回日本臨床腫瘍学会学術集会の報告で見つけた記事です。 ---------- 「死にたい”という癌患者のほとんどは生きることへの援助を求めている」  2008. 4. 1“【臨床腫瘍学会2008】... [続きを読む]
posted from 乳がん患者のサロン2 - ノエル編 2008.07.30 13:22

コメント

コメント一覧

 「死にたい」を連発する人がいたら、私は本当に死にたいんだなって思ってしまうほうです(^^;)。生きることに対する援助を求められているとは、あまり思わないかもしれません。言葉通りに解釈しちゃいけないことはたくさんあると頭でわかっていても、実際に見極めるのは難しそうです。こういう場合こそ、専門家に相談するのがベターな選択かも。
 専門家の中には、医療関係者以外に宗教家の存在も重要ですね。私は無宗教ですが、自分が終末期になったら白衣を着た精神科医より、こっち系の人と話しをしたくなるかもしれません。宗教家と話をしても、何の解決にならないと思っていてもってことなんですけど。
 で、遺族の立場になったとしたら、宗教家より心理カウンセラーの方がずっと受けたい気分。ご都合主義なんですけど。。
written by christmas / 2008.07.30 13:20
死にたい、という人の殆どは『死にたいくらい辛い』。

死にたい、というより何者かに殺されるという感覚なのかもしれません。
written by azuki / 2008.07.30 17:53
「がんと自殺」と見て、ZARDの坂井さんを思い出しました。
(自殺がどうかは、定かではないですが...)

言いようのない、孤独感というのもあるのかなぁと。

がんのような悪性でなくても、患者って、時々、ものすごい孤独感に襲われますし。

自分自身は、結構我慢してしまう方だから、
「死にたい」って言えないかもしれないなぁ。
その方が危ないかナ...。(-"-;A
written by Kei☆ / 2008.07.30 19:37
christmasさん
自殺を何度も試みる人の中には、ただかまって欲しい場合も多いようです。

まあ、カウンセラーや精神科医師、宗教家などの介入がよいですね。
もちはもちやです。

介入しようとしてもさすがにそこまでの時間はありませんわ。

azukiさん
>死にたいくらいにつらい
そんな方もいるでしょうけど、そうでない場合も多々あるかと思います。
ですので、余計に対応が難しいかと。

>何者かに殺されるという感覚なのかもしれません。
そのような感覚は初めて聞きました。
そんなもんなのでしょうか。
中には、そんな感覚の方もいらっしゃるのでしょうね。

Kei☆さん
>孤独感
それは、あるかも知れませんね。
がんになった方の本当の気持ちはなった本人でないとわからなかったりしますからね。

我慢することも悪くないですよ。
ただ、本心を語れる人がいた方がいいですよね。
written by よっしぃ / 2008.07.30 21:36
おはようございます。

大病院の病室の窓が開かないようになっているのは
自殺をしない為だって聞いた事があります・・。

兄が入院してる時、他の付き添いの方が医師に
「自殺したい・・と言うからどうしたら良いのか」と、相談しているのを聞いた事があって 当時を思い出し切なくなりました。
生きる事は本当に大変です・・。
そんな簡単な言葉じゃ表せませんが・・
written by ミルクティ / 2008.07.31 08:15
すみません・・
窓が開かないのは自殺をしない為と決め付けた感じで書いてしまったので。
勿論、安全面等色々考慮しての事ですよね。
written by ミルクティ / 2008.07.31 08:22
こんにちは。
多くの自殺は逃げだと思います。

でも、高齢者やがん末期の人にとっては、自殺の選択肢があっても良いのではないかと思います。

でも、そういう立場の人にとっては、自分で死ぬこと自体が難しいのです。

医師が他人の命を自由にして良いとは思っておりませんが、そういう選択肢もあるということを考えてあげることは大切だと思います。
written by 桜子 / 2008.07.31 14:54
ミルクティさん
今まで勤めた病院は窓開くところと開かないところと半々くらいでした。
大病院は、高層なので開かないのではないですかね。

>自殺したい
そう言ってくれた方がいいと思います。
カウンセリング、精神科医に相談します。

桜子さん
医師として、自分で死ぬことを容認するわけにはいかないかな。
尊厳死と言うのならまだ理解できますけど、自殺の選択肢があるなんて患者さんに考えて欲しくもないです。

考える考えないは自由です。
しかし、そう思う患者さんがいたならば何とか違う方向に導いていきたいと思います。

そのような仕事は宗教本来の仕事だと思っているのですけど。
written by よっしぃ / 2008.07.31 19:34

コメントを書く

ニックネーム*
メールアドレス*
URL
内容*
※「利用規約」をお読みのうえ、適切な投稿をお願いします。
よっしぃ
More プロフィール

Search

Calendar

<< 2012/02 >>
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29

トップページ

Doctors Blog

ブログの購読

新着コメント

新着トラックバック