最近、あまり医療と関係のうすい話題が多かったので今日は、ピュアな医療の話を。
『Sさん、血糖高いですね。ヘモグロビンA1c7%を超えていますね。内服治療を開始した方がいいですね。』
『先生、なるべく薬は飲みたくないんです。副作用恐いし。』
Sさんが糖尿病の治療薬を開始するときの話しです。
この様な会話は診察室でよく繰り広げられます。
あまり、薬を飲みたくない気持ちはわかるのですけどね。
何のための内服薬かというと血糖を上がらないようにする目的なんですけど、最終目標は、糖尿病による合併症をなくすことなんです。
わかりやすく言えば、糖尿病によって、目が見えなくなったり、腎臓が悪くなって人工透析が必要になったりとかを予防するために薬を使うんですね。
もちろん、副作用もあります。
『あります。』って言っても、ほとんどの方は、何も出ないことがほとんどです。
出たとしても、多くは、内服開始後3ヵ月以内に出ます。
副作用が出ても重篤でなければいいわけです。何種類も薬はありますし、その患者さんにとって副作用の出にくい薬を見つければいいのです。
糖尿病によって、視力を奪われたり、透析をしなければならなくなるのを回避するメリットと副作用のデメリットを天秤にかけると圧倒的に糖尿の治療をした方がいいわけなんですね。
ただし、数%の方は副作用で薬の種類をかえないといけない場合があります。
また、稀に命にかかわるような副作用が出ることがあります。
稀でなければ、その薬は発売中止になります。
10年ほども前も発売してしばらくして発売中止になった糖尿病治療薬がありました。
がん治療の場合はどうかというと、もっと強い副作用でも許容されるんですね。
なぜなら、がんは治療しないと命を落とす可能性が非常に高いのです。
治療にリスクがあってもベネフィットがリスクを上回れば薬となります。
たとえ死亡率が1%ある薬であったとしても。
高血圧や糖尿の薬で死亡率が1%なら当然薬になりませんが。
医療行為がリスクを伴う点、そのリスクを医療を受ける側が理解しないとお互いにいつまで経っても理解し合えることはないのです。
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医療行為とは、常にメリット、デメリットを天秤にかけながら行われています。
『患者と医者をつなぐもの』も読んでね。
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コメント
コメント一覧
青空になってます~。
薬はリスクって、よく聞くけれど、
同じ薬を飲んでも、平気な人もいれば、
いろいろ副作用が出る人もいるから、
医師も大変ですね。
私も一度だけ、副作用で、仕事中もしんどかったので、
先生に相談したら、量を減らせてもらえました。
その後は、楽になり、予定期間続けられました。
もしかしたら、効き過ぎてたのかもしれないけど。
お医者さんと相談しながら、調整してもらうのも大事ですね。
飲まなかったときのデメリットって、
なかなか頭に浮かばなかったです。
蒸し暑いですけど。
医療行為を行う、行わない。をメリットデメリットを考えながら決めるのが医師の仕事です。
何事もリスクが0なら何でもすることが出来ます。
それならば、医者は人間でなくても機械でもできるでしょう。
精神科医をしています(していました)。
今年の3月、直腸癌を指摘され、同月、手術を受けた後、4月より化学療法を受けています。
抗癌剤は、ベネフィットが大きい(とされているような)ので、大き目のリスクや強い目の害作用が許容されているように、患者サイドに立った際、思いました。
ベネフィットと、リスクや害作用をはかり天秤にかけた場合、医者サイドは害作用を小さく見積もる傾向にあるように思いました。(僕も以前はそうだったのかもしれません。)
抗癌剤の性格上、難しいことなのかもしれませんが、害作用を抑えることが出来る用量で、そこそこ効果のある抗癌剤治療を選べるようになればいいな、と思っています。(患者サイドがしっかり勉強すれば、現在でも可能なのでしょうが。)
なお、僕は先日、投稿した「美味しいお酒を長く飲めるようにして下さい。」という価値観の持ち主です。
>ベネフィットと、リスクや害作用をはかり天秤にかけた場合、医者サイドは害作用を小さく見積もる傾向にあるように思いました。
抗がん剤治療に関しては、患者さんの方がリスクを低くみていると前から思っていました。
抗がん剤治療を勧めない場合でも、『何かありませんか?』とよく聞かれます。
かえって、寿命を短くする可能性があるので勧められないと説明しても、ぜひ抗がん剤をしたいと言う患者さんを何人も診てきましたよ。
そうなのですね。非常に参考になりました。
丁寧なお返事、有難うございました。
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