ここで言う抗がん剤とは分子標的薬ではなく、殺細胞性の抗がん剤の話しです。
殺細胞性抗がん剤は、いろいろな毒性があります。
抗がん剤治療を行う患者さんにとってはメリットもありますのである程度の毒性は許容して頂かないといけないのですが、患者さん以外に抗がん剤が暴露される場合があり問題となります。
主には、医療従事者に対する抗がん剤曝露です。
最近は、抗がん剤の調剤を安全キャビネットと言われる抗がん剤が飛散しにくい場所で調剤することが多くなってきましたが、10年前はほとんど病棟の詰所で抗がん剤をボトルに詰めていました。
私も、ナースステーションで詰めた事があります。
もちろん、こぼしてしまって床などを抗がん剤で汚染した経験があります。
抗がん剤を使ったことのある多くの先生は似たような経験をしているのではないでしょうか?
抗がん剤を取り扱う看護師の尿から抗がん剤が検出されたとの報告がありましいた。
そこで、さらに調べてみると抗がん剤の調整に直接関与していない職員の尿からも抗がん剤が検出されました。
また、拭き取り調査をしてみると患者さんの机などにも付着していたとの報告もあります。
現在、抗がん剤の調製は全身を覆うような格好で行われています。ガウンを着てマスク、キャップ、ゴーグル、グローブをして行います。
ですので、調製する本人は安全であることが多いです。
しかし、その後の対応によっては安全でない場合があります。
例えば、廃棄するときにまわりに飛び散らかせてしまったりです。
曝露の経路としては、皮膚や粘膜からの吸収(調製するときにエアゾル化して空気中を漂う)が主なものですが、手洗いをせずに食事をしたりする場合もあります。(本人の意識の問題ですが。)
あと、抗がん剤を投与された患者さんの排泄物からの曝露も考えられます。
血液、吐物、排泄物などです。
アメリカのがん看護協会では、抗がん剤投与後の患者さんの排泄物の取り扱いが決められているようです。
そこでは、抗がん剤投与後48時間以内の患者さんの体液、排泄物は抗がん剤が混入しているものとして扱う事としています。
と言うことは、患者さんの家族などへの曝露の可能性もありますよね。
患者さんの家族へも曝露予防の知識を持っていただかないといけません。
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50時間経ったら大丈夫かどうかなんてわかんないですよね。
『患者と医者をつなぐもの』も読んでね。
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