もう、ずいぶん前のことです。
Pさんは、胸部レントゲンで異常を指摘されて紹介されてきました。
Pさんは、肺の中にもかたまり(腫瘤)はあるのですが、どうも肋骨から出てきた腫瘍のようです。
外から、針でついて検査に出しました。
結果を待つ間に全身転移がないかも調べました。
肋骨のところだけで他に怪しげなところはありません。
PET(がんのところが光りやすい)の検査もして頂きました。
その結果は、肋骨と前立腺の部分がひかっていました。
組織の結果も『前立腺がんの転移を疑う。』と返ってきました。
PさんとPさんのご家族に病状を説明しました。
簡単にまとめると『前立腺がんの肋骨転移であろう。泌尿器科に一度受診して頂きたい。』との説明をしました。
すると、言いにくそうにPさんは話し始めました。
『実は、8年前にQ病院で前立腺がんと言われました。恐かったのでほったらかしにしていました。』
私も驚きましたし、ご家族もビックリしていました。
すぐにQ病院に問い合わせたところ8年前の診断は、前立腺がんで間違いないとのことでした。
Q病院で治療を受けることとなりました。
Rさんは、胸水がたまっていると紹介されてきました。
レントゲンを見てみると右側に胸水がかなりたまっています。
早速、水を抜くチューブを胸腔内(胸の中)へ入れました。
血性胸水(赤い色の胸水)が出てきました。
これは、悪性胸水の可能性が高いのです。
胸水細胞診より腺がん細胞を認め、また、腋窩(脇の下)のリンパ節も腫れており乳がんの可能性が高そうです。
さらに検査を進めていくと乳がんによる胸水貯留でした。
そこで、RさんとRさんのご家族に病状を説明しました。
すると、Rさんも告白をはじめました。
実は10年前に乳がんだとS病院で言われたそうです。
絶対に嘘だと思い病院には行かなかったそうです。
嘘だと思いつつ恐いので他の病院を受診することもなかったそうです。
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肺がんの進行は、早いことが多いのですが、乳がんや前立腺がんは非常に進行がゆっくりな事があります。(早いときもありますけど。)
ですので、このようなことが起こりえたのです。
肺がんの場合、まずないケースだと思いますけど。
こわくても、担当医とよく相談して治療方針を決めてください。
PさんもRさんも言われた当時に治療していれば治った可能性が高いと思います。
理解した上で治療しない選択をするならまだいいですが、こわいから逃げるのはいけません。
また、ASCO(世界最大級のがん学会)の季節ですね。
今年は、どんなネタが出てきますか?楽しみです。
『患者と医者をつなぐもの』も読んでね。
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