医療事故安全調査委員会って知ってますよね。
知らない方は、僻地の産科医先生のブログをご覧ください。
『医療事故安全調査委員会 第三次試案 目次』
『医療事故安全調査委員会 ADRと第三者機関 目次』
これを読めばわかりましたよね。
医療者側からは、根強い反対の意見があります。
やはり、刑事罰の対象となるかどうかが大きいのです。
その時々に考えられるその時々のベストな医療を行っていても(後から考えるとそのときの医療がベストでないかも知れません。なぜなら、後になるといろいろな状況が明らかになるからです。)、悪い結果になることがあります。
今の裁判などの判決をみると、後からわかったことがあるからそのわからなかった時点でそうした方がよかった。
みたいな判決があります。
医療関係者から見れば???なのです。
我々の行った行為を現在の司法は、きちんと裁いてくれていないのです。
と言うことは、何も間違ったことをしていないのに、刑事罰を受ける可能性があるのです。
だから、医療関係者は刑事罰に強く抵抗するのです。
放火による火事で命を落とした方の遺族が消防を訴える時代ですよ。
医者のわがままで免責を訴えているかのように言われている方々も多いですが、決してそうではないのです。
bamboo先生のブログに『WHOの勧告』のエントリーがありました。
エントリーの元となるコメントもご参照ください。http://blog.m3.com/kiru/20080428/1#comments
実は、『WHOのガイドライン原文』があることは前から知っていたのですが、英語なので自分でなかなか読まなかったのです。
bamboo先生のWHOの勧告の日本語訳を引用します。
非懲罰的:医療安全報告制度の成功のために備えるべき最も重要な特徴は「非懲罰的であらねばならない」と言うことである。報告者自身も、事例に関わったその他の者も、報告を元に処罰されてはならない。公開システムでは、この要求は最も達成が困難なものだ。なぜなら、大衆は個人を責めがちで、「犯人」を処罰するような圧力が起こりうるからだ。おそらくは一時的・情緒的な満足は得られても、このような(懲罰的)方法は失敗する運命にある。隠せる過誤を報告しないようになるからだ。国のシステムとしては、報告者を非難から守ることが重要となる。そのために最も良い方法は、報告内容を秘匿することである。
秘匿性:患者や報告者の個人情報は決して第三者に明かされてはならない。秘匿性の水準は、訴訟に使用されうるような情報が公開されないようなものとする。たとえ歴史的に秘匿性のほころびが問題にならなかったとしても、情報公開への懸念は、自発的な報告を妨げる大きな要因となる。
独立性:報告制度は、処罰権限を持つ権威や報告内容に利害関係を持つ機関から独立していなければならない。報告機関と懲罰機関の間に「防火壁」を維持することは困難ではあるが、報告内容への信頼性が保たれるか否かという点で本質的なものである。
高度な分析:報告は事故の起きた臨床的環境を理解し、背後に隠れた原因を知覚するための訓練を受けた専門家によって評価されなければならない。データを集めても分析しないのでは意味がない。これはお役所仕事でよく見られる失敗だが、報告を集めることはするが、その内容を分析可能となるように配布しない。大量の報告を集めるが、箱やコンピューターに入れて眠らせるだけ。(分析のための)専門的技術は、いかなる報告制度にあっても重要で本質的な資源である。
信頼性:勧告が受け入れられ、実行に移されるのであれば、独立性と分析のための専門家の使用が必要である。
適時性:報告は遅滞なく分析されなければならず、必要のあるところには直ちに勧告が為されなければならない。重大な危険が発見されたのであれば、速やかに発表すべきである。たとえば、ISMP は、定期的刊行物によって、薬剤に新たな危険が見つかると直ちに警告を発している。
対象はシステム:勧告は個人の能力を目標にするのではなく、システムや手順や結果に焦点を当てるべきである。これが、あらゆる報告制度からもたらされる勧告によって補強される安全性の、基本原則である。これは、明らかにひどい個人的な過誤であろうとシステムの欠陥から起こり、システムの改善がなければ、また別の人が別の時に同じ過誤を起こすという考えに基づいている。
原因究明のためには、個人を責めてはいけないのです。
当たり前のことだと思うのですが。。
全体的なシステムの改善を目指さなければいけません。
やはり、自身で罰せられるかも知れないと思うとなかなか届けるのに勇気が必要ではないでしょうか?
そのためらいが、原因究明を妨げることにもなるのではないでしょうか?
やはり、日本は世界から見ても不思議な国なのでしょうね。
少しでも、よい医療状況となりますように。
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引用を許可いただきましたbamboo先生にお礼申し上げます。
その前に、労働環境を整えて疲労が蓄積しないようにすることの方が大切だと思いますけどね。
『患者と医者をつなぐもの』も読んでね。
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コメント一覧
探すなら、病気の原因を探して欲しいですけど...。
ところで、病理解剖って、一般人は言葉は耳にするけれど、
実際どうする(どうなる)のか、よく知らないなぁと、
気がつきました。
例えば、手術とかして思いがけず死んじゃったら、
担当の先生は、病理解剖を勧めてくれるのか?、
小さな病院だったら、どこで解剖するのか?、
費用はどうなるのか?とか、
解剖した結果は報告してもらえるのか?とか、
よく考えたら、何も知らないんだなぁと思いました。
じゃあ、今度は病理解剖のお話をしますね。
少し、お時間をくださいませ。
目標としては、今月中くらいでエントリーしたいと思います。
うれしいです。
楽しみにしています。
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