2008.05.04 14:18 |  診療  |  研究  |  生活 / くらし  |  よっしぃ  | 推薦数 : 2

臨床試験の現実

『臨床試験とは』のエントリーではっとするようなコメントをいただきました。

このようなギャップをなくそうとブログを書いているのでコメントの返事をエントリーにあげたいと思います。

こんな事に気付かせてくれたコメンテーターに感謝です。


>>他に合併症がない患者さんのことです。

>臨床試験を希望される患者さんは、現行の抗がん剤で効果が無い人 とかが受けると思ってました。
今の治療に効果がある、現状維持、等の場合でも対象になるのですか?

効果がない場合は、何かしら体にも影響が出てきている状態と思うのですが、
合併症とはがん以外の病気を持っているということですか?
それともがんの治療以後にでた症状の事でしょうか?
どんな状態の事をいうのでしょうか? まだまだ知らない事だらけです。

>>臨床試験は、参加する患者さんのためのものではなくて、5年後の同じ病気の患者さんのために行われているものです。

>頭をが〜んと殴られたような気持ちです。
患者にとっては新薬を試せるので一石二鳥なんだと思ってました。
臨床試験に参加する患者のメリットは治療費の事だけですか?


まず、臨床試験は新しい薬、よりよい治療を見いだすために行われます。

なので、一般的な患者さんを対象とします。

例えば、肝機能障害が強い患者さんは対象となりません。
やはり、一般の方より副作用が強く出る可能性がありますし、その副作用が出たからといって一般の方に当てはめにくいのです。

年齢の上限もあります。(中には、高齢者の標準治療を決めるためにエントリーの基準がある年齢以上というような試験もありますが。)

『他に合併症がない患者さんです。』の答えになりましたよね。

臨床試験は、新たな標準治療を作り出すものです。

初回治療の標準を決めるには、今まで治療をした患者さんでは不適当ですよね。当然ながら。 

なので、初回治療(未治療)の患者さんだけで試験をします。 

治療後再発の標準治療を決める試験ならば、治療して再発した患者さんばっかりで試験をします。

現状維持の期間を延ばすと思われる治療であれば、現状維持の患者さんが対象になりますよね。

>>臨床試験は、参加する患者さんのためのものではなくて、5年後の同じ病気の患者さんのために行われているものです

上記の内容を読んでいただければある程度理解できると思いますが、臨床試験で主なものは「今の標準治療よりも優れているかどうかを見る試験」と「今の標準治療と同じ効果で副作用が少ないかどうかを見る試験」です。

ですので、本当にいいかどうかは、試験の結果が出ないことにはわからないのです。

はっきりといい結果がでれば、結果が出た後に標準治療として認められます。

試験に参加される患者さんは、標準的な治療群化より効果の高そうな治療群(もしくは、同じくらいの効果で副作用が少なそうな治療群)のどちらかにランダムに振り分けられます。

ね、メリットないでしょう。

考え得るよい治療が受けられる確率はだいたい50%。
ただし、本当にいいかどうかは不明。もしかしたら、副作用が強すぎてよくないかも知れない。

でも、本当に良い治療かも知れない。

なんとなく良さそうな気はしますけどね。

採血や検査の日程が厳しかったり、デメリットもありますよ。

まあ、金銭的にはメリットがある試験が多いですけどね。 
 
 
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もし、その50%に入れなくても標準治療は受けられますからね。 


 
 
わからないことあったらまた、質問してください。

出来る限りお答えしたいと思います。
 
 

なかのひと

『患者と医者をつなぐもの』も読んでね。



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