もう、ずいぶん前のことです。

Oさんは、肺がんの末期の状態でした。

食欲もなくなり、日中はほとんどベットの上で過ごしています。

全身倦怠感が強いようです。

ご家族の方にあと1ヵ月持つか持たないかわかりません。と説明しました。

それからお姉さんは、毎日病院に来るようになりました。
いろいろ身の回りのことなどをしてくれます。
Oさんにとってもお姉さんがいることは心強いようです。

ある日、Oさんの病室を訪れるとお姉さんがOさんに
『もう、死にかけてるくせに、、、、、、、』
と言ってるではないですか。

私は、ビックリしてお姉さんの顔をのぞき込みました。
お姉さんは、意に介することもなく続けます。

『片足、棺桶に突っ込んでるから、、、、、』

などとOさんの前で言っています。
 
 
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それから、別の部屋でお姉さんと話しをしました。

お姉さんは、涙ながらに話しを始めました。

『昔から、何でも言いたいことは言う関係やったんです。
私もつらい、出来たらあんな事言いたくはない。

でも、先生もう治る見込みはないんでしょ。
しかも、もう本当に先が見えてるんでしょ。

そしたら、少しでも残された時間が短いことをわかってもらわなあかん。
わからしとかな、あの子が可哀想やと思います。
だから、心を鬼にしてあんな事言いますねん。』



そんな事があってから1週間ほどしてOさんは、眠るように逝かれました。

自分の残された時間をわかっていたかのように。


なかのひと


そして、お姉さんは、号泣していました。

『患者と医者をつなぐもの』も読んでね。



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