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もう、2年になりますでエントリーにあげましたが、『福島大野病院事件』の内容を子供でもわかるように書いてあるブログを見つけたので紹介します。
slummy先生の『やんばる病理医ブログ』のエントリーです。

タイトルは、『一般向け:子供に語る、福島大野病院事件』です。以下引用です。


あるところにね、お腹の大きいお母さんがいたの。

そのお母さんには一人、もう子供がいてね、二人目の子がお腹の中に入ってたの。
一人目の子供はね、お母さんのお腹を切って、お医者さんにとりあげてもらったんだって。

で、そのお母さんはね、次の子を産む時も、同じようにお腹を切って、赤ちゃんをとりあげてもらったの。
赤ちゃんは元気に産まれてきて、良かった!おめでとう!ってなったんだけど、そのあと、お母さんのお腹から血が出て、止まらなくなっちゃったの。
シャワーみたいにすごい勢いで血が吹き出して、大変なことになったんだって。

それで、なかなか血が止まらなくて、とうとう、そのお母さんは死んでしまったの。

そしたら、そのお腹を切ったお医者さんは警察に逮捕されたんだよ。

そのお母さんが死んだのは、そのお医者さんのせいだ、お医者さんがそのお母さんを殺した、って。

そのお医者さんはね、頑張って血を止めようとしたんだって。
でも、止まらなかった。止められなかった。

そういう時に血を止めるにはね「子宮」っていう、赤ちゃんが入ってた袋を全部、取ってしまうのが一番いいんだよ。

だけど、そのお医者さんは、その前に、そのお母さんと話をしてたんだって。

「あともう一人、子供を産みたいです」ってそのお母さんは言ってたんだって。

お腹を切ったお医者さんは、そのことをおぼえてたんだって。

そのお母さんはね、3人の子供が欲しかったんだろうね。
3人子供がいる、5人家族になりたかったんだろうね。

でも、子宮を取っちゃったら、もう子供を産めなくなっちゃう。

赤ちゃんをとりあげたあと、お腹から血が止まらなくなったとき、すぐに子宮を取れば、血が止まる。
でも子宮を取ったら、3人目はもう絶対、産めない。
だからお医者さんはギリギリまで子宮を取らないで、なんとか血を止めようと頑張ったんだって。

でも、血がどんどん出てくるのを止められなくて、とうとう最後には子宮を取ったんだけど、遅すぎて、そのお母さんは死んじゃった。

警察は、もっと早く子宮を取ってればそのお母さんを助けられたのに、子宮をなかなか取らなかったお医者さんが悪い、って言って、お医者さんを逮捕して牢屋に入れたんだよ。
警察はね、別のお医者さんに聞いたんだって。

「こんなことがありました。どうしたら、このお母さんを助けられたと思いますか」って。

きかれたお医者さんは「もっと早く子宮を取っていれば、助けられたと思います」って答えて、紙にもそう書いて、警察にあげたんだって。

でもね。

その、別のお医者さんは、そのお母さんとお話、してないからね。
そのお母さんが「もう一人、赤ちゃんを産みたいです」って言ってたの、知らなかったのかも。

だけど、警察はその紙をもらって、そのお母さんが死んだのは早く子宮をとらなかっ
たお医者さんのせいだ、って逮捕しちゃった。

死んじゃったお母さん、かわいそうだね。
生まれたばかりの赤ちゃんと、もう一人の子供を残して、死にたくなかっただろうね。
お母さんが死んじゃって、子供たちもかわいそう。

だけど、そのお母さんが死んだのは、ぜんぶお医者さんのせいだ、っていうのは、まちがってる。

どんなお医者さんでも、ぜんぶの人を助けられるとは限らない。

悲しいことだけど、お医者さんがどんなに頑張っても、助けられない命が、あるんだよ。

今、日本中で、赤ちゃんをとりあげるお医者さんが少なくなってきてるの。
お腹の大きいお母さんから、赤ちゃんをとりあげる時に、大変なことはいっぱいあって、みんながみんな、無事に産まれるとは限らないし、産んだあとも無事とは限らないの。

でも、それは、全部、お医者さんのせいだってわけじゃないんだよ。

お医者さんが一生懸命に頑張っても、助けられないこともあるんだよ。

お母さんか赤ちゃんかが死んだ時に、そのとりあげたお医者さんが逮捕されて牢屋に入れられちゃうんだったら、赤ちゃんをとりあげるお医者さんがもうとりあげるのをやめたり、赤ちゃんをとりあげるお医者さんになる人が、いなくなったりするんだよ。

でもそれで困るのは次に「赤ちゃんを産みたい」っていう人なのにね。

お医者さんが、わざと殺したんじゃないんだから、逮捕して牢屋になんか入れないで欲しいよ。

赤ちゃんをとりあげる仕事って大事で、それをするお医者さんがいないのって、とっても困るのにね。




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何度も言いますが、医学とは、機械でないひとりひとり全く同じでない人間を扱う、不確かな学問です。

同じ病気の人に、同じ医療行為を行っても、まったく同じ経過をたどることはありません。
多くは、似た経過をたどることが多いのですが、中には全く異なる経過をたどることがあります。


これは、誰が悪いのではないのです。
強いて言うならば、医学が不確かだから、人間の体が機械でないからと言うしかありません。

だから、医者は、あらゆる事を考えてその時考え得るベストな選択をします。

その時ベストであったとしても、2時間後の状況でベストかどうかはわかりません。

なぜなら、状況は、時々刻々とかわっているからであり、新たな情報も加わってくるからです。

それでも、この産科医が逮捕されなければならないのでしょうか?


なかのひと

だから、情報が全部そろった状況での裁判は『後出しじゃんけん』と言われるのです。

『患者と医者をつなぐもの〜よっしぃの独り言』も読んでね。

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非医療者も署名できるスペースを作ってもらえないでしょうか?(追記あり)
 読みにきてくださってありがとうございます。 このところアクセス数が伸びて嬉しく思っています。(コメントがないので(笑〉どのような方が読みにきて下さっているのか分からないのが難点ですが^^;) ... [続きを読む]
posted from akoのつぶやき 2008.02.27 22:57

コメント

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子供のほうが余計な先入観がないから理解できるのかも?なんて思いました(笑〉

トラバさせていただきました。
written by ako / 2008.02.27 23:12
akoさん
この話を聞いた子供達はどういう反応を示すのでしょうね。
興味あります。
written by よっしぃ / 2008.02.28 13:26

あと一人、子どもを希望していたのなら尚更、子宮摘出は最後の切り札として考えていたでしょうね。

私の周りにも、帝王切開で3人子どもを出産された人が何人かいますが、実際、リスクを伴いながらなんだな・・・と、話を聞きながら思うことです。
written by azuki / 2008.02.28 16:22
azukiさん
この状況での判断は、非常に難しいと思いますね。
やはり、産科は新しく生まれるものがありますからなおさら判断難しいと思います。
written by よっしぃ / 2008.02.28 20:02
先日はコメントをいただきありがとうございました^^
いろいろ大変なご時世ですよね。心中お察しいたします。
その後睡眠は取られていますでしょうか?

今回の記事を見させていただきました。
ただこのお話をそのまま子供に読み聞かせて良いものかどうか、
やはり悩んでしまいますね...

 -2007年1月26日 福島地裁で初公判が開かれた福島県立大野病院事件 検察側冒頭陳述の要旨 より-

突然の大量出血が起きる危険があるが、大野病院は大量出血した場合の輸血の確保が物理的に困難である。そのため従来、前置胎盤患者は、より設備の整った磐城共立病院に転院させるなどしてきたが、被告人は被害者の帝王切開手術を大野病院において行う旨の言動を、大野病院産婦人科職員に対しするようになった。

 同院の助産師は、大野病院での出産は不適切であると助言したが、被告人は「なんでそんなこと言うの」などと言い、この助言を聞き入れようとはしなかった。助産師が、ほかの産婦人科医の応援を要請した方がよいのではないかと申し入れたところ、被告人は問題が生じた場合には双葉厚生病院の医師に来てもらうと返答した。

 このほか、被告人は手術前に、福島県立医大産婦人科の先輩医師から、同大病院において、前置胎盤・帝王切開既往の妊婦の帝王切開時に大量出血を起こして、その処置に困難を来したことを教えられ、大学から応援を派遣してもらった方がよいのではないかと言われていたが、その場でこれを断った。
      http://www.ohmynews.co.jp/news/0/4908

...理由はやはりどうしても上記のことが気にるからです。

written by oco / 2008.03.04 02:17
ocoさん
医療の現場は、本当にいろいろな条件が組み合わさっています。
おそらく、自分の力量と考え合わせた上の決断でしょう。
もちろん、設備の整った病院での方が安全ではあるでしょう。

非常に難しい問題ですけど。

極論をいえば、設備のない病院では何も出来なくなることもあります。

産科領域ではないのですが、肺の中の組織を取る方法にCTガイド下生検という方法があります。
合併症として、空気塞栓が起こりえます。そして、死に至る可能性のある合併症です。
治療は、高圧酸素療法と言って特殊な装置が必要でよっぽどの病院しか置いていません。

ただ、検査法としては優れておりCTガイド下生検は、なくてはならない検査です。

高圧酸素療法のある施設だけで行うには、無理があります。

written by よっしぃ / 2008.03.04 12:54

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