以前、ブログでこんな質問を頂きました。
>肺がんに関する質問ですが同じステージⅣ患者でもCEAが15のひともいれば200の人もいますがなぜですか?
>高い程死期が早いのでしょうか?
>肺がんで一番重要な数値は何でしょうか?
さて、腫瘍マーカーとは何でしょうか?
簡単に述べます。
体内に腫瘍ができると、健康なときにはほとんど見られない特殊な物質が大量につくらます。
この物質を『腫瘍マーカー』といいます。
肺がんならCEA、SCC、CYFRA、proGRP、NSEなどが有名です。
腺がんは、CEAが上昇しやすく、扁平上皮がんは、SCCやCYFRAが陽性になりやすい。
小細胞がんは、proGRPやNSEがあがりやすいとがんのタイプによって上昇しやすい腫瘍マーカーは違いますが、必ずしもあてはまらないこともあります。
腫瘍マーカーの利用法は何でしょうか?
考えられるものとしては、スクリーニングや治療効果の判定と再発予測などがあります。
ただし、健診においてスクリーニングとして使用に耐えうる腫瘍マーカーはほとんどありません。
前立腺癌のPSAぐらいでしょうか。(PSAさえ否定的な意見もあります。)
ここで、大事なことは、腫瘍マーカーが陽性だからといって必ずがんがあるわけではない。
また、反対に陰性だからといって完全にがんが否定できるわけではありません。
例えば、肺に強い炎症のある場合(肺炎やびまん性肺疾患など)は、腫瘍マーカーは、高値を示すことが多いのです。
CEAなどは、喫煙者は非喫煙者と比べて高い値を示しますし、CA19-9などは、膵臓の炎症でかなり高い値を示すことがあります。
しかも、がんの早期には正常範囲内であることが多いです。
ですので、スクリーニングとして使用しますが、あまり信頼性はありません。
腫瘍マーカー値の上昇はがんの進展に比例することが多く、治療効果の判定や再発の予見には有用であることが多いです。(腫瘍マーカーだけが再上昇して画像では異常がないこともままあります。)
だいぶ、腫瘍マーカーのことが理解できたのではないでしょうか?
でも、上の質問には答えられないですね。
基本的に腫瘍マーカーの上昇は腫瘍の量を比例すると考えられます。
これは、同じ腫瘍において言えるわけであって腫瘍マーカーを他人と比較することは全く意味のないことです。
同じ肺腺がんであってもCEAが1000を超える人もお亡くなりになる直前まで全く正常範囲内の人もいます。
この差は何か?
おそらく、少しの腫瘍量でCEAをたくさん作る性質の腫瘍と多い腫瘍量でもほとんど作らない性質の腫瘍とのちがいです。
簡単に言うとがんの個性なのです。
だから、他人の腫瘍マーカーと比べても仕方がないのです。
腫瘍マーカーの値が1万を超えたら死ぬ。なんてことはありません。
10で死ぬ人もいれば100で死ぬ人、1万でもまだまだ元気な人もいます。
腫瘍マーカーは、治療効果の判定や再発の予見には有用です。(有用でない人もいますけど。)
ただ、腫瘍マーカーの値が1割あがった、さがったと言うのはあまり意味のないことです。
半分になった、2倍になったと言うのは意味があると思いますけど。
これで、上ふたつの質問の答えになりましたよね。
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最後の質問ですが、肺がんで1番大切な数字は特にないと思います。
1番大切なものは、数字なんかより、症状です。
症状なく日常生活が送れていることが大切だと思います。
『患者と医者をつなぐもの〜よっしぃの独り言』も読んでね。
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