久しぶりにマニアックな話しをします。
タルセバもイレッサも分子標的薬です。
どちらもEGFRチロシンキナーゼ阻害剤と言う分類に入っています。
この酵素をブロックする事により腫瘍が増殖、転移、浸潤などをおこさないようになるのです。
飲み薬です。構造も非常に似ています。
何で、今この話題かというと今まで肺がん領域でこの系統の薬はイレッサだけでしたが、今月タルセバが発売になったからです。
ですので、治療の選択肢が広がったわけです。
では、どのようにして使い分ければいいのでしょうか?
もちろん、タルセバが新しく認められたわけですからイレッサ以上のメリットがあるのでしょう。
イレッサは、承認時の試験で250mg/dayと500mg/dayの量で検討が行われ、効果の差がほとんどないため承認用量が250mg/dayとなったいきさつがあります。
それに対して、タルセバは副作用として皮疹が95%以上の方に皮疹が出ます。(イレッサは、50から60%です。)
なぜなら、タルセバは副作用が許容できる目一杯の量が標準的な1日投与量と設定されたからです。(150mg/day)
ですので、有効濃度はイレッサの3倍あると言われておりイレッサよりも効果が期待できると言われています。
しかし、問題があります。
イレッサも発売後、イレッサによる肺傷害で多くの方が命を落としました。
現在、イレッサで肺傷害は5%程度おこり、そのうち約半分はどんな治療をしても死に至る事がわかっています。
この肺傷害の副作用は日本人に多く欧米人に少ないのです。
タルセバは、欧米ですでに使用されており安全性は確認できているのですが、日本人に使用した場合の安全性は不明です。
効果がイレッサよりあって、肺傷害の頻度がイレッサと同等もしくは少なければいいのですが。
今のところわかりません。
今あるデータは、日本人120名程度に使用したデータしかありません。
そのデータを信頼するならイレッサと同程度の肺傷害の発症率なのですが、イレッサはすでに何万人にも投与されています。
また、本当にタルセバにイレッサを上回る効果があるのかも使ってみてはじめてわかる事もあります。
個人的な意見としては、データがそろってくるまではタルセバはあまり使いたくないな。肺傷害怖いし。と言うような意見です。
イレッサが効かなくなった患者さんなら比較的安全に使えそうな気もしますので、そう言った患者さんを中心に使ってみたいとも思います。
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イレッサとタルセバのすみ分けはどうなるのでしょうか?
ちなみに、タルセバは、1錠約1万円、イレッサは約7千円です。3割負担だと月にタルセバは10万円、イレッサは6万円です。(薬代だけですよ。)
次は、わかりやすい簡単な話を予定しています。
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で、イレッサの主な副作用が皮疹だった場合、タルセバで皮疹が出る可能性は高いのでしょうか? また、イレッサで肺傷害をおこさなくとも、タルセバでおこす可能性はどんなもんでしょうか? イレッサの3倍の濃度っていうと、副作用もやっぱり、より強いのかなあと想像してしまいます。。。
タルセバの皮疹は本文にもありますが、95%以上の頻度で出現します。
肺傷害の頻度
これは、肺傷害の原因がアレルギー的な機序によるものであれば頻度はイレッサと同程度であると考えられます。
EGFRを阻害する事により発症するとすれば、イレッサよりおこりやすい事が予想されます。
さて、どうなんでしょう?多くの患者さんに使用してみないとわかりません。もしかしたら、低い頻度って可能性もあります。
ohkami45先生
個人輸入で保険外で使用されたのですね。
基本的に特発性肺線維症の基礎疾患を持つ患者さんにイレッサやタルセバは使用してはいけないと考えております。
本当に、肺傷害は内服開始後数日で起こりそのまま命を取られる事がありますので慎重に慎重を重ねるくらいにしなければならないと思います。
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