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以前、『ある美しい国の物語』で日本の医療の現状、そして、今後の可能性など書きました。(6月21日エントリー)

その内容は混合診療が解禁になったらこんな世界になるかもしれないよ。って話しです。

他のブロガーの方も混合診療に関していろいろ述べられています。ネタ的には少し遅いのですけど。

当時(と言っても半年も前ではないのですが。)は、可能性としてあるけれども、まあ、そのような社会にはならないだろうと思ってました。

しかし、昨今の状況を見ると現実となる可能性は十分に考えられます。
もちろん、この話は高齢者対象の話しですが、それ以外にも適応される可能性があります。

保険診療も問題点はたくさんありますが、よい点もたくさんあります。

一度、読んでみてください。

=============================

その美しい国は、すべての国民がみな平等に低料金で質のよい医療を受けれる国でした。皆保険制度のおかげです。

貧しい人が多く、平等な医療が受けれない人が多かった過去を反省してそのような制度ができたのです。

ある時期より政府は、医療費が国の財政を圧迫する。医療費の削減が必要である。また、医者の数が多すぎる。医者を減らせ。と連呼し出しました。

医療費削減の様々な政策が行われました。体力のない医療機関の経営は苦しくなりました。

それでも、医師たちは、目の前の患者さんのために働きました。
当直で眠れなかった次の日も手術を行いました。外来診察を行いました。36時間以上病院にいることも特別なことではありませんでした。

医師たちのがんばりにより世界有数の高齢化社会がやってきました。
高齢者が増えます。高齢者は若い人と比べると治りも遅く治療費は高くなります。

また、様々な新しい薬剤、治療法などが開発されました。今までと同じ病気でも今までよりよりお金がかかる治療がどんどん増えてきました。
しかも、専門的な技術を持つ医師しかできない治療も増えました。

それでも、医療費を削減しようと政府はしています。

しかし、一般国民に充分な医療が提供できない状況が生まれつつありました。医療費削減のために病院が廃院に追い込まれ、医者のいない地区が増えてきたのです。

さすがに政府はあわてました。いろいろな策をねってみます。
一番簡単なのは、お金をかける事ですが、なかなかそうはいきません。

昔、この美しい国には、『姥すて山』と言う伝説がありました。

医療費を一番費やしているのは高齢者です。高齢者の医療費を削ろう。必要最低限の治療は国がカバーしよう。それ以上の治療は自己負担でやってもらおう。

70歳を超えた国民は、20世紀に開発された治療しか健康保険上は認めない。という『高齢者医療20世紀法(俗称  姥捨て山法)』が成立しました。

春野ことり先生の天国へのビザ、残像の小説のような世界が現実のものとなってしまいました。

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ちなみに、11月1日時点で後期高齢者(75歳以上)は、日本の全人口の10%を超え、65歳以上が人口の20%を超えたそうです。2007.11.21総務省発表

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みなさんはどうお考えですか?
もちろん、高齢者だけでなく若い人でもこうなる可能性はあるわけで。。。


なかのひと

もちろん、混合診療が解禁となっただけで上記のような世界がすぐに現実となるわけではありません。
しかし、なる可能性は十分あります。

日本医療の将来は、どうなるのでしょうか?

混合診療解禁は十分に議論した上で行わないといけません。

個人的には新人医師とベテラン医師の報酬に差がないのであれば、混合診療解禁でも悪くはない(仕方ない)と思っていますけど。

どんな形で混合診療を認めるかが大切です。
事態を注意深く見守っていきたいと思います。

最悪のシナリオにならないように。


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posted from 天国へのビザ 2007.11.25 08:13
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今年封切られた映画 Sicko(シッコ)は、貧乏な人は医療を受けられないという、アメリカの医療制度を痛烈に批判した映画です。観に行きたかったのですが、行けないまま上映が終わってしまいました。子持ち常勤... [続きを読む]
posted from 天国へのビザ 2007.11.25 08:14

コメント

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日本の場合、公的医療保険でカバーする疾患とサービスが欧米各国に比べて多いので民間保険が入る余地が少ないそうです。

公的保険は高齢者向けと低所得者向けの2種類しかないアメリカでは民間保険が中心で、貧富の差が保険契約の内容や無保険に如実に顕れますね。
アメリカで高額の医療訴訟が多いのも、後遺症や合併症が公的保険でカバーされないので治療費が膨大になることも大きな原因だそうです。
スウェーデンなどの北欧諸国は社会福祉が充実しているので、無過失賠償制度があるうえに公的保険でカバーする範囲も広いですから高額の医療訴訟にはなりません。

福祉国家であるフランスあたりでも、民間保険は7~8割の国民が加入しているそうです。

日本では、混合診療解禁と民間保険の拡大と公的保険のカバーする範囲の縮小化はリンクしていると思います。
比較的安い費用で医療が受けられましたが、混合診療解禁で公的保険が縮小されるのは目に見えています。

お金儲けに目がくらんだ財界や保険業界が陰で後押ししているのでしょう」。
written by 鶴亀松五郎 / 2007.11.24 01:24
現在の保険診療に、他の疾患で認められている治療薬などを追加できるだけなら、命の危機にさらされている患者にとって(財政難に苦しむ国にとても?)混合診療も悪くないと思っていましたが、そんな単純なものではないのですね。

多くの先生方が混合診療について患者が不利益を被らないように一般人に理解できる言葉で発信してくださっていること、大変ありがたいです。感謝しています。

混合診療はもう既定路線と思われるコメントを半月前に読みました(http://tyama7.blog.ocn.ne.jp/obgyn/2007/10/post_460d.html#comments)・・・心が寒くなる内容でした。ちょっと滅入りました。

・・混合診療は既定路線なのかも知れませんが、よっしぃ先生がおっしゃるように「どんな形で混合診療を認めるかが大切」
と私も思います。次の世代が困らないような形にして欲しいと願います。
written by ako / 2007.11.24 21:53
あ、紹介したURLの記事ではなくコメント欄です。
誤解のないように念のため・・・
written by ako / 2007.11.24 21:58
鶴亀松五郎先生
コメントありがとうございます。
今回の混合診療解禁騒動は、裁判所が混合診療を認めるような判決を出したために、混合診療解禁の流れができたように感じます。
政策なら、議論がまずありきなのに。。。
違和感を感じずにはおれません。

先生のおっしゃるように保険会社の思惑も大きいのかも知れません。

akoさん
私もakoさんが述べられたような形の混合診療には賛成です。
ただ、今の流れはとりあえず混合診療をまず認める事が決まっているようで非常に不自然に感じます。先に、内容の議論をすべきです。
written by よっしぃ / 2007.11.24 23:07
『ある美しい国の物語』名文だと思います。
政府は混合診療を導入したいのです。しかし、自分の口からはそれを言いません。彼らの思惑は、医療費を削減して医療を崩壊させ医師を窮地に追い込み、あくまでも、「医師サイドから混合診療を望んだ」という形を取りたいのだと思います。
貧困者がまともな医療を受けられなくなれば、彼らの攻撃は医師へ向けられます。統制経済よりももっと悲惨な事態が考えられます。たとえば、医師が貧困患者から暴力を受けたり。殺されたり、そんなことは日常茶飯事となるでしょう。
本当に恐ろしいシナリオができているようなのです。

written by 春野ことり / 2007.11.25 08:19
>貧困者がまともな医療を受けられなくなれば、彼らの攻撃は医師へ向けられます。

 思いもよらぬコメントに、驚いています。しかし、現場の医師が実感しているのだから、やはりそうなる可能性は十分にあるのでしょう。政府は自分の口からそれを言わないのだから、リアリティを感じます。
 貧困者に正確な知識や認識を持たせるのは、かなり難しい作業になりそうです、それは自分の知識を振り返っても、そう考えます。
 付け焼刃的な発想ですが、ここはマスコミを上手に使うことも視野に入れたいと、個人的には思います。どの道、医療崩壊の速度が早すぎ、手っ取り早く対応しないと、本当に誰にとっても不幸な未来を迎えてしまいそうです。
written by christmas / 2007.11.25 11:50
ことり先生
>貧困者がまともな医療を受けられなくなれば、彼らの攻撃は医師へ向けられます。

もし、本当にそうだとしたら恐ろしいことです。
確かに、現在の医療費(健康保険)の負担は重い、医療費は高いと考えている人々は多いみたいです。
マスコミの操作による思いこみだと思いますが。
まず、政府が医療費を含む社会保障費をもっと増やすべきです。別に消費税と別に考えてもできるはずです。大規模公共工事を減らすだけで十分できるはずです。

本当に、日本の医療はどうなってしまうのでしょうか?
こんな事を考えると今後もずっと医者をやっていくことを不安に感じます。

christmasさん
ことり先生のコメントはあくまでもひとつの見解です。本当のことは未来にならないとわかりません。可能性はないとは言えない程度でないかと思いますが。

>ここはマスコミを上手に使うことも視野に入れたいと、個人的には思います。

マスコミは、大衆受けすることしかいいません。ですので上手に使うのは極めて難しい。医療費があがって恩恵を受けるところは政府に献金などほとんどしていませんから。

うーん、暗いことしか出てきませんね。この関係で明るい話題ないですかね。
written by よっしぃ / 2007.11.25 16:11
よっしぃ先生

「ある産婦人科医のひとりごと」ブログ『深刻化する医師不足』のコメント欄http://tyama7.blog.ocn.ne.jp/obgyn/2007/10/post_460d.html#comments のダブルムーン先生、地方小児科医先生、ya98様のコメントを読んでくれましたか?
読むとどうして、ことり先生が↑のコメントをされたか理解できると思います。


>政府が医療費を含む社会保障費をもっと増やすべきです。

政府は残念ながらこれからも増やすことはないと確信しちゃいました。逆になりふりかまわず医療費を削り続けると思われます。国の財政が逼迫していて危機的状況にあるからです。

政府は今、日本がIMF管理下におかれないように必死なんだと思います。IMF管理下におかれるか否かの瀬戸際、正念場なのだと思われます。
↓のサイトその他を読んで思いました。
http://www.bund.org/opinion/20060325-2.htm

http://www.h2.dion.ne.jp/~apo.2012/bookstand-IMF.html
written by ako / 2007.11.25 19:41
akoさん
医者もそんなにバカじゃないと思います。
もし、本当に、そんな世界が来るなら医者をする人間は激減すると思います。

現在の勤務医の数が減っているように。

私なら、確実にやめます。アホらしくてやってられません。
医者をやめても生きていけます。

どちらにせよ。くらい話しです。
written by よっしぃ / 2007.11.26 19:37
よっしぃ先生、ごめんなさい。
私、どうかしていました。

昨日は書き込んですぐ、暗い内容で、よっしぃ先生ブログにコメントとして相応しくないコメントだと気づきました。削除依頼をしようか迷いましたが、そのままにしてしまいました。すみません。

お手間を取らせて申し訳ありませんが、昨日のコメントと、このコメントを削除していただけたらと思います。
よろしくお願いいたします。
written by ako / 2007.11.26 20:46

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