今日は、真面目な話しを。
以前抗がん剤についてで殺細胞性の抗がん剤についての話しをしました。
そこでは、分子標的薬(抗がん剤のに限定して話します。)は除外しての話しでした。なぜなら、まったく異なる作用をもつ薬剤だからです。
分子標的薬とは、簡単に言うとある特定の分子をブロック(ある種の信号を出ないよう)して、腫瘍の増殖、転移、浸潤などを押さえる薬剤です。
ですので、殺細胞性薬剤が至適投与量と致死的投与量が非常に近いと以前述べたのですが、分子標的薬にこのようなことはありません。
細胞分裂を止めるのではないからです。
ですので、最大の効果を発揮できる用量が投与量にできます。(理論的には、殺細胞性薬剤は用量が多いほど効果があります。)
なんとなくイメージできてきましたか?分子標的薬。
そんな効き方をするので、当初は腫瘍縮小効果はないのではないか。と言われていました。しかし、実際、驚くほど縮小を認めることがあります。
分子標的薬のなかで小分子とか抗体(大分子)とか分類されています。これは、薬剤を作るアプローチの仕方に違いがあるんですがあまり気にしないでいいと思います。
ちなみに、イレッサはEGFRチロシンキナーゼ阻害剤と言ってチロシンキナーゼと言う特定のホルモンの働きを抑えるような作用があります。
ほとんどの分子標的薬は、開発当初からこの部分の働きを抑えるにはどんな立体構造をしてたら、この部分を押さえるのかと言うことをコンピューターで計算して創薬したりしています。
ずいぶん、殺細胞性薬剤と違うことがわかってきましたね。
分子標的薬が花盛りな理由もわかりますよね。
とにかく、殺細胞性薬剤の開発や治療は乱暴な方法で行われてきたんですが、分子標的薬は、繊細ですよね。
ですので、白血球が減ったりとかひどい吐き気だとか全身倦怠感とかの副作用はほとんどありません。
しかし、間質性肺炎とか皮疹、喀血、下血、血圧上昇、不整脈など従来の殺細胞性薬剤では考えにくい副作用がよく出るようになっています。
もちろん、そんな薬なのであらかじめ効果のある人がわかっている薬剤もあります。
その話しはまたの機会にしたいと思います。
今後の展望としては、血管新生(腫瘍が増殖するのに栄養が必要なので血管を新たに作り出す事)を抑える薬剤が今、注目を集めてます。大腸癌では認可されています。
また、ひとつの薬剤でいろいろな部位に影響を及ぼし効果を発現するマルチターゲットドラッグと呼ばれる薬剤も注目されています。
以上、分子標的薬の基礎知識でした。
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今日の話しは難しかったですかね。
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コメント
コメント一覧
・・・・。
やっぱ、解んないや。
ガン治療って、ホントやられてる方は何と言う薬が
どんなふうに効くのかなんて、全くと言って良いほど
知らされないじゃないですか。
「あっ、この点滴に書いてある薬一週間前に見たなぁ。。」
とか、「今、注射器で入れたの何だろう?」
みたいな、犬が星見てる状態です。
まぁ、そこまで説明されても素人には理解出来ませんけどね。。
でも、最大の効果を発揮する以上に投与しても意味がないと知り、主治医に症状を正確に伝えればよかったと反省しています。多い分には効くんじゃないかと思いこみ、我慢しちゃった私がアホでした。
よっしぃ先生、今日の話はわかりやすかったです。このノリで、マルチターゲットドラッグもお願いします。
最初の方だけ理解していただければOKです。
分子標的薬とは、がんが大きくなるのに必要な信号が出ないようにして、がんを増えにくくするお薬です。
この理解で大きくはあってます。
christmasさん
よく理解できた人にはもちろん追加説明なしです。
最近、少し意地悪になってきましたね。負けませんよ。(笑)
私も一時、候補に上げましたが、古い薬で寛解したので使いませんでしたが。(RAについては話のついでに書いているだけですのでコメントを求めていません。念のため。)
私の疾患での分子標的薬は遺伝子組み換え技術を用いて作られています。薬価がそれまでの薬と比較してかなり高く、遺伝子組み換え技術を用いているからなのかなぁ?と想像していますが、よっしぃ先生、その辺のこと、何かご存知ですか?。
それから、がんの分子標的薬も遺伝子組み換え技術で作られたのですか?
(よっしぃ先生はとうにご存知と思いますが・・一応・・
読んだ本によると、遺伝子組み換え技術はコーエンとボイヤーが開発した技術で特許が成立していて、この技術を使うには年間売り上げ額の何パーセントかと利益から何パーセント(数字を忘れました。探せば分かりますが)と、結構、高額な特許料がかかるのだそうです・・)
>数年前からたくさん出ています。
認可されたのは、まだ二つでした。臨床試験が数剤行われていて、ネットで知った人たちが参加しているのでした(汗)
>年間売り上げ額の何パーセントかと利益から何パーセント
大学の研究者は無償で利用できるが、企業が利用する場合は年間1万ドルの特許使用料を支払わねばならず、この技術を用いて商品生産が行われた場合は、その売り上げの1%~0.5%を特許料として支払わなければならないことになっている、でした。
(読んだ本は、立花隆・利根川進の対談本「精神と物質ー分子生物学はどこまで生命の謎を解けるか」でした)
どうなんでしょうね。遺伝子組換え技術を利用して作っているかは知りません。大分子の抗体薬剤はそうなのかもしれません。
どうやって作られるかに関して医者はあまり知らないと思います。
抗体薬剤はほぼ遺伝子組み換え技術を使用しております。
先生が指摘されている血管新生阻害剤のアバ○チンもそうです。
でも抗体薬剤って高くないですか?患者さんの負担が大変になるのではないかと危惧しております。
やはり、そうでしたか。抗体薬剤確かに高いです。患者さんの負担もそうですが、医療費の上昇に非常に貢献しそうな気がします。
効果はあるみたいですしね。
もしかしたら、そのような薬剤は自費でみたいな時代がくるのかも知れません。
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