2007.10.02 23:32 |  診療  |  研究  |  その他(医療関連)  |  癌関連  |  よっしぃ  | 推薦数 : 1

分子標的薬とは?

今日は、真面目な話しを。

以前抗がん剤についてで殺細胞性の抗がん剤についての話しをしました。

そこでは、分子標的薬(抗がん剤のに限定して話します。)は除外しての話しでした。なぜなら、まったく異なる作用をもつ薬剤だからです。

分子標的薬とは、簡単に言うとある特定の分子をブロック(ある種の信号を出ないよう)して、腫瘍の増殖、転移、浸潤などを押さえる薬剤です。

ですので、殺細胞性薬剤が至適投与量と致死的投与量が非常に近いと以前述べたのですが、分子標的薬にこのようなことはありません。
細胞分裂を止めるのではないからです。

ですので、最大の効果を発揮できる用量が投与量にできます。(理論的には、殺細胞性薬剤は用量が多いほど効果があります。)

なんとなくイメージできてきましたか?分子標的薬。

そんな効き方をするので、当初は腫瘍縮小効果はないのではないか。と言われていました。しかし、実際、驚くほど縮小を認めることがあります。

分子標的薬のなかで小分子とか抗体(大分子)とか分類されています。これは、薬剤を作るアプローチの仕方に違いがあるんですがあまり気にしないでいいと思います。

ちなみに、イレッサはEGFRチロシンキナーゼ阻害剤と言ってチロシンキナーゼと言う特定のホルモンの働きを抑えるような作用があります。

ほとんどの分子標的薬は、開発当初からこの部分の働きを抑えるにはどんな立体構造をしてたら、この部分を押さえるのかと言うことをコンピューターで計算して創薬したりしています。

ずいぶん、殺細胞性薬剤と違うことがわかってきましたね。
分子標的薬が花盛りな理由もわかりますよね。
とにかく、殺細胞性薬剤の開発や治療は乱暴な方法で行われてきたんですが、分子標的薬は、繊細ですよね。

ですので、白血球が減ったりとかひどい吐き気だとか全身倦怠感とかの副作用はほとんどありません。

しかし、間質性肺炎とか皮疹、喀血、下血、血圧上昇、不整脈など従来の殺細胞性薬剤では考えにくい副作用がよく出るようになっています。

もちろん、そんな薬なのであらかじめ効果のある人がわかっている薬剤もあります。
その話しはまたの機会にしたいと思います。

今後の展望としては、血管新生(腫瘍が増殖するのに栄養が必要なので血管を新たに作り出す事)を抑える薬剤が今、注目を集めてます。大腸癌では認可されています。

また、ひとつの薬剤でいろいろな部位に影響を及ぼし効果を発現するマルチターゲットドラッグと呼ばれる薬剤も注目されています。

以上、分子標的薬の基礎知識でした。

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なかのひと

今日の話しは難しかったですかね。

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