以前臨床試験とは?で臨床試験の目的と実際。
もし、参加される方がいらっしゃたらの注意事項を述べました。
その中のコメントで『ちょっと、信用できないかもね。』みたいなニュアンスのコメントがありました。
残念ながらその時は、その疑問に対してすっきりとしたお答えができなかったと自分で考えております。(勉強不足であったためであります。)
そこで、少しでも疑問を払拭すべく今日の話題とします。
各々の臨床試験には、エンドポイントと統計学的考察があります。
エンドポイントとは、何を持って試験の評価とするかです。
よく用いられるのが、全生存期間や無増悪生存期間(再発しなかった期間)、奏効率(大きさが半分以下になった割合)です。
これは、わかりやすいですね。
統計学的考察とは、『A群の治療(標準治療)とB群の治療(新しい治療)があって、A群の治療なら全生存期間の中央値が8ヵ月である場合にB群の治療がそれを1.5倍上回るかどうかを検出する優劣性試験とする。』
ちなみに、優れていることを確認する優劣性試験と劣らないことを確認する非劣性試験とがあります。
上の『』の中の仮定を証明するために例えば有意水準5%、検出率80%で必要症例数を求めると一つの群の必要症例数が○○例と出てきます。それに、脱落、追跡不能症例を想定して試験に何人参加してもらうかを決定します。
有意水準5%とは上の例で言うと
『実際にはB群が優れた治療でない。』
しかし
『B群が優れているとの試験結果となる。』
この割合が5%以下と言うことです。
検出率80%とは上の例で言うと
『実際には、B群が優れている。』
『B群が優れているとの試験結果となる。』
この割合が80%以上と言うことです。
難しいですね。統計学ですから。おそらく、間違ったことは書いてないつもりですが、もし、間違いがありましたらご指摘ください。
ようするにA群とB群に明らかな差がある群を比べるのなら必要症例数は少なくてもいいんです。あんまり、差がなければ多くの症例が必要です。
また、試験にはデータセンターがあり、データマネージャーを置き、倫理委員会などの監視も入り厳密な管理の元行われています。
中間解析などもあり、そこで試験が中止になることもあります。重篤な副作用がでたら、試験の登録が中断され安全性が確認できるまでストップします。
起こった、副作用もすべてチェックされ(例えば風邪を引いて熱を出しただけでも)主治医が試験薬と①関係あり②おそらく関係あり③関係ないとは言えない④関係ないなど判定させられます。
それ以前のことはわかりませんが、少なくとも最近10年はきっちり行われています。
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現在はこのように、厳密な管理の元に試験が行われており信頼するに値するものだと言うことをご理解ください。
また、内容に関して本を読み自分なりに理解して正しいと思い書いておりますが、統計に関しては素人同然であり間違いなどあるかも知れません。気が付かれた方いらっしゃいましたら遠慮なく教えてください。
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コメント一覧
自分では、やりたくないですね。
でも、教授に言われると、断れなくって(汗)
ところで、話は変わるのですが。
おかげさまで、先日お願いした無料レポート
「医者のホンネが丸わかり!(改)」
http://www.gekizou.biz/report.php?aid=1971&cid=9539
が完成しました。
自分で言うのもなんですが、たくさんの方の
ブログが紹介できて、良いレポートになったと思います。
本当にありがとうございました。
今後とも、よろしくお願い致します。
読んだ本(「日本の医者は「がん」を治せない」に。このタイトル、引っかかりますね・・)に、海外で効果の認められている抗がん剤をいつまでも認可しないで、効果の確認されていない抗がん剤が10年以上も使われている実態がある、の記述が頭に残っていたものですから、臨床試験ではデータねつ造もあり?なんて疑ってしまいました。
ちなみに、効果の認められていない抗がん剤は、今、本で確認しましたら、5FU系経口抗がん剤でした。日本でつくられ、日本でだけ使われている、旧5FU系経口抗がん剤だそうです。
この旧5FU系経口抗がん剤の売り上げは、平成16年の時点で1兆5000億円だそうです。
製薬会社と厚生労働省の間で(と、一部医師の間で?)何か・・なんて疑ったのです。薬害エイズの件もありましたし・・。
ご紹介ありがとうございました。
臨床試験、うっとおしいですけど。どんな効果があるのだろうって楽しみな面もありますよね。
akoさん
私も勉強になりましたし。次は、読んでても退屈しないネタを用意しております。
5FUで、経口ならUFTですね。
今は、さらに進化させたTSー1となっています。これも、日本でのエビデンスはありますが、他の国での評判は、ぼちぼちです。
理由は、欧米人の場合、下痢の副作用が強くでで使いにくいようです。
人種差の一面もお忘れなく。
H外科医の後の著作に、5FUに対する説明の追記を読みましたが、いま一つ理解できなかったです。というわけで、臨床試験の回数や規模により、どーにでもなる薬もあるのかなって思った次第です。
>臨床試験の回数や規模により、どーにでもなる
どーにでもなるなら、試験デザインの問題でしょう。症例数などの設定の仕方が適切でない場合はどーにでもなります。
しかし、検証されれば一発でばれます。
試験デザインがわるいものは、どんなデータでも相手にされませんから。
ここ、10年の試験はきっちり行われていますよ。
統計学の専門家の数が少ないから、いい試験の数も少なかったと思われます。
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