もうずいぶん前のことです。V先生と一緒に働いていたのは。

V先生は、内科医でしたが、普通ではありませんでした。
何が、普通ではないのか?一言で言うと『セコイ』のです。

例えば、医局(医者の机がある部屋)に共同の冷蔵庫があるのですが、名前のないものは気にせず食べたり飲んだりするのです。

V先生は『あ、名前ないやんこれ』とか言ってもう口の中へ。。。。
どきどき、名前の書いてあるものも。。。。。

その部屋は私とV先生を含め10名ほどの部屋で年代も同じくらいでしたので上の先生に文句を言われる事もなく、V先生の信じられない態度は、猛威をふるっていました。

また、上の先生を見つけると
『先生、ご飯食べに行きましょうよ。』とか『飲みに連れて行ってくださいよ。』とかたかります。自腹とわかると、行かないようです。

しかし、こんなV先生も患者さんにはやさしくていい先生でした。

ある朝、病棟のそばでV先生を見かけたのです。
V先生は、朝食が引き上げられた誰もいない配膳車に近づいていきます。

何をするんだ。と思いながら私は、見ていました。V先生は私の存在に気づきません。

V先生は、きょろきょろと辺りを見回し、配膳車から何かを取り、白衣のポケットに押し込みました。そして、立ち去っていきました。

『何や?』気になった私は、配膳車に近づいて配膳車をのぞき込みました。朝食の残飯しかないけどな。

『……!』

ガザガザとビニールの袋がすれるような音がしたよな。
きっと、未開封のパンをポケットに、、、、

医局に戻ってみると、V先生はパンをほおばっているところでした。

『先生、それどうしたん?』

V先生は、少し動揺したように見えました。そして、
『患者さんにもらってん。』

う゛~、言葉がありませんでした。

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そんな、V先生も結婚したようです。おめでとう。


なかのひと

でも、厳密にいったら窃盗ですよね。

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よっしぃ
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