I先生は、医者になってすぐ大学病院で内科全般と救急部で研修されました。(今の研修制度ではありませんでした。)
I先生は、非常に人当たりもよく、やさしく、患者さんにもスタッフにも評判の先生でした。
3年ほど研修を積みました。そろそろ、大学から一般病院に出る時期です。
グループのヘッドのM先生がI先生に提示した病院はどこも低賃金かつ労働条件の悪い病院しかありませんでした。しかも、今後の事を考えても自分の勉強になるかならないかわからない病院です。
I先生は考えました。
『レジデント(後期研修)を募集している病院で働いてみよう。』
いろいろ調べ、応募してみました。
M先生にも報告しました。
M先生は激怒しました。
『うちのグループの病院がイヤなのか?』
I先生は、自慢の人当たりの良さでM先生の周りの先生達を説き伏せます。
『1年から2年勉強してきます。必ず、帰ってきますから。』
なんとか、許しが出てI先生は自分で選んだ施設で研修を続ける事ができました。
1年が過ぎM先生のところにM先生から大学に戻るように連絡が来ました。
I先生は、もう少しここで勉強したいと粘ります。
ここで、大きなイベントが起こりました。
グループヘッドであったM先生が教授に立候補して選挙に勝ち、教授に就任したのです。
I先生は悩みました。
悩んだあげく、M教授の意向に反して大学には帰りませんでした。
大学に帰らない事は医局を飛び出す事と何のかわりもありませんでした。
その後、I先生は認定医を取るために大学病院で研修した記録が必要となりました。
おそるおそる、M教授に連絡を取りました。
『お前が、研修してた事なんて知らん!!』
I先生は、途方に暮れました。認定医を取らなくては専門医の受験資格すらないのです。
しかし、認定医の制度はしっかり考えられていました。
現在の勤務する施設の研修担当責任者が研修した事を証明すればいいのです。
おそらく、遠方で研修を行い物理的に遠い場合を想定してできた制度と思いますが、I先生はこの制度で救われました。
もしかしたら、こんな事態を想定してできた制度なのかも知れません。
実は、I先生、M教授に研修の認定をしてもらわなくても認定医の受験資格がある事を半年ほど気づきませんでした。
そのために、『やっぱ、頭下げて大学にもどろうか?』などと考え精神衛生上非常に良くない時間を過ごしたそうです。
昔ながらの徒弟制度が色濃く残っていたために、医局とけんか別れしたがために専門医となる事ができないところでした。
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この記事は、I先生よりの伝聞により作成されており、事実かどうかは不明です。
しかし、似たような話はよく聞きますので。
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