その美しい国は、すべての国民がみな平等に低料金で質のよい医療を受けれる国でした。皆保険制度のおかげです。
貧しい人が多く、平等な医療が受けれない人が多かった過去を反省してそのような制度ができたのです。
ある時期より政府は、医療費が国の財政を圧迫する。医療費の削減が必要である。また、医者の数が多すぎる。医者を減らせ。と連呼し出しました。
医療費削減の様々な政策が行われました。体力のない医療機関の経営は苦しくなりました。
それでも、医師たちは、目の前の患者さんのために働きました。
当直で眠れなかった次の日も手術を行いました。外来診察を行いました。36時間以上病院にいることも特別なことではありませんでした。
医師たちのがんばりにより世界有数の高齢化社会がやってきました。
高齢者が増えます。高齢者は若い人と比べると治りも遅く治療費は高くなります。
また、様々な新しい薬剤、治療法などが開発されました。今までと同じ病気でも今までよりよりお金がかかる治療がどんどん増えてきました。
しかも、専門的な技術を持つ医師しかできない治療も増えました。
それでも、医療費を削減しようと政府はしています。
しかし、一般国民に充分な医療が提供できない状況が生まれつつありました。医療費削減のために病院が廃院に追い込まれ、医者のいない地区が増えてきたのです。
さすがに政府はあわてました。いろいろな策をねってみます。
一番簡単なのは、お金をかける事ですが、なかなかそうはいきません。
昔、この美しい国には、『姥すて山』と言う伝説がありました。
医療費を一番費やしているのは高齢者です。高齢者の医療費を削ろう。必要最低限の治療は国がカバーしよう。それ以上の治療は自己負担でやってもらおう。
70歳を超えた国民は、20世紀に開発された治療しか健康保険上は認めない。という『高齢者医療20世紀法(俗称 姥捨て山法)』が成立しました。
春野ことり先生の天国へのビザ、残像の小説のような世界が現実のものとなってしまいました。
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コメント
コメント一覧
失礼かもしれませんが、中学生に今の医療崩壊の現状を説明しても分かってくれるんじゃないか?と思いました。
たいへん参考になりました。
私の姉は看護師で、今は訪問看護ステーションで働いています。
先日、似たような話をしました。
そして姉が『これじゃぁ、まるでボランティアやってるみたいなもんやわぁ。本物のボランティアが欲しい』
と嘆いていました。
医療従事者にとっては『サバイバル法』ですかね?
追伸:質問です。いつも最後に記されている『人気blogランキング』へクリック。これはどのように使用すればいいのでしょうか?
よっしぃ先生!ランキングUP頑張って下さいね。
個人的に気をつけていることは、一般の方にできるだけ医師が何を考えているのか伝えていきたいと思っています。
ですので、先生のコメントは最大級のほめ言葉と受け取っております。
ありがとうございました。
chikoruiさんへ
姥捨て山法は、ある一定レベル以上の治療を受けたい高齢者は自費でやってね。と言う法律です。
この法律のメリットは医療費削減ですね。そのかわり、長寿国世界一の座はなくなります。ほとんどの高齢者が、最低レベルの医療しか受けないのでね。恐いですね。
ランキングですが、クリックして頂くと、『よっしぃの独り言』のポイントが10ポイントアップします。ですので今580ポイントですので最近一週間で58人の方がクリックして頂いたと言うことです。1日1クリックしかカウントしないようです。(自分でも押してますけどw)
迫りつつある危機をもっと一般に広く知って頂きたいですね。
同じようなイメージの記事を拝見させて頂き、こういう意識は私たちの間で共通のものだと感じました。
僭越ながら TB させて頂きました。
高齢者切捨ての時代は近いうちにくるだろうとの予想の元に、近未来を舞台に描いたのが「天国へのビザ」第2部の「残像」です。だんだん現実のものとなりそうですね・・。
そのとき、家族は、医療者は、割り切って考えることができるのか?板挟みに苦しむのではないでしょうか。
一般の皆さんにもぜひ一緒に考えて欲しいです。
TB拝見致しました。非常にわかりやすく、見やすく、理解しやすいですよね。驚きました。これからもよろしくお願いします。
春野ことり先生へ
いえいえ、宣伝をしようと思い書き出したのではありません(スミマセン)。書いているうちに何かオチみたいなのをつけないととしていたら姥捨て山を思いつきました。そしたら、先生の小説と非常に似てしまって。それなら、リンクさせた方がいいかなとさせて頂きました。
よっしぃ
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