2007.06.15 12:28 |  診療  |  その他(医療関連)  |  緩和ケア(医療)  |  よっしぃ  | 推薦数 : 3

医者は、教祖様?

もうずいぶん前のことです。

Bさんが部屋に来て欲しい。とナースより連絡がありました。
Bさんは、末期の肝臓癌で黄疸も腹水もありました。

『さっきも部屋に行ったのに!』
その日は、朝から3回ほど部屋に行っていました。

当時、研修医であった私は、上の先生と比べると知識も技術も劣っているだから患者さんとのコミュニケーションは負けないようにしようと考えていました。

まだ、12時過ぎです。いくら、コミュニケーションを取るにしても患者さんは、Bさんだけではありません。

少し腹立たしく思いながらBさんの部屋に入りました。
先程と比べてそんなに変わった様子もなく、新たな訴えもありません。

『他の患者さんもいるし、呼ぶのは本当に必要なときだけにして!』
少し、声を荒げてBさんに言いました。Bさんは、少しシュンとしました。

しばらくして、Bさんの部屋に行ったときのことです。
『先生、先生が忙しいのはわかってる。先生がここによく足を運んでくれてるのもわかってる。でもな、先生に来て欲しいねん。先生の顔見るだけでしんどいの楽になるねん。安心すんねん。看護婦さんやったらあかんねん。』

その後も、いろいろな患者さん、看護師さんから医者が行くだけでよくなる人がいる事を聞きました。
医学的には、医者が患者さんの顔を見るだけでよくなるわけないのに。

また、末期の肺癌であるCさんは、毎日同じ訴えをされます。胸部の詰まるような感じ、息苦しい感じ。
それに対する方針は、特に治療する必要性がなく経過観察でありました。

それでも、毎日Cさんは『何か、この辺が苦しいような感じがある。』とおっしゃられます。

ハッキリ言って、医師にとって医学的に問題のない訴えを何度も聞くのは苦痛です。

『Cさん、その症状は、何とかするの難しいから。他は、大丈夫?問題ない?』

Cさんは、言いました。
『先生、どうしようもないことわかってんねん。でも、先生に聞いて欲しいねん。聞いてもらうだけで楽になるねん。』

それからも、Cさんは、毎日同じ事を訴えました。
しかし、いらだち苦痛さは感じませんでした。
Cさんもニコニコしていました。

医者の仕事っていろいろあるなあ。と思いました。

医者は、教祖かも?って思う方人気blogランキングへクリック宜しくお願い致します。

固定リンク | コメント (4) | トラックバック (2)

よっしぃ
More プロフィール

Search

Calendar

<< 2007/06 >>
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

トップページ

Doctors Blog

ブログの購読

新着コメント

新着トラックバック