スーさん
More プロフィール

Search

Calendar

<< 2012/05 >>
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31

トップページ

Doctors Blog

ブログの購読

新着コメント

新着トラックバック

< 壮絶な死 | メイン | 小児麻痺ワクチン  昭和36年(1961... >
2012.01.27 07:26 |  生活 / くらし  |  映画 / 音楽 / 読書  |  その他(一般)  |  心の話  |  スーさん  | 推薦数 : 3

コーギー

 子供の情操教育をかねて犬を飼うことにした。都内の犬屋を数軒訪ね、ケージに入った犬を見てまわった。かつて捨て犬を飼っていたことがあったので、犬には慣れていたが、数十万円の犬ばかりで、値段の高さに驚いてしまった。店内でどの犬を買おうかと迷っているうるうちに、値段の高い犬が良いだろうと思うようになった。

 「物の価値は値段に比例する」とわが脳ミソは毒されていた。しかし妻はこの犬でなければいやだと一匹の犬を指さした。それは貧相な顔をしたコーギーだった。コーギーはエリザベス女王が飼っていることで有名になった犬種で30万円前後が相場の犬である。

 しかしその上目遣いのコーギーはなぜか2万円だった。「安いものには、どこかに欠陥がある」と小声で文句を言ったが、妻は耳を貸さずレジで2万円を払って、そそくさと店を出てしまった。そして帰りの自動車の中で「この犬はあと数日の命だったのよ」と犬を抱きしめながら妻がいった。

 つまり、売れ残った犬は値段が下げられ、それでも売れなければ安楽死にするのがこの業界の常識だったのである。妻がこの犬を買ったのはこの犬の命を助けたい気持ちからだった。

 この日だけは妻を尊敬してしまった。そして医師としての基本的姿勢を教えられた気持ちになった。2万円のコーギーは、最近、飼い主に似て凛々しい顔つきになってきている。

 

固定リンク