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 無過失補償制度とは、医療事故で障害を負った場合、医師の過失とは関係なしに、患者に補償金を支払う制度である。患者側にとっては「医師の過失を証明するのは難しく、裁判に時間がかかる」難点があった。また医師側にも「患者のための悪意なき医療行為が、結果によって裁判沙汰になることへの不満」があった。この解決策として無過失補償制度が支持された。

 医療事故による患者と医師を救済するために、まず2009年に出産時に起きる脳性麻痺患者にこの制度が導入された。通常の出産で脳性麻痺になった場合、一時金として600万円、20歳になるまで毎月10万円の計3000万円が支払われることになった。

 この産科医療補償制度は警察への通知義務はなく、保険料3万円は出産祝い金に上乗せされるので、妊婦への実質的な負担はなく、まさに画期的制度とされた。日本の分娩件数は年間100万件、出産時の脳性麻痺は年間500から800件とされていたので、保険料は総額300億円、支出は150億円から240億円とされた。

 この無過失補償制度は一見よさそうに思えるが、運営が日本医療機能評価機構で幹事会社が東京海上日動保険であることから、当初から「悪代官と越後屋」の悪知恵悪行を危惧していた。日本医療機能評価機構は厚労省の天下り団体で、民間保険会社は営利企業だからである。

 では制度が開始された2009年から、これまでの2年間を検証してみよう。2年間で補償が支払われたのは192件である。つまりおよそ500億円が余剰金となっているはずである。しかしこの余剰金について、日本医療機能評価機構と民間保険会社は沈黙を守っている。

 この産科医療補償制度は公的制度である。ゆえに余剰金があればそれを公表し、余剰金を還元すべきである。しかし彼らは余剰金を公表せず、さらに、脳性麻痺だけでなく、すべての医療事故に無過失補償制度を導入しようとしている。もちろん無過失補償制度の拡大は、余剰金の拡大を意味している。

 「日本医療機能評価機構と東京海上日動保険」よ! 早く余剰金を白状し、余剰金を返還せよ! 多分、彼らは、余剰金を「今後の基金のため」などと言うであろう。

 しかし、「やかましぃやい! 悪党ども! おうおうおう、黙って聞いてりゃ寝ぼけた事をぬかしやがって! 悪党どもよ、この桜吹雪、散らせるもんなら散らしてみろぃ!」、彼らの言い分は法律では許されても、庶民の味方、遠山の金さんは許さないであろう。

 

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