スーさん
More プロフィール

Search

Calendar

<< 2010/02 >>
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28

トップページ

Doctors Blog

ブログの購読

新着コメント

新着トラックバック

2010.02.14 03:30 |  開業 / 病院経営  |  スーさん  | 推薦数 : 1

ニチイ学館

ニチイ学館 スタッフ「乱造」で揺らぐ信頼

 景気の悪化や医療費削減政策が続き、病院経営は慢性的な赤字体質に陥っている。経費の約5割を占めるといわれる人件費の削減が、病院経営者の課題となっている中、急増しているのが医療事務の外部委託だ。民間病院の場合、医療事務の外部委託率は40%以上となっている。

  病院の業務にはさまざまな事務作業がつきもの。受付、会計、診断書や処方せんなどの文書作成、電子カルテなどの入力、診断に関するデータ管理など多種多様 な事務がある。こうした医療事務のアウトソーシングサービスを行っているニチイ学館(以下、ニチイ)は現在、全国の約11000の医療機関を顧客に抱え ている大手。

 ニチイは「医遼関連事業」(アウトソーシングサービスなど)、「ヘルスケア事業」(介護サービスなど)、「教育事業」(各種実務講座、資格取得講座)を3本柱に、医療関連とヘルスケアの人材を教育事業で育成するビジネスモデルを全国に展開している。

 2007年にコムスンの介護事業を継承後、業績が低迷していたが、合理化などによって経営改善を果たし、099月期中間決算では黒字に転換した。教育事業でも失業率の上昇や介護報酬の引き上げなどを背景に受講者が増えている。

不祥事で契約医療機関が離れる

  追い風が吹く中、「20103月期中間決算説明会」の資料には、「過去最高の売上高を更新」「営業利益の大幅改善」「キャッシュフローの大幅改善」とい う文字が躍る。ちなみに093月期の連結売上高は2136億円で、そのうち医療関連事業が約1013億円、ヘルスケア事業が約997億円と二分してい る。

 ただニチイにとってみれば、この中間決算だけで喜んでばかりもいら れない。093月期の医療関連事業の売上高は前年同期に比べて7.3% 減、営業利益は18%減という大幅な減収減益だったのだ。契約している医療機関離れが進み、これをつなぎ止めるために利益を削って契約を見直し、必死に営 業活動に努める姿がこの数字から浮かび上がってくる。

 減収減益の理由の一つは、078月に大きな不祥事が発覚したことだった。千葉県循環器病センター(市原市)から委託されていた医療用具の滅菌について、ニチイから派遣されていた契約社員がマニュアルで定められた有効期限を改ざんしていたのだ。

  この契約社員はメスなどを乗せるトレーや、ガーゼなどを入れる容器などの医療用具の滅菌をセンターの滅菌室で担当していた。だが、マニュアルに反して有効 期限を記さないまま滅菌した用具を保管し、用具の請求を受けた段階で日付を記入して渡していた。マニュアルでは滅菌後1週間の有効期限を記しておき、期限 を過ぎれば使っていなくても再度滅菌し直すと定められているが、担当者はその手間を省いたわけだ。

 「業務負担を減らそうと思った」と担当者は語っていたというが、単なる作業の手抜きなどという現場レベルの枝葉末節の問題ではなく、病院経営にもかかわる大きな問題だった。手術にダイレクトにかかわる医療器具が滅菌されない状態で使われた可能性があったからだ。

  例外もあるが、高度な滅菌状態が求められる手術で万一感染が起こった場合の影響を考えれば、医療機関としては看過できない。それがどういうレベルの感染で あろうと、間違いなく医療事故として処理されることになる。責任追及は医師や看護師に向かい、病院の管理体制が糾弾される。単なる派遣のスタッフの手抜き とは誰も思わない。

 そして、その先は医療裁判ということになる。現場の医師はもちろんだが、医療機関の経営者が現在最も怖れるのは医療事故による裁判である。莫大な裁判費用はかかるし、負ければ賠償金も巨額に上る。それ以前に病院としての信用も落ちて、患者の足が遠のくことは必至だ。

  この不祥事で医療事故が起こったわけではないが、こうした手抜きは医師や看護師には見抜けないということにも問題がある。医師や看護師がいちいち自分たち で滅菌処理をするわけではないし、それを担当する者がきちんと作業を行っていると信用して手術に入る。だから感染が起こっても、第一義的には医師や看護師 には責任はないのだが、誰もそうは思わないだろう。単なる書類仕事ではなく、患者の生命を委ねる手術にかかわる作業に「信頼」が置けないようでは、ニチイ にアウトソーシングして大丈夫なのか、という不安が医療機関の間に起こるのは当然だ。

即戦力性なき資格保有者

 しかも、「作業を軽減させようと思った」という担当者の動機に「さもありなん」とうなずく医療関係者は少なくない。実はニチイの派遣社員に対しては、さまざまな批判の声があるのだ。

  ニチイでは医療事務などの講座を設け、その資格を取った者を医療機関に派遣している。点数算定やレセプト点検、受付や会計といった医療事務の基本を学べば 2級の医療事務技能資格を得ることができる。ただ、資格といっても国家資格ではないため、医療機関にとっては参考程度にしかならない。

 しかし、資格取得者にとっては、医療事務という何やら華々しい資格であるように思うのだろう。採用する医療機関とニチイから派遣されるスタッフとの認識の違いは極めて大きい。資格取得者は意気揚々とした気分で送り込まれるが、病院側にとっては即戦力性のない人材である。

  医療事務は資格ではなく、いわば現場のスキルである。受付であったり、患者への対応であったり、大きな病院だったらカルテの出し入れだけの仕事だったり、 はっきり言えば雑用係。病院側にとっては医療事務の資格よりも、個人の適性が重要なのであって、現場の経験を重視する傾向が強い。患者とコミュニケーショ ンを取れる能力の方が重宝するのだ。

 しかし、ニチイは大手であるため、 2級医療事務技能資格取得に必要な6カ月の実務経験が免除されている。そ のため、ニチイで資格を取っても、右も左も分からないまま、いきなり病院に「放り込まれる」。こういう人材が即戦力として使えるわけがない。だから、病院 側の不満の声も大きくなる。

 医療事務の派遣社員側にとっても待遇は決し てよくない。資格を持っているといっても極論すれば雑用の資格だけに、高 い給料を払う病院は少ない。病院のヒエラルキーから言っても医療事務はずっと下の存在だ。病院というのは非常に特殊な階級社会である。医師が絶対君主とし て君臨し、看護師はその下、事務職員はさらにその下、下僕的な扱いをされることも多いという。

  給料は安い、仕事は雑多で忙しい、病院の人間関係 は複雑で難しいとなれば、辞めていく契約社員が多いのも当然だ。ウェブ上では「国家資格でもないのに受講料が高すぎる」「残業は月100時間、残業手当は もらえず、正社員でもボーナスゼロ」「給料が手取り10万円以下と割に合わない」などといった不満が書き込まれている。

スタッフを質より量で補う悪循環

 退職者を補うため、ニチイは資格取得者を大量に生み出し、数でカバーしている。その結果、人材の質はなおざりにされ、ニチイへの信頼性を揺るがしているのだ。

  0911月にも和歌山県内で、ニチイの介護施設の送迎用軽自動車の運転手が事故を起こし、乗っていたデイサービスを受けたお年寄り3人が死亡する事故が 起こった。運転していたのはニチイのパート従業員の女性で、「運転中に胸が苦しくなり、冷や汗をかき、それからの記憶ははっきりしない」と事故当時の状況 を語ったという。ニチイの定期健康診断では女性に異常はなかったというだけに、逆に不安感が増す事故だった。

  資格取得者の「粗製乱造」、即戦力 性のないスタッフの「放り込み」とも言える状況について、ニチイの広報本部広報部に取材を申し込んだところ、「回答を差し控えさせていただきたい」という メールが送られてきた。メールには「医療機関・介護施設で働くスタッフに関しましては、資格取得後も研修等で育成をしてきておりますが、今後も研修制度を 強化し、スタッフの育成に注力していきたいと考えております」と、当たり障りのない文章も付いていた。

  しかし、医療機関側も一気に取引停止というわけにはいかないのが悩ましいところ。経営的な理由から、いったん外部委託を行うと抜け出すことはできにくいという事情がある。医療機関が自ら職員を採 用して、一から教育する手間やコストを考えれば、ニチイとの契約を続けた方がはるかに安上がり。手っ取り早く安価な労働力を求める業務リストラをどの病院 も進めているから、今さらコストのかかる従来型の労務管理に戻すわけにはいかない。

  また、契約期間が長くなっていくと、病院側が表に出せない秘 密も握られることもある。幽霊患者による医療費の水増し、レセプトの付け忘れ、患者とのトラブル、病院経営者の私物化など、アウトソーシングによって持ちつ持たれつの関係になっていることも多い。ニチイの場合、大手でもありアウトソーシングを代替できる企業も少ない。医療機関にとっては今さら簡単に取引を 見直すことができにくいのが実情だ。

 ニチイの寺田明彦会長と寺田大輔社長はホームページのトップメッセージで「我が国の医療と介護分野を支える生活支援企業として、誰もが安心して暮らすことができる社会の実現に努めていきたいと考えています」と語っている。今のままでは、超高齢社会のあだ花にならないか。

固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.02.14 03:28 |  その他(医療関連)  |  スーさん  | 推薦数 : 0

富士薬品

富士薬品がはまった不動産投資の底なし沼

 置き薬――配置薬事業といえば、富士薬品。業界首位で知られる企業だ。ここ10年ほどはドラッグストア経営にも力を入れている。関東地区を中心に「ド ラッグセイムス」を多店舗展開するほか、地方のドラッグチェーンの買収やグループ化にも積極的に乗り出している。今やマツモトキヨシ、イオングループに次 ぐ売り上げ2500億円の大手チェーンにまで上り詰めた。

  グループには20033月、「スマイルドラッグ」が参加。046月には「ドラッグユタカ」の看板を掲げる「ユタカファーマシー」と資本・業務提携、 091月には「パワーズドラッグ」を吸収合併し、勢力を拡大している。だが、順風満帆とはいえない側面もある。096月にはユタカファーマシーが富士 薬品を提訴、内情は決して一枚岩とはいえない。大手ドラッグチェーンの内部で何が起きているのだろうか。

 そもそもユタカと富士薬品の04年の提 携の内容は富士がユタカの34%の株式を保有する代わりに株式上場を支援するというものだった。にもかかわらず、富士薬品が必要な指導を行わなかったとい うのが提訴の理由。ユタカは提携を解消すべく株の買い戻しと損害賠償を求めている。グループとの決裂の意思表明だ。

 ドラッグストアは米国発の比 較的新しい業態。国内での歴史は20年ほどだ。ノウハウの蓄積はまだ十分とはいえない。多くのチェーンが食料品・日用品のディスカウント販売で集客し、粗 利益率3割ともいわれる医薬品販売で稼ぐビジネスモデルに頼らざるを得ない。どのグループ内にも構成企業の不満ははびこっており、離合集散は珍しくはな い。

 富士薬品にしても個別の経営指導に特段の技術はないのが実情。ユタカの離反もそうした流動状態にある業界の事例の一つといえる。

まともな企業なら二の足踏む取引

 富士薬品が耳目を集めているのは、本業周辺のトピックばかりではない。過大な不動産投資を行い、トラブルが頻発しているのだ。

  076月、安倍晋三政権下で持ち上がった「朝鮮総連本部ビル売却問題」では、総連の土地建物の買い主として名前が挙がった。詐欺容疑で逮捕・起訴された のは元公安調査庁長官・緒方重威、元不動産会社社長・満井忠男両被告らを含む3人。富士薬品の買い取り宣言を信じて話を進めたところ、事件化を怖れた同社 が前言を翻し、無関係の立場を取ったことから、逮捕まで至った。実際は富士薬品側は乗り気で、成立寸前まで話は進んでいたという。

 東京・六本木 にあった通称「TSKビル」にも富士薬品は関与している。同ビルは暴力団・東声会(現東亜会)の会長であり、実業家でもあった町井久之(本名・鄭建永)氏 がかつて保有していた。町井氏の死後、権利関係が複雑に入り交じり(一部登記もしていなかった部分もある)、利権屋や地上げ屋、事件屋の類が入り乱れてい た。怪文書が乱舞し、いくつもの訴訟も起こされ、暴力沙汰まで起こっている。まさに魑魅魍魎の巣窟だった。後に外資系ファンドが買い取り、083月末に は完全に解体されて更地になった。だが、まだトラブルの火種はくすぶっている。

 まともな企業なら二の足を踏むこの物件に、富士薬品は買収の意欲 を示し、300億円ともいわれる資金を注ぎ込んだ。その金は地上げ資金に投入され、富士薬品が一部の権利を主張することになり、0710月に所有権移転 禁止を求める仮処分を東京地裁に申請した。その際、富士薬品は代理人の辻恵弁護士(現民主党衆議院議員)とも衝突している。

 申請に当たって、富士薬品は辻氏に供託金や弁護士費用として計6億円を預けた。このうち52620万円を仮処分の保証金として供託。地裁は仮処分を認めたものの、東京高裁は086月、決定を取り消す。申し立ては却下され、確定した。

 0910月、富士薬品は供託金の返還を求めて辻氏を東京地裁に提訴。供託金の返還請求権を辻氏が暴力団に譲渡し、故意に回収を困難にしたと主張している。供託金が返還されれば、富士薬品に戻す合意はあった。

  報道によれば、辻氏は詳細に反論。ビルを一時所有していた業者が「仮処分で損害が生じた」として賠償請求訴訟を起こしたため、供託金のうち戻せる金額が確 定できず、請求権を行使できない状態だという。東京法務局に提出された「譲渡証書」には辻氏のものではない印鑑が使われていた。同年9月、辻氏は暴力団関 係者を警視庁に有印私文書偽造・同行使容疑で告訴し、受理されている。

 08年には大阪市に本店を構える地方銀行・関西アーバン銀行(以下アーバ ン)との間に紛争が持ち上がる。アーバンが主導した関西の大規模老人ホームの「飛ばし」に富士薬品は加担。25階建て、567戸という大型老人ホームを 115億円弱の価値があるとして、その受け皿となる特定目的会社に富士薬品が30億円を出資して、保有ないしは転売して利ざやを稼ぐつもりだった。

 だが、これもまた札付きの物件。間にアンダーグラウンド人脈が何人も介在していた。富士薬品が出資し30億円の相当部分もいつの間にかどこかへ消えてしまう。09年に再鑑定してみると物件価値がわずか38億円しかない不良案件だった。

 これに激した富士薬品は損害賠償を求めて、案件を主導したアーバンと開発主体の不動産会社・ゼクスを東京地裁に訴えた。ゼクス側もこれに対抗して富士薬品を訴え、泥仕合と化している。

  富士薬品が絡んだいざこざはまだある。東京・新橋の不動産の地上げに加わり、096月には大手のノンバンクから差し押さえを受けた。抵当権を外さないま まの取得だったことが引き金になった。確かに「危ない物件ほどうまみがある」というのは不動産業界の常識。弊誌では一連の不動産投資について富士薬品広報 部に質問状を送り取材を申し込んだが、期限までに回答は返ってこなかった。

不動産投資は高柳貞夫前会長が唱道

 不動産にま つわるごたごたは混迷に陥りやすく、長期化すれば企業イメージの低下はまぬがれない。まして富士薬品は大手ドラッグストアグループの中核企業。グループを まとめ、率いていかなければならない立場にある。本業以外でダーティーなビジネスに手を染めているとなれば、グループ全体の信用は地に墜ちる。それを承知 の上で訴訟にまい進しているのは、同社の不動産事業が行き詰まっている証左ではないのか。

 一連の不動産投資を指揮していた創業者の高柳貞夫氏は093月に会長から名誉顧問に就任。経営の第一線から退いている。貞夫氏は不動産投資だけでなく、大がかりな仕手戦にもしばしば参加していたという。

 貞夫氏の部下で不動産投資の実務を仕切っていた杉浦理介専務は092月に辞任。6月に自殺を遂げている。不動産投資の全容解明にも影響が及ぶ可能性がある。

 現在のトップは2代目の高柳昌幸氏。数百億円にも上るといわれる不良債権の処理に汲々としている。訴訟沙汰が相次いでいるのはその余波と見る向きもある。

固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.02.14 03:25 |  その他(医療関連)  |  スーさん  | 推薦数 : 0

日本薬剤師会

会館建設と参院選のはざまで揺れる日本薬剤師会

 日本薬剤師会(日薬)が会館建設で揺れている。「四師会」と呼ばれる医療界の中心的職能団体のうち、日薬は唯一自前の建物を持たない。日本医師会(日 医)が東京・文京区に地上6階建ての日本医師会館を構えているのはご存じのとおり。日本歯科医師会(日歯)は同千代田区、日本看護協会(日看)は同渋谷区 にそれぞれビルを保有。どういうわけか日薬のみが借家暮らしに甘んじている。

  日薬はもともと渋谷区の日本薬学会長井記念館新館に間借りしていた。「エフェドリン」の発見で知られる近代薬学の祖・長井長義の遺族が寄贈した敷地に建設 された由緒ある物件だったが、2005年に家賃が高いと同新宿区の富士・国保連ビルに移転。これまでにも自前の会館建設計画は何度か浮上したものの、実を 結ばないまま現在に至っている。

 今回の会館建設構想をぶち上げたのは 08年に就任した児玉孝会長。「政治団体の日本薬剤師連盟分を加えれば、日 薬の家賃負担は年間1億円。これは捨て銭にほかならない。財産として将来も残る会館を建設したい」と提案した。昨年2月の総会では紛糾する中、「日薬会館 (仮称)」調査研究検討会を議事運営委員会の下に新設している。

 この2月に日薬は会長選挙を迎える。児玉会長は「会館建設実現のため」を大義名分に再選を狙っている。日薬は従これまで事業費に「20億円程度」という歯止めを設けてきたが、「今回ばかりは超過してもいいのでは」と、デフレのご時勢にボルテージを上げている。

 日薬内部は到底一枚岩とはいえない。「会館建設より調剤報酬引き上げに力を入れるべし」との「正論」も依然として説得力を持っている。

 建設推進派が頭を痛めているのは何といっても資金をめぐる問題。日薬の資産は10億円程度といわれる。200億円を超える日医や日歯とは比ぶべくもなく、100億円近い日看にも見劣りがする。建設資金をどう捻出するか。ここでも財源が鍵を握っている。

  推進派は「会費の引き上げもやむなし」と強硬姿勢もちらつかせているが、ことはそう単純ではない。昨年10月、日本チェーンドラッグストア協会 (JACDS、寺西忠幸会長)が任意団体「JACDS勤務薬剤師会」を結成、分派離脱の機会を狙っているからだ。日薬が安易に会費を増額すれば、勤務薬剤 師会がこれに反発して一斉に脱会、第二薬剤師会を結成──こんな悪夢のようなシナリオもあながち否定できない。10万人の日薬会員のうちドラッグストア勤 務の2万人が離脱するような事態になれば、会館建設どころか、組織として存続の危機に見舞われるのは必至。

  行方を危ぶむ日薬幹部の間では今夏の 参議院議員選挙で民主党支持に回るプランが現実味を増してきている。昨秋の鳩山由紀夫政権発足直後から日薬と政治連盟は参院選での支持政党について揺さぶ られ続けている。民主党が投げ掛けるのは「今後も自民党を支持するのか」との問いだ。日薬は「政党とは等距離。ただし、参院選では自民の藤井基之・前参院 議員を推薦する」と回答。そのせいか診療報酬改定では冷遇された。

 そこ で持ち上がったのが「藤井氏の推薦を取りやめ、選挙応援用の資金を会館建 設費に回す」起死回生の案。かなり真剣に検討されている。藤井氏にはまことにお気の毒だが、建設費を工面できた上に、民主党にも恩を売れる上策といえなく もない。果たして日薬は悲願の会館竣工にこぎ着けられるのだろうか。

固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)