今年のAHA(アメリカ循環器学会)は、先週ニューオリンズで開催されました。今年は、私は残念ながら参加できませんでした。
この間ブログに書きました産学官サミットでパネリストを政府から頼まれたので、泣く泣くあきらめました。
でも、私たちのグループから新しいデータを発表させていただきました。
それが、アンジェスからプレス発表で出ているものです。
アンジェスでは、NFkBデコイを用いてアトピー性皮膚炎のフェーズIIを終了し、現在フェーズIIIを開始する準備をしております(残念ながら、アルフレッサさんとは先方のご事情で別のパトーナーと進めることになりましたが)が、今回の発表は次世代デコイの内容です。
今回の研究成果は、リボンデコイを用いたものです。NFkBとEtsの2つの転写因子に対するキメラデコイをリボン型にして、大動脈瘤のモデルに投与しました。
その結果、ラットの大動脈瘤モデルで大動脈瘤の進展を抑制できました。
何が新しいの?
実は、今回の投与は、今までの局所投与でなく、腹腔内に投与したものです。
ご存じのように、リボンデコイは末端領域をサークル状に修飾した改良型デコイで血中での安定性が高まります。
このことは、局所投与を前提とする従来型デコイと比較し、リボン型デコイは生体内での安定性が向上しており、静脈内投与(全身投与)に向けた大きな前進だと考えています。
また、キメラデコイは、NF-κB及びEtsの二つの転写因子に対する阻害作用を有するダブルデコイで、より阻害作用を強く持つことが期待されていましたが、結果はその通りでした。
現在のところ、腹部大動脈瘤は、薬剤で治療することは難しく、時間の経過とともに拡大していく疾患です。
また、今回抑制したMMPは、血管壁のコラーゲンやエラスチンを破壊し、血管径を膨張させます。
治療としては膨隆した動脈壁を取り除き人工血管やステントグラフトに置換する手術が主に行われておりますが、薬剤による治療が可能となった場合には、非侵襲的な治療として、大きな朗報になることと思います。
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