前回のブログは、記事の内容引用でいっぱいになり、感想を書きませんでした。そこで、改めて私たちの考えを書きたいと思います。
今回の研究内容は、アルツハイマーの予防が、ARBやスタチンでできるかもしれないという内容です。
特に実験に使用したオルメサルタンは、強力な降圧作用が知られていますが、今回の研究ではアルツハイマーの原因であるAbの神経毒性を抑制している可能性が示されました。
研究を行ったのは、私たちの教室の里直行准教授と武田朱公先生です。以下に、里先生と武田先生のコメントを載せますね。
「えっ、血圧を下げれば、認知症が防げるの?と題名通り、半信半疑になられたと思います。
我々はある種の降圧剤、アンジオテンシン受容体拮抗薬(オルメサルタン)が認知症予防効果があるのでは、ということを将来的にはヒトで検討しようと考えています。
アンジオテンシンという物質は血管を収縮させ、ひいては高血圧の原因になります。アンジオテンシン受容体拮抗薬はそのアンジオテンシンが血管に作用するところを阻害する薬剤です。
疫学研究により、中高年における高血圧はアルツハイマー病を含む認知症の発症リスクをあげると報告されています。
ただ、今回の我々の結果は血圧を下げる効果によって、認知機能が改善したとは考えていません。
アンジテンシン受容体拮抗薬が持つ降圧効果とは別の作用、そこに我々は注目しています。
詳細は論文発表を待って頂きたいですが、一歩一歩、アルツハイマー病を始めとする認知症の病態を理解し、それに基づいた治療法を提唱していきたいと考えています。」
アルツハイマーは、遺伝病で予防できないと思われている方は、まだ多いかもしれません。実は、現在の概念は生活習慣病です。
皆さん全員がなる可能性があり、予防できる可能性のある病気です。
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5月27日月曜日の朝日新聞朝刊に私たちの教室の新しい研究成果を紹介してもらいました。残念ながら、東京版のみだったようで、関西ではでなかったようです。
内容は、下記のようになっています。
高血圧や高脂血症の薬が、アルツハイマー病による記憶や認知機能の低下を防ぐかもしれない――。大阪大学の森下竜一教授、里直行准教授(臨床遺伝子治療学)らがこんな研究成果を近く学会で発表する。動物実験の結果でまだ研究が必要だが、病気予防につながる可能性がある。
アルツハイマー病はβアミロイドという物質が脳に異常にたまり、神経細胞が侵されるのが原因と考えられる。
森下さんらは、アンジオテンシン2受容体拮抗(きっこう)薬という高血圧薬(オルメサルタン)を飲ませたネズミと、飲ませていないネズミで、脳にβアミロイドを注入して認知力と記憶力を調べた。
プールに入れて足がつく場所を探させると、薬を飲んでいないネズミは足場をあちこち探し回ったのに対し、4週間前から高血圧薬を飲ませていたネズミは、足場のある水域を中心に探すなど認知機能が高かった。足場発見までの時間も1回目は約50秒で大差なかったが、5回目には約35秒と約15秒で記憶力に差が見られた。
βアミロイドは血管をうまく広がらなくさせる作用が知られる。その結果、神経活動に見合う血液が供給されず、認知機能などが低下するとみられる。今回の実験では薬の効果で血管が回復し、記憶に深くかかわる神経活動も増強されたと考えられるという。
高脂血症薬では、いったん覚えた水飲み場の場所を1日たっても覚えているかをマウスで実験。薬の一つであるフルバスタチンを飲ませたマウスは、薬を飲んでいないマウスの3分の1ほどの時間で水飲み場を見つけた。
成果は6月の国際高血圧学会と日本抗加齢医学会で発表する。(小西宏)
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