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DEBの開発

ryu-chan / 2007.11.15 20:14 / 推薦数 : 1

DEBといっても、メタボのことではありません。デコイ流出バルーン・カテーテルです。以前NEDO(独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)の平成19年度【健康安心プログラム】に係る「基礎研究から臨床研究への橋渡し促進技術開発/橋渡し促進技術開発」委託事業の助成金を頂くことをご報告しましたが、正式にアンジェス・メディキット・ホソカワミクロンの3社で共同開発を進めることになりました。

正式名称は、「薬剤溶出型PTAバルーンカテーテル(NF-κBデコイオリゴコーティング)」で、本日プレスを出しましたように3社で共同研究開発契約を締結しました。

既に、薬剤流出ステント(DES)が発売されているので、DEBの意義は(もっとはっきりいうと、売れるの)?と思われる方もおられると思います。

確かに冠動脈ではDESが一番いいのですが、ステントが使えない血管も多くあります。例えば、透析患者さんのシャント血管の狭窄などです。シャントは、ご存知のように人工透析を行う際に、血流を確保するために下腕の静脈動脈バイしたものですが、残念ながらしばしば閉塞してしまいます。そうすると、バルーンカテで拡張するのですが、非常に再狭窄しやすい血管です。

ステントで、なぜダメなの?

実は、ステントは、腕のように運動したり、伸び縮みするような場所では、すぐ折れてしまいます。で、実際上は使うのは大変難しい状況です。

現在透析患者さんは、25万人以上おられ、毎年1万人以上増えています。再狭窄は、糖尿病からの透析患者さんで多いのですが、糖尿病からの透析が増えていることもあり、大変大きな問題になっています。

DEBは、バルーンの外側にNFκBデコイが塗布してあり、広げると同時に再狭窄を防ぐためにデコイが血管内に入っていきます。

アイデアは、簡単なんですが、なかなか前に進みませんでした。というのも、デコイは簡単に水に解けるため、すぐにバルーンから外れてしまいます。

この問題を解決してくれたのが、ホソカワミクロンのナノ粒子です。ナノ粒子の中に封入されたことにより、メッキのようにバルーンの表面にデコイを吸着させることが可能になりました。

これから3社での共同開発が始まりますが、DEBは、メタボ(おでぶ)な患者さんのQOL改善に大きく寄与し、医療経済上も有用な、新しいコンセプトを有するイノベーティブな医療機器になると思います。

もし、開発に成功すれば、世界初ということになりますし、シャント血管以外にも閉塞性動脈硬化症の患者さんの足の血管にも使えます。

下記にプレスリリースを載せておきますね。

血管再狭窄予防用「薬剤溶出型バルーンカテーテル」の

3社共同研究開発契約締結のお知らせ

アンジェスMG株式会社(以下、アンジェス)は、メディキット株式会社(以下、メディキット)およびホソカワミクロン株式会社の研究開発子会社である株式会社ホソカワ粉体技術研究所(以下、ホソカワ)との間において、血管再狭窄予防を目的とした「薬剤溶出型PTAバルーンカテーテル(NF-κBデコイオリゴコーティング)」の開発に関する共同研究開発契約を締結しましたので、お知らせいたします。

なお、本プロジェクトについては、NEDO(独立行政法人新エネルギー・産業技術総合

開発機構)の平成19年度【健康安心プログラム】に係る「基礎研究から臨床研究への橋

渡し促進技術開発/橋渡し促進技術開発」委託事業の助成対象として採択されておりま

す。

<開発の概要>

PTAバルーンカテーテルとは、末梢血管領域において、経皮的血管形成術(Percutaneous Transluminal Angioplasty)に用いられる、細長いチューブ(カテーテル)の先端に、血管を拡張するための風船(バルーン)が付いた医療機器のことをいいます。

主に、シースという筒を足や手の血管に穿刺し、シースを介してバルーンカテーテルを血管内の病変部へ進ませ、バルーンを拡張させることで血管の狭窄や、閉塞部を正常な血管径に近づける治療に用いられ、閉塞性動脈硬化症患者、血液透析患者の腕に形成したシャント血管の狭窄治療等に用いられています。

本治療は、既に、有効な治療法として用いられていますが、近年、PTAバルーンカテーテルで治療した後、再び狭窄を起こす再狭窄という現象が約30%の割合で発生しており、医療上の大きな問題となっております。

この問題解決のために、本プロジェクトにおいては、バルーン外表面に、血管拡張術施行時の急性期炎症反応抑制効果を有するNF-κBデコイオリゴ(核酸医薬)をPLGAナノ粒子に封入して塗布することで、再狭窄を予防する新たなコンセプトのPTAバルーンカテーテルを開発しようとするものです。

従来、心臓血管領域においては、同様の血管内治療用デバイスとして金属ステントの外表面に抗癌剤や免疫抑制剤を塗布した薬剤溶出型ステントが上市され、その臨床上の効果が明らかになり、同市場が急拡大しています。

しかし、ステントを用いずに、バルーンカテーテルそのものの表面に再狭窄予防効果を有する薬剤を塗布した薬剤溶出型バルーンカテーテルは、これまで、末梢血管領域のみならず、心臓血管領域においても世界で商品化されたものはありません。

本プロジェクトの推進によって、患者のQOLQuality of Life)改善に大きく寄与し、医療経済上も有用な、新しいコンセプトを有する「薬剤溶出型PTAバルーンカテーテル」の上市を図ります。

<共同研究開発における3社の役割分担>

本共同研究開発は、NF-κBデコイオリゴの医薬品開発を進めるアンジェス、カテーテル等の医療機器製造販売にグローバルな実績を有するメディキット及びナノ粒子を用いたDDS(ドラッグデリバリーシステム)技術を有するホソカワによる3社の共同開発事業として実施され、以下の役割分担のもとで開発を進めてまいります。

・アンジェス:NF-κBデコイオリゴの塗布条件の最適化

・メディキット/東郷メディキット:PTAバルーンカテーテルへの薬剤塗布技術の確立

・ホソカワ粉体技術研究所:200ナノメーターの生体適合性高分子PLGAナノ

粒子にNF-κBデコイオリゴを封入する条件の最適化

なお、薬剤溶出型バルーンカテーテルの評価系としての動物実験については、国立大学法人大阪大学大学院医学系研究科において実施する予定です。

以上

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