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コメントで某新聞の以前の記事の質問がありましたので、事実関係の説明をします。この記事の内容は、阪大の遺伝子治療審査委員会において、フェーズI/IIaの試験の2年間のデータ解析において、2年間にわたって有効性の示された症例はあるが、プラセボがないので、有効性が証明されたとはいえないという内容でした。
この内容のキーになるのは、「プラセボがないので」というのでという点です。阪大での試験は、基本的には安全性を調べる試験ですので、当然プラセボはありません。プラセボがない以上、この試験だけで有効性が証明できないのは、試験を始めた時からわかっていたことで、有効性を証明する試験ではないということです(ものすごく当たり前のことなんですが、大事な点です)。
そのために、ご存知のように現在プラセボとの比較試験(フェーズIII)を行っており、この試験でプラセボに対して有意に効果があれば、有効性が証明できます。
その意味からは、阪大での試験は、有効性が示唆されたという表現も正しく、有効性が証明されたとはいえないというのも、正しいということになります。
この行き違いは、臨床治験までの過程が、綿密に組み立てられているため、正確性を期した発言をしたことによって、より誤解を生んだ?ということになります。
問題が生じた最大の理由は、残念ながら新聞社の記者の方には、臨床治験の仕組みに詳しい方があまり多くなく、プラセボとの比較試験とオープンラベル試験の意味が混同されたためでした。
記事も中の内容を読めば、間違いではないのですが、見出しが誤解を与えたということになります。ちなみに、この点に関しては、某新聞でも見出しの誤りは私どもの抗議に対して認めてくれたのですが、訂正記事にはいたりませんでした。
難しいのは、過去の記事やインターネットの記事は、内容の理解の間違いにも関わらず、引用・引用で生き延びていくことで、実際の内容とは異なっていても、消去されることなく、引けることです。
このあたりも、インターネット時代の功罪という気がします。
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