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大野病院事件、メディアの功罪2

Dr. I / 2008.07.05 00:54 / 推薦数 : 1

『大野病院事件、メディアの功罪』
の記事の続きです。
まだ見ていない人は、最初にこっちから読んでね!

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福島県立大野病院で起きた、妊婦の死亡事故で。
警察が産科医の逮捕に踏み切った事から、
メディアが一斉に、殺人医師事件として取り上げて。
その結果、マスコミの報道で萎縮した
産科医の立ち去り
が各地で起こって、
産科の閉院が相次ぎました

その大野病院事件に関しての、
メディアの報道のあり方を検証する番組の続きです。

前回は、前置胎盤、癒着胎盤っていうのは、
具体的にはどんなものなのか、っていう事と。
どんなに珍しい症例なのか、
っていう話が中心でしたね。
今回は、その続きです。


黒岩祐治のメディカルリポート #49
「検証!医療報道の光と影2
大野病院妊婦事件 、メディアの功罪1~ 2


医療福祉チャンネル774 
 森まどか

ゲスト
福島県立医科大学医学部産科婦人科学講座
 佐藤章 教授

東京大学医科学研究所探索医療
ヒューマンネットワーク部門
 上昌弘 准教授(医師

参議院議員(民主党)
 鈴木寛議員

コメンテーター
医師・作家
 和田秀樹医師



 佐藤章教授
「もう一つ、この症例ではですね。
不幸な事に、胎盤がものすごく大きかったんです。
だいたい500グラムが普通の、10ヶ月で生まれる、
赤ちゃんの時の胎盤は500グラム位なんですけど、
この場合は700グラムあったんです。」

 黒岩祐治
「それだけ難しい症例であってね、
危険もたくさんあるという状況で。
結局、出血多量で亡くなってしまった訳ですね。
それでは、なぜ警察が出てきて、
逮捕されるようになったんですか?


 佐藤
「いや、それは警察の逮捕の業務上過失致死の、
警察側が主張しているのは。
癒着胎盤があったのを気が付いたんだから。
そのところで、無理にクーパーを使って
剥がした事自体が、乱暴である

それは、医者としてやってはならない行為である。
っていう、無理にやったから大出血を起こしたんだ。
っていう主張で逮捕した、って事になっているわけです。」

 黒岩
「上さんは、この後のメディアのあり方について、
大変問題意識を持ってらっしゃる訳ですけど。
警察が最初そうやって動いてきた。
メディアも、ある種自動反射的にぱっと動いてくる。
こういう構図になっている。
この問題の一番大きな法律上のポイントっていうのは、
どこにあると思っていますか?」

 上昌弘准教授
「本来医療っていうのは、
いろんな方がいろんな形でやって。
多様な見解が出てくる訳ですね。
その場その場の状況によって、医療者ドクターは、
ベストを尽くす
わけなんです。
その検証っていうのは、複眼的でなきゃいけないんですが。
警察っていう1つの権威が、ぼんって決めてしまった場合、
っていうのは、その正しさを誰も検証できないんです。
かつ、それが素人集団な訳なんです。

更に、今回の場合ですと、もちろん
医療に意見を聞いているんですが。
最初から絵がありきで、特定の先生に聞いている訳で。
多様な意見を反映して、適切な所に
合意が形成されていな
いんです。

で、逆に、権威というものが報道しちゃうと、
国民、医療を含めて、そういう先入観を持ってしまうんです。
それをひっくり返すっていうのは、
現実的には不可能に近いと思うんです。
こういう事例が積み重なっていくと、
産婦人科の先生は無力感をどんどん感じている訳です。」

 黒岩
「この問題を整理しなきゃいけないのはね。
警察が先に動いた、という事。
こういう事は、上さん。
問題だと思いますか?」

 上
「問題だと思います。
世界で、欧米の先進諸国も含めて、
警察が医療に介入する事が、法的であれ、
運用上であれ、常態化している国、っていうのは、
実は日本だけなんです

これは、日本の制度としてのエラーだと思います。」

 黒岩
「鈴木さんね。
そしたらこれ、メディアの問題っていう以前に、
警察の問題ですよね、まず第一に。」

 鈴木寛 参議院議員
警察の問題であると共に、刑法の問題ですね。
刑法には、業務上過失致死っていうのがあるんですけども。
いわゆる、医療行為にも業務上過失致死
適用されてしまうし

それから、我々が例えば、車を運転する場合も、
同じ業務上過失致死が適用される訳なんですよね。

医療と他と、決定的に違うっていうのは。
他の業務は、通常に車を運転していれば、
それは安全に、きしっと人を運ぶ、運送ができる。
っていう事が想定されている訳ですね。

ただ、医療の場合はですね、何も医師
あるいは医療者が手をほどこさなければ、
その方の病気は悪化する。
しいては、死に至ってしまう。

で、それを食い止めるために、
医療行為をする訳ですから。

本質的に、同じ業務であっても、
全然違う
にもかかわらず、日本の刑法では、
残念ながら明治にできた枠組みを
そのまま引き継いでいるものですから。

医者業務上過失致死罪も、
それから、いわゆる運転の業務上過失致死とかですね。
あるいは通常のいろんな仕事をしている上での、
業務上過失致死とか。
そういうのが、ごっちゃになっている、と。
ここを整理しなきゃいけないという、
まず刑法の問題があって。

で、その事を、警察が運用上、
それを一緒にやっていると。
こういう、かなり根深い話ではあるんですね。」

 和田秀樹医師
医療行為っていうのは、例えば、お産っていうのは。
死ぬのが当たり前、とまではいかないけども。
昔であれば、死を覚悟する位のレベル
事だった訳ですから。
そういうものに関して、やはりはるかに危険が全然違う
という認識がないですよね。

それと、あとはやっぱり、理想論と、医師っていうのは、
その場その場で判断しなければいけない
っていうのは全然違うわけで。
後付けでこうやっておけば良かった、っていうのは
いくらでも言えるわけですが。
その場で判断する事が、必ずしも理想通りにいかない、
っていうことは、むしろ当たり前にある訳ですね。

ところが、警察は理想論の通りにやらなければ、
結果が悪かった場合は捕まえるよ。
っていう事であれば、これはもう、
自分がとっさでベストの判断ができるなんて、
ある種もし考えている医者がいたら、相当なうぬぼれですから。
そういう医者しか残らなくなってしまう危険がある。」

 鈴木
「おっしゃる通りで、正常分娩って言葉がありますけど。
それは、終わってみて正常だった分娩で。
入り口で、これは正常分娩か、異常分娩かなんて事は、
本当にやりながらでないとわからないわけで。
それから和田先生おっしゃったように。
外科医っていうのは、毎回傷害行為をやっているわけです。
その、手術をやるたびに。
だから、傷害罪。
投薬でもなんでもそうですけど。
これは、それはそもそも傷害行為ですから。
人を傷つける行為ですから。

しかし、医師医療行為という事で、
医師法という国家資格によって、それは
正当行為をやるという事で、免責されている訳
ですよね。
ここの前提が、なんかどっか行っちゃってしまっているな、と。」

 黒岩
「佐藤さん。そういう事から考えればねー。
刑法の問題もあるし。
警察がばっと動くという問題もある、と。
いった状況である中で、ですよ。
さっきVTRでも出ていましたけどね。
私はマスコミに対してクレームをつけたい、と。
おっしゃっていました。
メディアの問題は、どこにありますか?」

 佐藤
「こういうのは、初めてのケースだ、
って言えば、それまでなんですけれども。
刑事事件になると、刑事専門の記者の人達が来るわけです。
そうすると、もう警察が捕まえたんだから、
よっぽど悪い医者
だ、と。
それは殺人者と同じだ。
という風な受け取り方を、もうしちゃっているわけですよ。
ですから、一番初めの時の報道が、もう、
前提がそうなっちゃっている

その時に、何故そうなったのか、っていう事を
医学的に、まあ申し訳ありませんけども、
理解していない人達がばー、っとやってしまう。
そうすると、一般の人達はもっとわかりませんから。
ああ、こういう医者なんだ、という。
もう初めに先入観念が出てきてしまう、と。
これが一番。
我々が後から言っても、なかなかそれを変えてくれる、
っていう事ができない、っていうのが。
ほんとにそれが、正直言うと困りました。」

 黒岩
「まあ、メディアの立場から言えばですねー。
この中で、私メディアの人間。
だから、受けてたたなきゃいけない。

まあ、良いか悪いかは別として。
いわゆる、記者クラブ制度になっている訳ですね。
だから、警察担当の記者っていうのがいて。
警察が発表してきて、捕まえた、逮捕した。
って言ったらば、第一義的にうわーっと動いていく。
その事件の中身が、いわゆる殺人事件であろうが、
医師医療事故であろうが。
それはもうとにかく、判断するという時間的な余裕もなしに、
あとは何があったんだ、
っていうスクープ合戦に入っていきますから。
自動的に動いていくという事になってくる、
という事なんですけどねー。

やっぱ、上さん。
これは医療現場からすると、
やっぱたまらん
、という事でしょうか。」

 上
「そうですね。
もうそれをやられると、たまらない感じがしますね。
医療行為っていうのは、本来非常に高度な技術で。
専門家が技術的に判断する以外、多分わからないんですね。
そういうものに関して、1つの権力である
警察が、ばっと言って、それをメディアが流した場合は、
そのチェックが構造的にかからないんです

要するに、過ちを繰り返しながら、
医学は進むものなんです。
世界でもどこでもそうなんですが。
こういう構造だと、チェックアンドバランスがかからず、
簡単に誤った方向にどんどん進んで行くんですね

これやっぱ、非常に危険なんだと思います。」

 和田
「やっぱ、メディアの根本的なあり方で。
今後変えて行かなくちゃいけないのは、
両論併記っていうのが、ほとんどない。
例えば、ありとあらゆる事件で、
本来ならば、警察発表もするんであれば、
弁護士さんの意見も発表する、っていうのが
フェアだと思うんですけども。
結果的に警察発表ばかりが、
どんどんメディアで報道されてしまうから。

やっぱり、こういう医療事故
まあ、例えば凶悪犯罪であったとしても、
今後裁判員なんていう制度を導入される以上は、
弁護する側の立場の話もマスメディアで流れないと、
裁判員にバイアスがかかるのに。
医療みたいなものに関して、
警察発表が、ほとんど垂れ流されてしまうっていうのは、
これはもう、危険この上ない事だと思いますね。」

 黒岩
「ただね、鈴木さんね。
有罪か無罪か、わからない段階で、
殺人者だという決めつけ方で、どーっと行くっていうね。
佐藤さんVTRの中でも指摘されていましたけどね。
これはですね、医療だけの話ではないですよね。」

 鈴木
「そうですね。」

 黒岩
「普通の殺人事件でも。
誰がどう見ても、こいつが犯人だろう、という。
もう、みんなが思っている、そういうものであっても、
有罪か無罪か、本当はわからないですよね。
しかしだからといって、そこで距離感を置いて伝える、
という事は、なかなかメディアの現場では、
できないですよね、それは。
それが現実だと思いますけど、どうですか?」

 鈴木
「特に日本の場合はですね。
有罪率。
要するにきちっと検察庁が、
送検をした場合ですけどね。
99%ですよね。
まあ、他の、例えばアメリカなんかでは、
いろいろな裁判員、まあ、陪審員制度などで、
無罪になったり、有罪になったりする場合ありますけど。
そこは、ホントに日本の裁判制度とか、
あるいは司法制度全体の話としてね。

ただやっぱり、話戻りますけど。」

参照:『医療報道の光と影~大野病院妊婦事件2』

 

ってとこで、You Tubeの方は、
中途半端なとこで終わってしまっているんで。
すげー、消化不良かもしれませんが。
今日は私も疲れたんで、ここまでにしますかね(笑)

業務上過失致死の話なんかは、
今、問題になっている、医療事故調査委員会の話とか。
医師の刑事免責の話なんかにもからんできますからね。
ここ、大事ですね。


続きが見たい人は、本家の方で見てね!
→ 『『医療福祉eチャンネル』』
期間限定っすよ。


医療医療訴訟について知りたい人はこれを読んでね!
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→ 医療の限界
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大野病院事件、メディアの功罪

Dr. I / 2008.07.02 23:34 / 推薦数 : 7

日本の医療崩壊を加速させたのは、
2006.2.18福島県立大野病院事件です。

このブログを読んでいる読者であれば、
ほとんどの方はもうすでにご存じだとは思いますが。
福島県立大野病院で、産科の先生
難しい症例の患者さんを救おうとして、
一生懸命に努力したけれど、命を救えなかった。
でも、患者さんが亡くなったという、結果が悪いというだけで、
故意でも医療ミスでもないのに、産科医のK先生
2006.2.18逮捕されてしまった、という事件です。

そして、逮捕という衝撃的な事だけでなく、
その後のマスコミの報道の仕方も酷くて。
その為に、日本の医療崩壊、特に産科
医療崩壊が加速的に進みました


具体的には、産科が1人でお産をする病院が、
日本中で大幅に減った。
そして、「妊婦のたらい回し」報道に代表されるように、
妊婦を受け入れる事のできる病院が、少なくなった。
という事ですね。

医療崩壊の一因として、「マスコミ
が与えた影響というのは、
「行政」の次、くらいに大きい。
と個人的には考えています。

その、医療報道を検証するシリーズ
っていうのがありましたので。
ここで紹介させて頂きますね。

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You tubeの画像です

『医療報道の光と影~大野病院妊婦事件1』
『医療報道の光と影~大野病院妊婦事件2』
『医療報道の光と影~大野病院妊婦事件3』


第一回の動画を、文字で書き起こしてみました。
癒着胎盤の説明など、非常にわかりやすかったので、
是非見てみてくださいね。



黒岩祐治のメディカルリポート #49
「検証!医療報道の光と影2
大野病院妊婦事件 、メディアの功罪1~


 黒岩祐治
メディアが医療崩壊を加速させた
と言われている事件を検証します。

医療福祉チャンネル774 
 森まどか

ゲスト
福島県立医科大学医学部産科婦人科学講座
 佐藤章 教授

東京大学医科学研究所探索医療
ヒューマンネットワーク部門
 上昌弘 准教授(医師

参議院議員(民主党)
 鈴木寛議員

コメンテーター
医師・作家
 和田秀樹医師


 森まどか
さて、今回とりあげるのは、4年前に起きた
妊婦の死亡事故ですけどね。

 黒岩祐治
福島県立大野病院で起きた、妊婦の死亡事故なんですけどね。
警察が逮捕に踏み切った事から、
メディアが一斉に、殺人医師事件として
取り上げたわけですね。

その結果、どういう事になったのか。
まずはVTRからご覧下さい。



VTR

医療事故、病院崩壊、薬害訴訟など、
一連の医療報道が現実を改善する場合もありますが、
逆に事態を悪化させることもあります。

2004年、福島県立大野病院で起きた、妊婦死亡事故。
医師逮捕というマスコミ報道をきっかけに、
産科医療崩壊の危機が起こりました。

 佐藤章教授
「私はマスコミに対して、クレームをつけたい。
まだ有罪か無罪かも決まっていない時に、
あたかも殺人者なんだ、という感じで取り扱われたと。」


マスコミの報道で萎縮した産科医の立ち去りが
各地で起こり、産科の閉院が相次ぎました。
このメディアの報道に対し、危機を感じた医師達が、
インターネットを使い、真相を訴えました。

医療報道の光と影を検証するシリーズ。
第三回は、大野病院事件のメディアの功罪です。


県立大野病院は、福島県双葉郡の周辺で
分娩のできる数少ない病院でした。
当時、年間200件~250件の分娩を
1人の医師で行っていました。

妊婦は前置胎盤のため帝王切開で出産をしましたが、
癒着胎盤があり、その剥離中に出血多量で死亡しました。

福島県は医療ミスとして、遺族に謝罪。
事故報告書を公開しました。
警察は報告書が出たことにより、医療事故として捜査を始めました。
事故から1年4ヶ月後、担当の医師は、業務上過失致死罪と
異常死の届け出義務違反の疑いで、逮捕、起訴されました。

メディアは一斉に警察報道を伝えました。
それらの多くが医師の治療ミスを伝える内容でした。

福島県立医科大学産科の佐藤章教授は、
医師逮捕とマスコミの報道に異論を唱えています。

 佐藤章教授
「彼はまだ有罪か無罪かも決まっていないときに、
あたかも犯罪者のようにテレビでは画像で彼が(医師が)
逮捕されたところを映されるのが、
あれが非常に私、気持ちとしては沈みました。」

公判では前置胎盤の妊婦に癒着胎盤があり、
その判断と処置の仕方をめぐって争われています。

 佐藤章教授
前置胎盤事態が特殊な状態にある妊娠だった訳です。
それで手術してみたら、後壁に癒着があったと。
また、癒着胎盤というのも非常に
珍しい症例でありますので、
分娩前に把握できれば、それに対する処置は
対応できたかと言えたかと思いますけど。
それが予測が出来ない珍しい症例であったという事。」


医師の犯罪としてかたずけられようとした事件に
まったをかけたのはインターネットでした。
果たして過失なのだろうか。
医師逮捕に危機感を抱いた、他県の産科医師
事故報告書を入手し、それをインターネットで公開したのです。

すると、同じ様に疑問を感じていた複数の医師達が
ブログで意見を発信。
次第に新聞の記事だけではわからなかった、
手術の内容が明らかになってきました。

「ある産婦人科医のひとりごと:2006/02/19」


医師も意見を発した1人です。

 上昌弘准教授
「自分たちの知り合いにどんどん転送して、
お知らせしていったんです。
その方たちが、また周囲に知らせる形にして、
医療者の中、あるいは周辺の人達の中で、
どんどん世論ができていって、そういう合意形成。
メディアの報道はおかしいんじゃないか。
今回の事件の取り扱いはおかしいんじゃないかとか、
という議論が盛り上がっていたわけなんです。

医師達は逮捕された産科医を救う署名活動を展開。
わずか一週間で6520名の署名が集まりました。

その声に押され、厚生労働省は、
医療関連死の事故調査委員会を組織するため
検討会を開きました。
メンバーは、医師、法学者、有識者、被害者家族で構成され、
外部からもインターネットで意見を募集しました。

 上昌弘准教授
「30万人弱、一般の医師達がどんどん声を
上げていった訳なんですね。
ITや情報流通システムが整備されてこなければ、
今回の運動はなかったと思うんです。」




 黒岩祐治
「メディアのあり方っていうものも、
この機会にじっくり考えたいと思うんですけど。
佐藤さん、その前に、この手術ですけどね。
前置胎盤だった、癒着胎盤だったと。
これ、どういう風な手術だったんですか?」


前置胎盤

 佐藤章教授
「絵をお見せして、説明したいと思います。
普通、胎盤っていうのは、こちら側(右側)にありますように。
子宮から赤ちゃんが出てくる所ではなくて、
子宮の上とか前壁とか、後壁とかにくっついているんですけど。
今回の患者さんの症例は、出口のところに
胎盤がくっついているわけです(前置胎盤)。

ですから、赤ちゃんはふさがれているわけですから、
どうしても帝王切開せざるをえない
という症例なんです。
だいたいこれが、妊娠している症例の0.5%位
という事ですから。
これ自体が珍しい。

癒着胎盤


更に、癒着胎盤も、図を使って説明しますと。
普通、子宮の中は、胃もそうですけど。
表面は粘膜というのがあります。
同じ様に、子宮の中も内膜というのがあります。
内膜が妊娠しますと、脱落膜と、これ名称なんですけど。
そういう名称に変わるんですけど。
元々は子宮内膜なんですけど、そこに受精卵がくっついて、
はがれないように、絨毛っていうんですけど。
これが、根っこを張るんですよ。
で、お産の時になると、脱落膜も剥がれて、
胎盤も出てくるという風になっているんですけども。

この脱落膜が、何らかの原因で欠損していたり、
ものすごく薄くなったりすると、胎盤の根を張るのが
直接筋層の中に入ってしまう。(癒着胎盤

だから、お産が終わってからも剥がれなくなっちゃう訳です

 黒岩
「はー、そうすると、ここにメスを入れて切る
って事になるわけですか?」

 佐藤
「いや、普通はですね、全部がくっついているっていうのは、
まずないですから。
一部ですから、手を使ったり、一部はメスを使ったり。
まあ、メスはあんまりないですけど。
クーパーで、ハサミの一種ですけど。
そぐようにしてはがす、という事がやられている訳です
。」

 黒岩
「基本的に、非常に珍しいケースであったという事。
そして非常に難しい症例であったという事。」

 佐藤
「そして付け加えますと、前置胎盤の症例で
癒着胎盤の症例というのは、前置胎盤のうちの
だいたい3%位しかないんです。
ですから、0.5%と3%をかけあわしますと、
おおざっぱに言うと、1万例に1例くらいしかない。
という事です。」

参照:You Tube 『医療報道の光と影~大野病院妊婦事件1』

本家は、こちらでーす。
『医療福祉eチャンネル』


第一回は、癒着胎盤とか前置胎盤とか。
そういう医学的な専門用語の解説中心だったんですが。
この後が、本論になりますよー。

結構、書き起こしするの大変なんですけど。
気合いが乗れば、第二回、第三回も書いていきますね!

福島大野病院事件の判決が、8/20にあります。
検察側の人間からも、医師を逮捕、起訴したのはおかしい。
福島地検のスタンドプレーだ、という声も上がっていますし。
公判の内容が、詳細にネットで書かれており、
それを見ても医師が有罪になる。
という確率は非常に低いとは思いますが。

もし、医師が有罪になる事があれば、
その時には日本の医療は完全に崩壊するでしょうね
そうならない事を祈っています。


医者のホンネが知りたい人は、こちらから!
→ 『医者のホンネが丸わかり!(改)』

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舛添厚労大臣のインタビュー

Dr. I / 2008.06.29 23:16 / 推薦数 : 4

いつもお世話になっている、川口恭さんの
『ロハス・メディカルブログ』に、
舛添要一厚生労働大臣のインタビューが
書いてありましたよ!

舛添厚労大臣に関しては、医師の中からは
賛否両論あると思いますけど。
私は、良くやっている方だと思います。

100%全部認める、って事はもちろんないけど。
日本の医療崩壊の原因で、最も大きいのは
医師不足医療費不足だから。
医療費も医師の数も増やしなさい
っていう主張は、私と同じだし。

患者当たりの医師が少ないんだから、患者の側も、
無駄に病院にかかるのを我慢しなさい、とか。
官僚は現場を知らないから駄目なんだ、とか。
なんとなく、私が言ってきた事と似ていると思います。

舛添厚労大臣は、パフォーマンスが先行する。
っていう事は事実なので。
それがあんまり気にくわない、とう人も
結構いるのかもしれませんが。

前と言っている事が全然違うとか、
言い訳ばっかして、人のせいにしたりとか。
そういうのは比較的少ないし。
個人的には買っています。

年金の問題の時は、ちょっとなー。
って思った時もありましたけどね。

ちょっと長いので、一部省略しますから。
全部読みたい人は、『ロハス・メディカル』を読んでね!

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~ ウソをつく官僚は、クビを切るしかない ~
川口恭 2008年06月28日


昨日、舛添要一厚生労働大臣のインタビューを行いました。


――『安心と希望の医療確保ビジョン』の
  セールスポイントを教えてください。


一番、国民が心配しているお医者さんの不足、
奈良で妊婦さんがたらい回しされて
大阪へ連れて行かれて死産したとか、
そういう話がいっぱいありますでしょ。
小児科が足りないとかね。
そういう問題に対して、基本的に
厚生労働省担当相としてどう対応するか
考えましたということです。

国民みんなが足りない足りないと思っているのに、
平成9年の閣議決定以来、歴代の厚生労働大臣は
役人にそそのかされたのか、医師は十分にいると
答弁し続けてきた、偏在しているだけだ、と。

そんなの普通の人から見たら違うんじゃないの
ということで、国会答弁から変えた。
まず一つはお医者さん増やすよ、
医学部定員削減の閣議決定を見直すよ、
それが第一。

それからもう一つは地域、現場中心主義だということ。
霞が関に座っていて医療の現場が分かるわけないんで。
現場中心で現場の地域のネットワークを
いかに構築するかっていうことで。
周産期医療センターなんてのやっているけれど、
それがない宮崎の方がむしろうまくいっている
というのは、ハコモノなんか作ったって
人がいなければダメなのね。
ハコモノなんかなくったって
ちゃんとやっている所はある。

たとえば江戸川区の医師会とか、
見に行ったけれどそうだった。
で、26日に行った日野市立病院のように
立派なNICUのハコモノなんか作ったって、
お医者さんがいなかったら
閉鎖されて生きてない、と。
だからやっぱり、現場を見て地域のイニシアチブを
大事にしてやりますよ、ということ。

それから3番目の柱は、
やっぱり国民も協力してくださいということ。
兵庫の県立柏原病院に来週行きますけれど、
あそこのお母さんたちの
『小児科を守る会』があるでしょ、
ああいう実質的な活動で1円もかからないで
小児科の負担を減らすことができている。
だから日野市に行った時に、
市長と地元の国会議員に
日野市で同じことしなさいよと言いました。

何度も言っているんだけれど、現場が第一であって、
霞が関で紙と鉛筆でやってる財務官僚も
厚生労働官僚もダメだってことなんですね。

それからもう一つは、ただ予算を増やして
人を増やせばいいのかといえばそうじゃない、と。
改革はやっぱりやらなきゃいけないんで、
ムダを排し効率的な医療体制を築く、と。
じゃあどうやってムダを省くんですかっていう時に、
自分たちの権限は縮小しない形で、
天下り先は確保したまま、
規制権限を強化したまま、
そうじゃないだろう、と。

私が言っているムダを省けというのは、
官僚たちがやっている規制のせいで
金がかかってるんじゃないのということ。
だったら規制外せばいいじゃない。
たとえば医療機器だって規制で
がんじがらめにしているから
アメリカの何倍の価格にもなる。

それから、何枚も何枚もお医者さん
紙を出さなきゃいけないから、
それだけでお医者さんの時間がなくなっちゃう。

その書類作成の時間がなくなるだけでも、
コスト的に相当のはず。
要するに規制緩和をちゃんとやる。
国民の安全にかかわるところを何だ、
みたいな議論にすぐするけれど、
そういうすり替えはダメですよ、
とそういうことですね。
だから改革はちゃんとやるんですよ。



――医師数をどこまで増やすか、
  具体的な数を挙げることは可能ですか。


『骨太の方針08』では過去最大限のところまで行く
というのが注釈で書いてあります。
それを上限とするニュアンスが
ないようにしましたから、
とりあえずそこまで増やすと8360ですね。

今から500ぐらい増えるのかな。
色々なシミュレーションをやって、
やっぱり年間400ぐらいずつ増やしていく
ってのは解消策として妥当なところだと思うけれど、
それはまた多すぎるのか
少なすぎるのか色々議論して。

その議論の前提は、週に80時間、
90時間働いているという人は
本来1人じゃなくて2人いれば
40時間から50時間で済むはずなんで。
人として当たり前の働きをする前提です。

生身の体で自分が病気になっちゃったら
仕方ないんで。
今、医者が足りているからいいじゃないか
と言うんじゃなくて、違うんですよ、
この人は80時間働いているんですよ、
もし40時間にするんだったら倍いるでしょう。
そういう論理できちんと計算していく
ということです。

もう一つは、介護士、看護師、助産師といった
コメディカル、メディカルクラークも含めてですけれど、
それをもっと活用する、スキルミックスをやっていくと、
これをもっとやっていく。

その時にも、お金がなくてスキルミックスが
できるわけがなくて、だから看護師の数をガっと増やす、
質を上げる、こういうことを
やらないといけないと思います。
それも一つの大きな改革の目玉だと思います。



――患者・国民がビジョンに対して
  協力できることは何でしょう。


たとえば柏原病院の例のように、
コンビニ診療をやめてください、ということですね。
『柏原病院の小児科を守る会』のパンフレットを見て、
ウチにも小さな子がいるから、
いいなと思って家に置いているんです。

この子の顔色がこうだったらすぐ救急車呼びなさい、
こうだったら熱冷ましてから呼びなさい、
こうだったらこの薬を飲ませなさいと
フローチャートで書いてある。
あれは、小児科を守る会が自らトリアージの仕方を
住民に教えたんですね。

それからもう一つは赤ちゃんが調子悪かったら
昼間診せなさいと。
昼間子供を放ったらかしておいて、
夜中にパニくって救急車呼んで、
そうするとそんなのが1人で当直している
お医者さんのところへどんどん来る。
診ても大したことないのに、その間に
本当に緊急の子供が来た時にもう診られない。
だからトリアージを国民にもやってもらう。
乱診乱療じゃないけど、コンビニ診療をやめる、
こういうこと。

つまり、あなた命守りたいんでしょ、
お医者さんいなかったら困るでしょ、
看護師さんいなかったら困るでしょ、
なのに逃げて行ってますよ。
くだらない負担をかけるからですよ。
無駄な負担をかけないようにしましょう、
ということですね。

厚生労働大臣が頑張るとか、お医者が頑張るとか、
看護師が頑張るだけで救われる問題ではなくて、
あなたが頑張ってくれないとダメ、
オールジャパンでやる話なんですよと。
やはり患者側の協力がなければ。
病気を治すんでもそうですよね。
お医者さんの言うこと聴かないで
勝手やってたらダメで、
やっぱり養生しなさいと言った時に
ちゃんとやってくれるかどうか、
非常に大きいと思いますね。



――総理の「5つの安心プラン」の中で
  「厚生労働行政改革」だけ妙に異質と思うのですが。


それはまさに医療確保ビジョンも同じ発想で、
今から介護ビジョンもやろうと思っているのだけれど、
こういうことすらできなかったのが、
医者が足りないのに足りてますと
言い続けたってのが、厚生労働省の体質。

自分で言うのもおかしいけれど
普通の大臣なら、医者が足りませんって
言うところまで持ってこれないですよ。

私だからできている面があって、
みんな批判するんだけれど、
言ってしまうんですね国会で。
はい足りませんよ、と。

世論に対してもテレビなんかでも足りませんと言う。
ウソをつくな、と。
その闘い、それは肝炎なんかでもみな同じですよ。
ウソをついて大臣が言おうが
何をしようが勝手気まま。
それはもう許さないよ、と。

だからこれはもう改革ですよ。
言うことをきかないヤツは首を切ると。

だから例えば、医学部を出て
免許を持っているか知らないけど、
インターンぐらいやったかもしらんけど、
臨床も何もやらないでずっとやってて、
それで、あんた日本のお医者のトップに
立つのかね、と。
おかしいだろう、と。

だから臨床やるかどうかは別にして、
とにかく現場2年ぐらい、腕に自信がないなら
病院の事務長としても入ってもいいから、
とにかく病院の実態を見てくださいよ、と。
そして帰ってくれば、いい政策ができる。

だから、まあ徹底的にやろうとしているのは技官ね。
医系、薬系含め技官人事、
誰も手をつけないで聖域になっている。

私は東大法学部だから、事
務官の局長かなんかは全部分かる。
ところが局長でも医政とか健康局長なんかは
GHQの指令で医師免許がないと
いけないことになっている、と。
そんなバカなことはないんで。

医師免許なんかなくたって、
事務能力のある局長がいて、
下の課長の何人かに優秀な医者がいればいい。
その医者も臨床やったことない外に出たことない
なんてのじゃなくて、ちゃんとやって
患者の面倒を見たことある人。
看護師でもいい。
外の血も入れて交流していかないとダメなんで、
まさに厚生労働省改革というのは、
これまでの失敗とウソで塗り固めた
状況を変えるということ。

組織を変えてこういう組織にしますよ
というやり方もあるけれど、『医療ビジョン』も
まさに改革そのもので、
出ないですよ普通はこんなもの。

まさに闘いなんで、医者の数が不足してますと
書かないでくださいから始まるだろ、
不足してますと書くまでに
どれだけの闘いをやっているかね。

国会も与野党を動員して、国権の最高機関である
国会で大臣が足りないと言っているのに、
役人が足りていると言うのなら、
それはもう役人の首を切るしかないですよ。
そういう現実に動かしていきながら改革します。
組織変えして何局を何局に移す、何局を廃止する、
そしたら改革かってそうじゃないんですよ。

結局、改廃したところで人が
変わらなければ変わらないんで。
ボンと医療確保ビジョン。

で、何とか審議会とか色んなものが
いっぱいあったって、結局御用学者連れて来て
役人の隠れ蓑。
そんなもの役に立つわけないだろう。
だからそれはもうやめるということであってね、
審議会も中医協も含めてあらゆる関連のところを
見直すと、そういうことなんです。
国民のための仕事がどうしたらできるのかと、
その観点だけに尽きると思いますよ。

そりゃ面白いよ。
今回の医療ビジョンを俺がやるって言ったことが
まずショックなんだけど、それがこうした形で実を結び、
今日骨太の方針で確定するけれど
医師不足がうたわれ、閣議決定が引っくり返され、
社会保障や医師不足には財源を確保するということが
書かれたこと自体が奇跡的なんですよね。

顛末を小説にでも書いたら面白いものができるんで。
だから、その方針をやるしかない、と。
幸いそういうことができるのは国民が
基本的に支持してくれているからですよ。
役人が何と言おうと。
国民の支持がなくなったらダメだから。
だから国民がちゃんと支持してくれて、
問責決議だって85%が俺に対してやるのは
反対だから出せないんですね。
85%の国民が支持しているヤツに問責出したら、
出した方が怒られちゃう。
それはちゃんと国民が仕事をしていることを
評価してくれていると思うので、
この姿勢を失わずにやるということですね。


(このインタビューを抄録したものが、
『ロハス・メディカル』08年8月号に掲載されます)

参照:『ウソをつく官僚は、クビを切るしかない』



舛添厚労大臣日本の医療事情の事も
結構わかっているし。
言っている事はまっとうだし。
筋が通っていて、良い話だと思いますよ、私は。

弱冠、舛添厚労大臣の自慢が入っているので(笑)
ちょっと、かちんと来る人もいるのかもしれませんがね。


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あなたを診る医師がいなくなる!

Dr. I / 2008.06.27 00:56 / 推薦数 : 4

このブログでも何回か取り上げている、
過労死した小児科医師、中原利郎先生
その小児科医師中原利郎先生過労死認定を支援する会が
主催して、6/28に東京でシンポジウムが行われますよ。

その名も。
「あなたを診る医師がいなくなる!」

興味のある人は、見に行ってね!

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6月28日(土) 

東京医科歯科大学にてシンポジウム開催

あなたを診る医師がいなくなる!
~過重労働の医師を病院は守れるのか~
http://sky.geocities.jp/shyuju2008/sym062808.html

勤務医の労働環境を考える
シンポジウム実行委員会

(実行委員長:
松崎道男/松崎内科クリニック院長、
元虎の門病院輸血部長、医療安全対策室長)

日時: 2008年6月28日(土) 
     13時半~16時20分(開場12時40分)
会場: 東京医科歯科大学講堂(5号館4階)
交通: JR中央線 総武線「御茶ノ水」駅(御茶ノ水橋口)、
     東京メトロ丸ノ内線「御茶ノ水」駅(医科歯科口)すぐ

司会:田辺 功 氏/医療記者歴40年、
近著に『ドキュメント 医療危機』
進行役:塚田 真紀子 氏/著書に『研修医はなぜ死んだ?』、
     共著に『壊れゆく医師たち』


シンポジスト(五十音順)

●伊関 友伸 氏「地域の財産としての病院のあり方」
  /城西大経営学部准教授 医療経営アドバイザー、
  近著『まちの病院がなくなる』

●岩田 喜美枝 氏
  「過重労働の是正―女性医師が働き続けるために―」
  /資生堂副社長  元厚労省雇用均等・児童家庭局長

●前村 大成 氏「過重労働、管理者としてその後すべき対応」
  /元都立府中病院院長 
  医師の労働環境問題に取り組んだ経緯あり

●松村 理司 氏「“救急”を断らない病院を支えるもの」
  /洛和会音羽病院院長
  勤務医の過重労働軽減と病院の質向上に奮闘中


2人の医療ジャーナリストが司会・進行役を務めながら、
患者患者家族、医療関係者、医療系学生、
子育て中の母親たち、一般希望者と熱い議論を交わして
いく予定です。是非ともいらしてください。
そして、多くの方々に伝えてください。
このままでは、あなたを診る医師がいなくなってしまうことを。
そうならないように、どうしたらいいのかを。

対象: 患者患者家族 医療関係者 
    医療系学生 一般希望者(定員300名)
会費: 100円(資料代として)

主催: 小児科医師中原利郎先生の過労死認定を支援する会
共催: NPO法人医療制度研究会
    全国医師連盟
    『知ろう!小児医療 守ろう!子ども達』の会、
    県立柏原病院の小児科を守る会 
    I-Cube
後援: 構想日本


問い合わせ先:
   「小児科医師中原利郎先生の過労死認定を支援する会」

事務局〒104-0033 
   東京都中央区新川1-11-6中原ビル

TEL:090-6133-0090 FAX:03-3552-2888



    過労死事件の概要

平成11年8月16日 
       中原利郎、勤務先佼成病院の屋上から投身自殺(44歳)
平成13年9月17日 新宿労基署に遺族補償給付を申請
平成16年12月7日 東京地裁(行政部)労災不認定取消訴訟を提起
平成19年3月14日 原告勝訴判決!
平成19年3月28日 被告控訴せず→労災認定


1999年8月16日の朝、小児科医だった夫の中原利郎は
真新しい白衣に着替えて、
勤めていた病院の屋上から身を投げました。
享年44歳でした。
亡くなる6ヶ月前には、6人いた医師が3人に減ったこともあって、
月に8回当直し完全な休日は2日といったような
働き方をしていました。

管理職になって採算のことも考えねばならず、
精神的にも肉体的にも疲れきった様子でした。
夫は、「命を削りながら当直をしている」とか
「部長会議は、地獄のように辛い」とこぼしていました。

亡くなる2~3ヶ月前には「病院に殺される」
と言うようにもなっていました。
そんな夫の働き方を、東京地裁は昨年3月、
過重労働であると認め、国に不支給決定を
取り消すよう命じる判決を言い渡しました。
国は控訴せず、勝訴が確定しました。

8年かけて国は、夫が小児科医師として激務であった
と認定したにもかかわらず、勤務先だった病院は、
夫の働きは過重労働ではなかったと未だに主張し続けています。

「月の当直が6回から8回になっても、
さほど生活全般に影響が出るほどの変化とはいえない勤務先」
などという論点で、「過労死」であったことさえ否定するのです。
この病院の認識は、現実からかけ離れているように思います。

病院は、過重労働の勤務医を守ってくれないのか”
夫が亡くなってからの9年間ずっと考えていたキーワードです。
小児科に限らず勤務医の働き方は、医師の犠牲的精神で
乗り越えられる限界を超えています。

深刻化する医師不足に、厚生労働省は、ようやく医師増員などの
医療確保ビジョン」を打ち出しましたが、
それだけで医療現場の危機を救うことはできるのでしょうか。
労災認定された労働実態を、病院が認識し改善する。
医師が人間らしく働ける労働環境をつくってほしい。
そんなメッセージを伝えるのが、
遺された私の役目だと思っています。

今回のシンポジウムで、疲れ切った医師
いのちを委ねたくない市民と、疲れ切ったまま
医療に従事したくない医師と、
疲れ切った医師を働かせ続けたくない
病院長と一緒に、あなたも考えてみませんか。

勤務医の職場環境改善のために病院にできること。
医療者の健康を守ることが医療安全につながること。
参加者全員で、「あなたを診る医師がいなくなる!」、
こんなタイトルのシンポジウムが
必要でなくなる社会を目指したいと思います。


『シンポジウム6.28』


実は、ここ1年で、私の同級生の医師が2人突然死しています。
2人とも、30代でした。
どっちも自殺ではないのですが。
1人は、当直中に冷たくなっていたようです。

詳細はわからないので、彼らが過労死かどうかは
私にはわかんないんですけど。
過労であれば、こういう突然死のリスクは
当然上がると思います。

人間の死亡率は100%ですから。
突然死それ自体を防ぐ事はできないんですが。
過労であれば、突然死のリスクは高くなるでしょうから。
そうであれば、それを改善すべきだと思いますよ。

医師の数が減ったら、最終的には
医者に診てもらう患者さんも困りますからね。

医師が過労でくたくたになった状態であれば、
患者さんに行う医療の質も落ちますから。
医者だって人間ですから、当たり前ですね。

そうならないように、みなさんは
コンビニ受診は控えてね!


救急車を呼ぶ時は、これを読んでから呼んでね!

→ 『3分でわかる救急車の上手な使い方』

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救急車でも非常識な要請

Dr. I / 2008.06.23 22:34 / 推薦数 : 6

日本の医療崩壊の原因に、コンビニ救急や、
モンスターペイシェントなどの、患者側の問題もある。
っていう事は、医師ブログだけでなく、
最近は既存のマスコミでも書かれるようになりましたが。

救急車の要請でも、やっぱり問題のある患者
多かったようですねー。
この話は、yahooのトップページも出ていましたね。

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足代わり119番救急車「予約」
…非常識な要請広がる

救急車病院までのタクシー代わりに利用しようとする
119番が、全国各地で相次いでいることが、
主要51都市の消防本部を対象にした
読売新聞の調査で明らかになった。

急病でないにもかかわらず、
病院での診察の順番を早めたい」という理由で、
救急車を呼ぶケースも目立つ。
昨年1年間の救急出動件数の5割は軽症者の搬送で、
110番に続き119番でも、非常識な要請が広がっている
傾向が裏付けられた形だ。

都道府県庁所在地と政令市にある計51の消防本部
(東京は東京消防庁)を対象に、最近の119番
内容を尋ねたところ、37消防本部が
タクシー代わりの利用など、
明らかに緊急性のない要請があると回答。
大都市、地方都市とも同じ傾向がみられた。

例えば、「119番でかけつけると、
入院用の荷物を持った女性が自ら乗り込んできた」
(甲信越地方)ケースや、
119番で『○月○日の○時に来てほしい』
救急車を予約しようとする」(関西地方)事例が多い。
症状を偽る人もおり、甲信越地方の60歳代の男性は
「具合が悪くて動けない」と救急車を呼びながら、
実際は緊急の症状はなく、
あらかじめ病院に診察の予約を入れていた。

風邪程度なのに、「救急車で行けば、早く診てもらえる」
と思って119番する事例も、28消防本部で確認された。

病院では救急外来の患者の重症度を
まず看護師が判断する場合が多い。
しかし、山陽地方では、切り傷で搬送された
患者と家族が、診察の順番を待つよう告げられ、
救急車で来たのだから、優先的に診察するのが当然だろう」
と詰め寄った。

診察待ちをしている人が、病院を抜け出して
119番するケースも7消防本部であった。

関東地方では、50歳の男性を病院に搬送すると、
先ほどまで待合室にいたことが判明。
男性は「順番が来ずにイライラし、
救急車で運ばれれば早まると思った」と語った。

51消防本部で昨年1年間に救急車が出動した
約232万件のうち、安易な要請も含めた
軽症者の搬送は約117万件。
厳しい財政事情から救急隊の増員が進まず、
重症者への対応が遅れるなど支障も出ている。


『2008年6月23日:読売新聞』


実は、6/23の読売新聞の33面にも関連記事があって。
そっちの方にも非常に大事な事が書いてあったんで。
本当は、それを紹介しようと思っていたのですが。

どうやら、ネット上にはアップされていなかったようなので。
他のブログなんかでも引用されている、
同じ文章を引用しちゃいましたわ。

救急車の利用で問題になっているのは、
軽症患者救急車を使ってしまうと、重症患者が使えなくなる。
っていう事なんですよ。

当たり前すぎて、この記事では最後にわずかに
触れている程度なんですけど。

33面には、具体例が出ていました。

町に2台しか救急車がない町で。
どっちの救急車軽症患者の為に出払っていて。
その為、心肺停止だったかな、
重症患者の命を助けられなかった。


という例です。


金も無限にあって、人も無限で、救急車の数も無限。
時間に制限もない。


こういう状況であれば、軽症患者
救急車を使ったって良いんですよ。
はっきり言って。

でも、実際には違うでしょ。
救急車の数には限りがある。
救急の数も限られている。
だから、軽症患者のところにばかり
救急車が行く事になると、
重症患者のところに救急車が行くのが遅れる。
そしたら、重症患者の命が救えないかもしれない

そこが、一番の問題なんですよ。

もちろん、医療費の問題もありますけどね。


今のやり方では、
一部のわがままな人間が貴重な救急車
救急隊という資源を無料で独占して。
その結果、本当に助けなければいけない、
重症患者の所に救急車が行くのが遅れて、
助けられない命がある。


というのが事実です。

だったら、今のやり方、システムを変えるしか、
方法はないんじゃないかなー。


簡単に言うと、今のシステムっていうのは、
「いつでもどこでも誰でも、救急車は無料」。
こういうシステムです。

いつでもどこでも誰でも無料、だから。
重症患者でも、軽症患者でも無料だし。
どんなに遠くまで乗っても、何回乗っても無料。
っていう事ですよ。

『「こどもの医療費無料」の問題点』
の記事には、子供の医療費の事を書いたんだけど。


「無料なら、病院に来よう」
っていう人が多くなるからです。

薬屋で、薬とポカリスエットを買ったら2000円。
でも、病院に行って専門家である医者に診てもらって。
それで薬までもらっても、0円。
だったら、時間外でも、病院に来よう。
って思う親が多いのは、当たり前です。

時間外に軽症なのに病院救急外来に来るのって、
「コンビニ救急」とかって呼ばれているのですけど。

これって、患者(こども)とか、その親が
いわゆる「モンスターペイシェント」だから起こる、
っていうよりは、「こどもの医療費無料」
っていう制度がおかしいから起こっているのですよ。



これは、救急車が無料っていう場合にも、
全く同じ事が当てはまります。

「タクシーを使うより、救急車の方が安い。
だったら、救急車病院に来よう。」

という人がいるのは、
救急車が無料」という制度のせいです。

だったら、これを手っ取り早く解決するには、
救急車を有料にすれば良いんですよ。


日本では、全国どこでも、いつでも誰でも、
軽症でも重症でも救急車は無料
ですけど。
世界の中では、救急車が無料という国は、
むしろ少ない
んですよ。


諸外国の救急運営状況
国別     都市名       金 額(円)
 
アメリカ
ニューヨーク     有料 \47,000~\72,000 
ロサンゼルス    有料 \47,000~\72,000
サンフランシスコ  有料 \47,000~\72,000
ホノルル       有料 \47,000~\72,000
サイパン       有料 \17,000
カナダ バンクーバー 無料
ブラジル サンパウロ 無料
グアム グアム      無料
オーストラリア シドニー 有料 \13,000~\25,000
ニュージーランド クライストチャーチ 
             有料 \3,000~\5,000
イギリス ロンドン   有料 \25,000
フランス パリ     有料 \34,000~
ドイツ フランクフルト 有料 \54,000
イタリア ローマ    無料
スイス ジュネーブ  有料 \61,000
スペイン マドリッド  有料 \4,000
オーストリア ウィーン 有料 \20,000
オランダ アムステルダム 有料 \9,400、
ベルギー ブリュッセル 有料 \6,700
中国
北京           有料 1km毎 \48~\68
上海           有料 \1,000~\3,000
香港           無料
台湾 台北       無料
韓国 ソウル 無料、官営は無料だが、最短の病院への緊急搬送のみ
シンガポール シンガポール  有料 \4,000~\7,000
マレーシア クアラルンプール 無料
ベトナム ホーチミン  有料
         走行距離1kmにつき \70、民営は \5,300~\15,800
タイ バンコク      有料 \1,600~\3,400
インドネシア バリ島  有料 \17,000
フィリピン マニラ    有料 \4,900

24ヶ国30都市  有料22都市、無料8都市

平成18年1月発行 「海外医療事情ハンドブック 2006」
(AIU保険会社)より抜粋


という訳で、24ヶ国30都市のうちで、
有料22都市、無料8都市ですから。

世界的には、救急車は有料の方が多いんですよ。
無料っていう国でも、ここには書いていませんけど。
緊急時にしか使えませんからね、救急車は。

軽症患者でも誰でも使えて、しかも無料
という国は、日本しかないんですよ。

軽症患者でも、どんなにわがまま言っても無料。
というシステムのせいで、実際に重症患者の所に
救急車が行くのが遅れて、命を落とす人がいる

というのが、今の現実ですから。

これを無くす為には、軽症患者のアクセスを制限する
という方法しかないと思いますよ。

救急車の出動回数を単純に減らすには、
最も効果があるのは、有料化です。

でも、これをやると、
本当に重症の患者まで
お金を取るっていう事になるので。
お金を取るなら、救急車呼ぶのをやめよう。
っていう人ができて、その結果、
助けられない人が出る、

っていうのが問題ですから。

救急車を呼んでも、重症の患者からは
料金を取らない、もしくは割り引く。

っていう方法が良いかな。
という風に、個人的には思います。

単純にいくなら、
入院した患者さんからは、救急車の料金を取らない。
という方法があるし。

その他には、私が以前に提唱した、
『時間外重症患者割引制度』
の記事にも書いたような制度。
重症の患者(医療費がたくさんかかった患者
からは、いくらか料金を割り引きしますよ。

という制度です。

具体的には、こんな感じ。
モトケンブログで、欄外さんがまとめてくれたので、
そのまま引用しますと。
『救急車の非常識な搬送要請』


「時間外診療および救急車利用について(割引制度あり)」
(手数料・利用料は仮です)
 
時間外診療手数料(A):5,000円
救急車利用料(B):5,000円
を、頂戴いたします。
 
ただし、
医療費自己負担額(C)が10,000円を超えた場合、
その超えた金額の半額(D)を、上記(A)(B)を限度に割引します。

ex.1
自己負担額2,000円の場合
時間内外来:\2,000(C)のみ = \2,000
時間外外来:\2,000(C)+ \5,000(A)= \7,000
時間外救急:\2,000(C)+ \5,000(A)+ \5,000(B)= \12,000

ex.2
自己負担額15,000円の場合
時間内外来:\15,000(C)のみ = \15,000
時間外外来:\15,000(C)+ \5,000(A)- \2,500(D)= \17,500
時間外救急:\15,000(C)+ \5,000(A)
        + \5,000(B)- \2,500(D)= \22,500

ex.3
自己負担額25,000円の場合
時間内外来:\25,000(C)のみ = \25,000
時間外外来:\25,000(C)+ \5,000(A)
       - \5,000(D)= \25,000((A)の限度額)
時間外救急:\25,000(C)+ \5,000(A)
       + \5,000(B)- \7,500(D)= \27,500

ex.4
自己負担額30,000円の場合
時間内外来:\30,000(C)のみ = \25,000
時間外外来:\30,000(C)+ \5,000(A)
       - \5,000(D)= \30,000((A)の限度額)
時間外救急:\30,000(C)+ \5,000(A)
       + \5,000(B)- \10,000(D)= \30,000

※時間内救急は、時間外外来と同じ


これ、以前に私がまとめた例よりもわかりやすいですね(笑)

時間外の患者だけでなく、救急車患者にも
この制度を応用すれば、
軽症患者が安易に救急車を呼ぶ、
っていう事が少なくなるんじゃないかなー、

と思います。



ちなみに

>110番に続き119番でも、
非常識な要請が広がっている傾向が裏付けられた形だ。


っていうのは、
『110番も、モラル低下』
の記事に書いた、読売新聞の調査の事っすよ。


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点滴作り置きは、「悪」か?

Dr. I / 2008.06.20 00:22 / 推薦数 : 6

谷本整形」の点滴作り置きの問題に関しては。
最初に書いた記事、
『点滴作り置きの問題、1』
の時から、単純に点滴作り置き」はいけない
という視点だけでは駄目だ。

それだけでなく、診療報酬の問題や、
衛生、安全管理にお金をかけても、目先のメリットがない
とか、そういう「システム」の事についても考えなければいけない。
という事は、何度もこのブログに書いている通りです。

ただ、
『「点滴作り置き」、6/17までのまとめ』
の記事にも書いたとおり。

1,安全、衛生管理を怠った。
2,医師、看護師の能力以上の患者を受け入れてしまった。


という事に関しては、今まであった情報からも、
谷本整形には非があるようなので。
これに関しては、医師の側からも、
いけないものはいけない。
という事を言っていくべきだ、とは思います。

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点滴作り置きそのものは、さほど悪くない。
というのは、最初からこのブログでも書いていますけど。
それに関して、専門家でもなんでもない、
私一人が言っていても、何の説得力もないので。

新聞等に出ている、「専門家」の意見なども紹介して
点滴作り置き全てがいけないという訳ではない。
という事について、書いていきましょうか。

まずは、安全や衛生を管理する親玉
厚生労働省」。
その中でも、最もそういう事に詳しいと思われる、
厚生労働省医療安全推進室の意見が、
6月11日の産経新聞に載っていたので、紹介しましょう。


伊賀・患者死亡 点滴液を作り置き 
県警、医師や看護師ら聴取

厚生労働省医療安全推進室は
点滴の作り置きを禁じる規則はないが、
衛生的な環境で、少なくとも
1日以内に使用するのが医学的な常識。
県から詳しい状況の報告を待ちたい」
と話している。


『2008年6月11日:産経新聞』


という事ですから。
厚生労働省医療安全推進室の意見としては、
点滴作り置き」自体が悪いんじゃなくて、
不衛生な状態で、1日以上経った点滴を
使ってはいけませんよ。

っていう事ですね。


次に、名古屋市立大学薬学部(臨床薬学)の
木村和哲教授の意見。


変調5人から細菌 伊賀の医院
ずさん管理 常態化 点滴1日100人超

医療現場での薬剤の取り扱いに詳しい
名古屋市立大学薬学部の木村和哲教授(臨床薬学)は、
点滴は調剤後にすぐに使用するのが原則で、
品質が保持できる清潔な環境でも24時間以内が限度。
調剤の時点で雑菌混入の可能性があるうえ、
時間がたつにつれて菌は増殖する」と指摘。

一方、厚生労働省によると、
薬剤の安全管理は医師法に定められているものの、
点滴の作り置きを禁じる法律はない。


『2008年6月12日 読売新聞』


この先生の意見も、
不衛生な状態で24時間以上経ったら駄目だよ。
っていう意見ですね。

厚生労働省と、薬学部の大学教授という、
2人の専門家の意見をまとめると。

不衛生な状態で24時間以上経った
点滴を使ってはいけない。

っていう事ですかね。

谷本整形」の場合は、丸1日以上、
常温で事務の机の上とか、不衛生な状態で放置していた

っていう事ですから。
これは、問題がある、って言ってもよいでしょう。

でも、逆に言うと、専門家2人とも、
「清潔な状態で24時間以内ならOK。」
っ言っているともとれませんかねー。


私は循環器内科医ですけど。
循環器っていうのは、心臓を主に扱っている科なので。
入院患者には、心不全の患者さんとかが多いんですよ。

心不全っていうのは、心臓の機能が悪くて、
十分に血液を送り出せない状態が続いて。
肺や体に水が貯まって、苦しくなる等の症状が出る
病気というか、病態です。

そういう患者さんの場合は、点滴をするんですけど。
たくさんの点滴ができないんですよー。
だから「輸液ポンプ」とか「シリンジポンプ
っていう機械を使って。
一時間に20ccとか、一時間に2ccとか。
そういう、少ない量を機械で測定しながら、
点滴していくんですよ。

そういう場合っていうのは、一回に500ccとか、
50ccとかっていう点滴を作って。
輸液ポンプ」とか「シリンジポンプ」っていう
機械を使って、持続点滴をするんだけど。
一回の点滴が終わるまでに、丸1日くらいかかるんです。
こういうの、24時間持続点滴って言います。

点滴を作ってから24時間以内に使う。
っていうのと、
点滴を作ってすぐに使って、
持続で24時間使い続ける。

っていうのは、時間的には同じですよね。

でも、この24時間の持続点滴でも、
普通なら問題は起こらないんですよ。
清潔な操作で点滴を作ったり使ったりしていればね


前のブログでも書いたし、他の医者からの
コメントとかを見てもそうなんだけど。
谷本整形」の場合は、「点滴作り置き」が悪い、
っていうよりは、
清潔操作ができていなかったのが
悪かったんじゃないか

って、私は思います。


そいで、今日入った情報ですけど。
やっぱり、「清潔操作が不十分」だったようですね。

それに、谷本整形から回収した未使用の点滴薬剤と、
使用済みの点滴パックの残液
それと、体調不良になった患者が入院した
伊賀市内の別の2病院から出して貰った

その全部から、同じ菌
セラチア菌の一種「セラチア・リクファシエンス
っていうのが見つかったようですね。



点滴死亡>三重県、
「谷本整形」の院内感染と断定 
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080619-00000032-mai-soci


三重県伊賀市の診療所「谷本整形」で点滴治療を
受けた患者が体調不良を訴え1人が死亡した問題で、
三重県は19日、菌検査の結果、
入院患者の血液から検出された菌と、
9日に使用した点滴薬剤の残液から検出された菌が、
いずれも同じ種類のセラチア菌だったと発表した。
点滴液で使用していた綿からも同じ菌を検出。
また、綿の消毒消毒用アルコールを
使用していなかったことが分かり、県は不十分な
衛生管理の中での点滴治療による院内感染と断定した。

県は谷本整形から回収した未使用の点滴薬剤と、
使用済みの点滴パックの残液の菌検査とともに、
体調不良になった患者が入院した伊賀市内の
別の2病院から提供を受けた菌株の同定検査を進めていた。

その結果、いずれの菌もセラチア菌の一種
「セラチア・リクファシエンス」
であることが分かったという。

また看護師らからの聴き取りで、
点滴の注入個所を消毒する綿に消毒用アルコールより
消毒する力が弱い薬剤を使っていたことが判明。
使用の際の希釈基準は10~50倍なのに対し、
谷本整形では1000倍の希釈液を使用しており、
県は「ほとんど消毒能力はなかったとみられる」という。
これらのことから点滴治療の過程でセラチア菌が混入し、
長時間作り置きする間に菌が増殖したとみている。

計29人の被害者のうち、9日は死亡した1人を含め、
入院12人、通院2人と被害が集中。
入院患者のうち6人の血液からセラチア菌が検出された。


『2008年:6月19日:毎日新聞』


これだけの証拠が揃えば、
「谷本整形」の院内感染と断定して良いと思われます。

それと、血液の中からセラチア菌が見つかったのは、
5人じゃなくて、6人だったんですね。
すいません。

昨日までの情報では、清潔操作に難がありそうだ
というのは、
作り置きした薬剤を事務机に置いたり、
 看護師がタオルを使い回しするなど

っていう情報くらいしかなかったんですけど。

どうやら、綿の消毒消毒用アルコールを使わずに、
消毒用アルコールより消毒する力が弱い
消毒
を使っていたようですね。

これに関しては、時事通信の記事の方が詳しいです。



薄い消毒液使う=脱脂綿取り扱いは素手
点滴患者死亡・三重
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080619-00000098-jij-soci

三重県伊賀市の診療所「谷本整形」で
点滴を受けた患者らが腹痛などを訴え、
女性1人が死亡した事件で、同診療所が
点滴室の脱脂綿を消毒する際、
メーカーの基準より20倍以上も薄い消毒液を
使っていたことが19日、県の調べで分かった。

看護師らが脱脂綿を素手で取り扱っていたことも判明。
県はずさんな衛生管理が感染の原因になったとみて、
さらに詳しく調べている。

県健康福祉部によると、谷本整形では点滴室と
中待合室の2カ所で点滴液を調合。
注射針の消毒に使う脱脂綿を消毒する際、
中待合室では消毒用アルコールを、
点滴室では殺菌薬を使っていた。
セラチア菌が検出されたのは点滴室の綿だけだった。

点滴室の殺菌薬は「グルコン酸クロルヘキシジン」5%液。
メーカーの使用基準は「10~50倍希釈」
とされていたが、看護師らは1000倍に薄めて使っ