Dr. I
Profile

関連リンク

ブログ内検索

カレンダー

<< 2012/05 >>
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31

新着コメント

新着トラックバック

トップページ

Doctors Blog

ブログの購読

< 墨東病院以下? | メイン | 民主が医師の労基法違反追求 >

医療ミスと報道ミス

Dr. I / 2008.11.02 00:36 / 推薦数 : 7

医療ミス医療ミスってマスコミは書くくせに。
自分たちのが行った「報道」に関しては、
報道ミス」って言い方はしないんですよねー。
マスコミは。
俗に言う「誤報」ってやつですね。

ここ一年くらいで、医療に関するマスコミ報道
良い方向に行きつつあると思っていたんですが。
東京で脳出血の妊婦さんが、残念ながら亡くなった件で、
マスコミ報道の本当の姿がわかっちゃいましたかね。

医療でも、時間があるときであれば、
適切な医療、治療ができる場合も多いんだけど。
緊急とか、時間のない時だとその医師の腕の差
っていうのが出てしまうんですよね。

報道でも、じっくり時間をかけて報道する事ができれば、
そこそこの内容を書けても。
他社に負けまい、と一刻を争って報道する場合は、
はっきり言って、質が落ちます。
医療に関しては、私などの医師ブロガーは専門家ですから。
その差が、はっきりわかります。

でも、一部にはそういう時でもしっかりした報道をする
マスメディアがある、っていうのは救いですけどね。

それと、以前にやった報道の内容について、
後から反省する、っていう人達が出てきたのも、
改善した点の一つでしょうか。
   
日本の医療崩壊の一番の原因は、
医療費抑制、医師数削減という「医療政策
だと、私は思っていますが。
その次くらいに、「医療報道」がある、
と私は思っています。

そのマスコミの報道姿勢に対して、
大手ではないけど、マスコミの中の
「日経ビジネス」から反省の言葉が出てきたのは
良い方向に行っている、って思って良いのでしょうか。

応援もよろしくね!

→ 人気ブログランキング 

 

 


      医療の「テレビドラマ」は増えてます。
      でも、「報道」が日本医療をダメにしている?
 
      日経ビジネス オンライン 2008年10月30日
   
脳内出血を起こした東京都内の妊婦が、
緊急時の受け入れ先になっている7つの病院
たらい回しにされて出産後に死亡した問題は、
東京でも深刻な“産科医不足”が、
起きていることを浮き彫りにしました。


■東京都内、7つの病院
 たらい回しにされて死んだ

この“産科医不足”は、今の日本の医療制度が抱える
大きな問題点を象徴しています。
昼夜を問わぬ分娩に立ち会わねばならない
産婦人科医の労働条件は非常に過酷です。

激務のうえに高い訴訟率、少ない診療報酬、
医学生の産婦人科離れなどの要因が重なり、
慢性的な医師不足に陥っているのが現状です。
  
  
■圧倒的に足りないのに
 訴訟が多い産婦人科医

産科医師数は医師全体の約5%であるにもかかわらず、
訴訟件数は約12%を占めています。

示談・民事の損害賠償額は高額で、
医師賠償責任保険を圧迫していると言われていて、
病院内で起きた事故の賠償については、
病院の責任において保険金で支払うことになりますが、
個人の医師が訴えられることもあります。

帝王切開手術中に妊婦を死亡させたとして、
手術を執刀した医師が業務上過失致死の疑いで
2006年に逮捕された“福島県立大野病院産科医逮捕事件”は
今年無罪判決が出ましたが、地域に
“新幹線の駅があっても分娩施設が無い”という現状で、
産婦人科医不在地域の予備軍は現在も沢山あり、
この事件の影響で産科医が逃げ出してしまう
という事態はさらに深刻化しました。

  
■小児救急医療のコンビニ化

小児科開業医師の職住分離が進み、
夜間時間外は診てもらえないことが多いため、
大学病院に、夜間に救急の患者さんが
押し寄せてきている“小児救急医療のコンビニ化
(24時間、気楽に受診できる)”が急速に進み、
重症患者の診療に支障を来したり、
過重労働から辞めていく小児科医が増加するという
深刻な事態を引き起こしています。


■正しく報道している?

このような、私たちの日々の暮らしに
とても密接に関係する医療問題の本質については、
メディアも正しく報道していく必要があると思うのですが、
例えば“福島県立大野病院産科医逮捕事件”
についての新聞の見出しは、以下のようなものでした。

「帝王切開のミスで死亡、医師逮捕
福島の県立病院」(産経新聞)

今年出た判決によると、医師側に過失は無く
“帝王切開のミス”ではなかったということになります。

2006年に逮捕された時点では“帝王切開のミス”
の可能性はあったかもしれませんが、
この断定的な見出しからするとそれは
“誤報”ということになります。

そして、この“誤報”が社会にもたらす
大きな影響をメディアは認識していたのでしょうか?
この事件の報道のトーンにより多くの医学生に、
産婦人科は非常にリスクが高いとの
イメージを持たせてしまった可能性は大いにあります。
実際に、この年の産科医の志望者は4割も減りました。
   
  
■正義の味方になりたがってないですか

また、この事件がきっかけで多くの病院で、
重篤患者に対する“たらい回し”が起こる傾向が強まり、
今回の脳内出血を起こした東京都内の妊婦の
死亡問題に繋がっているとも考えられます。

医療現場における事故を、個人の責任に
帰着させるようなメディアの報道姿勢は確かに
医療ミス”としてスキャンダルが大好きな読者、
視聴者の関心を煽るには効果的かもしれません。

“悪徳医師を断罪する正義の味方”になりたがるのが、
日本のメディアの本質でもあります。

しかし、その一方で、現場で必死に頑張っている
医療従事者の方々に、医療事故のリスクを
必要以上に恐怖訴求することになり、結果、人材不足、
施設不足などを引き起こし、最後に不利益を被るのは
我々国民一人ひとりなのです。

また、患者側も医療が高度化し、患者側の選択肢が
増えている以上、インフォームドコンセントに基づき、
患者自身、その家族はきちんと説明を受けて
納得したうえで治療を受けることが必要となってきています。
  
  
■スキャンダルは要らないです

ワイドショーでスキャンダラスに騒ぎ立てるのでななく、
“事件の本質は何だったのか? 
その事件が起こった背景は何だったのか?”
をつき詰めて、正しい情報を提供していくことこそが、
メディアの役割として重要なのです。

医療現場で重大な問題になっている
“モンスターペイシェント”もメディアが医療事故を
大きく扱うようになり、患者の権利が声高に叫ばれ、
病院で患者が“患者様”と呼ばれるようになった
時期から増え始めたと言われています。

このような患者の存在が、過酷な労働環境の下、
疲弊している医師をさらに追い詰め、結果として
医師偏在や医師不足の原因となっていることを
患者は認識すべきであり、患者サイドとしては
求める医療サービスの限界を知る節度と、
医療機関を選ぶ知恵が求められていることを知るべきです。
  
    
■「チーム・バチスタの栄光」
 「小児救命」「風のガーデン」

医療という公共性の高い領域では、
メディアの果たす役割は非常に大きいと言わざるを得ません。

そんな中で最近非常に気になるのが、
病院を舞台としたテレビドラマが増えているという現象です。
この秋のクールでも「チーム・バチスタの栄光」
「小児救命」「風のガーデン」と3つもあります。

夏のクールも「コード・ブルー―ドクターヘリ緊急救命」
「Tomorrow」がありいずれも高視聴率でした。

中でもこのクールの「小児救命」は、小西真奈美扮する
小児科医・青山宇宙が24時間体制の
“青空こどもクリニック”を開業する物語で、
番組のHPでも今の小児科医不足の現状を訴えています。

しかし、このドラマが、視聴者に
どんな影響を与えるかは未知数です。

例えばこのドラマを見た医学生が“やっぱり小児科は
大変だからやめておこう”と考えるのか
“こんな深刻な状況を自分が変えてやろう!”
と思うのかは分かりません。

小さい子供を持つお母さんたちの“
24時間開いてる病院はやっぱり便利よね”
という安易な期待が高まってしまう可能性もあるでしょう。

ドラマという領域では、マスメディアであるテレビの持つ
大きな影響力は、まだまだ健在です。
そんな中今まさに医療の分野におけるマスメディアが
果たすべき本来の役割を考える時期にきています。


参照:『日経ビジネス オンライン 2008年10月30日(1)』
『日経ビジネス オンライン 2008年10月30日(2)』


ここ数年でインターネットが普及して。
医療に関しては、特に「医師ブログ」の影響は
大きくなったとは思いますが。
所詮、既存のマスコミとは読者、視聴者数が違いますからね。

医師ブログで書いた内容を半年、一年後に
テレビや新聞で報道する。
という形で、より多くの人達に医療現場の事が伝わるのなら、
まあ良いのかな、と私は思っていますが。

スクープっていうか、事件等が発生してから、
あまり時間がかからない段階で報道される場合。
やっぱり、今でもひどい内容が多いですよね。

たらい回し」っていう言葉は、もう使われなくなったかな。
と思っていた時期もあったんですが。
また復活してしまいましたしね。

福島大野病院事件に関しては、
医師の99%が医療ミスではない、と言っている。
裁判でも、医師の無罪は確定した。
という事なのですから。

その時に「医療ミス」と報道したマスコミは、
間違っていたのですから。
「報道ミス」「誤報」なんですよ。

医療ミスではない事例に対して、
医療ミス医療ミス、って報道ばかりして。
自分たちが行った「報道ミス」に関しては無関心。
というのは、やはりおかしいですよ。

日本の医療崩壊を進めた一因であるのが、
医療報道」である。
っていう事は、もうはっきりしているんですから。
医療に関する「報道ミス」に関しても、
マスコミには謙虚に反省して欲しいものですね。


医者のホンネが知りたい人は、こちらから!
→ 『医者のホンネが丸わかり!(改)』

固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)

トラックバック

この記事のトラックバック URL

http://blog.m3.com/yabuishitubuyaki/20081102/1/trackback

コメント

コメントはまだありません。

コメントを書く

ニックネーム*
メールアドレス*
URL
内容*
※「利用規約」をお読みのうえ、適切な投稿をお願いします。