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夕張、地域医療を守る地方議連

Dr. I / 2008.07.29 01:01 / 推薦数 : 4

7/27、夕張に行って、
第二回地域医療を守る地方議員連盟」の
地域医療を考えるシンポジウム!」に、
参加してきましたー!

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民間企業で言えば、「倒産」した町「夕張」。
その夕張市に、村上智彦先生が行って。
一億円以上の個人保証をして、
医療法人財団夕張希望の杜」という法人を作りました。

そこで地域医療を再生しようって、頑張って。
それに賛同した医師達もたくさんいて。
公募した10人位の中から、
特にやる気のある医師2人来て。
そこで医師だけでなく医療従事者みんなで、
予防医療を中心とした医療
をやっているようですね。

今回、検査技師さんも発表をしていたし。
看護師の方も発言されていましたけど。
みんな、ホントに良くやっているなー、
って感心しました。

夕張市民の意識も変わってきているようですね。
村上先生がこの会で発言されていたのは。
以前は救急車の利用は、年間900件と、
住民の人口12000人にしたら、
べらぼうに多かったけど。
それが、100件以上減った
と、おっしゃっていましたが。
その後の懇親会では、
最近はもっともっと減っている。
という話をされていまいた。

200人くらい入れる規模の場所だったようですが。
結局、集まったのは議員医師を含めて100人弱かな?
それでも、来ている人達はみんな一生懸命、
話を聞いてくれているようでしたね。


地方議員医師の方達、何人かが発言されましたが。
個別の発言は書きませんが、
だいたいみんな言っている事は基本的には同じで、
医療というのは、限りある資源なんだ。
だから、使いすぎると医療という資源が枯渇して、
医療崩壊が起こってしまうよ。」

というような感じだったと思います。

そうならない為に大事なのは、
病気を予防して、病気にならないようにする事。
それが、結果的には医療費も減らして、
地方の為にも良いんだよ。

というような流れだったと思います。


奈良県の議員の方から、
「お腹(胃)が痛いって病院に行ったけど。
実は心筋梗塞で、助からなかった人がいる。
最初から大学病院に行けば、助かったかもしれないのに。
もっと教育が必要だ。」


というような話があって。
それをやったら、胸が痛い人は当然だけど、
お腹が痛いとも全員、時間外でも大学病院に
行かなければならない事になるし。
心筋梗塞っていうのは、歯が痛いとか、
肩が痛いとか、首が痛いとか。
いろんな症状がある場合もあるし。
糖尿病なんかの場合だったら、
症状がない人もいますからね。
ただ、だるいとか、そういうのも結構いるし。

そういう患者が全員、大学病院に行ったら、
それこそ医療が崩壊しちゃうよ、
っていう話なんですけどね。

誰か医者が発言しないかなー、と思っていたら、
村上先生が発言されて、
「それ全員やったら無理だから。
それより、タバコとか生活習慣を直さないと。」

とか、そんな話をされて。
村上先生、やっぱり話うまいなー、
と思って人ごとだと思って聞いていたんですけど。
その後に、循環器内科の私の方に話が来ました。

「循環器の有名な先生も来ていますから、是非」
って、突然の指名。
いや、全然有名じゃないし。
村上先生に、有名な先生って言われても(汗)

最初の方で、医師2人が司会の金子議員に指名されて。
その後、別の話になっていたようなので。
もう来ないかな、と思って心の準備をしておらず。
全然話す内容を考えてなかったので、
思っていた事の半分くらいしか
伝える事ができなかったのですが。

私の発言はおおざっぱに言うと、こんな感じ。


タバコを吸うと、心筋梗塞になる確率が、
吸っていない人の2倍くらいになります。
糖尿病高血圧、高脂血症(脂質異常症)も、
それぞれ2倍位になります。
だから、タバコを吸っていて、糖尿病があって、
血圧もあってコレステロールが高い人
は、
2倍x2倍x2倍x2倍=16倍位
心筋梗塞になる確率が高くなります。

実際に、世界的に有名な研究で、
タバコを吸っていて、糖尿病があって、
血圧もあってコレステロールが高い人は、
心筋梗塞には20倍位なりやすい
というデーターが出ています。

生活習慣病は、生活習慣を改善すれば、
一部は予防する事もできるし、
場合によっては治す事もできます。
だから、生活習慣を改善する、
という事は非常に大事です。

ただ、生活習慣をどんなに改善しても、
絶対にリスクはゼロにはならないんですよ。
心筋梗塞になる確率が、半分の半分
とかになったとしても。
どんなに頑張っても、確率はゼロにはなりません

予防医療というのは、病気になる確率を
できるだけ低くする医療
ですけど。
絶対に病気にならない、
というものではないんですよ。


医療は不確実なものですから、
どんなに頑張っても、
絶対にゼロにはならないんです


という話で、半分(笑)。
結構、長く話ましたね、私。

データーとかは、メルマガやブログでもそうだけど。
正確性よりもあくまでわかりやすさを重視して、
おおざっぱなデーターですけど。

生活習慣の話と、医療の不確実性の話
一緒にしてしまったので。
なんか、わかりにくくなってしまったかなー。


ちなみに、この奈良県の議員の方ですけど。
後で懇親会の時にお話しをしたのですが。
非常に意識の高い、知識もかなり持っている
方なんですよ。
その方でさえ、こういう事を言っているのですから。
やはり、教育というのは必要なんだな、
と思います。

それ以外にも、今回参加されていた議員の方達は、
非常に意識の高い人達ばかりで。
ホント、びっくりしました。

ただ、やはり医療というか医療現場の知識自体は、
非常に乏しいようなので。
そこは、こういう会を何回も開いて、
どんどん勉強していってもらいたいな、
とは思います。


んで、最初の方に、
医療崩壊を食い止める為に、コンビニ救急をなくそう」
という話は出ていたのですけどね。

どなたか(議員?)が発言された、
コンビニ救急抑制の話で。
「それをやると、受診抑制が起こるんじゃないか。
(本当に受診が必要な患者の)
受診抑制をなくすためには、どうしたら良いの?」


という様な発言があったのですが。
誰も答えておられなかったようなので。
私が答えて良いのかわかんないですけど。
何となく、流れで答えてしまいました。


時間外に来る患者の半分以上。
多分、8割くらいが軽症の患者
です。
そういう患者は安心を求めて、
病院(診療所)に来るんです。


病院(診療所)に来て、お医者さんに、
大丈夫って言って貰いたいから来てるんですよ。
でも、全員がそれをやったら医療は崩壊します。

安心を得るのが目的ならば、
他の方法でも、安心を得られれば良いんですよ。


先ほど、柏原の話が出ましたが。
「県立柏民病院の小児科医を守る会」
というのは、ただ小児科の医者を守る為に、
病院にかかるな、と言っている訳ではありません。

子供がいる母親というのは、時間外でも
子供が心配だから病院にかかりたいんです。
だから、お母さん達を安心させるために、
熱がどのくらいでも、元気だったら、
家で1日ゆっくり休みなさい、とか。
熱が出ていて、ぐったりしているようだったら、
すぐに病院に来て下さいとか。
そういう、一般人でもわかるような、
「フローチャート」っていうのがあるんですよ。
子供用だけですけどね。

参照:「県立柏原病院の小児科を守る会」

そういうのを住民みんなに配って。
すぐに病院に来る前に、まずはそれを見て。
それでもわからない、心配だったら、
病院(診療所)に来れば良いんです。

安心するだけなら、必ずしも病院(診療所)
に来る必要はないんです。

8割の人には、それをやってもらうべきなんです。
それが、教育です。

というような感じの話をしたと思います。
録音したわけじゃないんで、
結構違うかもしれませんが(笑)
まあ、そんな感じでしょう。


その後の懇親会では話した事なんですけど。

更に言うと、
夜中とか休日とか。
いわゆる時間外に熱が出たとか。
急に症状が出た場合。


○第一段階
まずは柏原のような「フローチャート」を見る。

○第二段階
当番病院(診療所)に電話して、
担当の看護師に相談する。


○第三段階
それでもわからないとか、
病院(診療所)に来た方が良い、
と判断した場合に、病院(診療所)に来て貰う。
救急車の方が良いと判断したら、
救急車で来て貰う。



という、3つの段階を踏むのが、
より良い方法かな、と個人的には思います。

県立柏原病院では、フローチャートを作って。
もちろん、お母さん達の教育をしてですけど。
結果的に、救急車の台数が1/3に減っています。

「フローチャート」というのは、
熱が出たらどうする、とか。
咳が出たら、下痢だったら。

とか、医学的な話ばかりなので。
もちろん、それを作るには地元の医師の協力
欠かせないのですが。
夕張医師は、喜んで協力してくれるでしょうし。
他の地域の医師も、地域の住民が
こういう事をやって欲しい、と言えば、
みんな協力してくれますよ。

医療という有限な資源を有効に使う為に
是非全国でやってもらいたい方法ですね。

あ、これ。
急に症状が出た場合って書いていますけど。
3日前から、腹が痛くて変わらない。
とか、そういうので時間外に病院(診療所)に来る。
っていうのは、問題外ですからね。
前から痛くて我慢していたけど、
どんどん強くなって我慢できなくて来た。
っていうのは、しょうがないですけど。


個人的には、ブログで以前から書いている、
時間外受診の割増料金(重症患者割引)とか。
救急車の有料化と平行して、
両方いっぺんにやっていくのが、
より効率が良い
かな、とは思います。

参照:『時間外重症患者割引制度』
『救急車でも非常識な要請』


こういう事を実際にできれば、
本当に医療が必要な患者の受診抑制は起きずに、
ただ安心を求める為の、時間外診療。

いわゆる「コンビニ救急」を、
抑制する事ができて。
最終的には、地域医療を崩壊から救えるんじゃないかなー。


ちょっと行くのが大変でしたが。
その後の懇親会にも参加させていただいて、
非常に有意義な時間を過ごせました。

やはり、こういう会に参加されている人は、
皆さん意識の高い人達ばかりで。
いろんな考えを聞けて、非常に勉強になりました。
それに、やっぱりみんな考えている事は、
似たようなもんなんだなー。
っていう事も、しみじみ思いましたね。

夕張の先生達や技師さんも
何故か私のブログやメルマガを読んで
勉強している、っていう話を聞いて。
ホント、すっごい嬉しかったですわ。

村上スキーム」に村上先生のサインも貰ったし(笑)


ああ、ちなみに。
私のブログだから、私の発言や考えを中心に
書いていますけどね。
実際に話をしたのは、ほんの5分かそこらだからね。
なんか、これ読んでいると私の独壇場に見えますが(笑)

私の他にも、もっともっと勉強になる
話をしてくれた人達が、たくさんいますからね。
わかってると思うけど。

そして、最後に「夕張アピール
というのを採択して終了しました。

夕張アピール」は、アンフェタミン先生のブログ
『第2回地域医療を守る地方議員連盟会合:夕張アピール採択』
を読んでね!

多分、私以外の発言内容とか、そういうのは、
後で彼が書くと思うので。
それも読んでみてね!
『地方議連:地域の特色を生かした議連を!』

そいと、その時の写真が、
谷一之、下川町議会議員のブログに、
アップされていますよ。
『ザ・北海道の時代』

あ、ここには私の写真は出ていないので。
あしからず。


村上先生の話がもっと聞きたい人は、これ読んでね!
→ 村上スキーム 地域医療再生の方程式


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医師増員だけでは駄目だが

Dr. I / 2008.07.23 00:15 / 推薦数 : 5

日本の医療崩壊の一番の原因は、
医師不足医療費不足だ。
だから、医師数と医療費
両方増やす必要がある。

という事は、以前から私がしている主張です。

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先日、厚生労働省の「安心と希望の医療確保ビジョン
というもので「医学部の定員を増やす
という方向になりましたね。

医学部の定員を増やした事を評価しない、
という人達は、だいたい
医師の数を増やしても、
医療費が増えてないから駄目だ」

という主張だと思います。

まあ、私も医療費も増額して、
医師の数も増やさないと駄目だ

と言っていますから。
そういう意味では同じ主張なのかもしれませんが。
私は、今回の医師数増員に関しては、
高く評価をしています。


たしかに、今だに毎年2200億円の社会保障費カット。
というのが続けられ、医療費が増える気配はないんですが。
でも、医療費はこれから増える可能性がありますからね。
というか、増える方向に国民が持っていかないと駄目ですよ。

今度、いつかわかんないけど、衆議院選がありますよね。
この間の参議院選では自民党が惨敗して、
衆議院と参議院で「ねじれ」現象が起きて。
今までだったら、自民党の独裁で、
自民党の都合の良いように政策が決定されて
いましたけど。
それが変わっていますよね。

そんな風に、選挙で政策は変わるんですよ

今まで、医療っていうのは票に結びつきにくいから。
道路を造るとか、農家を保護する、とか。
そういうのばっか、優遇されてきましたけど。
もう、そういう時代ではないですから。

日本国民、全員が患者になる可能性があるんだから。
今のまま、医療費抑制政策を続けたら、
みんな病院が潰れて、国民(患者)が困る。
医療費(社会保障費)抑制政策を
撤回しないんなら、自民党に票は入れないぞ。

って、国民がみんなで声を上げれば、
日本の医療を崩壊から救えるのかもしれないんですよ。

まあ、厳密に言うと、日本の医療を崩壊から救う、
というのは、もう無理かな
、って個人的には思います。

今の日本は、医療崩壊という崖を、奈落の底へ向かって、
一直線に、どんどん加速して突き進んでいる状況です。

それを、崖の上まで持っていくのは、
どんな手段を使っても、もう不可能でしょう。

ただ、谷底に着く時のスピードを、
もう少しゆっくりにする事はできるかな

と思いますよ。
そうでないと、大惨事になってしまいますから。

その為のブレーキの1つが、
医師数増員だと私は思います。

ただ、この医師数増員というブレーキ。
これ、10年後にしか効かないんですよ。
他のブレーキがないと、10年以内に
谷底に激突して大惨事になっちゃうと思うので。
これだけあれば、万事解決、っていう
魔法のブレーキじゃない
んですね。

ただ医療崩壊の速度を緩める事のできる、
有効なブレーキ
であるとは思うので。
これだけでは解決しないからといって、
医師数増員は意味がない」
っていうのは、私はちょっと違うんじゃないかなー、
って思います。

医療崩壊の速度を緩めるブレーキとして、
もう一つ非常に有効なのは医療費増額です。

それに、医療崩壊の原因としての医師不足
っていうのには絶対的な師不足と、
患者に対する医師の数の不足、という面があるので。

患者を減らす事=患者のアクセス制限
とか、病院の集約化とか。
病気を予防して、患者の絶対数を減らすとか。
後は、医療崩壊の原因として、医師の過労があるから。
医師以外にできる事務的な仕事などを、
医療秘書とか、医師以外の人間にやってもらう。
その為に、医療秘書の増員という事も重要だと思います。


そいで、以前にいろんな人に紹介されていた、
読売新聞の社説が、ほとんど同じ内容で
また7/22にも出たようなので。
こっちでも引用させて貰いますね。



医師不足対策 
増員だけでは10年かかる

医師不足を解決するには、
相当に思い切った対策が必要だろう。

厚生労働省がまとめた「安心と希望の医療確保ビジョン」
を具体化するための有識者会議が発足した。
厚労省は新ビジョンで、医師の養成数を
これまでの「抑制」から「増員」へと方針転換した。
医学部の入学定員を現在の約7800人から、
どこまで増やしていくのか。
有識者会議はまず、これを明示する必要がある。

医師数の抑制方針がとられる以前は、
最大で年間8300人の医師を養成していた。
ピーク時の水準までは早急に回復させるべきだろう。
その上でさらに増員するのか、展望も示さねばなるまい。

だが、医学部の入学者が
一人前の医師になるまでには、10年程度かかる。
増員計画と同時に、即効性のある対策も不可欠である。
喫緊の課題は、新人医師の臨床研修制度の改善だ。

かつて新人医師の大半は、
大学病院の医局で研修していた。
しかし、専門分野に偏った医師が育つ
弊害が目立ったために、一般病院でも
研修できるようになった。
若い医師に幅広い臨床能力を身につけさせるという、
制度の目的は理にかなっている。

ところが、研修医が予想以上に減って
人手不足となった大学病院が、
自治体病院などに派遣していた中堅医師を引き揚げた。

これが急激な医師不足現象の大きな要因である。
研修医の多くは都市部の病院を研修先に選び、
医師偏在に拍車もかけつつある。
これを改めるには、
研修先の選択方法に工夫が求められる。
各都道府県に満遍なく研修医が配属されるような
定員調整が必要だ。

また、これまで大学の医局に
医師派遣を頼ってきた自治体病院に対し、
必要な医師を配置する仕組みや組織作りも重要である。

有識者会議は、診療報酬の
在り方にも踏み込んでもらいたい。

今日の医師不足は、言い換えれば「勤務医不足」だ。
総じて勤務医は、開業医より収入が低く、
長時間勤務で医療に従事している。
産科や小児科、救急など、昼夜を問わず
診察を求められる部門は過酷だ。
耐えかねた医師が開業医に転身している。

現状に歯止めをかけるには、
勤務医向けの診療報酬を大胆に
手厚くする必要があろう。
開業医が交代で病院の夜間診療を応援する、
といった取り組みにも、大いに報いるべきだ。
本当に必要な医療に、
財源を集中することが重要である。


「7月22日付 読売社説」



私の読解力不足のせいか。
結局、何が言いたいんだか、
正直、あんまり良くわかりませんが(汗)

これもこのブログで何回も取り上げていますけど。
日本の診療報酬は、他の先進国なんかに比べて、
不当に低いです。

数分の一から、下手したら1/10位です。

参照:『日米医療報酬比較』


これは、勤務医も開業医も同じなんですね。
経済学的に言うと、「単価」が決められていますから。
儲けようと思ったら、「薄利多売」しか出来ない。
だから、無駄にって言ったら悪いけど、
患者とか検査が多くなっちゃうんですよ。

診療報酬そのものを改善する。
っていう方向自体は良いと思いますけど。
開業医とか、勤務医とか。
そういう区別はないんじゃないかな。

そもそも、開業医と病院で違う診療報酬って、
再診料とかはあるけど。
それ以外は、ほとんどないし。

しかも、病院の診療報酬が増えたって、
勤務医の給料が増える訳じゃないですからね。


そんな事もわからないで言ってるのかしら、
この社説書いてる人。

一ヶ月前に、ほとんど同じ社説を書いている様ですが。
なんか、ほとんど進歩していませんねー。


医師不足を解決するには、
 相当に思い切った対策が必要だろう。

>本当に必要な医療に、
 財源を集中することが重要である。


医療費そのものを削減したまま、一部でなんとかする。
っていうのは、全然思い切っていないし。
そんなんじゃ、絶対に解決しませんよ。

医師数増員に加えて、医療費も増額しないと。



ちなみに、約一ヶ月前の6/19に書かれた
読売新聞のほとんど同じ社説は、下に書いておきまーす。


医療崩壊について知りたい人は、これ読んでね!
→ 医療崩壊―「立ち去り型サボタージュ」とは何か
小松 秀樹 (著)

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大野病院事件判決まで一ヶ月

Dr. I / 2008.07.20 00:34 / 推薦数 : 7

8月20日は、福島大野病院事件の裁判判決の日です。
今日は7月20日なので、ちょうどあと一ヶ月ですね。

福島大野病院事件というのは、
福島県立大野病院で、産科の先生
難しい症例の患者さんを救おうとして、
一生懸命に努力したけれど、命を救えなかった。
でも、患者さんが亡くなったという、結果が悪いというだけで、
故意でも医療ミスでもないのに、産科医のK先生
2006.2.18逮捕されてしまった、という事件です。

そして、逮捕という衝撃的な事だけでなく、
その後のマスコミの報道の仕方も酷くて。
その為に、日本の医療崩壊、特に産科の
医療崩壊
が加速的に進みました。

原子力爆弾が、その威力に加えて、
放射能で周りの人間を死に至らしめるように。
福島大野病院事件も、日本中の産科医
そして医師に対して、大きな影響を与えました。

広島、長崎の原子力爆弾と同じくらい、
日本の医療に大きな影響を与えた為、

No more Hiroshima
No more Nagasaki

を文字った
No more Fukushima
という言葉が、今でも医療従事者の中では使われています。


その8/20福島大野病院事件裁判の判決の日に、
福島でシンポジウムが行われます。

原子力爆弾と同じくらいの、メガトン級の威力。
福島大野事件地域産科医療にもたらした影響を
考える為のシンポジウムです。

その前に、応援もよろしくね!

→ 人気ブログランキング 


8月20日、大野事件の裁判判決の日です!
福島の地にてシンポジウムを行いましょう!

シンポジウム
福島大野事件が地域産科医療にもたらした影響を考える」


開催の趣旨 
8月20日、福島大野病院裁判の判決が言い渡されます。
2年半にわたった刑事裁判によって、
誰が、何を得ることができたのでしょうか?
ご遺族にとっても、かかわった医療関係者にも、
いいことはなかったのではないでしょうか。
そして市民も、地域医療の崩壊に苦しんできたはずです。

逮捕に始まる一連の騒動によって、
かろうじて保たれていた地域産科医療
すでに全国的に崩壊のまっただ中にいます。

大野事件とはなんだったのか。
あの逮捕劇はなんだったのか。
あなたの街でもすぐに起こることかもしれません。

医療関係者の方々も忙しい日々の
医療から手を離して、いま一度福島の地で、
医療事故刑事裁判とはなにか、
いま地域の医療崩壊はどうなっているのか、
行政や市民の方々とともに真剣に考えてみませんか?

 ご参加をお待ちしております。


参加のお申込
お名前とご所属を、oono.obs@gmail.comまで
メールでお送りください

HP: http://oono-obs.umin.jp/

会場は福島グリーンパレス
http://www.fukushimagp.com/

〒960-8068 福島市大田町13番53号
福島駅西口より徒歩2分)
TEL 024-533-1171 
FAX 024-533-1198




福島大野病院事件に関しては、医師限定の掲示板、
医師ブログ
が最初に取り上げて、
一気に日本中に広がったんですが。

その中心的な役割を果たしたブログが、
『ある産婦人科医のひとりごと』
というブログです。

その中でも、発端となったのは、この記事です。
『現役産科医が語る大野病院事件の解説』


その他、医師ブログだけでなく、
女性自身でも詳しく取り上げられていますし。
『“大野事件”この裁判に何の意味があるのか 女性自身』

医師ブログでも、子供にもわかるように、
非常にわかりやすく書かれているものもあるし。
医師ブログ以外でも、広く取り上げられています。
むしろ、医師以外のブログの方が、
わかりやすく書いてありますので。
これらのブログも、是非読んでみて下さいね!

『やんばる病理医ブログ
(子供向け:わかりやすい大野病院事件の解説)』


『☆医療問題を注視しる!その3 大野病院事件☆』


マスコミの報道の仕方に問題があった、という事は、
このブログでも記事でまとめたので。
まだ読んでいない人は、是非これらも読んで下さいね!

『大野病院事件、メディアの功罪』
『大野病院事件、メディアの功罪2』
『大野病院事件、メディアの功罪3』


医療崩壊に興味がある人は、これも読んでね!
→ 医療崩壊―「立ち去り型サボタージュ」とは何か
小松 秀樹 (著)

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医者の「高給取り」はイメージ

Dr. I / 2008.07.16 00:04 / 推薦数 : 6

医者給料っていうのは高い
っていうイメージがありますけど。
実際はそうでもない、っていう記事が載っていたので。
ちょっと、このブログでも紹介させて頂きますね。

あの(笑)、産経新聞からです。

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勤務医が辞める理由(前編)――
“高給取り”はイメージ。
現実の収入は多くない

医師=高給取り」というイメージがあるが、
勤務医の収入は決して多くないという。

勤務医の平均年収は1000万円ほどだが、
当直が多く、休みが少ない。
さらに収入の半分以上が非常勤として
働いたもので、意外と“不安定”のようだ。


全国の病院医師不足にあえぐなか、
医師増員の必要性が指摘されています。
しかし、1人の医師を育てるには
長い時間がかかります。
「まず、医師が何を求めているかを知るべきではないか」
との声が上がっています。


厳しい労働に評価低く

「大学病院をやめて、開業しようかと考えてます」。
ある地方大学の病院勤務医(40)は言う。

同じ診療科の同期生らは、多くが開業した。
開業した仲間の年収は勤務医時代の2、3倍。
開業医が休みを取れ、外車に乗るのを横目に、
この勤務医は「医師不足に悩む地域医療のため」と、
踏ん張ってきた。

大学病院では現在、月5回の当直がある。
子供が生まれたばかりだが、
休日は月に2、3日取れればよい方。
年収の総額は1000万円と、
勤務医の平均レベルだが、収入の半分以上を
病院での非常勤の外来などが占め、不安定だ。

このまま勤務しても、大学病院での
給料の伸びは見込めず、退職金もない。
教授ポストをめぐる医局の人間関係の煩わしさや、
日々の業務の精神的負担を考えると、
時間の喪失感を覚える。

「今後は患者さんにじっくり接し、
患者さんの喜ぶ顔が見たい」と言うが、
現状は研究も臨床も中途半端で、
将来に不安を感じるという。


勤務医の収入は多くない

医師には一般に“高給取り”のイメージがあるが、
日医総研のデータによると、
勤務医の収入は決して多いとはいえない。

しかも、医師が一人前になるには、
長い時間と費用がかかる。
この医師は6年の医学部教育を終え、
医師免許を取り、30代半ばまで大学院や
留学先の研究施設などで研鑽(けんさん)を積んだ。
医療が高度化、多様化する今は、
なおさらこうした機会が必要だ。

ところが多くの場合、その費用は自前。
「アルバイトで稼いでは、勉強にあてる
自転車操業です」(冒頭の勤務医)という。

ある外科医は、がん研究のため、
国内トップクラスの専門病院で
先端医療を学ぼうとしたところ、
「初年度は無給」とされた。

病院側にすれば、「手術や入院患者の処置も勉強の場」
というわけだ。
この外科医は「家族の生活費も含め、
それまでの貯蓄を取り崩し、
1年で約1000万円かかった」という。

研究で成果を上げ、海外で学会発表もしたが、
渡航費や滞在費約50万円も自己負担した。

海外留学で1000万円程度を自己負担するのは
「よくあるケース」とされ、実家からの
仕送りで生活する医師も少なくないという。


“疲弊”という悪循環に陥っている

今年、「医者のしごと」(丸善)を出した
聖路加国際病院の福井次矢院長は
医師は一人前になるまでの教育期間が長く、
その後も最善の医療を提供するために、
一生勉強を続けなければならない」と指摘する。
人の命を扱う医師が育つには、
相応の時間と費用がかかる。
しかし、そのことが理解されておらず、
ふさわしい待遇もない。

医師の待遇について、福井院長は
「日本では診療報酬が低く、病院収入は
外国の病院に比べて格段に低い。
それでは、過酷な労働に対して
満足な報酬も払えないし、
医師をサポートする人材も雇えない。

一方でこうした医師を取り巻く
環境への理解は進んでおらず、
国民の要求は年々高まっている。
それで現場が疲弊する悪循環に陥っている」
と指摘する。 


医師不足の病院にアドバイザー的な
役割をする伊関友伸・城西大学准教授(行政学)は
「やりがいを感じるうちは、
医師は報酬にかかわらず働く。
しかし、医師不足が顕著な地域では、
行政や患者が医師の勤務実態を知ろうともせず、
時間外やコンビニ受診など、
過剰な負担でつぶしてしまっている」
と分析する。

そのうえで、医師を招く条件について、
「やりがいを感じてもらう仕掛けが必要。
高い報酬を設定するのもひとつだが、
それだけでは定着しない。
地域がどんな医療を求めているか、
そこでどんな技量向上が見込めるか、
医師に示す必要がある」と主張する。

大学病院の医局で医師派遣の窓口となっている
ある医師は「待遇改善を要求しても、
病院に熱意が感じられなければ、
医師不足を理由に紹介を断ることもある。
限られた人材を有効に生かすことが必要ですから」
と打ち明ける。

医師増員の機運が高まっていることについて、
伊関准教授は「まず、医師が今、
なぜやめていくかを分析する必要がある。
数だけ増やしても、相変わらず、
医師は都会にはいても、地方にはいない
などの偏在を助長するだけではないか」
と話している。



「他職種との収入比較」
(手取り額、40-44歳平均)

個人開業医               1270万円
中小企業経営者(年齢区分なし)  1190万円
パイロット                1050万円
金融・保険業部長           1000万円
病院勤務医                970万円

(平成19年日医総研まとめ、
パイロット、部長職は1000人以上の企業)


「2008.7.15:産経新聞」



私は、医者ですけど。
なるべく一般人の視点で物を見るように、
っていう事を心がけているし。
ブログの読者も、基本的には医療関係者以外の
一般の人を対象
にしています。
まあ、かなり大勢の医者に読んで頂いていますけどね(笑)

で、「医者(俺)の給料は安い
って言っている医者って結構いますけど。
私は、これには賛成できません。

はっきり言って、「年収1000万円」というのは、
世間的には、安くはないですよ。

これは、このブログでも何回か書いている事です。

医者で、給料が安い、って言っている人は、
「俺の方があの働かない医者より働いてるのに、
俺の方が給料が安い。」

とか、あくまで、あまり働かない一部の医者と比べて
俺の給料が安い、っていう比較ですからね。
まあ、たいていそういう事を言ってるやつに限って、
たいした事ない場合が多いんですけどね、実際は。

いわゆる、世間一般の人の給料と比べて、
という視点ではないです。
だから、私は医者の給料が安い。」
という言い方は、今までにもした事がありませんし。
これからもするつもりはありません。

私が以前から主張しているのは、
医者の給料は、他の職種の2倍くらい。

でも、仕事する時間も2倍近いし。
休日もほとんどないし。
36時間連続勤務もしなければならない。
夜中や明け方に呼び出される事もあるし。
医療訴訟のリスクもあるし、
人の命に関わる事で、プレッシャーも大きいですよ。
それに、医学の専門的な技術も知識も必要ですし、
一生、勉強し続けなければなりません。


それを考えたら、決して高くはないんじゃないですか。
という事です。

あと、他の先進国と比べたら、
日本の医者の給料は安い
ですよ。
という事でしょうかね。


あくまで、「年収の総額」だけで言えば、
日本の医者の給料は、決して安くはないです

その話は、以前に
『診療報酬、また引き下げか?(追記あり)』
の記事でも書いた通りです。

医者給料っていうのは、総額では安くないけど。
思っている程は高くないよ、とは思いますけど。

私が知る限り、
医者の給料をもっと上げろ」
という主張をしているメジャー系の医師ブログは、
ないんじゃないかなー。
一応、有名どころの医師ブログは、
だいたい目を通しているつもりではあるんだけど。
もちろん、全部じゃないんで、
正確にはわかんないんですけどね。

ただ、時間外医者が働いても、
時間外手当を貰えない病院がある。
とか。
当直というのは、本来であれば、
ただ寝ているだけとか、見回りとか。
そういう業務であるはずなので。
当直中に働いた場合は、労働基準法上は、
時間外手当を払う事になっているんですけど。
それをやっている病院っていうのは、ほとんどないので。
それは、きちんと病院側は払うべきだ。
という主張はしていますけどね。


個人的には、医者給料を上げろ、
という主張はしません。


ただ、時間外に働いたのであれば、
その分の時間外手当は払うべきだ。

という事と。

個人的には、医者の給料は年功序列で固定給だけでなく、
たくさん患者を診たらもっと上げる、とか。
重症患者が多いとか、仕事がきついとか。
そういう科の医者と、そうでない科の医者給料は、
差をつけた方が良いんじゃないか。
とは思いますけどね。

全員一律に、医者給料をもっと上げるべきだ。
とは、私は思いません。


伊関友伸先生が言っている通り、

「やりがいを感じるうちは、医師は報酬にかかわらず働く。
しかし、医師不足が顕著な地域では、
行政や患者が医師の勤務実態を知ろうともせず、
時間外やコンビニ受診など、
過剰な負担でつぶしてしまっている」

「やりがいを感じてもらう仕掛けが必要。
高い報酬を設定するのもひとつだが、
それだけでは定着しない。
地域がどんな医療を求めているか、
そこでどんな技量向上が見込めるか、
医師に示す必要がある」


私も、全然やりがいはないけど、給料は良い病院よりも、
やりがいはあって、給料は普通。
っていう病院の方が良いですね、個人的には。
若手~中堅の医者であれば、そういう人が多いと思いますよ。
医者って、職人気質の人が多いですからね。

もし病院医者を雇いたいというのであれば、
医者給料をもっと上げる、というよりは、
病院医師への対応の仕方、とか。
新しい技術や知識を学べる、とか。
医師のやりがい」みたいな事を、
もっと重要視した方が良いと思いますよ。


大学病院について知りたい人は、これを読んでね!
→ 「大学病院のうそ」 ~現役医師(Dr. I)が暴露する、大学病院の秘密

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「くも膜下出血」見落としに抗議

Dr. I / 2008.07.12 01:06 / 推薦数 : 10

くも膜下出血」を「見逃す」とか、「見落とす
っていう本来の趣旨とは違った事が
某マスメディアで報道されましたが。
それに関して、日本脳神経外科学会が、
本来の趣旨と違うって事で、
正式に抗議されたようですね。

日本脳神経外科学会のサイト
→ 『日本脳神経外科学会』

ここ見ても、どこに書いてるかわかんないけど(汗)

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「見落とし」報道に、日本脳神経外科学会が抗議

(社)日本脳神経外科学会は平成20年7月7日(月)
厚生労働省において
「脳卒中における新知見に関する学会発表」と題して、
くも膜下出血の診断の困難についての記者発表を行った。
なお、本学会発表について、
一部新聞報道内容に「初診6.7%見落とす」という、
説明内容とは相違する誤解をまねく
不適切な表現がありました。
強く抗議を表明します。

日本脳神経外科学会は7月9日、
ホームページにこんなお知らせを掲載しました。
事の発端は、前述のように
同学会が行った記者会見です。

同学会の理事で山形大学医学部長の
嘉山孝正先生は、記者会見の趣旨を
次のように述べています。

くも膜下出血患者であっても、
軽い頭痛の場合など、教科書には記載されていない
非典型的な患者の診断は容易ではない。
中には、お化粧をして自分で車を
運転してくる患者もいる。
つまり、記者会見で説明したかったのは、
『見落とし』の率ではなく、医療の限界。

従来、ともすれば医療界は成功例のみを
公表しがちだったが、ネガティブなデータも含め、
『現実のデータ』を情報公開することが
必要だと考えている。
それを通じて、患者や国民に医療の限界を
理解してもらうことが重要だろう」

医学が進歩した現在、患者さんたちは
時に過度な期待を抱きがちです。
その結果、仮に予期しない事態が起こった場合、
その反動はかえって大きく、
過剰に反応してしまう傾向にあるように思います。
それを恐れて、医療者側が萎縮診療に陥ったら、
それこそ本末転倒です。
だからこそ、「現実のデータ」を公表すべき……。
そう嘉山先生はお考えになったのでしょう。
 
くも膜下出血と言えば、先日、長野県の病院で、
「見落とし」があったとされ、医師が書類送検されました。
この件が実名報道され、問題視されたのは
記憶に新しいところです。
患者さんがどんな主訴で受診したのか、
取材していないのでよく分かりませんが、
この時も「見逃し」という形で報道されていました。

なお、7月7日の発表内容は以下の通りです。

「連続した」、くも膜下出血の症例を
調査したところがポイントです。
取捨選択することなく調べたこのデータは、
かなり精度が高いのではないでしょうか。
また、レトロスペクティブに初診時の状況を
調べることが可能だった点も、注目すべきだと思います。


日本脳神経外科学会が記者会見で発表したデータ】

調査対象は、宮城県と山形県の2つの病院
脳神経外科を、頭痛や意識障害を主訴に受診し、
最終的にくも膜下出血と診断された患者
初診時の診断名やその際のCT撮影の有無などを調べた。

その結果、宮城県の病院では、
198例(2007年1月~2008年5月の連続した198例)
のうち、初診時にくも膜下出血と診断できなかったのは
10例(5.1%、うち死亡は2例)。

山形県(山形大学医学部付属病院)では、
293例(1996年6月~2005年12月の連続した293例)
のうち、初診時にくも膜下出血と診断できなかったのは
23例(7.8%、うち死亡は2例)。

2病院の計33例はいずれも、初診時は
一般医家(脳神経外科医以外の医師)が診察した症例で、
CTを施行していなかった。

なお、米国では、くも膜下出血のうち、
初診時で正しく診断されない率は5~12%という報告がある。

参照: So-net M3 7/9号 橋本佳子



患者さんっていうのは、なんか変だ。
とか、よくわかんないけど調子が悪い、とか。
そういう事で病院に来る人も多いです。

くも膜下出血だったら、全員頭痛がするとか。
心筋梗塞だったら、
全員胸が痛いって事はないんですよ。

私はくも膜下出血です」っていうプラカードを、
胸からぶら下げているわけではないんです。

もちろん、典型的な病気の症状がある場合もあるけど。
そうでない場合もたくさんあるんですよ。

だから、100%病気を診断するっていう事は、
そもそも不可能
なんですよ。

今の10倍医療を使って、たくさん検査をすれば、
制度が上がるって事はあるでしょうけど。
それでも、診断精度が100%になる事は
あり得ない
んですよ。

そんな「神の検査」なんて存在しませんから。
CTは万能、のような報道がたまーにされますけど。
全然、そんな事ありませんから。

嘉山孝正先が、この記者会見でも言っているように、

>『見落とし』の率ではなく、医療の限界。

という事を、「生のデーター」で示した。
という事なんです。

くも膜下出血であれば、脳外科医が診れば、
もっと診断制度は上がるでしょうし。
頭のCTを撮れば、更に上がるでしょうけど。
それでも、診断する確率が100%にはなりません

m3の記事にも書いてありますけど。
医療費を年間200兆円使っているアメリカでさえ、

くも膜下出血のうち、
 初診時で正しく診断されない率は5~12%


なんですからね。

この件に関しては、
「新小児科医のつぶやき」
Yosyan先生のとこ、
「学会のお墨付」
の記事でも取り上げられていますけど。

それ以上に、なんちゃって救急医先生のブログ
「日々是よろずER診療」の中の、
「SAH地雷の確率計算(追記)」の記事で、
非常に詳しく解説されていますので。
ちょっと引用させてもらいますね。


SAHくも膜下出血)は
予兆 → 再出血(急変) 
というステップで病状が進行するというパターンが
存在するということです。
この予兆が、非典型であればあるほど、
SAHくも膜下出血)の診断は困難となります。 

さらに、予兆の段階ですので、
頭部CTによる診断も大いに限界があります。 
この予兆を象徴する頭痛として、
雷鳴頭痛とか警告頭痛という名称が
与えられているものがあります。
「突然発症のバットで殴られたような人生最悪の頭痛」
という特徴をもった頭痛がそれに該当するわけです。

この予兆の出かたにも個人差があるでしょうし、
また、自分の症状を、自分の言葉で医師に伝えるときも、
人それぞれでしょう。
そういうわけで、予兆の把握も
一筋縄でいかないということです。



そうなんですよー。
SAHくも膜下出血にも、いろんな症状があるし。
患者さんの伝え方も違うし。
大出血する前の、予兆の段階
ほんのわずかな出血であれば、
頭のCTを撮ったってわかんないんですから。

そいで、ちょっと(かなり?)専門的ですが。
あくまで仮定の話なんですけど、
計算問題が出ます。


本日は、SAHくも膜下出血)の診断に関する
こんな問題を提示してみたいと思います。 
計算問題です。

症例   35歳男性  頭痛

(経過1)
最近、過労気味。深夜の帰宅も多い。
健康診断では、血圧が高めだと
ここ数年言われ続けているが、放置している。 
叔父が42歳で、SAHくも膜下出血)で突然死している
という家族歴もある。 

本日、16時ごろ、会議中に、
突然後頭部が殴られたように痛み、
一瞬嘔気も伴った。 
そのため、一端会議の席をはずれ、
ソファーで横になっていたが、
1時間もすれば軽快した。 

そこで、会議に戻り、仕事を続けた。 
夜の22時に帰宅。 
昼間の出来事を妻に言うと、
「あなた、それってクモ膜下じゃないの? 
今すぐ病院行こう!」と言われ、
妻に連れられ、深夜0時に、
時間外の内科を受診した。 

受診時、血圧160/96 脈78 
体温 36.4 呼吸数18。意識 清明。 
瞳孔径異常なし。瞳孔不動なし。
対光反射異常なし。 


当直医は頭部CTを撮りました。 
しかし、その画像に異常はありませんでした。
そのため、担当医は、
SAHくも膜下出血)はないです。大丈夫です。」
患者とその妻を安心させ、患者を帰宅させました。


(経過2)
それから2日後の朝、患者
いつもの時間に起床してきませんでした。 
妻が見に行くとすでに呼吸も心臓も停止していました。
患者は救命センターに運ばれ、
そこで死亡が確認されました。
そして、AI(死んだ後に撮るCT)
にてSAHくも膜下出血)が確定しました。

医事紛争に発展するような、
SAHくも膜下出血)の臨床経過の一例を示してみました。
怖いでしょ、SAHくも膜下出血)って。

さて、ここからが、問題です。

この患者SAHくも膜下出血)発症の、
頭部CT検査前確率pを 50%≦p≦80% 
と仮定します。 
そして、SAHくも膜下出血)に対するCTの感度を93%、
特異度を100% という前提とします。
(ここでは、この前提は正しいものとしてください) 

読影に誤りはないものとみなして、
考えることにします。 
さらに、SAHくも膜下出血)再出血による
死亡率を60%とします。

以上の設定のもとで、(経過1)の対応をとった患者が、
(経過2)のように、SAHくも膜下出血)で
死亡してしまう確率を計算すると、
何%以上何%以下になるのでしょうか?

つまり、地雷を踏み抜く確率の計算の一例というわけです。



医師向けの計算問題なんで。
一般の人が見たら、ちょっと何言ってるんだか
さっぱりわかんないかもしれませんが(笑)

SAHくも膜下出血っていうのは、
最初にちょろっと出血して(予兆)、
その後にどかーんと大出血する、
再出血」で突然死する方、っていうのが
結構多いんです。
そういう症例で、最初は頭のCTを撮っても
なんともなかったけども、
SAHくも膜下出血の再出血で亡くなる確率、
っていうのは何%?
っていう問題です。

あくまでも、確率は仮定の話なんですけどね。


~詳しい計算は省略~

答え 3.9%~13%

っていう事っす。

(経過1)のような対応で
帰宅した患者のうち、きつく見積もって
8人に1人は、SAHくも膜下出血)の再出血で
死亡するということを意味します。
少なく見積もって、
25人に1人ということになります。 

CTで異常を認めなくてもこれくらいの確率で
SAHくも膜下出血)死亡が起こりえるということです。
つまり、病歴が相応に怪しければ、
その時点で、CT検査はSAHくも膜下出血)の
完全除外ツールにはなり得ない
ということを知っておくことは
とても重要だと考えます。



日本脳神経外科学会が発表したのは、
最初に脳外科医ではない医者が診て、
頭のCTを撮っていない場合

5~8%位の確率で、わからない事もある。
っていう話なんですけどね。

最初に診たのが脳外科医で、頭のCT撮っても、
次の日に再出血で突然死する
確率も、
3.9%~13%位はあるんっすからね。
まあ、この話はあくまでも「仮定の計算」ですけどね。
何%かわかんないっすけど、ゼロではないですからね。

そういう事を全然わかっていないのに、
本来の趣旨とは違う意味で、
見逃し」だの「見落とし」だのっていう記事を
書いて欲しくないですねー。

ちなみに問題となっているのは、
読売新聞の記事の事でしょうかねー。
意図してかなんだかわかんないですけど。
医療の限界とか、一番言いたい事を省いています。


くも膜下出血、5~8%見逃す可能性
…風邪や高血圧症と診断

くも膜下出血患者のうち約5~8%が、
最初の受診で風邪や高血圧症などと診断され、
出血を見逃される可能性のあることが、
日本脳神経外科学会の調査でわかり、
7日に記者会見で発表した。

激しい頭痛があれば、コンピューター断層撮影(CT)検査
をするが、軽い頭痛程度の患者まで
全員を検査できない、という。
こうした見逃しの確率が示されるのは珍しい。

同学会は昨年1月から今年5月に宮城県内の
病院に入院したくも膜下出血患者198人について、
確定診断を受けるまでの経緯を調べた。

開業医などの初診では、頭痛や肩こりといった
症状を訴えた10人は風邪や高血圧症などとされ、
CT検査もなかった。

また、1996年から05年に山形県内の病院
入院した患者293人中23人も宮城と同様だった。


「読売新聞:2007年7月7日」



毎日新聞の方は、そのまんま書いてくれているので。
良い記事だと思いますよ、今回に関しては。
記事の「タイトル」つけるのは別の人だから。
見落とし」ってなっているんでしょうけどね。
記事の内容自体は良いんじゃないっすかね。


くも膜下出血」初診6.7%見落とす 学会調査 
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080707-00000129-mai-soci

くも膜下出血患者のうち、脳神経外科医以外が初診し
た6.7%が風邪などと診断され、事実上、
病気を見落とされていたことが7日、
日本脳神経外科学会の調査で分かった。

患者が軽い頭痛しか訴えなかったことなどから、
くも膜下出血を発見できるCT
(コンピューター断層撮影)を実施していなかった。

同学会は「軽い頭痛の患者全員に
CTを行うわけにはいかない。
現代医療の限界とも言える」
としている。

同学会学術委員会の嘉山孝正・山形大教授らが、
宮城県と山形県の2病院で、脳神経外科の
カルテ全491例を調査した。
宮城県は07年1月~08年5月が対象。

198例中37例が脳神経外科医以外で初診を受け、
うち10例(5.1%)が風邪、高血圧、
片頭痛などと診断されてCTを受けず見落とされた。
10例すべてが再発し2例が死亡した。
山形県は96~05年が対象。

専門医以外の初診は293例中48例で、
23例(7.8%)が見落とされ、
すべてが再発し2例が死亡した。
見落とし計33例のうち17例は、
くも膜下出血の常識に反して発症時に
軽い頭痛しか起きておらず、委員会は
「専門医以外では他の頭痛と区別できない」と指摘。
他の16例も「診断が難しい例がある」とした。
山形県では脳神経外科医でも
見落とした軽度頭痛の患者が1例あった。

米国では5~12%の見落とし率という報告がある。
嘉山教授は
くも膜下出血の診断は難しく、
完ぺきな診断はできない。
現代の医療でも見落としは
不可避という現実を周知し、
脳ドックの普及など社会全体で対策を
考えるべきだと思う」と話している。
【奥野敦史】


「毎日新聞:2007年7月7日」


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医者の横着

Dr. I / 2008.07.10 00:04 / 推薦数 : 5

医者っていうのは、昔なら技術職、職人
という事でも良かったのだと思います。
今でも、ものすごい手術が上手な外科医であれば、
そういう人が一部はいても良いのかな、
とは思いますけどね。

でも、今の医者っていうのは、単なる職人
っていうだけでは駄目だと思います。

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あくまでも個人的な意見なのですけどね。
今の医者には、「技術職」と「サービス業」と、
そして「経営者」の視点が必要なんじゃないかな、
って思っています。

ブログで書くのは、もしかして初めてかもしれませんが。
自分では研修医の頃から思っていた事で、
一部の周りの医師には昔から話している私の持論です。

医療を行うには専門的な知識や技術が必要ですから。
医者職人のような技術職だ
という事に異論のある人はいないと思います。

ただ、それだけでは、今の医者は通用しないと思います。
昔の医者であれば、
患者医者の言う通りにしていれば良いんだ。」
っていって、横柄にふんぞり返っていても
良かったのかのかもしれませんけどね。
今の時代、そんな事では通用しません。

そういう医者が多かったから、
つい最近まで医師叩きのくだらない番組が多かったとか。
今でもネットやマスコミを通して、医者の事を悪く言う人が多い
という側面もあるでしょうから。
そこら辺に関しては、医者の中でも反省すべき点だと思います。

医療はサービス業ではなく、警察や消防のような
社会インフラだ、
と私は思いますけど。
でも、患者さんと直接対面して会話をしたり、
検査や治療をする訳ですから。
やはり、サービス業という側面も一部にはある、と思います。

ただ、最近では、医療はサービス業で、患者は客だ。
というような風潮が強すぎ
て、
患者の事を「患者」って呼んでみたり。
患者側の権利意識が強すぎて、単なるわがままを言う、
モンスターペイシェント」みたいのが出てきて、
逆に問題になっている。
という側面もあるのではないでしょうか。

経営者としての視点っていうのは、
簡単に言うと、コスト意識を持たないと駄目だ
っていう事です。

昔であれば、最高の医療をすればお金は関係ない
というような考え方でも十分だったのかもしれませんが。
最近は、診療報酬も削減されて、多くの病院が赤字なので。
医者個人が、ある程度のコスト意識を持っていないと、
病院そのものが潰れてしまう事になりますし。

日本の医療は先進国で最低レベルですけど。
自己負担率は、最高レベルですからね。
高齢者の自己負担率も上がっているし。
どんどん高い薬や治療が出てきているから、
患者さんのお金の事も考えて治療する。
という視点も必要だ、と私は考えています。


医療業界は特殊だから。
医者は特殊だから、
っていうのは
単なる甘えだと思います。
警察だって、マスコミだって、農家だって。
どこの業界だって特殊なんですから。

個人的には、医者になっても一般人の視点を忘れない
っていう事を意識して心がけていますし。
ブログに関しても、一般の人が読んでもわかる文章を書く
という事を常に心がけています。

んで、全く同じ考え方、って訳ではないんですけど。
いつもお世話になっている「ロハスメディカルブログ」
川口恭
さんが、医者に対する強烈なメッセージをくれたので。
ここでも紹介させて頂きますね。



インターベンション学会報告(1)

医療事故調をつくるという話で、
厚生労働省はしくじりました。

参院で与党は少数派ですから、
秋の臨時国会でも厚労省案が
国会を通らないことは確定しています。

なぜ、こんなことになっちゃったかと言えば、
一義的には厚労省が、司法という
自分たちの権限が及ばない領域のこと
であるにも関わらず、必要な手順を尽くさず
乱暴極まりない進行をしたからです。

ですが、1年間追いかけているうちに、
厚労省だけが悪いんじゃないな、
ここで厚労省の悪口を言っているだけだと、
きっとまた同じような問題が起きるな、
と思うようになりました。


そもそも、事故調をつくるという話は、
最初に厚労省から出てきたわけではないと思います。

都立広尾病院事件で、
医師法21条がそんなことになるなんて、
と驚いた医療界が診療関連死の届出先を
警察以外のところにしようということで
厚労省を巻き込んでモデル事業を始めたんだけれど、
その年度中に福島県立大野病院事件が
発生してしまって、とにかく警察・検察の
医療への介入を止めなきゃいけない、と。

いうことで、厚生労働省に「何とかしてくれ」
と言ったんでしょう。
当時の医療界の常識からすれば、
当然の発想・行動かもしれません。

でも、これは私のような外部の人間から見ると
非常に横着だったように見えます。
で、その横着さが、結局、厚労省
乱暴な進行も呼んだのでないか、と。
いわば、今回の大混乱に関しては、
医学会のリーダーたちと厚労省とが
共犯なのでないかと思うわけです。

先ほども言いましたように当時の発想では
当たり前のことをしただけかもしれないとは思いますが、
これだけ大混乱をきたしたにも関わらず、
もし未だにその横着さに気づいていないとしたら、
ちょっとお粗末すぎるのでないかと思います。

突然言われても、お前何を言っているんだ
と思いますよね。
なので何が横着なのか簡単に説明します。

医療用語に例えた場合に、今回医療界の
リーダーたちがしたことは、診立ても悪いし、
治療態度も悪いと表現できると思います。
何といっても、第1回の検討会で樋口委員から、
非常に本質的な問いかけがされているわけです。

ところが最後まで、そこは曖昧なまま突っ走りました。
検討会の中に学会の代表者も
入っていたわけですから、診立てが悪いことに
気づいて軌道修正することだってできたはずなんです。

それから治療態度の話はより深刻だと思います。
大野病院事件がとんでもないと思うのなら、
なぜ警察・検察と闘わなかったのか、
広尾病院事件から、なぜ21条を何とかするという
教訓が出てきてしまうのか。
都病院局の隠ぺい体質を糾弾して
医療者を守るべきだったのでないか。
そもそも患者さんとちゃんと向き合ってきたのか。

面と向かって交渉するのが怖いから、
面倒だから、ルールの方を変えたいって、
そんな身勝手なことが通るわけがないんです。
しかも、それを自分たちでやらずに
厚労省にやらせようとした。
それは横着すぎるだろうと思うわけです。

どうして、こんなにムシのよいことを要求して、
それが通ると思ってしまうのだろうと正直不思議です。

でも何年か医療者たちとお付き合いをしていく中で、
ははぁこれだなと思うようになったことがあって、
それは良い表現をすれば唯我独尊であり、
悪い表現をすると社会に対して
無関心すぎるということです。

4月12日の医療議連のシンポジウム。
医者さんが多数集まって大変盛り上がりました。
でも、あの場にいたメディア関係者や一般患者は、
非常に違和感を感じていました。

中でも最たるものが、山形大の嘉山先生の言葉です。
今や八面六臂の大活躍をされている、
その嘉山先生が
医療がこんなになるまで医者は何をしていた
と言われるかもしれないが、
医者医療をやっていたんだ」
と胸を張ったわけです。

医療者たちの本音を代弁しているんだと思います。
ちょっと待ってと思います。
医者医療だけしていればいい」
って誰が決めたんですか? 
たしかに早く一人前になるため脇目もふらず
という時期は必要でしょうし、業界全体でも
余計なことを考えずに済むに
越したことはないと思います。

思いますが、少なくとも社会は
そんなことを要求してないはずです。
医療は社会のサブシステムです。
医療者だからといって、社会の構成員としての
責務を免れるものではありません。

社会から、医療だけしていればよいと要求されない限り、
自分たちで勝手にこれだけしていればよい
と決めつけるのは図々しいです。
少なくともサブシステムの当事者として、
医療サブシステムが社会と調和して
持続するよう行動する責務があります。
その際に他のサブシステムと利害衝突が起こったならば、
ちゃんと折衝しないといけません。

そういう面倒なことを引き受けるためにこそ、
リーダーというものは存在するはずです。
それなのに今回は一体何をしたのか、ということです。
その意味では、学会だけでなく、
医師会の責任も当然問われると思います。

もちろん全部を自分たちでやらなきゃいかん
ということではありません。
エージェントを使うのは結構です。
病気だったらお医者さんに頼るのと同じことです。

でも、問題は医療界には、厚生労働省の官僚しか
エージェントと呼べる存在がいないことです。
そもそも官僚は公益のために動かなければ
いけないのですから、一業界のエージェントとして
使ったら本来はいけないんです。

しかも普段厚労省に大して協力もしてないクセに、
都合のよい時だけ使おうとしても、
思い通りに動いてくれるはずがありません。
そういう横着をするから厚労省の側でも
自らの利益を図って、
いろいろ訳の分からないことになるのです。

今回の問題は、明らかに医療という
サブシステムと司法というサブシステムとの間で
衝突が起きているわけで、医療業界内だけで
ゴチャゴチャやっていても絶対に解決しません。

医療以外のサブシステムは、
みな必要な努力を積み上げて、その他のサブシステムと
不断に折衝しているわけです。
自分たちの要求を通したいと思ったら、
他のサブシステムが努力しているのと同様に、
ちゃんと実態をよく見極めて、
必要な手間暇費用をかける必要があります。
早くそのことに気づいていただきたいと思います。
それをイヤがる限り、横着と呼ばざるを得ません。


『インターベンション学会報告(1)』


極端な話、医師免許があれば、
食いっぱぐれる事はないですからね。
医者って。

だから甘えがあるというか、
>良い表現をすれば唯我独尊であり、
 悪い表現をすると社会に対して無関心すぎる。


という事になっているんだと思います。

川口さんの場合は、私のような医師個人の事でなくって、
医者全体としての話。
医師のリーダーの役目、っていう事で
言っているのだとは思いますが。

医者医療だけしていれば良いのではない。
っていうのは、私も思います。


医師法第一条にはこう書いてありますね。

医師法第一条  

医師は、医療及び保健指導を掌ることによつて
公衆衛生の向上及び増進に寄与し、
もつて国民の健康な生活を確保するものとする。


参照:『医師法』