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私がブログを始めたのは、2005年の12月だから。
約2年半前なのですけど。
当時は、まだ「医師ブログ」っていうジャンルもない頃で、
医師でブログを書いている人は、日本でもせいぜい
100人かそこらだったんじゃないかな、って思います。
当時は、医師と名乗ってはいるけれど、
医療報道とか医療の内容について書いてあるブログ、
っていうのはほとんどなくって。
私の場合は、なんとなく自分の事とか医者の事とか。
医療記事について、自分なりの解説をしたものを
ブログに書いたらおもしろいんじゃないかな。
って思って、ちょっとブログに書いていたんですよ。
そしたら、思ったよりも反響が良くて。
そいで、いくつか医療系の記事を書いていたら。
2006年の4月に、m3.comのドクターズブログ
っていうのが出来たんです。
そこに、以前書いた医療系の記事をコピーして貼ったり、
新しい医療系の記事を書いたりしたら。
たまたま、m3.comのドクターズブログと、
わたしのブログ「やぶ医師のつぶやき」が
朝日新聞とyahoo、gooで紹介されて。
そいで、「医師ブログ」っていうのが世の中にはあるんだ。
という事が一般の人達にも認知されていきました。
まあ、その前から「ある産婦人科医のひとりごと」とか、
「新小児科医のつぶやき」とかはあったけどねw
医師でもブログを書く人達がどんどん増えて。
アクセス数もどんどん増えていって。
そいで多分、今では、医師でブログを書いている人は、
1000人以上はいると思います。
医療系の記事を書いて、解説する。
っていうスタイルも、2年前位前だと、
珍しいものだったんですが。
今では、むしろ医師ブログのオーソドックススタイル。
というくらい、一般的になっていますよね。
「新小児科医のつぶやき」
なんかは、アルファブロガーアワードに選ばれるし。
「産婦人科残酷物語III
(毒舌ドクターBermudaの三角形な気持ち)」は、
JBA2008 (ジャパンブログアワード)を受賞されて。
「医師ブログ」というジャンルは、マイナーなジャンル
というよりは、むしろメジャーになっている。
と言っても、過言ではないのかもしれませんね。
その医師ブログが、医療崩壊の一因になったのでは。
って事が書かれているサイトを発見しましたよ。
作ったのは、「農家こうめのワイン」を書かれている
koumeさんっす。
「農家こうめのワイン」
一般の方なのですが、非常に良く勉強されていて。
いろんな医師ブログでも紹介されていますので、
ちょっとこちらでも紹介させて頂きますね!
本文の前に、応援もよろしくね!
「そういえば前回の最後に、医療崩壊の原因について
いっぱい挙げてたわよね~。
過重労働、政策の失敗、マスコミ報道、
トンデモ医療訴訟、モンスターペイシェントの増加」
「どれも重要だしな・・・
まあこれは所詮作者が思いつくものだけだし、
きっと本職の医師たちはもっと色々
思いつくに違いないから、
目立つのはこのあたりとしておこう。
紹介については、いくつかはいっぺんに
やるかもしれないけどな。
しかし実はここで一つ追加したい」
「インターネット、特にブログの発達だ」
「医療崩壊の原因はいくつも挙げたが、
そもそもそれらは最近始まったことじゃないんだ。
程度の差はあって、ここ数年でやたら
酷くなったものもあるが、
大なり小なり全て昔からあったことだ」
けど、医療崩壊ってのが話題になりだしたのは
ここ数年の話よね。
どういうことかしら?」
ちょっとだけ余談を言っておくが、
確かに医療崩壊が世の中に知られだしたのは
最近のことだ。
が、このままでは危ないぞ!?
と警告を発してた医師はもうずっと前からいた。
新聞もテレビも雑誌もどこも誰も
取り上げなかったから
一般の話題に上らなかっただけだ。
医療崩壊の原因を医療者に押し付ける人もいるが、
筋違いだと強く言っておこう。
そういうことをすれば崩壊をますます加速させるだけだ。
話を戻すが、例えば過重労働なんかは
昔からあったが、それでも過去には
話題になっていなかったのは、
「過重労働して当たり前」と医師たち
みんなが思い込んでたからだ」
「思い込んでた・・・集団催眠みたいね」
「まさしくそれに近い。洗脳と表現する人もいる。
以前よくあった医療批判に、
「医者の世界は閉鎖的で、世間知らずだ」
ってのがあった。
そしてその批判は、ある意味で正しかった。
医局制度の威力が強かった時代、
外部の医師との情報交換すらも
今ほど活発ではなく、医師になった以上
は教授の命令に従い、僻地の病院にも
派遣されたりなどして奉公するのが
当然と思い込まされてたんだ」
「ふ~ん」
「医局批判はいろいろな方面から根強かったですね。
たしかマンガ「ブラックジャックによろしく」
にもあったと思いますが、ちなみにブラよろは
医師たちの間では評価が極めて低い
医療マンガの代表格ニダ」
「しかし厚労省やマスコミからの度重なる批判を受けて
医局制度は権力を失った。
教授の言うことなど、実は聞かなくてもいい
ということがばれてしまった。
研修医たちはスーパーローテートという
新しい臨床研修制度になり様々な病院や
診療科の情報を集めて、ハイリスクな病院や
診療科には進まなくなった。
僻地医療や特定の診療科は
医局制度とともに崩壊したともいわれていて、
今では医局制度は
「悪い点はあったが、いい点もあった」
と再評価されている」
「で、ネットやブログの発達ってどういうことよ・・・」
「わからないか?
今まで閉鎖的といわれていた医療業界だったが、
ブログの発達・・・医師たちが個人のブログで
情報を発信するようになって、
いきなりオープンになっちゃったんだ」
「様々な医師同士が交流した結果、
「アイゴー!もしかして俺たちって、
とんでもねえ環境で働かされてるんじゃないか?
よその業界はこれほど酷くないらしいニダよ」
と疑問を抱いた、あるいはすでに抱いていた人たちが
活発な議論を始めました。
もともと全員が医学部卒という、
理系最高峰のすごく優秀な人たちの集まりです。
あっという間に法令の解析なども進み、
労働基準法や厚労省の各種通達などなど
微に入り細にうがったソースが山のように集まって、
正当な労働環境がどのようなものかが知れ渡りました」
「洗脳が解けちまったんだな。
はっきりいって、ネットの発達なくしてはこれもなかった。
少なくとも、これほど急速に進むことはなかっただろう」
「そういうことね。だったらなんとなく分かるわ」
「ただ前回も言ったが、医師たちが我侭を言うのが
悪いんだとかにはならない。
問題は、正当な労働環境を整えようとすると
とたんに崩壊してしまうような仕組みにしちまった
政府のほうだ。
正当な労働環境は与えられて当たり前だ」
「・・・なかなか医療訴訟の話にならないニダ」
「おっと、そうだった。前置きを長々としちまったが、
医療系ブログのメインコンテンツの一つが
医療訴訟の分析だ。
はっきり言ってこの方面で医療ブログが
果たした役割は相当大きい。
というわけでやっとの話だが、
福島県立大野病院事件のことを解説しよう。
『☆医療問題を注視しる!その3 大野病院事件☆』
という事で、本来であればメインの
「福島大野病院事件」の話に移るんですけどね。
私の言いたいことはそれではないので、
ここでは触れない事にします。
こちらに関しても、非常にわかりやすく書かれているので。
もし良かったら、引用サイトも見て下さいね!
このサイトにも出ていた、「医師ブログ」。
私、自分でも書いているんですけど。
言われてみれば、医療崩壊の一因にもなっているのかな。
って思いましたわ。
医療崩壊の原因っていうのは、いくつもあるんですが。
私が思うに、医療崩壊の最も大きな原因というのは、
何回も書いている通り、医師不足と医療費不足。
これらは、医師数抑制政策と、
医療費抑制政策によるものです。
1983年に「医療費亡国論」というのが出てきて、
その後に、医学部の定員の削減を決定しています。
そいで、1996年に医療費を減らすって事を、
閣議決定しています。
それと、診療報酬が病院や勤務医に不利で、
診療所にとっては有利というか、得するように出来ている事。
ま、これは日本医師会の影響も大きいと思いますけどね。
2004年から始まった、新臨床研修制度もありますね。
地方自治体が、自分たちの所には病院が欲しい。
って言って、無理に病院を作って、潰したがらないから。
医師、病院の集約化ができない。
っていうのも、政治がらみですかね。
そういった、政治がらみ、「政策」の原因。
これが、一番大きな原因だと思います。
その次くらいにくるんじゃないか、って私が思っているのは。
「マスコミ」の問題ですね。
医者は悪者、儲け主義っていう先入観に基づいた
医師叩きの番組、記事。
患者は弱者、医者は強者、って決めつけて。
一方的に患者の側からの情報しか見ないで行う報道。
医療事故、合併症なのにも関わらず、
勉強もしないで「医療ミス」と言って、
医者を悪者にするかのような報道。
「患者受け入れ不可能」にもかかわらず、
「たらい回し」という言葉を使って、いかにも
病院や医師が悪いというような報道の垂れ流し。
単なる書類送検だけなのに、あたかも
医師を逮捕された犯人のように扱う報道。
一般の人達は、新聞に書いている事は正しい。
って思っている人も多いですし。
なんとなくでも、こういう事が繰り返し流れると、
いつの間にかそう思ってしまう。
という事も多いので。
こういった、マスコミの報道という影響は
かなり大きかったと思います。
そして、「医療訴訟」の問題。
上のサイトにも出てきた、「福島大野病院事件」
のように、医師が出来る限りの事をやって、
その場で出来る最善を尽くしても、逮捕される事がある。
一部の、医療の事なんか全然わからない裁判官による、
「トンデモ判決」と言われるような判決が出る。
そういう事があるなら、医者なんてリスクが高くて、
一般の人達が思っている程、給料は高くないですから。
ハイリスクローリターンなら、やめようか。
ってなっちゃったんですわ。
更に、「医師側」の問題。
開業医の利益を重視しすぎる、日本医師会。
そして、今だに封建社会である、医局、学会、大学病院。
ほんの一部だけど、儲け主義者の開業医。
それと、最近特に話題になっている、「患者側」の問題。
「モンスターペイシェント」のような、
暴力を振るったり、無理難題を言う患者。
モンスターではないけれど、自分の都合で、
時間外に軽症でも病院に来る、「コンビニ受診」の問題。
それと、患者側が医療の知識を身につけたため、
患者に説明する時間が長くなった事。
そういった要因が全て重なった。
その上、医療はどんどん進歩して高度になっている。
高齢化社会になって患者の数は増えている。
医療は細分化、専門化され、より人手が必要になっている。
更に、時間外に来る患者が増えた上、
書類書きなど、医療以外の医師の仕事が増えた。
こういった事が重なって、もっともっと
人手が必要なのにも関わらず、医師の数が増えない。
医師の仕事を補助する人も増えない。
その結果、「医師が過労になった」、
というのが、医療崩壊の原因かな。
って、個人的には思っています。
最終的に一言で言うと、「医師の過労」。
これに尽きると思います。
医師が疲れて、もう耐えられなくなって、
病院から立ち去る。
若い医者がこんなに大変な科には進まない。
こんなに働いても、一回訴えられたら人生が終わってしまう。
という事で、大変な科には進まなくなった。
新臨床研修制度が始まって、研修医が
たくさん症例の積める一部の病院に集まった。
そういう事が重なって、どんどん病院から医師がいなくなる。
そしたら、残った医師はいなくなった医師の分まで
働かされて、余計に過労になるという悪循環。
医師がどんどん病院から立ち去って。
病院も医師が少なくなって、
患者を受け入れる事が難しくなる。
これが、現在の日本の「医療崩壊」の姿です。
病院の数は減っているとはいえ、年間数十位。
まだまだ、ほとんどの町に病院はあるし。
近くの都市に行けば、いくつも病院があるし。
多少待つとはいえ、病院に行けば診察はしてもらえるので。
患者の側からみたら、まだ本当に困ってはいない。
というか、実際に困っている患者の数はまだ少ない。
というのが、今の日本の医療崩壊です。
「医師、病院発症型の医療崩壊」
とでも言いましょうかね。
医療が崩壊したら、最終的には患者が一番困るんだけど。
まだそこまで行ってないんですよ。
イギリスの医療崩壊のように、
入院待ちの患者が100万人以上いる。
救急病院に行ったけど、診察して貰うまでに、
20時間も40時間もかかった。
というように、患者の側が非常に困っているわけではない。
だから、医師(医療者側)と患者側(一般市民)に、
医療崩壊の温度差がある。
という事だと思います。
それは、この間の医療議連に参加した人が、
6割から8割は医師(医療関係者)だった。
というのを見てもわかると思います。
最近は、後期高齢者医療制度で、
高齢の患者を切り捨てるとか。
療養型病床を削減して、患者が行く場所がない。
って事が加わったので、実際に患者や家族にも影響が
出始めているんですけどね。
で、話は戻って。
実は、「医療政策」以外の部分。
それに関しては、「インターネットの発達」、「マスコミ」
というのが1つのキーワードになっているような気がします。
例えば、「医療訴訟」。
医療訴訟なんてものは、何十年も前からあるんですよ。
ただ、マスコミが医療ミスだ、医療ミスだ。
って報道するから、単なる合併症とか病気で死んだ、
っていう患者がいても、遠い親戚とかが突然出てきて。
「これは医療ミスじゃないのか」
なーんて事で、医療訴訟に発展する事が増えた。
って事なんだと思います。
医師以外のブログとかインターネットでも、
医療訴訟とか医療ミスの話がいっぱいあるから。
患者の側は、それを見て医療訴訟に踏み切った。
というような事ではないでしょうかね。
例えば、「モンスターペイシェント」
はっきり言うと、前から難癖つけたり、
医師や看護師に暴力を振るう患者はいます。
ただ、公になってきたり、そういう言葉が出来たのが最近。
っていうだけです。
これに関しては、患者だけでなく、学校の親だったら
「モンスターペアレント」だし。
普通の店の客だったら「クレーマー」でしょうかね。
これは、マスコミやネットの影響っていうよりは、
時代の影響かな、とは思いますが。
患者の側が、自分の病気の事を知りたがって、
医師に説明を求めたり。
治療方針を細かく聞いたり、っていうのは
マスコミやネットで情報を得たから。
というのがあると思います。
これに関しては、良いことだと思うので、
全く否定する気はないのですが。
医師の説明する時間は増えた。
という事は言えると思います。
そして、やっと本題(笑)
医師の側もブログやインターネットが発達して。
自分たちの状況がわかるようになったんですよ。
私も、自分でブログを書くまでは、日本の医師数が、
他の先進国と比べてこんなに少ない、とか。
医療費がこんなに少ないのに、自己負担は多いとか。
診療報酬の問題とか、医療裁判の細かい話とか。
勤務医の労働時間とか、法律の話とか。
そういうのは、正直よくわかっていませんでした。
まあ、新聞は良く見る方なので。
前から、普通の医師よりはそういう事を
知ってる方だったとは思いますけどね。
それでも、自分でブログを書いて、他の医師ブログを
読むようになってから、圧倒的に情報量が増えました。
で、どんどん医師ブログが増えて、
更に質も上がって、情報が増えてきて。
世の中には、こんなトンデモ判決があるんだ。
とか。
勤務医といえども単なる労働者なんだけど、
全然労働基準法が守られてないじゃないか。
過労死の基準を大幅に上回って働いてるよ。
とか。
この病院でもこんなに医者が足りなくなって、
うちもヤバイよ。
とか。
日本の医者の数は他の国と比べたら少ないのに、
まだまだ働かされて、医療訴訟のリスクもこんなに高いなら、
やってられねーや。
とか。
そんな感じでいろんな情報が医師の側にも伝わった。
そして、ある医師は病院を辞めて。
ある研修医は、志望する科を変更した。
という事が重なったのだと思います。
そして、医師が、自分は過労である。
このまま行ったら、大変な事になる、って気づいて。
どんどん現場で働く勤務医が減っていって、
「医師、病院発症型の医療崩壊」が起こった。
という側面もあると思います。
医師といえども、人間であり、労働者ですから。
これは悪いわけではないと思います。
問題なのは、上のサイトでも書いてある通り、
>「ただ前回も言ったが、医師たちが我侭を言うのが
悪いんだとかにはならない。
問題は、正当な労働環境を整えようとすると
とたんに崩壊してしまうような仕組みにしちまった
政府のほうだ。
正当な労働環境は与えられて当たり前だ」
という事だと思いますよ。
マスコミに関しては、今でもとんでもない事を言う、
テレビ番組の司会者とかコメンテーターとか。
変な医療報道を書く新聞記事とかもあるけど。
確実に、方向性は変わってきていると思います。
ただ、今までの医療崩壊の大きな原因になっていた。
という事はまぎれもない事実だと思います。
マスコミはその事を、常に肝に銘じておいて欲しいです。
ただ、いくらインターネットが発達したとはいえ、
既存のマスコミの影響力は非常に大きいので。
日本の医療を崩壊から救う為には、
マスコミの力なくしては無理だと思っています。
もちろん、医師ブログなどのインターネットと共に、
っていう事ですけどね。
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→ 医療崩壊―「立ち去り型サボタージュ」とは何か
小松 秀樹 (著)