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どうやら、日本医師会は厚労省に騙されたようですかねー。
Yosyan先生の「新小児科医のつぶやき」の
『「合意」と「覚え書」続報 』や
僻地の産科医先生の「産科医療のこれから」
『日医は厚労省にだまされている!
覚書は存在しない ―第三次試案をめぐって―』、
『医療事故安全調査委員会』、
なんかでも話題になっていますが。
医療事故安全調査委員会(医療事故調)の、
第三次試案に関してです。
本文の前に、応援もよろしくね!
『医療事故調、第二次試案について』の記事で、
私がブログに書いた事なのですがね。
医療というのは、病人とかけが人が対象ですし。
治療っていうのは、薬を使ったり、手術をしたりする事ですから。
医療というのは、不確実なものなんですよ。
100%って事はあり得ないんですよ、残念ながら。
で、不幸にも残念な結果が起こったときに。
どうしてそういう事が起こったのか、客観的に判断してくれる、
第三者機関があれば、遺族も納得できるし。
医療者の側も、医療に関しては素人の裁判官とか、
警察、検事なんかよりは、専門家に判断して貰った方が、
安心して医療ができるから。
医療者側でもなく、患者側でもない、第三者機関が、
医療事故が起こった場合は判断するようなシステム。
というものがあったほうが、患者側にとっても、
医療者側にとっても都合が良いのではないか。
と、個人的には思います。
そういうのがあった方が、患者さんも、
安心して医療が受けられるし。
医師(医療者)も安心して医療を行えますから。
方向としては、患者の為にも医師(医療者)の為にも
安心して医療ができる為に、ってことで作られたものが。
何故か、厚労省の権限を大きくしようとか、
厚労省の天下り先を作ろうとか。
そういう別の思惑が入って、
全く別の物になろうとしていました。
それが、医療事故調の第二次試案でした。
「医療事故調の第二次試案」を詳細に分析した、
主に医師(医療従事者)達から、問題点の指摘を受けて。
ちょっとはましになったのが、
「医療事故調の第三次試案」です。
これに関しても、やっぱり問題はあるんですが。
非常にわかりやすく問題点を解説した記事があったので、
ここで引用させてもらいますね。
『ロハスメディカルブログ』を書いている、
川口恭さんのメルマガ、「MRIC」からっす。
Medical Research Information Center (MRIC)
メルマガ 臨時 vol 53
■□ 刑事捜査抑制の保障無し
―法務省・警察庁は文書を明確に否定 □■
国立病院機構名古屋医療センター
産婦人科 野村麻実
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医療安全調査委員会の第三次試案を、
医師の皆さんは調査委員会の結論が出るまでは
警察の捜査がストップされると、
期待してはおられないでしょうか。
そうお考えになるのも当然だと思います。
第三次試案を読めば、そのように受け取れる記述があり、
また日本医師会もそのような説明を
会員にしているからです。
ところが、そのような期待は医師側の勝手な
解釈であることが、先日の国会質疑で明らかになりました。
警察はたとえ調査機関の通知がなくても捜査することを、
刑事局長が明言したのです。
この答弁で、第三次試案には警察の捜査を
ストップさせるような法的根拠がまったくない事実を、
私たちは突き付けられました。
国会質疑の模様をご紹介しながら、今浮かび上がっている
問題点を述べてみたいと思います。
4月22日、決算行政監視委員会第四分科会において、
衆議院議員で「医療現場の危機打開と
再建をめざす国会議員連盟」に参加している
橋本岳議員が、第三次試案について
国会質疑を行いました。
その内容はインターネット上の録画で
見ることができます。
→ 『国会中継、橋本岳議員の質問』
質疑の相手は、法務省・警察庁の局長であり、
主な論点は、厚労省と警察庁あるいは法務省の間で
交わされた「文書」の有無です。
なぜ文書の有無が論点になったか。
それは、第三次試案の記載だけでは、
医師が法的に守られるのかどうかが分かりにくく、
調査委員会の結論が出るまで警察の捜査が
ストップされるということが文書で示されているか
どうかを、省庁間の明らかな合意を
明らかにするのが目的でした。
橋本議員はまず、4月3日の日経メディカルオンラインの記事
→ 『2008年4月3日:日経メディカルオンライン』
に、「法務局や検察庁などからは、
この案の公表について了解する旨の覚え書きを得ている」
との記載があったことを基に、省庁間で交わされた
文書の有無を確認しました。
すると法務省・警察庁は、この第三次試案について
一切の文書を取り交わしたことがないと回答しました。
この記事内容そのものは記者会見場での出来事で、
私たち現場医師に事の詳細を知ることはできませんし、
大した問題ではありませんが、
この答弁自体は非常に重要だと考えられます。
実はこれまで「文書」の存在を匂わせ、警察の捜査が
ストップされるような両省の合意があると
受け止められる記事が、日本医師会より
何度か出されていたからです。
たとえば、日医ニュース第1117号
(平成20年3月20日号)の中で
木下勝之・日本医師会常任理事の名前で出された
「刑事訴追からの不安を取り除くための取り組み
その4、―新しい死因究明制度に反対する意見に対して―」
と題する記事の中に、文書の存在を示唆する
「明文化」「明記」という言葉が2度出てきます。
1カ所目は、質問2の回答部分です。
原文では
「一方、委員会の判断に基づき警察に通知が
行なわれない事例に関しては、訓告結果が
調査報告書として遺族に渡って、遺族が警察へ行き
刑事罰を主張しても、捜査機関は、
調査委員会の医学的な判断を尊重して、
原則として捜査を開始しないことが明文化されています」
となっています。
2カ所目は、質問3、4に対する回答部分で
「繰り返すまでも無く、医療関係者を中心とする
調査委員会から捜査機関へ通知される事例は、
極めて限定的な「重大な過失」事例だけであり、
通知されない事案には、原則として捜査機関は関与
しないことが明記されている」
と記載された部分です。
このニュースを読んだ医師らは、
「厚労省は法務省・警察庁との間で、調査委員会の
通知なしには刑事捜査を開始しないという
内容の合意の文書なり覚書を作成した」と受け取ります。
しかし、このたび法務省と警察庁は合意文書の存在を
きっぱり否定したのですから、上記は医師の勝手な
希望的観測に過ぎなかったことになってしまいました。
また木下理事は日本医事新報
No.4381(2008年4月12日)p11の記事で
「故意に準じる重大な過失、隠蔽、改竄、
リピーター以外は捜査機関に提出されず、
それ以外の報告書も刑事処分には利用しないことを
警察庁、法務省も了解済みであることを説明」
と明記し、日本医事新報No.4381(2008年4月12日)p12-15
においては
「報告書は遺族に返すので民事訴訟への使用を
制限するのは難しいが、刑事処分には持っていかないことを
警視庁、法務省も了解している」
と説明しています。
これらは、前述した警察庁の答弁とはまったく合致しません。
木下理事の説明は客観的には誤りであると
言わざるを得ませんが、これは医師会の責任なのでしょうか。
まさか、医師会が意図的に会員医師らを欺くとは思えず、
医師会が厚労省から虚偽の説明を受けて、
誤解してしまったとしか考えられません。
つまり医師会は騙されたのではないでしょうか。
医師会は特に法的な問題点に関して説明を受ける
立場にありますが、法務省・警察庁から説明を
日医は受けてきたのでしょうか?
受けていなければ、関係省庁との調整を行う厚労省の怠慢、
いや欺罔だと言ってもいいでしょう。
そもそも、仮に第三次試案の別紙3
「捜査機関との関係について」が法務省・警察庁との
合意に基づいて発表されたものであるとしても、
その内容は実のところ
「遺族から告訴があった場合には、警察は捜査に
着手することとなる」(別紙3問2の答え)わけで、
現状と何も変わらないことを明記してあるだけです。
22日の国会質疑においても警察庁米田刑事局長は
「遺族の方々には訴える権利があり、警察としては
捜査する責務があり、捜査せざるを得ない」
「(委員会が通知に及ばないという結論を出した場合にでも)
個別の事件の判断で遺族の方々の意思というものが
もちろんあるから、捜査するしないについては
言及できない」旨の答弁を行っています。
つまり別紙3は医師に過剰な期待を抱かせるべく、
形式上「文書」にしてあるに過ぎません。
厚労省は「文書がある」と日医には嘘をついてきたはずだ
と思うのです。
だから冒頭の日経メディカル記事の記者会見で
わからないなりに「文書」「覚書」なりとにかく
それ風のことを嘘ではないけれどいわねばならなかった
のだと思います。
さすがに嘘は言わなかったでしょう。
しかし勘違いさせることのできる言葉を並べたはずです。
言いもしないことが、メモされるはずがないのです。
報じられたことそのものよりも重大であったのは
現場医師にとって
「厚労省は誠意がない」と心から確信できる
事実そのものだったと私は考えています。
医療安全委員会に関わる関係省庁は
厚労省だけではありません。
次回試案からは、法務省・検察庁に加えて、
日医も入った形での試案作りを
すべきではないでしょうか。
でなければ、今後も同様のこと、
つまり日医や医師が騙されるような事態が起きる
可能性が否定できず、あまりにも危険すぎて
論議の対象にさえできません。
医療安全委員会をその理念どおり運用するためには、
刑法を改正または特別法を制定して、
医療過誤に関する業務上過失致死傷罪
[刑法211条1項]を親告罪にするとともに、
刑事訴訟法を改正または特別法を制定し、
医療過誤案件に関しては、医療安全調査委員会の
「刑事手続き相当」の意見がない限り、
捜査機関は捜査に着手できず、
また検察官は起訴できないようにすることが必要です。
法務省・検察庁の協力をオブザーバー程度で
終わらせないようにするためにも、また厚労省が
「自らの権限拡大を狙っている」と勘繰られないためにも、
三者の間で協議をより密におこなうことが
課題であると考えられます。
同様に、民事訴訟の乱発抑制のためには、
民事訴訟法を改正または特別法を制定して、
医療過誤案件に関しては、訴訟提起前に
裁判所の民事調停ないし認定ADRの手続きを
経ることを義務化し、そこでは医療安全調査委員会の
報告書をもとに紛争解決を図るものとすることなど、
法的な対策を講じていただきたいと考えております。
著者ご略歴
平成4年4月 名古屋大学医学部入学、平成10年3月同卒業
平成10年 岡崎市民病院勤務
平成13年 名古屋大学附属病院勤務
平成14年 名古屋大学大学院医学研究科産婦人科学入学
平成17年 名古屋大学大学院医学研究科産婦人科学卒業
平成17年 津島市民病院勤務
平成19年 国立名古屋医療センター勤務
産婦人科認定医 医学博士
非常に良くまとまっていると思いますね、これ。
医療崩壊の一因に、「医療訴訟」というのがあるんですが。
問題になるのは、医療に関しては素人の警察、検事、裁判官が
専門的な知識が必要な医療に関して裁判、捜査を行う。
って事だと思うので。
医療事故が起こったら、それは全て、
まずは医療事故調査委員会が全部調べて、
結論が出るまでは警察の捜査がストップする。
そして、医療に関して専門家である、
医療事故調査委員会が、これは問題がある。
と判断したら、警察が捜査を行う。
って事になれば、医療者側も安心して医療を行えますから。
第三次試案が、そういう事になれば良いなー。
って我々医師は思っているんですよ。
日本医師会は、そうだから安心して。
っていう説明をしているようなんですけど。
この記事を見ると、なんか日本医師会は、
厚労省にうまく騙されているんじゃないですかねー。
ま、敢えて騙されたふりをしてるのかもしれませんが。
これだったら、意味ないっていうか。
逆に、もっと悪くなる、って事もありえますよ、ホント。
だって、第三次試案のままだったら、
医療事故調査委員会が、医療事故に関して調査して。
それが、民事訴訟にも刑事訴訟にも証拠として使える
って事なんだから。
はっきり言って、証拠は豊富なんですよ。
今までは、言い方悪いけど、医療に関しては素人の
遺族側が証拠を集めるのは大変だったから。
民事訴訟は、なかなか起こしにくかった。
っていう側面もあるんだけど。
このシステムが今のままでスタートしたら、
証拠は豊富にあるんだから。
それこそ、なんぼでも民事訴訟を起こせますよ。
しかも、刑事訴訟に関しても、今まで通り。
だったら、こんなのない方がましじゃないっすかね。
「耐震偽装」が一時はやって。
これが施行されたらどうなるか、って事も考えずに、
厳しい法律ができちゃって。
その後に、新築のマンションが大幅に減って、
日本の景気減速の一因になっちゃった。
って事もありましたけど。
これって、そもそもは、地震が起きた時に
建物が崩れないようにしよう。
という事で、良かれと思って作った法律なんですよ。
でも、実際は、このおかげで新しいマンションが
できるのが大幅に遅れて、現場は大変。
って事になっていますよね。
実際に、地震で倒れたマンションは一軒もないのに。
それと同じ事が、医療でも起こる可能性があります。
元々は、医療者(医師)側も患者側も、
安心して医療が行える、医療が受けられるように。
って事で作られる法律が、結局医療崩壊を加速する。
という事になる可能性がありますので。
とりあえず、形だけ作って、っていうのは止めてもらって、
時間をかけても良いから、きちんとした案を
じっくり練って欲しいものですね。
医者のホンネが知りたい人は、こちらから!
→ 『医者のホンネが丸わかり!(改)』
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私がブログを始めたのは、2005年の12月だから。
約2年半前なのですけど。
当時は、まだ「医師ブログ」っていうジャンルもない頃で、
医師でブログを書いている人は、日本でもせいぜい
100人かそこらだったんじゃないかな、って思います。
当時は、医師と名乗ってはいるけれど、
医療報道とか医療の内容について書いてあるブログ、
っていうのはほとんどなくって。
私の場合は、なんとなく自分の事とか医者の事とか。
医療記事について、自分なりの解説をしたものを
ブログに書いたらおもしろいんじゃないかな。
って思って、ちょっとブログに書いていたんですよ。
そしたら、思ったよりも反響が良くて。
そいで、いくつか医療系の記事を書いていたら。
2006年の4月に、m3.comのドクターズブログ
っていうのが出来たんです。
そこに、以前書いた医療系の記事をコピーして貼ったり、
新しい医療系の記事を書いたりしたら。
たまたま、m3.comのドクターズブログと、
わたしのブログ「やぶ医師のつぶやき」が
朝日新聞とyahoo、gooで紹介されて。
そいで、「医師ブログ」っていうのが世の中にはあるんだ。
という事が一般の人達にも認知されていきました。
まあ、その前から「ある産婦人科医のひとりごと」とか、
「新小児科医のつぶやき」とかはあったけどねw
医師でもブログを書く人達がどんどん増えて。
アクセス数もどんどん増えていって。
そいで多分、今では、医師でブログを書いている人は、
1000人以上はいると思います。
医療系の記事を書いて、解説する。
っていうスタイルも、2年前位前だと、
珍しいものだったんですが。
今では、むしろ医師ブログのオーソドックススタイル。
というくらい、一般的になっていますよね。
「新小児科医のつぶやき」
なんかは、アルファブロガーアワードに選ばれるし。
「産婦人科残酷物語III
(毒舌ドクターBermudaの三角形な気持ち)」は、
JBA2008 (ジャパンブログアワード)を受賞されて。
「医師ブログ」というジャンルは、マイナーなジャンル
というよりは、むしろメジャーになっている。
と言っても、過言ではないのかもしれませんね。
その医師ブログが、医療崩壊の一因になったのでは。
って事が書かれているサイトを発見しましたよ。
作ったのは、「農家こうめのワイン」を書かれている
koumeさんっす。
「農家こうめのワイン」
一般の方なのですが、非常に良く勉強されていて。
いろんな医師ブログでも紹介されていますので、
ちょっとこちらでも紹介させて頂きますね!
本文の前に、応援もよろしくね!
「そういえば前回の最後に、医療崩壊の原因について
いっぱい挙げてたわよね~。
過重労働、政策の失敗、マスコミ報道、
トンデモ医療訴訟、モンスターペイシェントの増加」
「どれも重要だしな・・・
まあこれは所詮作者が思いつくものだけだし、
きっと本職の医師たちはもっと色々
思いつくに違いないから、
目立つのはこのあたりとしておこう。
紹介については、いくつかはいっぺんに
やるかもしれないけどな。
しかし実はここで一つ追加したい」
「インターネット、特にブログの発達だ」
「医療崩壊の原因はいくつも挙げたが、
そもそもそれらは最近始まったことじゃないんだ。
程度の差はあって、ここ数年でやたら
酷くなったものもあるが、
大なり小なり全て昔からあったことだ」
けど、医療崩壊ってのが話題になりだしたのは
ここ数年の話よね。
どういうことかしら?」
ちょっとだけ余談を言っておくが、
確かに医療崩壊が世の中に知られだしたのは
最近のことだ。
が、このままでは危ないぞ!?
と警告を発してた医師はもうずっと前からいた。
新聞もテレビも雑誌もどこも誰も
取り上げなかったから
一般の話題に上らなかっただけだ。
医療崩壊の原因を医療者に押し付ける人もいるが、
筋違いだと強く言っておこう。
そういうことをすれば崩壊をますます加速させるだけだ。
話を戻すが、例えば過重労働なんかは
昔からあったが、それでも過去には
話題になっていなかったのは、
「過重労働して当たり前」と医師たち
みんなが思い込んでたからだ」
「思い込んでた・・・集団催眠みたいね」
「まさしくそれに近い。洗脳と表現する人もいる。
以前よくあった医療批判に、
「医者の世界は閉鎖的で、世間知らずだ」
ってのがあった。
そしてその批判は、ある意味で正しかった。
医局制度の威力が強かった時代、
外部の医師との情報交換すらも
今ほど活発ではなく、医師になった以上
は教授の命令に従い、僻地の病院にも
派遣されたりなどして奉公するのが
当然と思い込まされてたんだ」
「ふ~ん」
「医局批判はいろいろな方面から根強かったですね。
たしかマンガ「ブラックジャックによろしく」
にもあったと思いますが、ちなみにブラよろは
医師たちの間では評価が極めて低い
医療マンガの代表格ニダ」
「しかし厚労省やマスコミからの度重なる批判を受けて
医局制度は権力を失った。
教授の言うことなど、実は聞かなくてもいい
ということがばれてしまった。
研修医たちはスーパーローテートという
新しい臨床研修制度になり様々な病院や
診療科の情報を集めて、ハイリスクな病院や
診療科には進まなくなった。
僻地医療や特定の診療科は
医局制度とともに崩壊したともいわれていて、
今では医局制度は
「悪い点はあったが、いい点もあった」
と再評価されている」
「で、ネットやブログの発達ってどういうことよ・・・」
「わからないか?
今まで閉鎖的といわれていた医療業界だったが、
ブログの発達・・・医師たちが個人のブログで
情報を発信するようになって、
いきなりオープンになっちゃったんだ」
「様々な医師同士が交流した結果、
「アイゴー!もしかして俺たちって、
とんでもねえ環境で働かされてるんじゃないか?
よその業界はこれほど酷くないらしいニダよ」
と疑問を抱いた、あるいはすでに抱いていた人たちが
活発な議論を始めました。
もともと全員が医学部卒という、
理系最高峰のすごく優秀な人たちの集まりです。
あっという間に法令の解析なども進み、
労働基準法や厚労省の各種通達などなど
微に入り細にうがったソースが山のように集まって、
正当な労働環境がどのようなものかが知れ渡りました」
「洗脳が解けちまったんだな。
はっきりいって、ネットの発達なくしてはこれもなかった。
少なくとも、これほど急速に進むことはなかっただろう」
「そういうことね。だったらなんとなく分かるわ」
「ただ前回も言ったが、医師たちが我侭を言うのが
悪いんだとかにはならない。
問題は、正当な労働環境を整えようとすると
とたんに崩壊してしまうような仕組みにしちまった
政府のほうだ。
正当な労働環境は与えられて当たり前だ」
「・・・なかなか医療訴訟の話にならないニダ」
「おっと、そうだった。前置きを長々としちまったが、
医療系ブログのメインコンテンツの一つが
医療訴訟の分析だ。
はっきり言ってこの方面で医療ブログが
果たした役割は相当大きい。
というわけでやっとの話だが、
福島県立大野病院事件のことを解説しよう。
『☆医療問題を注視しる!その3 大野病院事件☆』
という事で、本来であればメインの
「福島大野病院事件」の話に移るんですけどね。
私の言いたいことはそれではないので、
ここでは触れない事にします。
こちらに関しても、非常にわかりやすく書かれているので。
もし良かったら、引用サイトも見て下さいね!
このサイトにも出ていた、「医師ブログ」。
私、自分でも書いているんですけど。
言われてみれば、医療崩壊の一因にもなっているのかな。
って思いましたわ。
医療崩壊の原因っていうのは、いくつもあるんですが。
私が思うに、医療崩壊の最も大きな原因というのは、
何回も書いている通り、医師不足と医療費不足。
これらは、医師数抑制政策と、
医療費抑制政策によるものです。
1983年に「医療費亡国論」というのが出てきて、
その後に、医学部の定員の削減を決定しています。
そいで、1996年に医療費を減らすって事を、
閣議決定しています。
それと、診療報酬が病院や勤務医に不利で、
診療所にとっては有利というか、得するように出来ている事。
ま、これは日本医師会の影響も大きいと思いますけどね。
2004年から始まった、新臨床研修制度もありますね。
地方自治体が、自分たちの所には病院が欲しい。
って言って、無理に病院を作って、潰したがらないから。
医師、病院の集約化ができない。
っていうのも、政治がらみですかね。
そういった、政治がらみ、「政策」の原因。
これが、一番大きな原因だと思います。
その次くらいにくるんじゃないか、って私が思っているのは。
「マスコミ」の問題ですね。
医者は悪者、儲け主義っていう先入観に基づいた
医師叩きの番組、記事。
患者は弱者、医者は強者、って決めつけて。
一方的に患者の側からの情報しか見ないで行う報道。
医療事故、合併症なのにも関わらず、
勉強もしないで「医療ミス」と言って、
医者を悪者にするかのような報道。
「患者受け入れ不可能」にもかかわらず、
「たらい回し」という言葉を使って、いかにも
病院や医師が悪いというような報道の垂れ流し。
単なる書類送検だけなのに、あたかも
医師を逮捕された犯人のように扱う報道。
一般の人達は、新聞に書いている事は正しい。
って思っている人も多いですし。
なんとなくでも、こういう事が繰り返し流れると、
いつの間にかそう思ってしまう。
という事も多いので。
こういった、マスコミの報道という影響は
かなり大きかったと思います。
そして、「医療訴訟」の問題。
上のサイトにも出てきた、「福島大野病院事件」
のように、医師が出来る限りの事をやって、
その場で出来る最善を尽くしても、逮捕される事がある。
一部の、医療の事なんか全然わからない裁判官による、
「トンデモ判決」と言われるような判決が出る。
そういう事があるなら、医者なんてリスクが高くて、
一般の人達が思っている程、給料は高くないですから。
ハイリスクローリターンなら、やめようか。
ってなっちゃったんですわ。
更に、「医師側」の問題。
開業医の利益を重視しすぎる、日本医師会。
そして、今だに封建社会である、医局、学会、大学病院。
ほんの一部だけど、儲け主義者の開業医。
それと、最近特に話題になっている、「患者側」の問題。
「モンスターペイシェント」のような、
暴力を振るったり、無理難題を言う患者。
モンスターではないけれど、自分の都合で、
時間外に軽症でも病院に来る、「コンビニ受診」の問題。
それと、患者側が医療の知識を身につけたため、
患者に説明する時間が長くなった事。
そういった要因が全て重なった。
その上、医療はどんどん進歩して高度になっている。
高齢化社会になって患者の数は増えている。
医療は細分化、専門化され、より人手が必要になっている。
更に、時間外に来る患者が増えた上、
書類書きなど、医療以外の医師の仕事が増えた。
こういった事が重なって、もっともっと
人手が必要なのにも関わらず、医師の数が増えない。
医師の仕事を補助する人も増えない。
その結果、「医師が過労になった」、
というのが、医療崩壊の原因かな。
って、個人的には思っています。
最終的に一言で言うと、「医師の過労」。
これに尽きると思います。
医師が疲れて、もう耐えられなくなって、
病院から立ち去る。
若い医者がこんなに大変な科には進まない。
こんなに働いても、一回訴えられたら人生が終わってしまう。
という事で、大変な科には進まなくなった。
新臨床研修制度が始まって、研修医が
たくさん症例の積める一部の病院に集まった。
そういう事が重なって、どんどん病院から医師がいなくなる。
そしたら、残った医師はいなくなった医師の分まで
働かされて、余計に過労になるという悪循環。
医師がどんどん病院から立ち去って。
病院も医師が少なくなって、
患者を受け入れる事が難しくなる。
これが、現在の日本の「医療崩壊」の姿です。
病院の数は減っているとはいえ、年間数十位。
まだまだ、ほとんどの町に病院はあるし。
近くの都市に行けば、いくつも病院があるし。
多少待つとはいえ、病院に行けば診察はしてもらえるので。
患者の側からみたら、まだ本当に困ってはいない。
というか、実際に困っている患者の数はまだ少ない。
というのが、今の日本の医療崩壊です。
「医師、病院発症型の医療崩壊」
とでも言いましょうかね。
医療が崩壊したら、最終的には患者が一番困るんだけど。
まだそこまで行ってないんですよ。
イギリスの医療崩壊のように、
入院待ちの患者が100万人以上いる。
救急病院に行ったけど、診察して貰うまでに、
20時間も40時間もかかった。
というように、患者の側が非常に困っているわけではない。
だから、医師(医療者側)と患者側(一般市民)に、
医療崩壊の温度差がある。
という事だと思います。
それは、この間の医療議連に参加した人が、
6割から8割は医師(医療関係者)だった。
というのを見てもわかると思います。
最近は、後期高齢者医療制度で、
高齢の患者を切り捨てるとか。
療養型病床を削減して、患者が行く場所がない。
って事が加わったので、実際に患者や家族にも影響が
出始めているんですけどね。
で、話は戻って。
実は、「医療政策」以外の部分。
それに関しては、「インターネットの発達」、「マスコミ」
というのが1つのキーワードになっているような気がします。
例えば、「医療訴訟」。
医療訴訟なんてものは、何十年も前からあるんですよ。
ただ、マスコミが医療ミスだ、医療ミスだ。
って報道するから、単なる合併症とか病気で死んだ、
っていう患者がいても、遠い親戚とかが突然出てきて。
「これは医療ミスじゃないのか」
なーんて事で、医療訴訟に発展する事が増えた。
って事なんだと思います。
医師以外のブログとかインターネットでも、
医療訴訟とか医療ミスの話がいっぱいあるから。
患者の側は、それを見て医療訴訟に踏み切った。
というような事ではないでしょうかね。
例えば、「モンスターペイシェント」
はっきり言うと、前から難癖つけたり、
医師や看護師に暴力を振るう患者はいます。
ただ、公になってきたり、そういう言葉が出来たのが最近。
っていうだけです。
これに関しては、患者だけでなく、学校の親だったら
「モンスターペアレント」だし。
普通の店の客だったら「クレーマー」でしょうかね。
これは、マスコミやネットの影響っていうよりは、
時代の影響かな、とは思いますが。
患者の側が、自分の病気の事を知りたがって、
医師に説明を求めたり。
治療方針を細かく聞いたり、っていうのは
マスコミやネットで情報を得たから。
というのがあると思います。
これに関しては、良いことだと思うので、
全く否定する気はないのですが。
医師の説明する時間は増えた。
という事は言えると思います。
そして、やっと本題(笑)
医師の側もブログやインターネットが発達して。
自分たちの状況がわかるようになったんですよ。
私も、自分でブログを書くまでは、日本の医師数が、
他の先進国と比べてこんなに少ない、とか。
医療費がこんなに少ないのに、自己負担は多いとか。
診療報酬の問題とか、医療裁判の細かい話とか。
勤務医の労働時間とか、法律の話とか。
そういうのは、正直よくわかっていませんでした。
まあ、新聞は良く見る方なので。
前から、普通の医師よりはそういう事を
知ってる方だったとは思いますけどね。
それでも、自分でブログを書いて、他の医師ブログを
読むようになってから、圧倒的に情報量が増えました。
で、どんどん医師ブログが増えて、
更に質も上がって、情報が増えてきて。
世の中には、こんなトンデモ判決があるんだ。
とか。
勤務医といえども単なる労働者なんだけど、
全然労働基準法が守られてないじゃないか。
過労死の基準を大幅に上回って働いてるよ。
とか。
この病院でもこんなに医者が足りなくなって、
うちもヤバイよ。
とか。
日本の医者の数は他の国と比べたら少ないのに、
まだまだ働かされて、医療訴訟のリスクもこんなに高いなら、
やってられねーや。
とか。
そんな感じでいろんな情報が医師の側にも伝わった。
そして、ある医師は病院を辞めて。
ある研修医は、志望する科を変更した。
という事が重なったのだと思います。
そして、医師が、自分は過労である。
このまま行ったら、大変な事になる、って気づいて。
どんどん現場で働く勤務医が減っていって、
「医師、病院発症型の医療崩壊」が起こった。
という側面もあると思います。
医師といえども、人間であり、労働者ですから。
これは悪いわけではないと思います。
問題なのは、上のサイトでも書いてある通り、
>「ただ前回も言ったが、医師たちが我侭を言うのが
悪いんだとかにはならない。
問題は、正当な労働環境を整えようとすると
とたんに崩壊してしまうような仕組みにしちまった
政府のほうだ。
正当な労働環境は与えられて当たり前だ」
という事だと思いますよ。
マスコミに関しては、今でもとんでもない事を言う、
テレビ番組の司会者とかコメンテーターとか。
変な医療報道を書く新聞記事とかもあるけど。
確実に、方向性は変わってきていると思います。
ただ、今までの医療崩壊の大きな原因になっていた。
という事はまぎれもない事実だと思います。
マスコミはその事を、常に肝に銘じておいて欲しいです。
ただ、いくらインターネットが発達したとはいえ、
既存のマスコミの影響力は非常に大きいので。
日本の医療を崩壊から救う為には、
マスコミの力なくしては無理だと思っています。
もちろん、医師ブログなどのインターネットと共に、
っていう事ですけどね。
医療や医療訴訟について知りたい人はこれを読んでね!
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→ 医療の限界
小松 秀樹 (著)
定番もどうぞ!
→ 医療崩壊―「立ち去り型サボタージュ」とは何か
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病気っていうのは、平日の昼にだけなるわけではないし。
入院している患者さんが急変するのも昼だけ、
ってはずはないので。
医者っていうのは、夜中でも休日でも、
呼ばれる事はあります。
病院の院長とか、ほとんど診療をしていない医師は
別なんですけどね。
それ以外の医師は、部長であろうと、科長であろうと、
名前の上では管理職であっても、時間外に呼ばれて
診察や診療をする事はたくさんあります。
『4/12、医療議連に参加しました』の記事にも書いたけど、
4/12の医療議連で
全国医師連盟の黒川先生が言っていた通り。
■医師の時間外労働の賃金はその
大半が支払われていません。
今までは、医師が善意でそうやってきて、
それで日本の医療が崩壊せずにいたのですが。
もう、それは限界に近づいてきています。
奈良県等で、医師が正当な時間外手当を求めて
訴訟を起こしていますけど。
滋賀県の病院では、労働基準監督署から
是正勧告を受けたようですね。
本文の前に、応援もよろしくね!
県立成人病センター、労基署が是正勧告
医師管理職は名ばかり 滋賀・守山
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080423-00000124-san-soci
権限がないのに残業代が支払われない
「名ばかり管理職」の勤務実態があるとして、
滋賀県守山市の県立成人病センター(河野幸裕病院長)が、
管理職の医師に時間外賃金を支払うよう、
大津労働基準監督署から是正勧告を受けていたことが
4月23日、分かった。
名ばかり管理職をめぐっては、未払い残業代の
支払いを求める訴訟や労働審判が全国で相次いでおり、
同センターでは医師不足が要因とみられる。
医師の内部告発で、大津労基署が今月11日、
同センターの立ち入り調査を実施。
部長級以上の管理職医師に対して、
通常の勤務時間外となる休日と深夜の割増賃金などを
支払っていなかったことが判明した。
夜間診療や急患対応に追われ、
当直明けでも深夜まで勤務が続くケースもあり、
1日8時間の法定労働を超える残業をさせる場合、
労基署に届け出なければならないとする
労働基準法の規定も守られていなかった。
是正勧告を受けて、センターを運営する
県病院事業庁は、センターを含む県立の3病院を調査。
管理職とされていた該当者全員に
残業代を支払う予定という。
同事業庁の谷口日出夫庁長は
「勧告を受けたことは遺憾に思っている。
一定の管理職手当を支払ってきたので、
時間外に残業代を支払わないことは、
許容範囲と思っていた」と話している。
センターは、がんなどの3大生活習慣病の
拠点病院として、昭和45年に創立された。
病床数は442、常勤の医師77人。
◇
【用語解説】名ばかり管理職
権限や裁量がないのに、残業代は支給されない管理職。
「管理監督者(一般的な管理職)」について
労働基準法は、時間外労働や休日勤務による
割増賃金の支払い義務が雇用者側にないと規定。
ただ厚生労働省によると管理職と認められるためには
(1)経営や労務管理で経営者と一体的な立場
(2)勤務時間の自由裁量
(3)職務権限に見合った待遇の保証
-などが必要。
日本マクドナルドの店長をめぐる今年1月の
東京地裁判決は「職務内容、権限や責任、
待遇の観点から管理監督者に当たらない」
と判断した。
参照:『2008.4.23:yahooニュース』
労働基準法上の「管理監督者」っていうのは、
実際はかなり限定されたものになるんですよ。
今までもいろんな裁判があったけど。
管理監督者であるかどうかが争われた判例では、
会社側の管理監督者であるという主張が認められた
ケースはほとんどありません。
最近で有名なのは、マクドナルドの裁判ですかね。
以前からこのブログには書いていますけど。
勤務医の給料っていうのは、普通のサラリーマンと
比べると、総額は高いです。
まあ、一流企業と比べたら、それよりは安いですけどね。
ただ、それは6年生の医学部を卒業して、
専門的な知識や技術が必要な職業だから
医師の給料が高いのであって。
管理職かどうかって事とは全く別です。
それに、給料の総額は普通のサラリーマンよりは多いけど。
時給にしたら、同じくらいか、もしくは
もっと安いと思いますよ、多分。
簡単に言えば、人よりたくさん働いているから、
給料もたくさん貰っている。
ってところじゃないですかね。
『労働者酷使法(ホワイトカラー・イグゼンプション)』
の記事にも書いてある事だけど。
医者の業務には、「裁量労働」の余地は少ないです。
夜中に来る患者や、急変した患者がいたら、
医者は駆けつけなければならないし。
昼間の仕事でも、外来の患者がたくさん来たら、
仕事が終わるのは長くなってしまいますし。
書類もたくさんあったら、早く終わるわけがありません。
検査なんかも、基本的には昼に行われていますから。
病院に何時に来て、何時に帰っても良い。
なんて医者は、ほとんどいません。
まあ、院長クラスの偉―い先生になると、
ほとんど病院にいないって人もいますけどね。
でも、ほとんどの勤務医には、裁量労働は
認められませんから、管理職ではありません。
yahooニュース(産経新聞)の記事にも書いてあった、
(2)勤務時間の自由裁量
が当てはまりませんから。
科長とか部長とか、名ばかり管理職でも、
勤務時間が自由に決められるような状態にないのであれば、
病院は時間外手当を払わなければなりません。
たしかに、医師不足、って事はあるとは思いますが。
医師の数が足りないからって、正当な時間外手当を
払わなくても良いって事にはなりませんからね。
最近も私の知り合いの医師が、労働基準監督署に
行っているようですし。
これからも、こういう記事がどんどん出るでしょうね。
医師は、こういった事に疎いし。
変にプライドが高いから、こういう訴訟とか、
労働基準監督署に行くとか、そういう事をする人が
今までは少なかったのですが。
これは、労働者としての正当な権利ですからね。
今までの医師は、サービス残業ばっかりで、
奴隷のようにこき使われてきて。
そいで、医療訴訟のリスクは高い、
っていう状態だったのですが。
医師といえども、勤務医の場合は、
単なる労働者ですからね。
労働者としての正当な権利は、
行使していくべきだと思いますよ。
そうでないと、病院や行政にこき使われて。
結局は医師が潰れて、病院も閉鎖。
って事になって、最終的に損をするのは患者さん。
という事になってしまいますから。
奴隷のように働かされて、潰される前に、
医師も声を上げるべきだと思います。
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4/12,「医療議連総会記念シンポジウム」で、
「県立柏原病院の小児科を守る会」の代表、
丹生裕子さんが発言された内容が、公開されたので。
ここでも引用させていただきますね。
本文の前に、応援もよろしくね!
『4/12、医療議連に参加しました』
の記事にも書きましたけど。
今回の医療議連で拍手が最も大きかったのは、
全国医師連盟の黒川先生、産婦人科医の桑江先生、
そして「県立柏原病院の小児科を守る会」の代表の
丹生裕子さんの発言でした。
産婦人科医の桑江千鶴子先生の話も、
医療現場で働く産婦人科医の激務が、
非常に良くわかる素晴らしい内容だったと思います。
これに関しては、僻地の産科医先生の
「産科医療のこれから」、
『「産科医療崩壊の危機打開と
男女共同参画社会の実現へ」
by 桑江千鶴子先生』
の記事に書かれていますから。
こちらも是非読んで見てくださいね。
私の方は、「県立柏原病院の小児科を守る会」の話。
日本の医療は、崩壊に近づいていますけど。
このブログは、日本の医療を崩壊させないために、
どういう事ができるか。
っていう事を、現役の医師であるDr. Iが、
いろいろ調べたり考えたりして、
持論を展開しているブログなのですけど。
自分が医療現場で働いている感覚と、
海外との医師数、医療費とかの比較とか。
そういったデーターとかを総合して、
あくまでも個人的な感覚なのですけど。
「時間外の軽症患者を抑制する。」
これができれば、なんとか日本の医療崩壊を
避ける事ができるかな。
というような感覚を持っています。
もちろん、このブログでも何回も書いているように、
医療崩壊(医療破壊)の原因で一番大きなものは、
医療費不足と医師不足だと思うので。
それを増やす事が一番大事だとは思いますが。
それには時間がかかるので。
医師の数が増える、医療費が増えるまでの
時間を稼ぐために最も重要な事が、
「患者の数を減らす事。」
「特に、時間外の患者の数を減らすこと。」
これが、非常に重要だと思っています。
医師不足、医師不足って言っていますが、
海外と比べて人口当たりの医師数も少ない。
という事もありますけど。
それ以上に1人の患者に対する医師の数が、
圧倒的に少ない。
という事の方が問題なので。
病院に来る患者の数を減らす。
という事が重要になると思います。
国は、患者の数を減らせば医療費が削減できるから。
高齢者は病院にかかるな、っていう政策を強引に作って、
後期高齢者医療制度という、「うば捨て山制度」
とも言える制度を導入しました。
「長寿医療制度」とかって名前をごまかしても、
内容は「うば捨て山制度」そのものです。
これは、年齢で患者を差別する以外の何物でもないので、
私は反対です。
病院にかかる患者の数を減らすなら、
「軽症の患者を減らすべき」っていうのが、私の持論です。
その為のやり方の1つが、
『時間外重症患者割引制度』
という方法で、実際にこれと同じ様なやり方を使って、
時間外の軽症患者を減らす事に成功した病院もあります。
これは簡単に言うと、
「高いお金を取って、患者を抑制する」
というやり方です。
本来であれば、こういう事はやりたくないんだけど。
特に都会では、道徳に訴えてもなかなか難しいので、
やむを得ないかな。
という事で提案している苦肉の策なのですが。
これとは違う方法で、実際に時間外の軽症患者の
数を大幅に減らす事に成功した人達がいます。
それが、「県立柏原病院の小児科を守る会」です。
私がいろいろ言うより、本人の話を
そのまま読んでもらった方が早いので、
早速紹介してみましょう。
議連総会に参加しました
【発表内容全文】
県立柏原病院の小児科を守る会です。
私たち守る会は昨年4月に発足しました。
活動を始めたきっかけは昨年4月、
市内で唯一子どもの入院を受け付けている
県立柏原病院の小児科がなくなる事態を迎えたからです。
これ以上の負担に耐えられないと、
小児科のお医者さんが辞意をもらされました。
小児科の存続が危うくなったことで
産婦人科の分娩予約の受付も休止されました。
このままでは小児科も産科も失ってしまう。
そのような危機感に駆られ私たちは活動を始めました。
安心して子どもを産み、そして育てることのできる
地域であってほしい。
これは親なら誰もが持つ願いです。
その願いを叶えるにはお医者さんの力が不可欠です。
子どもを守るためにはお医者さんを大切にすること、
お医者さんを守ることが必要だということに気付きました。
子どもを守りたい。
そしてお医者さんを守りたい。
これが私たちの活動の原点です。
この思いを3つのスローガンに込め活動をしています。
3つのスローガンとは
「コンビニ受診を控えよう」
「かかりつけ医を持とう」
「お医者さんに感謝の気持ちを伝えよう」
です。
このスローガンを地域の住民に呼びかけるために
マグネットステッカーを作成しました。
ステッカーには
「子どもを守ろう!お医者さんを守ろう!」
という言葉を載せました。
また住民に地域医療の現状を知らせ、
住民として何が出来るのかを考えるきっかけに
してもらおうと啓発ビラを作成し配布しています。
「コンビニ受診を控えよう」と、
ただ呼びかけるのではなく、
子どもの状態をしっかり見極め、
受診すべきかどうかを判断できる賢い親が
増えることを願い、この「病院に行くその前に」
という冊子を作成しました。
これは柏原病院小児科の先生や
丹波市の保健師さんの監修のもと作りました。
私たちの活動がどの程度浸透しているのか
私たちは把握できていませんでしたが、
守る会が活動を始めてから柏原病院小児科の
時間外の受診者数が前の年に比べて
4分の1ほどに減ったと聞きました。
またこの4月から新しく2人の小児科のお医者さんが
柏原病院に赴任されました。
とても嬉しく思います。
新しく来られたお医者さんが疲れてしまわないように
「適切な受診」を住民に呼びかけなければと考えています。
柏原病院はお医者さんが増えたことで、
夜間2次救急の当番日を増やすことを検討されています。
お医者さんへ感謝の気持ちを伝えようと
住民に呼びかけた結果、お医者さんの立場を
思いやる人が増えたように思います。
私たちが活動を進める中で気付いたことは、
お医者さんと私たち住民は医療を施すものと
受けるものという相対するものではなく、
共に力を合わせて地域の医療を作り上げていく
パートナーのようなものだということです。
医療崩壊は小児科だけでなくいろいろな科で
深刻な問題になっています。
柏原病院は4年前に43人おられた医師が
今年の春には20人にまで減りました。
増えたのは小児科だけで他の科は
神戸大学医局人事による医師のひきあげが止まりません。
柏原病院そのものが存続できるのかどう
かという危機を迎えています。
私たち住民にできることは、今いるお医者さんを大切にし、
働きやすい環境を作ることです。
「丹波で働くのも悪くないな」と言って頂けるような、
医療に理解のある地域づくりを進めることだと思います。
これは、子育て世代だけでなく
幅広い年代の人に関わる問題です。
私たち守る会は1人でも多くの人に
地域の現状を伝え、住民として何ができるのか、
何をすべきかを、一緒に考えるよう
これからも活動を進めていきたいと思っています。
ご清聴ありがとうございました。
県立柏原病院の小児科を守る会
代表 丹生裕子
参照:『県立柏原病院の小児科を守る会』
私の「県立柏原病院の小児科を守る会」に
対する評価は非常に高いです。
多分、私だけでなく、ほとんどの医師の評価は
高いと思いますね。
特に、現場で救急とか当直をやっている医師にとっては。
医者って、昼間も結構働いているけど。
昼に患者がたくさん来る分には、なんとかなるんですよ。
それと、夜でも重症患者が来る分には、頑張れるんです。
でも、時間外に軽症で患者が来られると。
「なんでこんな軽症で、時間外に来るんだ。」
って思うし。
どんなに軽症でも、夜中の2時3時とか、
朝の5時とかに患者が来たら、
医者は行かなきゃならないから。
睡眠が取れなくなるんですよ。
だから、
「時間外の救急外来の患者の数を1/4にした」
というこの結果について、
まず第一に評価します。
それと、軽症患者が少なくなったから。
重症患者、というか本来時間外で診るべき
患者の診察、治療に専念できる。
という状態に戻った、という事も嬉しいですね。
医者としたら。
夜中でも、重症患者が3人来たら、
それは大変で当直もほとんど眠れませんけど。
でも、それなりに治療したら、医者には満足感が残るし。
それは、しょうがないな、って思えるけど。
軽症患者がとぎれとぎれ、時間外に3人来て、
結局眠れなかった。
って事になれば、満足感も何も残らず、
ただ怒りというか、無駄な時間を潰して、
睡眠時間を削られた、っていう不満が残ります。
そういう意味で、軽症患者を減らした。
という点でも、評価できます。
そして、感謝の気持ち。
医者は患者を直したり、
患者さんに感謝の言葉を言って貰うと、
すごく嬉しくなります。
これをネット上に書くと、
「きれいごと」とか言われる事もあるんですが。
そもそも、こういう気持ちは、
医者だけでなく、誰でも同じだと思います。
例えば、コックさんや食堂の店主が、
おいしいものを作って、お客さんに「おいしい」
と言われるのが一番嬉しい。
新聞記者であれば、自分の書いた記事が
良い記事だ、素晴らしいと褒められたら、
すごく嬉しいでしょ。
医者だって、同じなんですよ。
患者さんに感謝してもらえたら、医者は嬉しいんですよ。
医者だから、患者を治すのが当たり前、
って思って要求がエスカレートしたら、
それはこっちだって、やりたくなくなりますよ。
そういう意味でも、医者に感謝してくれる
患者さんの数を増やしてくれた、
っていう意味でも評価します。
それと、患者にとって、どんな症状だったら、
どういう事を家でやって、それでこいう状態なら
救急車を呼んだり病院に来ても良いんだよ。
っていうのを、表にして、具体的に書いて、
お母さん達に配っているのも良いですね。
こういう、患者というかお母さん達の事を
考えたやり方、っていうのは我々医療者には、
なかなかできないので。
患者さんの側からやっていただいた、という事で、
実際に患者が減ったのだと思います。
ただ、心配だから病院に来る、っていうのはやめて、
って言っても難しいですからね。
以前にもこのブログで書いた事だけど。
病院に来る患者さんって、時間外でもなんでも、
悪意があって来ているのではなく。
「心配だから病院に来る」んですよ、ほとんどは。
でも、医者からみたら、こんな軽症で
時間外に病院に来て、って思うので。
そこにはギャップがあるんですよ。
患者さん(患者の親)の心配を取る事ができれば、
それは病院に来て医者に診てもらえなくても良いので。
こういった冊子を作って、地元の人に広めて、
それを見てから病院に来て貰う。
っていう事は、非常に重要だと思います。
患者さんや患者の家族とかでも、
心配ないっていう事がわかれば、
わざわざ手間も時間もかけて病院に来るよりも
そっちの方が良いですよね。
そんなわけで、大きく4点。
全てについて、私の評価は高いし、
減点する点は今の所見つかりませんので、
当然の事ながら総合評価は非常に高いです。
足立信也参院議員もこう言っていました。
「丹生さん素敵なお話をありがとうございます。
4月12日というのは実は私がメスを置いた日。
現場にいた人間として反省すべきは反省し、
でもこれから新しい医療の形を
作っていかなければならないと思っている。
医療提供者というのは一方的に提供側ではなく、
自分が患者になったり家族が患者に
なったりもしているので、実は両方の気持ちが
分かるのは提供者側。
逡巡している時間はない。
この一刻も壊れていこうとしている。
作り上げていかないといけない」
こういう活動が丹波だけでなく、
全国に広がっていけば、
日本の医療も崩壊しなくて済むかもしれませんね。
ちなみに、4/20は、
「県立柏原病院の小児科を守る会」発足記念日。
ちょうど一周年だそうですよ。
医者のホンネが知りたい人は、こちらから!
→ 『医者のホンネが丸わかり!(改)』
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数ヶ月前まで、「たらい回し」という言葉が
はやっていましたよね。
救急車で患者を病院に運ぼうとしても、
患者を受け入れる事ができる病院が少ない、
という問題ですね、これ。
まあ、最近はまともなメディアは「たらい回し」
という言葉は使われなくなりましたけどね。
「患者受け入れ不能」とか、「患者受け入れ困難」
とか、そういう言葉が正しいと思います。
ちなみに、厚生労働省が使っているのは、
「電話での転送依頼」ですね。
そのまんまですけど、確かに正確な記述ですわ。
この「たらい回し」、「患者受け入れ不能」、
「救急車からの電話での転送依頼」
の原因として、大きいのが、
ベッドが満床、医者が処置中、専門医がいない。
この3つです。
医者が処置中というのは、
単純に医師の数が少ないという問題。
それに加えて、時間外の患者、
救急車を使って来る患者の数が増えた、
っていうのが原因です。
専門医がいない、っていうのは、
医療訴訟が増えたという事と、
患者側の要求が高まったから、
というのが原因です。
専門医がいないのに患者を受け入れて
適切な治療ができなかったら困るから。
だから患者を受けるのを控えよう、
というように医療者側が考えて、
医師や病院が患者を受け入れる事が
できなくなったんです。
それと、ベッドが満床という問題。
これは、単純に国全体のベッド数が足りないのが
問題かって言われると、そうではありません。
それに関して、詳しく書いてある記事を見つけたので、
ここでも紹介しますね。
ネタ元は、「勤務医 開業つれづれ日記・2」の
『■”ふん詰まり”満床 「救急受け入れ「ベッドがない」(1)
~特集・救急医療現場の悲鳴」』
です。
いつもお世話になっております。
本文の前に、応援もよろしくね!
救急受け入れ「ベッドがない」(1)
~特集・救急医療現場の悲鳴
療養病床削減の影響により、救命センターで
患者を受け入れられない事態が起きている。
国が医療費抑制のために進めている
療養病床削減が、受け入れ不能などに混迷する
今の救急医療現場に与えている影響とは何なのか。
市民の命を支える救命救急センターや二次救急、
救急隊に何が起きているのか。
被災経験が教える地域の在り方とは―。
きょうから4回シリーズで、救急医療現場の
実態について特集します。
(熊田梨恵)
■療養病床削減が救命センターからベッドを消す
人口93万人の新潟医療圏を支える
救急医療の最後のとりで、新潟市民病院(660床)。
救命救急・循環器病・脳卒中センターや
周産期母子総合医療センターを備え、
年間約1万6,000件の救急患者を受け入れる
三次救急医療機関だ。
同院の広瀬保夫救命救急センター副部長は
「患者を診たいのに、ベッドがないから
新しい救急患者を受け入れられない」と、
苦渋の表情をにじませた。
橋本幸平さん(78歳、仮名)は、
平均在院日数が14.1日(2007年10月現在)の
同院に、2年以上入院している。
橋本さんは道路を横断中に車にはねられ、
同院に搬送されて一命を取り留めたものの、
頸椎(けいつい)を骨折して寝たきりの状態になった。
気管切開して人工呼吸器を使用、
経管栄養となり医療区分は最重度の状態だ。
橋本さんは住所がなく、唯一の家族である
息子とも関係は断絶状態。
未収金などのリスクが懸念され、
受け入れ先がいまだに見つからない。
「40日や50日入院している患者も最近は多い」
と、広瀬医師は漏らす。
「今まで転院先になっていた療養型の病院が、
受け入れてくれなくなった」と、
医療ソーシャルワーカーの星龍実さんは話す。
これまで同院で急性期の治療を終えた
患者の受け皿となってきた病院が、
相次いで病棟閉鎖や病床削減に追い込まれたり、
介護保険適用の施設に転換したりしたため、
同院のベッドは受け入れ先の決まらない
患者で埋まるようになってきた。
新潟県内の療養病床は5,378床
(医療型3,068床、介護型2,310床、
08年4月1日現在)で、
5年前に比べ131床減っている。
背景には、国が進める療養病床削減政策がある。
国は年間1兆円ずつ膨張する医療費を
抑制するため、受け入れ先がないために
入院が長期化するなどのいわゆる
「社会的入院」の多い療養病床を
削減する方針を打ち出しており、
12年度末までに現在36万床ある
療養病床を20万床までに削減し、
介護型は全廃する考えだ。
このため、06年度の診療報酬改定で、
医療依存度やADLで入院基本料に
差をつける療養病棟入院基本料を創設。
医療依存度の低い患者を介護保険施設などに
移らせるため、中心静脈栄養(IVH)など
最も重度の患者と軽度の患者とで、
診療報酬に約1,000点の差をつけた。
このため、経営が悪化して病床の転換や
閉鎖を迫られる施設が相次ぎ、
残る療養病床も医療区分の低い患者では
受け入れない施設が増えている。
現在では、診療報酬の低い軽度の患者では
受け入れ先がほとんどないのが実情だ。
回復期リハビリテーション病棟も
診療報酬改定が影響して、在宅復帰の
見込みが少ない患者の受け入れには消極的だ。
療養病床が老健に転換してベッド数自体が
確保されていたとしても、老健での日常的な医療は
介護保険施設サービス費に包括されるため、
投薬が減ったり、医療依存度の高い人を
敬遠したりするなどの問題も指摘され、
「療養病床でなければ、慢性期を担うのは難しい」
との声が現場から上がっている。
こうした状況から、同院に救急搬送された患者が
急性期治療を終え、一般病棟に移っても、
慢性期の受け入れ先がないために
入院が長引く患者が増え、新しい救急患者を
受け入れられない状況が常態化している。
1999年は3.8日だった救命救急センターの
平均在院日数も、今では約1日延びた。
このため、最後のとりでの三次救急である同院も、
救急隊の受け入れ要請を「満床」を理由に
断らざるを得ないことが近年増えてきた。
「患者を診たくても、受け入れられないのが
われわれの最大のストレス。
せめてベッドの回転が良くなる仕組みがあれば」
と、広瀬医師は訴える。
特に橋本さんのように、住所不定で無収入のほか、
老老介護や独り暮らしなど、在宅復帰や
家族との関係が難しいケースでは、
受け入れ側が難色を示す。
広瀬医師は「高齢化とともにそういう人が
増えているので、なおさら受け入れ先を
探すのが難しいが、救急で運ばれてきた
患者は断れない」と話す。
入院中に成年後見制度を利用するケースが
昨年は3回あるなど、搬送患者の
福祉的な支援のため、入院期間が延びることもある。
広瀬医師も「今後、団塊世代が高齢化すると、
大量の医療・介護難民が出るのではないか」
と懸念する。
こうした状況は、新潟にとどまらない。
東京では療養病床が足りないため、
近隣の県