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< 全国医師連盟、総決起集会参加 | メイン | 医療崩壊、対症療法じゃ駄目だ >
1/13の「全国医師連盟」の総決起集会で、
小松秀樹先生が反対、って言っていた、
「医療安全査委員会(医療事故調)の第二次試案」。
これについては、私も以前、
このブログで取り上げていますけど。
やはり、中身を知ると、ほとんどの医師は、
この「医療事故調、第二次試案」には反対のようですね。
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医師の中でも、国会議員の方達に、
「医療事故調反対」のメールを送っている人もいるようです。
実は私は「医療安全査委員会(医療事故調)」そのものには、
賛成の立場なんですよ。
他の医師がどう思っているのか知りませんので、
私が医師の中では特殊なのかもしれませんけどね。
私は、「医療安全査委員会(医療事故調)」自体には賛成です。
ただ、勘違いして欲しくないのは、
今の厚労省や自民党が考えている(厳密には違う物ですが)
「医療安全査委員会(医療事故調)」の「第二次試案」
には反対です。
最近、「医療崩壊」って言葉は、マスコミでも
良く話題になっていますよね。
私は「医療崩壊」ではなく敢えて「医療破壊」
っていう言葉を使っていますけどね。
まあ、似たようなもんです。
日本の医療崩壊(医療破壊)の一番大きな原因は、
医師不足と医療費不足ですけど。
それ以外の原因として、医師の過労、医療訴訟とか、
患者のモラル低下とか、そういう要因があります。
医師の過労っていうのは、医師の数が少ない、
っていうのが一番の原因なので。
医師不足と分ける事が正しいかどうかは、
わかりませんけどね。
そんで、マスコミとかでも「医療訴訟」の話題も、
ここ数年、ものすごく多いです。
民事訴訟の場合は、誰もが訴訟を起こす権利を
持っていますから。
医療訴訟の場合だけ、それを禁止する、
って事は不可能なんですけど。
医師の側から見たら、医療ミスではない。
病気で患者が亡くなったり、合併症で亡くなったのに、
「医療ミスだ」って言って、マスコミが大きく報道する。
そして、医療訴訟でも判決を言い渡すのは、
医療に関しては素人の裁判官だから。
医者から見たら、「どう考えてもおかしいだろ」
っていう、いわゆる「とんでも判決」が出されて、
何千万円とか、何億円とかっていう
法外な賠償金を医師個人が払わされる。
そういう事が、何回もあって。
医療の萎縮が起こっているんですよ、現在の日本では。
別名「防衛医療」とも言います。
そもそも、人間の死亡率は100%なんですよ。
長生きの人は、今だったら100歳まで生きるけど。
150歳まで生きる人はいないんですよ、絶対。
もっと早く、人間は間違いなく死ぬんです。
それは、誰もが認める所です。
そして、人間は病気になります。
病気になって、死ぬんです。
もちろん、事故でも死にますけどね。
病気になった患者が、病院に来た瞬間、
死亡率が0%って事は、あり得ないんですよ。
文章にしたら、当たり前の事なんですけど。
残念ながら、それを理解している人が少なくなった、
としか思えません。
例えば)
重い病気になった人がいて、
死亡率は、このまま治療をしなかったら90%。
すぐに病院に来て、専門ではない医者が
治療をしたら、死亡率は70%。
すぐに設備の整った病院に来て、
専門医が適切な治療を行ったら死亡率は50%。
こういう患者がいたとします。
今までだったら、何も考えず医師はこの患者を
治療していたんですよ。
専門が違ってもね。
何もしないよりは、専門が違っても
治療をした方が、助かる可能性が高いですから。
まあ、今でも目の前の患者がそういう状況だったら、
何も考えず体が動いているとは思いますがね。
そいで、医師が一生懸命治療しても、
専門医でなくて、設備が整っていない病院であれば、
死亡率は70%だから。
7割の患者は、死ぬんですよ。
残念な事なんですけど、それは事実です。
でも、放っておいたら、10人のうち9人が死ぬのに、
専門家ではない医師でも治療したら、
10人のうち死ぬのは7人になるんだから。
10人のうちの2人は助けた、って事になるんですよ。
でも、病気のせいで患者が亡くなって、
医師は一生懸命に治療したのに、
「医者のせいで、患者が亡くなったんだ。
医療ミスだ、賠償金よこせ。」
って事を言われるようになったんです。
今の日本では。
ただ、遺族が一時的に感情的になって、
そう言うだけならまだましなんだけど。
そんな、難癖つけるような医療訴訟が起きて、
それで実際に医師が賠償金を払う場合があるんです。
お金だけで済むなら、まだましかもしれませんけど。
刑事事件で、逮捕される事まであるんですよ。
そしたら、
自分が治療をしたら、死亡率70%、
そのまま治療しなかったら、死亡率90%。
こういう患者がいたら、
もっと設備の整った施設で治療をしてもらう。
っていう選択肢が出てきても不思議はありません。
専門医のいる設備の整った病院に、その患者が
搬送されるまでに、どのくらいかかるかわかりませんけど。
仮に「すぐに」大病院に行けば、死亡率50%なんだから。
それを選ぶ事は、悪い選択肢ではありません。
専門ではない医師が、すぐに治療したら死亡率は70%でも、
専門家がしばらくして治療したら、死亡率80%。
って事も、実際はたくさんあります。
もっと時間が経てば、死亡率は更に上がります。
「一刻も早く」治療を始める、って事が、
何よりも大事な事もありますからね。
心肺停止とか、そういう時は特にそうです。
専門医ではないけど、この病院ですぐに
その患者を受け入れたら、死亡率は70%。
でも、どんどん時間が経てば、死亡率が上がる、
ってわかっていたら、今までだったら、
専門医ではなくても、患者を受け入れていたんです。
でも、今だったら。
救急車から、そういう重症の患者がいる、
って事で連絡が来て。
患者を助けようと思って、すぐにその患者を受け入れたら、
「専門医だったら、50%は助かったはずなのに、
医者が悪かったから患者が死んだんだ。」
って訴えられる事もあるんですよ。
そういう事があるから、「専門医がいないから、
救急車の患者を受け入れられない」
っていう場合があるんですよ、たくさん。
「たらい回し」、「受け入れ拒否」って言葉は、
不適切なので大嫌いですけど。
「専門医がいないので、患者を受け入れる事はできません」
っていう事が増えています。
もちろん、医療費削減政策で、ベッドを満床に
近くしていなきゃ、病院が赤字になるから、
受け入れる為のベッドが足りない、とか。
医師数削減政策のせいで、手が空いている
医師がいない、って事も多いですけどね。
今のは、あくまでも例え話ですけど。
「医療訴訟」の問題がクリアできれば、
医師の側も、医療がしやすいし。
もちろん、患者の方もこの場合のような患者なら、
死亡率が下がるんだから。
患者の側にとっても、メリットは大きいですよね。
でも、民事訴訟そのものを、制限する。
って事は、不可能ですから。
だったら、素人の裁判官ではなく、
専門の医師が、その治療が適切だったかを
判断してくれる組織を作る。
という事ができれば、医師の側も、
萎縮しないで治療ができる。
もし、医療事故が起きた場合でも、
専門家がきちんと原因を調べてくれて、
その対策を取る事によって、今後は
同様の医療事故が起きる確率が減る。
という事であれば、医師にとっても、
患者にとっても、良い事ですから。
そういう、「専門家が医療事故を調査するような委員会」
を作る事自体には、私は賛成です。
ただ、今出来つつある「医療安全査委員会
(医療事故調)の第二次試案」っていうのは。
私が考えている物とは、全く別の物です。
こういう調査委員会を作る一番の目的は、
「同様の事故を二度と起こさない」って事ですから。
一番大切なのは、
「何が起こったのかを、正しく把握する」っていう事です。
原因を正しく把握しなければ、対策は練れませんからね。
その為には、その場にいた、医師とか看護師など、
当事者から事実を聞く、って事が大事です。
人間の体、病気っていうのは、千差万別ですから。
完璧な治療、100点満点の医療っていうのは、
存在しないんですよ、残念ながら。
後から考えたら、100点満点ではなくって80点。
そういう治療ばかりなんですよ。
でも、60点以上が合格点だとして、
80点の治療なら、合格でしょ。
だけど、80点って事は、20点減点って事だから。
100点満点じゃないから、医療ミスだ。
って事で、医療訴訟になるかもしれない。
そういう事になったら、真実を話さない、という事も起こりえます。
訴訟の場合、自分に都合の悪い事を話す必要はない、
っていう事は、憲法で保障された権利ですから。
それが悪い、って事ではないのですけど。
ま、厳密に言うと、
*憲法第38条1項 何人も、自己に不利益な供述を強要されない。
この「不利益な」とは、刑事訴訟において
有罪判決を受けるという意味に解されていますけどね。
でも、それやったら、
「真実を究明して」
っていう事ができなくなるんですよ。
なのに、「医療事故調、第二次試案」は、
調査を訴訟で使う場合もある。
って言っていますから。
「真実を究明する」という目的と反対になっちゃいます。
それ以外にも、
そもそも、医療事故が何か、って事の定義すら
あやふやなのに、届け出義務を課すとか。
第三者機関って言っているのに、当時者である
遺族の関係者を入れる、とか。
もう、めちゃくちゃなのですよ。
一説によれば、社会保険庁が解体されることによって
生じる余剰公務員の受け皿、又は、
年金官僚の受け皿であるとも言われていますしね。
そんな案には、私は大反対です。
それは、他の医師達と一緒です。
防衛医療、萎縮医療をなくすために。
専門家が医療ミスなのか、合併症とか病気のせいなのか、
きちんと判断してくれる。
医療事故が起きた場合、同じ様な事故が起こらないよう、
適切な解決策を見つける。
という事は、医師にとっても患者にとっても良い事なのですが、
今の制度では無理なので。
「医療安全査委員会(医療事故調)」のような、
組織を作る必要はあると思います。
ただ、今の時点で、対案が出ていないのに、
医療調査委員会(医療事故調=医療安全調査委員会)反対
って言っても、
「医師は自分が訴えられるのが嫌だから反対なんだろ」
って思われて、説得力がないかな。
って、個人的には思うし。
反対、反対。って言うだけなの、私は嫌いなので。
私はこの事で、議員の方達にメールを送る事はしていません。
ただ、考え方として、
>とにかく潰すことが目的です。
対案というか事故調査システム自体が拙速であり、
もっともっときちんとした議論がなされるべきなのです。
今の時点で対案がある必要は全く無いと思います。
もちろん対案があることにはこしたことは無いですが。
という意見や
>法案が不十分だから、とにかく今期での成立反対!
(反対しない行為は、賛成と同等にとられるのが、
残念ながら日本の風潮です。
「異議ありませんか?ありませんね。
では、賛成多数で法律成立」みたいな)
参加することに意義があります。
とか
>対案はあった方が理想的ですが、
そう簡単に作れれば誰も苦労しません。
また対案が無ければ「反対をしてはならない」
でもないと思います。
反対運動は出来てから潰すより、
出来る前に潰す方がまだ容易です。
可能性は高いとは言えませんが、
現時点では事故調に明らかな利権が
議員にあるとは思えませんから、
推進派議員も「選挙対策でそうせい」
と言われているだけのような気もします。
とくにリーダー役で旗振っている某議員なんて
その筆頭の様な気がします。
なんて意見もあるし。
それぞれ、なるほどな、とは思いますので。
一般の人でも、医師でも、「厚労省、自民党」の
「医療安全査委員会(医療事故調)の第二次試案」には反対。
という方で、賛同される方は、
議員の方達にメールしてみてはいかがでしょうか。
「全国医師連盟」のHPでも、署名や意見を募集しています。
→ 『全国医師連盟HP,医療安全調査委員会新設への意見』
議員のメーリングリストに関しては、
『産科医療のこれから』
を見てね!
ちなみに、私は「医療調査委員会
(医療事故調=医療安全調査委員会)」そのものには賛成。
の立場なんで、署名していませんけどねw
「医療調査委員会(医療事故調=医療安全調査委員会)」の
「第二次試案」には反対、って書いてくれれば良いのに。
私は、対案が出てから、どうするか決めます。
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→ 医療崩壊―「立ち去り型サボタージュ」とは何か
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コメント
コメント一覧
個人的には、後期高齢者医療制度反対、って言う方が、国民の受けは良いのに。
って思うんですよね、実は。
全国医師連盟も、そっちに絞った方が良いような気がするんですがねー。
家族からの難癖も心配です。
ちょっと、あまりにも酷いですよね、この案。
私のブログは、いっつもいろいろ考えてると、文章が長くなりすぎるのが欠点ですね。
これでも、かなり削ったのですが。
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