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勤務医9割、事務が重荷

Dr. I / 2008.01.06 23:31 / 推薦数 : 5

『医師(勤務医)の仕事』の記事で書いたように。
医者(勤務医の仕事っていうと、おおざっぱにこんな感じです。

勤務医の仕事

外来
入院患者の回診
検査
手術
当直
当番
書類書き
後輩医師の指導
医学の勉強
地域の学校への検診
往診
くだらない会議
看護学校、看護師等への教育

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患者を診察するとか、特殊な検査とか、
専門的な技術や知識がいる事は、
医者にしかできない仕事だから。
それを医者がやるのは当然なんですけど。

専門的な知識や技術も必要ない、医者じゃなくても
できる仕事っていうのがあるんですよね。
今は、医者勤務医がやっている仕事には。

その一つに、書類書きなどの、事務的な仕事があります。
書類っていっても、いろんな種類があるから。
医者にしか書けない物もあるんですよ。

例えば、どういう経過で入院して、どういう治療をした
とか。
そういうのは、治療をした医師以外が書くのは、
ちょっと難しいですよ。
そういう書類医師勤務医が書くのは、
しょうがないかな、って思います。

ただ、ほとんどの書類は、前回とほとんど同じ内容
それで、日付だけ違う
っていう書類なんですよ。

リハビリの書類とか。
生活保護の書類とか。
労災で慢性的に通院している人の書類とか。
介護保険の書類とか。

そういう書類は、前回書いた書類を出してもらって、
日付以外の部分は、前の書類を写して書く。
っていう事が多いんですよ、実際。
その中の書類9割くらいかな。

それだったら、医者以外の人間でもできるでしょ。
でも、残念ながら、今はほとんどの病院で、
そういうくだらない、同じ内容を書く仕事も、
医者勤務医でも開業医でも)が書いています。

そういう事務的な仕事が、ここ数年、
更に多くなっているような印象がありますけど。
そういう事思っているのは、私だけじゃないようですよ。
複数の医師からも、コメントいただいたし。
実は、新聞の記事にもなっていました。



勤務医9割、事務が重荷 
「医療事務員の導入急務」/全社連調査

病院勤務医の約9割は、本来の診察以外の
事務作業の多さに負担を感じていることが、
全国の社会保険病院の常勤医を対象にした調査で分かった。

中でも、大きな負担となっているのは、
診断書や紹介状などの書類作成、
電子カルテのデータ入力といった作業。

調査を行った全国社会保険協会連合会(東京)は、
医師が本来の業務に専念出来ずに疲弊している。
欧米などで導入されている医療クラーク(事務員)の活用など、
業務分担が急務だ」と指摘している。

調査は今年8月、全国52の社会保険病院のうち、
250床以上を中心とした31病院の
常勤医1406人にアンケート方式で行い、
931人から回答を得た。

4年前と今とで負担の増減を診療と
診療以外に分けて聞いたところ、「両方増加した」
と回答した人が58%に上った。
「診療以外の業務のみ増加」も合わせると、
診療以外の業務の負担増を感じている人
が約9割に達していることになる。

診療以外の業務を14種に分けて負担感を尋ねたところ、
「大変負担」「負担」とする回答が多いのは、
 〈1〉民間の医療保険書類の記入(70%)
 〈2〉薬や検査などを指示する伝票整理(61%)
 〈3〉診断書(60%)
 〈4〉他病院への紹介状(59%)
 〈5〉患者・家族への説明(54%)
の順だった。

医療保険書類や診断書は患者側から
作成を依頼されることが多い。

これらの業務のうち、
「事務職や看護師など、他職種に分担してもらえる」
という回答が7割を超えたのは、
 〈1〉伝票整理
 〈2〉検査や処置の予約
 〈3〉民間保険書類の記入など。

逆に、「すべて医師が行うべきだ」との回答が多かったのは、
カルテ記載や患者・家族への説明などだった。

本来医師の業務ではない業務がどの程度あるか聞いたところ、
約4割が「10~20%」と答えた。

自由回答欄では、
「最近、診断書や紹介状などの作成依頼が増加。
ささいなことまで説明書、承諾書などの書類が必要になった」
「IT化でコンピューター入力業務が増え、
予約まで医師が取っている」
などの意見が多く聞かれた。
             

 〈医療クラーク
医師の仕事を補助する事務職員で、
医師が診察に専念できるようにするのが役目。
国家資格はないが、一定の医療知識や
事務処理能力が求められる。
欧米の病院では一般的だが、
日本で導入している病院はまだ少ない。
国は来年度から医療クラーク制度を導入する方針で、
診療報酬改定で人件費がつく見通し。

参照:2007年12月27日、読売新聞、夕刊



やっぱ、私やコメントしてくれた医師だけでなく、
勤務医9割は、事務仕事が負担だそうですよ。

書類っていっても、例えば患者の紹介状
これは、患者がどういう病気で、どういう理由で紹介したい
とか、そういう内容なので。
これは、医者以外の人間が書くのは難しいでしょうけど。

ただ、前の書類を写すだけとか。
保険会社の診断書
でも、最初のやつを書くのは
医者以外では無理でしょうけど。
何枚も、同じ様な書類を持ってきた人がいたら、
2枚目以降は、同じ事書けば良いだけですからね。

こういう書類とかを、医療秘書〈医療クラーク
やってもらえると非常にありがたいですね。
9割くらいは、そのまま使えますから。
オーケーなら、医師はそれにサインだけで済むし。
残りの1割は、微調整というか修正すれば良いのですよ。
最初から全部医者が書く手間に比べたら、
はるかに医者の手間が少なくなりますよ。


今でも、先進的な民間病院では、医療秘書〈医療クラーク
を取り入れている病院ってありますから。
これから、日本でも民間病院だけでなく、
公立病院とかでも取り入れていくべきだと思いますよ。


ちなみに、アメリカ人口当たりの医師は、
日本の約2倍いるんですけど。
病院に勤めている医療関係者は、
日本の10倍くらいいるんですよ。

医療秘書(医療クラークはもちろん、
患者搬送を専門に行う人とか。
朝から晩まで、点滴のルートを取っている人とか。
患者や家族に病気や病状、合併症の説明をする人とか。

そういう、いろんな専門家がいます。

患者っていうのは、病気の人ですから。
搬送する時に、何かがあるかもしれないので。
ただの助手さんとか、何の資格もない人だけだと、
ちょっと不安ですけど。

アメリカの患者搬送係は、救命士の資格持っていますからね。
あんまり細かい事は、私も知りませんけど。
日本でも、BLSとか、心肺蘇生法とかそういう訓練をした、
専門の患者搬送係とかがいると、非常に助かると思いますよ。



地方自治体病院事務員が余っている所が多いので。
新たに外部委託をして、医療秘書(医療クラーク
雇うのではなく、余っている事務員
医療秘書(医療クラークとして使ったら、
人件費削減にもなって良いと思うんですけどねー。


アメリカの医療に関しては、この本に詳しく書いていますよ!
→ 誰が日本の医療を殺すのか―「医療崩壊」の知られざる真実
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