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救急の輪番、8割が厳しい

Dr. I / 2008.01.30 21:26 / 推薦数 : 9

日本の医療崩壊の最先端は、産科、小児科、救急だ。
って話は、このブログでも何回も書いていますが。
公明党が全国の病院に対して行った調査でも、
救急の現場が相当厳しい事が明らかになりましたね。

Yahooのトップページに出ていましたよ。

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救急の輪番、8割が「厳しい」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080130-00000002-cbn-soci

救急スタッフの勤務ローテーションの状況
救急医療体制の整備が求められている中、
救急スタッフの勤務ローテーションの状況について
8割以上の病院が「厳しい」と感じていることが
1月30日までに、公明党の調査で明らかになった。

また、救急医療病院経営にとって
「重荷である」と回答した病院
約7割に上ことなども分かり、
救急医療の厳しい実態が浮き彫りになった。

調査は、公明党の「救急医療対策推進本部」
(総合本部長=木庭健太郎参議院)が
救急医療の実態を把握するため、
入院が必要な患者を受け入れる全国の二次救急病院
1、140を対象に昨年11月から12月にかけて実施。

結果によると、救急当番に毎日就いている勤務医は
54.2%、週に数日就いているのは38.1%だった。

また、不足しているスタッフを尋ねたところ、
病院の75.9%で医師が足りず、
看護師についても62.5%が不足と回答。
医師については10人~15人不足しているとした病院
14.1%にも上った。

これに伴い、救急スタッフの勤務ローテーションに
関する質問では、57.0%が「厳しい」、
27.4%が「極めて厳しい」と答えたほか、
66.0%の病院病院経営の視点からも救急医療
「重荷である」と感じているなど、
現場の厳しい実態が明らかになった。

このような状況の中、救急医療向上のために
必要なこととして、「診療報酬の引き上げ」81.3%、
医療スタッフ不足の解消」75.5%、
「公的支援の強化」66.3%などが挙がった。

その一方で、病院の33.6%が空きベッド情報を
消防に提供するシステムがないことも露呈。

調査と同時期に医師会や消防本部などの
関係団体を対象に行ったヒアリングでは、
「空きベッド数をリアルタイムに
チェックできるようなシステムが必要」
「消防署として医療機関の受け入れは把握が不十分」
などの基盤整備を求める声があった。

公明党は昨年11月、診察の可否や手術準備の
有無に関する表示システムを持つ
救急中央情報センター(仮称)」の創設などを
盛り込んだ要望書を舛添要一厚生労働大臣と
増田寛也総務大臣宛てに提出。

さらに、今通常国会中には、自民党と協議した上、
救急医療対策推進法(仮称)」の法案提出を目指している。


『2007年1月30日:yahooニュース』


私も、今までずーっと救急のある病院で働いていますけど。
やっぱり、かなり厳しいと思いますよ。

老人病院とかで働いている人以外は、ほとんどの医師が、
そう思っているんじゃないですかねー。


救急外来っていうのは、
「入院が必要な重症患者は、時間外でも特別に診る」
っていうのが本来の主旨です。

コンビニみたいに、店員が交代制で
働いているわけではないのですから。

夜でも明け方でも、病気は起こりうる。
そういう時間に、命に関わる事があったら大変だから、
特別に重症の患者は診ても良いですよ。
っていうのが、時間外の救急ですよ。

でも、一部か多くかわかんないけど。
患者が勘違いして、病院は夜も開いているもんだと思って、
時間外にも軽症患者が押し寄せて来て、
病院や勤務医は大変なんですよ。

もちろん、看護師なんかのスタッフもです。

だから、軽症患者に対する一定のアクセス制限は必要だ、
って個人的には思います。

そこら辺の詳しい話は、この記事
『時間外重症患者割引制度』に書いたので、見て頂くとして。


これは、あくまで「病院」に送ったアンケートだから。
多分、答えたのは事務長とか、事務員なんですよ。
医師ではありません。

実際に働いていない事務員ですら、

救急の輪番、8割が「厳しい」

っていうのが現状です。

現場で実際に働いている医師だったら、
もっと高い割合でしょう。

それと、病院に送ったアンケートだから。
経営的に厳しいか、って事も入っています。

>66.0%の病院病院経営の視点からも救急医療
 「重荷である」と感じている


当たり前ですね。

救急外来をやるって事は、
患者10人来ても、1人も来なくても
医師や看護師、技師などのスタッフを
一日中朝まで病院に拘束
するんですから。

当然、それだけの人件費がかかります。
それ以外に、光熱費とかもかかります。

お金は間違いなくかかるけど、
収入はいくら入るかわからない。

診療報酬でも、時間外に来た外来患者の料金が
すごく高いってわけではないですから。
やればやるほど赤字、っていう病院も多いんですよ。


その事に関しては、非常に良い記事だと思います。

しかし、この結論はなんなんでしょうか。

>調査と同時期に医師会や消防本部などの
関係団体を対象に行ったヒアリングでは、
「空きベッド数をリアルタイムに
チェックできるようなシステムが必要」
「消防署として医療機関の受け入れは把握が不十分」
などの基盤整備を求める声があった。

公明党は昨年11月、診察の可否や手術準備の
有無に関する表示システムを持つ
救急中央情報センター(仮称)」の創設などを
盛り込んだ要望書を舛添要一厚生労働大臣と
増田寛也総務大臣宛てに提出。

さらに、今通常国会中には、自民党と協議した上、
救急医療対策推進法(仮称)」の法案提出を目指している。



アンケートとは直接関係ない人の意見を書いて。
そして、だから公明党がこういう法案を出しました。
って。
全く、アンケートの意味がないんですが。

そもそも、救急患者を受け入れられない原因は、
病院側のシステムだけではない
んですよ。

医師の数が足りない。
診療報酬が不当に安いから
、ベッドを満床に
近くしないと病院が赤字になるから。
だから、満床で患者を受け入れる事ができない。

っていう原因の方が大きいんですが。


Yosyan先生が例えていた例がわかりやすいんで、
引用させて貰いますけど。

部屋が狭くて、物を収納できない。
だから、収納名人を連れてくる。
っていうのが、コーディネーターを置いたり、
空きベッドがリアルタイムにわかるシステムを作る。
って事です。

それ自体は悪い事ではないんですけど。
そもそも、部屋が狭いんだから。
どんなに収納を工夫したって、限界があるんですよ。

限界を超えたら、部屋を広くするしか
方法がない
んですよ。

以前にも言っていた、原因に対する治療ではなく、
対症療法を行っても、病気は治らない。

って事と似ていますね。

公明党がアンケートを吟味した素晴らしい法案を出しました、
っていう記事が書きたいのかもしれませんけど。

そもそも、このアンケートと今回の公明党の案は、
全然関係ありませんねー。

>救急スタッフの勤務ローテーションの状況について
 8割以上の病院が「厳しい」と感じている


これって、医師看護師の数が足りないから
ローテーションが厳しいって事なんじゃないですか。


>不足しているスタッフを尋ねたところ、
 病院の75.9%で医師が足りず、
 看護師についても62.5%が不足と回答。


って言っているんでしょ。

だったら、医師の数を増やす。
看護師の数を増やす。
っていう法案
を出して下さいよ、公明党は。


救急医療の現場が大変だ、って事を書いてくれた
のはありがたいんですけどねー。


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主治医が見つかる診療所2

Dr. I / 2008.01.26 23:28 / 推薦数 : 7

2008年1月7日、午後七時からテレビ東京で放送された、
主治医が見つかる診療所」って番組を見ました。

随分時間が経ってしまいましたが。
『主治医が見つかる診療所1』の記事の続きです。

主治医が見つかる診療所』のHPはこれっすね。
『主治医が見つかる診療所』

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2008年1月7日,「主治医が見つかる診療所
番組内容のダイジェスト2



主治医制度(GP制度)の話の後、デーブスペクターが
「神の手を持つ男」脳外科医福島孝徳先生に質問して。
アメリカの医療の話をするんだけど。


「神の手を持つ男」脳外科医福島孝徳先生が、
日本の大学の医師月給10万―30万円
日本の勤務医の待遇は最低
韓国や中国よりも給料は低い。
日本の医師の待遇をもっと良くすべきだ
って話をしてくれたのは良かったですね。

ただ福島孝徳先生は、日本の医師数自体は足りている
って話を根拠なくしていたのが残念でしたね。

脳外科医の数は

アメリカ  3800人
ドイツ   1500人
フランス   400人
ノルゥエー   50人
イギリス   120人
日本    7000人


だから、日本は多すぎる。
っていう話をしてましたけど。

まあ、日本の脳外科医が、他の国より多い。
っていう話は、私も1年以上前にしてますけど。

ちなみに、その時に書いた記事は、これ。
『新人脳外科医2割減少』

他の国のように、脳外科医が脳の手術ばっかり
特化してやっている訳ではないんで。
日本の場合。

それ以上に、全体の医師を比べないと。
脳外科医の数だけみて、日本全体の医師の数が不足してない
っていう根拠にはならないんですよ。

それに関しては、「ゴッドハンド」脳外科医、上山博康先生
人口当たりの医師数では、日本は先進国最低だ
っていうデーターを出して。
いい加減な事言わないでって、怒っていましたよ。


まあ、その後に福島孝徳先生が言っていた、
「大病院に患者が行くっていうバランスが悪いんだ。
システムを法制化するより、患者の指導が悪いんだ。」

っていう、良い話もしていましたけどね。


序盤の番組の結論として、

「日本医療の長所 フリーアクセスを守るために、
私たち患者の意識改革が必要」


っていう事で、まとまっていました。

すごくまともな結論を出していますね。
今まで、医師叩きばっかして、医者や病院のせいに
ばっかりしてきたのに。
かなりの進歩が見られるようです



「神の手を持つ男」脳外科医福島孝徳先生の提言。

人間の人生で大事なのは、金、名誉、地位ではなく。
健康である。
日本の医療の一番の問題点は、
世界でも医療費が最も少ない事。

イギリスでは1990年代にサッチャーが、
政府の財源確保の為、医療費削減して大失敗。
現在の日本は、その頃のイギリスに似ている。

って話の後、VTRが流れます。


「ゆりかごから墓場まで。」といわれる
平等に提供されていた、医療サービス。
それを支えていたのは、NHS(ナショナルヘルスサービス)
と呼ばれる、国営の保険制度。
世界で最も優秀な医療システムとして、以前は支持されていた。

1980年代以降、財政赤字を立て直すために
医療費削減政策を進める。
医療崩壊がその後起こった。


問題1,

医師不足

低賃金で長時間の労働。
現場の医師のやる気が低下。
医師が条件の良い国外に流出。

イギリスの新規医師

1995年 1万1000人
2000年   8700人

にまで減少


問題2

入院待ち

医師不足の結果、入院待ち患者が100万人以上。
手術をするまでに、一年待ちが当たり前。
手術を待っている患者が死亡する事も。


問題3

医療事故

医師不足を補うため、過酷な労働となり医師は疲弊。
医療事故が年間84万件。


このブログでも良く出しているデーター。
日本の医療費は、先進国中最下位って表も出ていました。


医療費の国際比較(対GDP比)
2007年、OECDヘルスデーター

アメリカ     15.3%
フランス     11.1%
ドイツ      10.7%
カナダ       9.8%
イタリア      9.0%
イギリス      8.3%
日本        8.0%



いろんな所で、病院が閉鎖。
医師も足りない。
現実に日本で起きている事と同じ。

イギリスは医療だけでなく、他の分野に
市場原理を導入して失敗だったから。
日本も同じ徹を踏みつつある。
だから、それを直さないといけない。

って話を、自民党の平沢議員がしていましたけど。

全く、そんな気配はないんですがねー。
多分、今の自民党の政権では無理でしょう。


そいで、その後にまた、
「神の手を持つ男」脳外科医福島孝徳先生の話

医療費の削減は、医療の質の低下と
医療従事者の困窮をもたらす。
ひいては、患者さんがみんな困る。
だから、医療費は維持していなきゃいけない。
今の厚労省のシステムでは、日本の病院は
全て破産する。

ブレアになってから、医療費を50%上げた。
イギリスの医療が見事復活した。
だから、私はブレアを尊敬している。
日本の医療の問題は、医療費が先進国で一番低い事。



医療費の話は良いのですけど。
ブレアは医師数も50%増やす、って言ってるんだけど。
医療費を上げる医師の数を増やす
っていう事を両方やって、イギリス医療
なんとかまし
になったんですが。
ここでも、医師の数は無視ですか。

医師数の事以外は、良い事言うんだけどなー。
福島孝徳先生
なんで、その話はしないんだろう。
VTRでも、イギリスの医師の数も減った
ってやっていたんだけどねー。


序盤から中盤までは、福島孝徳先生の独壇場でしたね。
内容も、日本の医師数は足りている
って根拠なく言っている以外は、かなり良かったです。

特に、日本の医療費は少ない。
日本では医師の待遇も最低だ

って事をきちんと言ってくれたのが良かったです。


長くなってしまいましたが、その後は、
後期高齢者制度について、「ゴッドハンド」上山博康先生
独壇場が続きます。

上山先生の話に関しては、m3とかでも、
多くの医師から絶賛されていたようですよ。


ゴッドハンドはいないけど。
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医師もワーキングプアになるかも

Dr. I / 2008.01.23 20:59 / 推薦数 : 7

医療崩壊」という言葉が、毎日のように
マスコミで報道されているようですが。
医療よりも先に崩壊した歯科医療の、
お寒い実態が明らかになりましたね。

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歯科医に広がるワーキングプア
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080123-00000002-cbn-soci

産科・小児科・救急医療を中心に「医療崩壊」が
各地で社会問題化する中、歯科医療
より危機的な状況にあえいでいる。

2000年以降の相次ぐ診療報酬のマイナス改定で
医療機関の経営が全体的に悪化したばかりでなく、
歯科では73項目にわたる保険点数が
20年間も据え置かれていることが影響している。

歯科医師や歯科技工士らに支払われる診療報酬は
先進国に比べ極めて低く、
歯科医師の5人に1人が年収300万円以下、
歯科技工士の3人に1人が200万円以下の
ワーキングプア状態に置かれているという。

歯科医療に対する患者の要望】
http://news.cabrain.net/article.do?newsId=14151

歯科の保険点数の据え置きについては、
小池晃・参議院議員(共産党)の質問主意書に対する
昨年12月の政府答弁で明らかになった。

答弁によると、1986年4月時点と
同じ保険点数だったのは73項目で、
エックス線画像診断・各種検査・フッ素塗布・
歯周治療・鋳造歯冠修復など、
ほとんどの歯科医療の基本的技術が含まれていた。

20年の間には消費者物価が1.5~2倍になり、
国民生活も様変わりしている。
にもかかわらず、歯科医療の根幹となる
保険診療の基本的技術料が変化していないことに関して、
小池氏は「20年間も(保険点数の)
引き上げが行われていないことは、
この間の物価・人件費の伸びなどと比べても、
明らかに均衡を欠く」と追及。

これに対し厚生労働省は「歯科診療報酬については、
物価、賃金等の動向、経営状況、医療保険財政の
状況等を総合的に勘案し、(中略)、
必要な事項については重点的に評価し、
適切に設定している」と答えている。

全国保険医団体連合会(保団連)によると、
かつては医療費全体の12%あった歯科医療費が
06年度は7.7%にまで下落。
歯科医師歯科技工士・歯科衛生士らに支払われる
診療報酬は先進国に比べ極めて低く抑えられている。

昨年10月に保団連主催で開かれた
「歯は命 歯科医療危機突破10.28決起集会」などでは、
歯科医師の5人に1人が年収300万円以下、
歯科技工士の3人に1人が200万円以下と報告。

保団連は「日曜日や深夜まで診療している
歯科が増えたのは、(開業時に医療機器等を
導入するために負った)借金を返すために
寝る時間を削って働かざるを得ない実態がある」
と訴えるなど、歯科医業の収支は、
歯科医師数の需給バランスの悪化も影響して、
全体的に悪化の一途をたどっている。

患者と歯科医療担当者で構成する
「保険で良い歯科医療を」全国連絡会の06年の調査では、
歯科医療に対する患者の要望は
「保険のきく範囲を広げてほしい」が00年調査より
8ポイント上回って約8割にも達している。

保団連は「新しい技術や安全性が確保されている
技術を速やかに保険導入すること、
臨床の実態に即したものを導入するよう
要求することは当然」と指摘。

「政府の歯科医療軽視政策のもとで、
患者・国民の要求に十分にこたえきれず、
歯科医師をはじめ歯科医療従事者が苦悩している。

先進国の中で日本は虫歯や歯周病の状況は最悪で、
長期にわたり改定が据え置かれた項目をはじめ、
歯科の診療報酬について適切な診療を
確保するための十分な評価が行われるべき」
と強調している。


『2008年1月23日:yahooニュース』


医療崩壊」ばっか、マスコミでは報道されてますけど。
歯科医療は、もう既に崩壊していたんですね。


>歯科医師の5人に1人が年収300万円以下

これ、普通に考えたら考えにくいかもしれませんが。
医者でも、いるんですよ、たくさん。

今のところ、常勤の医師もしくは開業医で、
年収300万円以下って人は、
ほとんどいないとは思いますが。

でも、今でも、医師の10人に1人とか、
それよりは少ないかもしれませんけど。
結構な数いるんですよ。


具体的には、大学院生研究生のように、
無給もしくは大学に薄給で雇われている医師です。


例えば、この間、私が参加した「全国医師連盟
このメンバーの構成比率を見ると。
「全国医師連盟HP」

会員構成(2007年12月10日現在)

平均年齢 42歳、
公立病院勤務医27%、
民間病院勤務医37%、
研究医14%、
開業医20%


この「研究医」っていうのが、そうです。
大学院生の場合は、年間五十数万円とか、
その位の授業料を払って、給料はゼロって事が多いです。

「全国医師連盟、総決起集会参加」
の記事に詳しく書いた事ですけど。

研究医っていうのは、大学病院で働く医師
って事です、ほとんどの場合は。

大学病院で働く医師の中でも、
助教(助手)、講師、準教授(助教授)、教授
っていう、いわゆる「スタッフ」と言われる、
大学から正式に雇われる人はほんのわずかで。

それ以外の研究生っていうのは、
大学で研究をする医師なんですけど。
正職員ではなく「日雇いの臨時職員」。
で、日給は数千円。
高いところでも、一万ちょっと。
もしくは、無給の大学院生ですね。

日雇いなので、土日の分は貰えないので。
大学病院からもらう給料ってのは、
税金や保険、年金込みで200万円に満たない位です。


研究もそこそこに、アルバイトに行けば、
もっとたくさんバイト代は貰いますけど。
一生懸命研究をしている医師や、
大学病院でたくさん患者を診て、
アルバイトに行く暇がない医師は、
今でも「ワーキングプア」並です。

全国医師連盟の会員のうち14%研究医ですから。
全員がワーキングプアって事はないと思いますが。
そのうちの何割かは、ワーキングプアなのかもしれませんね。
研究や臨床に熱心な医師であれば。

まあ、いくらなんでも5人に1人、
って事はないと思いますけどね。


>20年の間には消費者物価が1.5~2倍になり、
国民生活も様変わりしている。
にもかかわらず、歯科医療の根幹となる
保険診療の基本的技術料が変化していないことに関して、
小池氏は「20年間も(保険点数の)
引き上げが行われていないことは、
この間の物価・人件費の伸びなどと比べても、
明らかに均衡を欠く」


医療に関しては、20年とまではいかないですけど。
8年続けて、下がっていますね。
診療報酬は。

>診療報酬は先進国に比べ極めて低く抑えられている。

これは、医療でも全く同じです。

このまま、医療費抑制政策が続けば、
歯科医師のように医師ワーキングプア
になる人が続出するかもしれませんね。


歯科っていうのは、混合診療が可能なんですけど。
その影響もあるんでしょうねー。
以前、歯科医の先生からもらったコメントが、
将来の医師医療を見ているようだったので。

歯科医の先生から、「混合診療に関する私見」
の記事の時にもらったコメントを
引用させてもらいますよ。



歯科から~

混合診療が認められて久しい歯科医療者から、少々一言。

前レスで「歯科は混合診療が認められているのに、大丈夫だ。
医科だってそうだろう」のような意見もございましたし、
日々の診療の中で、保険と自費、そのメリットとデメリット、
金額などを日常的に説明していたりするわけですが
(別に全く他の保険治療と異なるリスクとかがなくとも。
つか、リスク高かったら金額負担の大きい自費は
かえって薦めないですね。
お金のことは度外視するほど希望の強い方でない限り)。

私的に、混合診療の一番のデメリットは、
「何時までたっても保険適用にならないっ!」
ということだと感じます。

この20年以上、歯科で新しく保険適用になった治療法、
多分ひとつもないですよ。
まあ、審美領域の話は、この際さておいて
(といっても今の世の中小臼歯までは
前装冠認めて欲しいですが・・・
保険だと銀歯になります(しかしものすごく目立つ)、
自費だったら白くできるんですが~」というのは辛い。

しかも、こっちの収入に違いができるわけでもない^^;)
インプラントとか、新しい(といっても自費では
10年以上使われてる)材料の認可すら
まったくないのが現状です。
これは機能的にも非常に異なってきます。

たとえば医科で混合診療が解禁になったら、
この先出てくる画期的な、もしくは有用な治療法が
保険認可されることはあるのだろうか、
と憂慮してしまいます。

それどころか風邪なども保険からはずす
という話すら出てきてる有様だというのに…
「早期発見・早期治療」のスローガンはどこにいったのでしょう。
歯科の検診すら、治療じゃないから
「自費」が原則な世の中です・・・。

混合診療がないからこそ、実効性が証明された
治療法があるのに使えないのはおかしい、
という認可への圧力になると思いますし、
それがなければ何時までたっても自費のまま、
経済力のない方には一生縁のない話で
終わってしまうとは思いませんか?



私は、現在のまま混合診療が解禁されたら、反対。
条件付き賛成の立場ですけど。
まあ、私がつける条件は、今混合診療解禁を
推進している人達には飲めない条件なので。
実質反対に近いのかもしれませんけど。

医療も、歯科医療のように、崩壊への道
ものすごい速度で進んでいるようですね。


2008年度の診療報酬改定で、開業医の再診料が
引き下げられそうですけど。
これは、開業医の5人に1人は「ワーキングプア
への第一歩かもしれませんね。


勤務医を続けたら、過労死。
開業医になったら、ワーキングプア


そんな日も近いのかもしれませんね。


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医療崩壊、対症療法じゃ駄目だ

Dr. I / 2008.01.21 00:36 / 推薦数 : 9

最近は、ほとんど毎日のように「医師不足」「医療崩壊」とか、
そういう話題がテレビでも新聞でも出てきますよね。
特に、日本の医療崩壊で著しいのは、
産科、小児科、救急です。
当然、産科医、小児科医、救急の医師は不足しています。

たらい回し」っていう言葉。
使い方が不適切なんで、大嫌いなんですけど。
この「たらい回し」でも、一番問題になっているのが
妊婦のたらい回し」ですよね。

日本の人口当たりの医師先進国中最下位です。
でも、ほんのわずかに、医師の数自体は増えているんですよ。

まあ、他の国々に比べたら、増え方が少ないので。
あと10数年したら、韓国やメキシコにも抜かれて、
先進国だけでなく、OECD(経済協力開発機構)30カ国中でも、
最下位
になりそうなんですけどね。

それでも、ほんのわずかですけど、医師の数自体は増えています
でも、産科医の数っていうのは、実数で減っているんですよ。
そして、それ以上にお産ができる病院の数は減っていますから

日本で最も医療崩壊が進んでいるのが、「産科」で、
医師不足が最も著明なのが「産科医」とも言えます。

更に、都会と比べたら、地方の医師不足、
産科医不足
は、もっと酷いです。

その日本で最も医療崩壊医師不足が顕著な
地方の産科医不足について、1/19に厚生労働大臣と市民(長野)、
そして『ある産婦人科医のひとりごと』の管理人先生なんかの
話し合いがもたれたようですね。

こちらに、その時の様子が載っていました。
『大臣と語る 希望と安心の国づくり』

そこから、新聞記事を引用させて貰いますね。
いつもお世話になっております。

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産科医増員へ追加対策 厚労相「次の手、首相と協議」

舛添厚生労働相は19日、長野県飯田市内で記者会見し、
産科医不足が深刻化している問題について、
「全国のどの地域でも産科医の不足が極めて深刻だ。
優先順位を付ければ、まず産科医対策だ。
来年度予算で医師不足対応の予算を倍増するが、
次の手が打てるかどうか首相、官房長官と協議したい」
と述べた。

政府は来年度予算案に産科のある病院への
財政支援などを盛り込んでおり、産科医の増員に
重点を置いた追加対策を検討する考えを表明したものだ。

その上で、厚労相は
「政府全体で、極論すれば『緊急事態だ』
という認識を持ってもらう」と強調した。

追加対策は、厚労省の有識者会議
「安心と希望の医療確保ビジョン」や、
福田首相主導で今月中にも開かれる
「社会保障に関する国民会議」などで議論される見通しだ。

厚労省の医療確保ビジョンは4月にも
産科医確保策など中長期的な目標をとりまとめる方針だ。

   
『読売新聞 2008年1月20日』



こちらは、NHKのニュースです。

医師不足で厚労相と懇談

舛添厚生労働大臣は、飯田市で、
地域医療をテーマにした国民との対話集会に出席し、
産科医師不足に対応するため、政府として
緊急の対策を検討したいという考えを示しました。

飯田市の市立病院では、産科医師が減ったため、
ほかの地域に住んでいる人や里帰りをして
出産する人の受け入れを、ことし4月から
原則として取りやめる方針です。

舛添厚生労働大臣はこうした地域が抱える
深刻な医師不足の問題についてみずから出向いて
住民と話し合おうと、19日、飯田市の市立病院を
視察した後、市民との対話集会に臨みました。

集会には市民など120人あまりが出席し、
舛添厚生労働大臣と「地域医療の充実」
をテーマに意見を交わしました。

出席した人からは、
「この地域で出産ができなくなったら、本当に悲しい」
といった不安の声が相次いだほか、病院関係者からも
医師が確保できないと病院はつぶれる。
医師の配置を、国はもっと真剣に考えるべきだ」
という意見が出されました。

これに対し舛添大臣は、
「国民の目線に立つことがいちばん大事なことだ
と認識している。
産科の医師不足については、対策のスピードを
上げる必要があり、政府全体として取り組む体制を
早急に考えたい」と述べ、
政府として緊急の対策を検討したいという考えを示しました。

(NHKニュース信州、2008年1月19日)




日本で医療崩壊が進んでいる原因は、
たくさんありますけど。
もっとも大きな原因は、医師の数が不足しているから、
って事と、医療費が不足しているから。

それらは、医師数削減政策、医療費削減政策
によるものだから、医療崩壊というよりは、
医療破壊という言葉の方が適していると、
個人的には思うのですけどね。

いずれにせよ、医師不足、医療費不足
日本の医療崩壊(医療破壊)の大きな原因です。


そして、その中でも最も弱いところである、
産科、小児科、救急では「目に見える形」で、
実際に弊害が起こっています。

それが、お産の制限とか、救急の患者をいろんな病院で
受け入れることが出来無くって、マスコミで言う
たらい回し」が起きているんです。



少し、話が逸れますけど。

病院に来る人(患者)っていうのは、
基本的にはなんか症状があって。
そいでよくわかんないけど
良くならないからって事で、病院に来るんですよ。

まあ、中には健康診断で異常がある、
って言われて来る人もいますけどね。

そういう人以外は、みんな「症状」があるんですよ。
なんらかの。


例えば、肺炎という病気。

肺炎っていう病気は、肺にばい菌が入って、
肺がやられてしまう病気です。

そして肺炎になると症状として、
が出たり、高熱が出るんです。
そして、もっと酷くなると、息が苦しくなります。


肺にばい菌が入った。
そしたら、人間の体ってばい菌を殺そうとして、
頑張るんですよ。
こういう感染防御機構のことを、
免疫って言います。

体の中にばい菌が入ってくると、
白血球(リンパ球、好中球)とか、いろんなサイトカイン
っていうのが頑張って。
ばい菌をやっつけてくれるんです。

そいで、ばい菌をやっつけたりするのには、
体温が高い方が、都合が良いんですよ


温度が高い方が、白血球とかサイトカイン
っていうやつは、良く働くんです。
だから、ばい菌がたくさんいればいるほど、
熱も高くなる場合が多いんです。

まあ、単純に比例はしませんけどね。


そして、人間の体は、ばい菌とかを殺した死骸を、
にして体の外に出そうとします。


っていうのは、気管支やのどが刺激された時
にも出るんですけどね。

皆さんも経験あるかもしれませんけど。
を出す時には、をした方が出しやすいんですよ。

そんな感じで、肺炎になった場合。
人間の体が、自分で肺炎を治そうとして
が出たり、が出るんですよ。

症状がある場合には、基本的には原因となる病気があって、
人間の体がそれを治そうとして「結果として
症状が出るって場合が多いんですよ。


肺炎だったら、咳、痰、高熱
そういった症状です。

重症の肺炎になれば、広範囲で肺がやられちゃうから。
十分に酸素を取り込むことができなくなって、
息が苦しくなる、って症状もでますけどね。

いずれにせよ、肺炎という「原因」があって、
咳、痰、熱、呼吸苦、っていう「症状」が出るんですよ。


熱が出たら、熱冷まし。
咳が出たら、咳止め。


こういう症状をとる治療の事を「対症療法」って言います。

まあ、高熱が出てつらい、とか。
が出てつらい、って事もあるので。
こういう治療が悪いって訳ではないのですけど。

対症療法しかしなかったら、病気は治りません。

人間の体には自然治癒力っていうのがあるから。
症状を和らげてあげて、人間の自然治癒力に任せる。
っていう方法もあるんですけど。

その話は、今はおいといて。
基本的には対症療法だけでは、病気は治りません。


肺炎であれば、肺にばい菌が入る病気なので。
そのばい菌を殺す治療をします。
これが、「病気の原因に対する治療」です。

具体的には、抗生物質っていう薬を使います。
そして、ばい菌やばい菌の死骸がから出るから、
そのを出しやすくする治療なんかもします。

また、高熱が続けば、汗もたくさんかくので、
水分も足りなくなるから。
水分を補充してあげたりもします。

酸素が足りないようであれば、酸素を流します。

そして、対症療法として、
咳を止める薬を使ったり、熱を下げたりします。


肺炎の治療っていうのは、そんな感じでやるんですけど。
決して、「対症療法だけ」では、良くならないんですよ。

熱が出たら、熱冷まし。
咳が出たら、咳止め。


これだけでは、駄目なんですよ。
病気の原因に対する治療」をしていないから。
肺に入ったばい菌を殺さないと、肺炎は治らないんですよ。

熱がものすごく高くなったら、熱冷ましの量を増やす。
普通の咳止めじゃ効かないから、
麻薬の咳止めを使いましょう。


でも、ばい菌を殺す抗生物質の治療はしません。

って事では、どんなに強い咳止めや熱冷ましを使っても、
肺炎っていう病気は治らない
んですよ。

最初に使った抗生物質が効かなかったら、
痰の培養っていうのをやって。
どの抗生物質が効くかの検査をして、
そのばい菌に効果がある抗生物質に変更する。

そういう「病気の原因に対する治療」っていうのを
行わないで、「対症療法」だけ行っていては、
肺炎という病気は治らないんです。


肺のばい菌を殺す、っていう「病気の原因に対する治療
を行って、その上で、咳を止めたり、熱を下げたりっていう
対症療法を行わないと、肺炎は治りません。



話は戻って。

日本の医療崩壊病気に例えると。

医師不足、医療費不足っていうのが病気の原因
お産や患者の制限、たらい回し(病院での患者受け入れ不可能)
っていうのが、症状のようなもんです。

日本の医療崩壊」という病気を治す為には、
医師の数を増やす、医療費を増やす
っていう事をしなければ、決して治りません。

病気の原因に対する治療です。

小手先の対症療法
産科医を増やすために、他の科の医師産科医にするとか、
救急患者に対応する為に、コーディネーターを置くとか。
そういうのが、駄目とは言いませんけど。

それだけでは、治らないんですよ。

他の科の医師産科医にしたら、
他の科の医師は不足しますよ。


産科医が足りない地方に、別の地域から産科医を呼べば、
また別の地域で産科医の数が足りなくなりますよ

コーディネーターを何人増やしたって、
患者を受け入れる病院やベッド、そしてそれを治療する
医師の数が足りなければ、何の解決にもなりませんよ。


今やっているのは、所詮、病気の原因に対する治療ではなく、
対症療法しかやってないので。
そんな事では、日本の医療崩壊という病気を
治す事は出来ないんですよ



医師不足対応の予算を倍増

これ一見、医療費を増やすように思いますけど。
日本の医療費っていうのは、30兆数兆円
日本の医療費を他の先進国並にするには、
あと10兆円くらい必要なんですよ。

医師不足対応の予算って、何十億円ですか。
そんな、はした金だけ倍にしたって、
必要な医療費の1%位にも満たないですよ。
そんな少ししかお金使わないで、治るわけないでしょ。

肺炎の治療の抗生物質を1/00だけ使いました。
そんなちんけな量で、ばい菌を殺せるわけないでしょ。
適正な量を使わないと、ばい菌は死なないから、
肺炎って病気は治らないんですよ。


医師の数を200人増やします。

って、日本の医師数を先進国並にするには、
最低でもあと12万人から14万人必要なんですよ。
200人ずつ医師を増やしたって、500年以上かかりますよ。

そんな小手先の対症療法だけしたって、駄目なんですよ。



悪いのは厚生労働省や大臣だけではありません。

>「医師が確保できないと病院はつぶれる。
 医師の配置を、国はもっと真剣に考えるべきだ」


これ、当事者である病院関係者の発言ですけど。
まあ、言っている事自体は間違ってはいないけど。

所詮、「医師の配置を換える」ってだけでは駄目なんですよ。
医師の数を増やさなければ。
他の地域とか、科の医師が不足するだけですから。


医師の数を増やすのは、すぐには無理だから。
とりあえず出来ることを、って事で
言っているのかもしれませんけどね。

対症療法だけでは、治らないんですよ。
医療崩壊っていう病気は。

医師の配置を換えるんじゃなくて、
医師の数を増やさないと。


残念ながら、医療現場にいる人間でも、
医師は不足ではなくて、偏在が問題だ。
って思っている人もいるのが現状なので。
現時点では、相当難しいかな、って思います。

この発言した医療関係者も、
医師確保とかって言葉使ってるしね。

犯罪者じゃないんだから。
医師を確保する、って言ってる病院に、
行きたいと思う医者がいるわけないでしょ。

自分たちのせいで、医師が病院に来ないっていう面もあるのに、
それを棚に上げて国のせいにしている。
っていう、無責任の構図がここでも見られます。



肺炎っていう病気を診断する為には、
とかとか、があるとか、症状を聞く。
っていう事も大切なのですけど。

胸のレントゲンやCTを撮ったり、
炎症の程度を見るために、採血とかの検査も必要です。

そういう検査とかをして、肺炎って診断する
そういう、正しい診断ができないと、
病気の原因となる治療はできませんから。


今、最も必要なのは、日本は医療崩壊っていう病気に
かかっている、ってしく診断することです。

日本では、医師の数がほんのわずかに増えているから。
だから医師は不足ではなく偏在だ。

とか言っていたら、駄目なんですよ。

医療費がどんどん増えているから減らさなきゃ
っていうのは間違いなんですよ。
他の先進国と比べたら、医療費は10兆円くらい、
足りないんですよ、本当は。

そして、原因は医師不足、医療費不足だ、
って事をきちんと認識する

それは政策によるものだから、医師数削減政策、
医療費抑制政策を変更する事
です。

それで、原因に対する治療を行いながら、
対症療法行う、って事をしないと。

正しい診断をせずに、対症療法しかしなければ、
日本という国は、医療崩壊という病気で、
死んでしまうかもしれませんよ



正しい診断をするために。
こういう本も読んで下さいね!


→ 誰が日本の医療を殺すのか―「医療崩壊」の知られざる真実

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医療事故調、第二次試案について

Dr. I / 2008.01.17 01:19 / 推薦数 : 8

1/13の「全国医師連盟」の総決起集会で、
小松秀樹先生が反対、って言っていた、
医療安全査委員会医療事故調)の第二次試案」。

これについては、私も以前、
このブログで取り上げていますけど。
やはり、中身を知ると、ほとんどの医師は、
この「医療事故調第二次試案」には反対のようですね。

本文の前に、応援もよろしく!

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医師の中でも、国会議員の方達に、
医療事故調反対」のメールを送っている人もいるようです。

実は私は医療安全査委員会医療事故調)」そのものには、
賛成の立場なんですよ。

他の医師がどう思っているのか知りませんので、
私が医師の中では特殊なのかもしれませんけどね。
私は、「医療安全査委員会医療事故調)」自体には賛成です。

ただ、勘違いして欲しくないのは、
今の厚労省や自民党が考えている(厳密には違う物ですが)
医療安全査委員会医療事故調)」の「第二次試案
には反対です。


最近、「医療崩壊」って言葉は、マスコミでも
良く話題になっていますよね。
私は「医療崩壊」ではなく敢えて「医療破壊
っていう言葉を使っていますけどね。
まあ、似たようなもんです。

日本の医療崩壊(医療破壊)の一番大きな原因は、
医師不足医療費不足ですけど。
それ以外の原因として、医師の過労医療訴訟とか、
患者のモラル低下とか、そういう要因があります。

医師の過労っていうのは、医師の数が少ない、
っていうのが一番の原因なので。
医師不足と分ける事が正しいかどうかは、
わかりませんけどね。

そんで、マスコミとかでも「医療訴訟」の話題も、
ここ数年、ものすごく多いです。

民事訴訟の場合は、誰もが訴訟を起こす権利を
持っていますから。
医療訴訟の場合だけ、それを禁止する、
って事は不可能なんですけど。

医師の側から見たら、医療ミスではない
病気で患者が亡くなったり、合併症で亡くなったのに、
医療ミスだ」って言って、マスコミが大きく報道する。

そして、医療訴訟でも判決を言い渡すのは、
医療に関しては素人の裁判官だから。
医者から見たら、「どう考えてもおかしいだろ」
っていう、いわゆる「とんでも判決」が出されて、
何千万円とか、何億円とかっていう
法外な賠償金を医師個人が払わされる。

そういう事が、何回もあって。
医療の萎縮が起こっているんですよ、現在の日本では。
別名「防衛医療」とも言います。


そもそも、人間の死亡率は100%なんですよ。
長生きの人は、今だったら100歳まで生きるけど。
150歳まで生きる人はいないんですよ、絶対。
もっと早く、人間は間違いなく死ぬんです。

それは、誰もが認める所です。

そして、人間は病気になります。
病気になって、死ぬんです。

もちろん、事故でも死にますけどね。

病気になった患者が、病院に来た瞬間、
死亡率が0%って事は、あり得ないんですよ。


文章にしたら、当たり前の事なんですけど。
残念ながら、それを理解している人が少なくなった、
としか思えません。


例えば)

重い病気になった人がいて、
死亡率は、このまま治療をしなかったら90%
すぐに病院に来て、専門ではない医者が
治療をしたら、死亡率は70%。
すぐに設備の整った病院に来て、
専門医が適切な治療を行ったら死亡率は50%


こういう患者がいたとします。

今までだったら、何も考えず医師はこの患者を
治療していたんですよ。
専門が違ってもね。
何もしないよりは、専門が違っても
治療をした方が、助かる可能性が高いですから

まあ、今でも目の前の患者がそういう状況だったら、
何も考えず体が動いているとは思いますがね。

そいで医師が一生懸命治療しても、
専門医でなくて、設備が整っていない病院であれば、
死亡率は70%だから。
7割の患者は、死ぬんですよ
残念な事なんですけど、それは事実です。

でも、放っておいたら、10人のうち9人が死ぬのに、
専門家ではない医師でも治療したら、
10人のうち死ぬのは7人になるんだから。
10人のうちの2人は助けた、って事になるんですよ。

でも、病気のせいで患者が亡くなって、
医師は一生懸命に治療したのに、
「医者のせいで、患者が亡くなったんだ。
医療ミスだ、賠償金よこせ。」

って事を言われるようになったんです。
今の日本では。

ただ、遺族が一時的に感情的になって、
そう言うだけならまだましなんだけど。
そんな、難癖つけるような医療訴訟が起きて、
それで実際に医師賠償金を払う場合があるんです。

お金だけで済むなら、まだましかもしれませんけど。
刑事事件で、逮捕される事まであるんですよ。

そしたら、
自分が治療をしたら、死亡率70%、
そのまま治療しなかったら、死亡率90%。
こういう患者がいたら、
もっと設備の整った施設で治療をしてもらう
っていう選択肢が出てきても不思議はありません。

専門医のいる設備の整った病院に、その患者が
搬送されるまでに、どのくらいかかるかわかりませんけど。
仮に「すぐに」大病院に行けば、死亡率50%なんだから。
それを選ぶ事は、悪い選択肢ではありません。

専門ではない医師が、すぐに治療したら死亡率は70%でも、
専門家がしばらくして治療したら、死亡率80%
って事も、実際はたくさんあります。
もっと時間が経てば、死亡率は更に上がります。

一刻も早く」治療を始める、って事が、
何よりも大事な事もありますからね。

心肺停止とか、そういう時は特にそうです。

専門医ではないけど、この病院ですぐに
その患者を受け入れたら、死亡率は70%
でも、どんどん時間が経てば、死亡率が上がる
ってわかっていたら、今までだったら、
専門医ではなくても、患者を受け入れていたんです。

でも、今だったら。
救急車から、そういう重症の患者がいる、
って事で連絡が来て。
患者を助けようと思って、すぐにその患者を受け入れたら、
「専門医だったら、50%は助かったはずなのに、
医者が悪かったから患者が死んだんだ。」

って訴えられる事もあるんですよ。

そういう事があるから、「専門医がいないから、
救急車の患者を受け入れられない」

っていう場合があるんですよ、たくさん。

「たらい回し」、「受け入れ拒否」って言葉は、
不適切なので大嫌いですけど。
「専門医がいないので、患者を受け入れる事はできません」
っていう事が増えています。


もちろん、医療費削減政策で、ベッドを満床に
近くしていなきゃ、病院が赤字になるから、
受け入れる為のベッドが足りない、とか。
医師数削減政策のせいで、手が空いている
医師がいない、って事も多いですけどね。



今のは、あくまでも例え話ですけど。

医療訴訟」の問題がクリアできれば、
医師の側も、医療がしやすいし。
もちろん、患者の方もこの場合のような患者なら、
死亡率が下がるんだから
患者の側にとっても、メリットは大きいですよね。


でも、民事訴訟そのものを、制限する。
って事は、不可能ですから。
だったら、素人の裁判官ではなく、
専門の医師が、その治療が適切だったかを
判断してくれる組織を作る

という事ができれば、医師の側も、
萎縮しないで治療ができる。

もし、医療事故が起きた場合でも、
専門家がきちんと原因を調べてくれて、
その対策を取る事によって、今後は
同様の医療事故が起きる確率が減る。

という事であれば、医師にとっても、
患者にとっても、良い事ですから。

そういう、「専門家が医療事故を調査するような委員会」
を作る事自体には、私は賛成です。


ただ、今出来つつある医療安全査委員会
医療事故調)の第二次試案
っていうのは。
私が考えている物とは、全く別の物です。


こういう調査委員会を作る一番の目的は、
「同様の事故を二度と起こさない」って事ですから。

一番大切なのは、
「何が起こったのかを、正しく把握する」っていう事です。
原因を正しく把握しなければ、対策は練れませんからね。

その為には、その場にいた、医師とか看護師など、
当事者から事実を聞く、って事が大事です。

人間の体、病気っていうのは、千差万別ですから。
完璧な治療、100点満点の医療っていうのは、
存在しないんですよ、残念ながら。

後から考えたら、100点満点ではなくって80点。
そういう治療ばかりなんですよ。
でも、60点以上が合格点だとして、
80点の治療なら、合格でしょ。

だけど、80点って事は、20点減点って事だから。
100点満点じゃないから、医療ミスだ。
って事で、医療訴訟になるかもしれない。

そういう事になったら、真実を話さない、という事も起こりえます。
訴訟の場合、自分に都合の悪い事を話す必要はない、
っていう事は、憲法で保障された権利
ですから。
それが悪い、って事ではないのですけど。

ま、厳密に言うと、
*憲法第38条1項 何人も、自己に不利益な供述を強要されない。

この「不利益な」とは、刑事訴訟において
有罪判決を受けるという意味に解されていますけどね。

でも、それやったら、
真実を究明して
っていう事ができなくなるんですよ。

なのに、「医療事故調第二次試案」は、
調査を訴訟で使う場合もある。
って言っていますから。
「真実を究明する」という目的と反対になっちゃいます。

それ以外にも、

そもそも、医療事故が何か、って事の定義すら
あやふやなのに、届け出義務を課すとか。

第三者機関って言っているのに、当時者である
遺族の関係者を入れる、とか。


もう、めちゃくちゃなのですよ。

一説によれば、社会保険庁が解体されることによって
生じる余剰公務員の受け皿、又は、
年金官僚の受け皿であるとも言われていますしね。


そんな案には、私は大反対です。
それは、他の医師と一緒です。


防衛医療、萎縮医療をなくすために。
専門家が医療ミスなのか、合併症とか病気のせいなのか、
きちんと判断してくれる。
医療事故が起きた場合、同じ様な事故が起こらないよう、
適切な解決策を見つける。

という事は、医師にとっても患者にとっても良い事なのですが、
今の制度では無理なので。
医療安全査委員会医療事故調)」のような、
組織を作る必要はある
と思います。


ただ、今の時点で、対案が出ていないのに
医療調査委員会医療事故調=医療安全調査委員会)反対
って言っても、
医師は自分が訴えられるのが嫌だから反対なんだろ」
って思われて、説得力がないかな。
って、個人的には思うし。
反対、反対。って言うだけなの、私は嫌いなので。
私はこの事で、議員の方達にメールを送る事はしていません。


ただ、考え方として、

>とにかく潰すことが目的です。
 対案というか事故調査システム自体が拙速であり、
 もっともっときちんとした議論がなされるべきなのです。
 今の時点で対案がある必要は全く無いと思います。
 もちろん対案があることにはこしたことは無いですが。


という意見や

>法案が不十分だから、とにかく今期での成立反対!

 (反対しない行為は、賛成と同等にとられるのが、
 残念ながら日本の風潮です。
 「異議ありませんか?ありませんね。
 では、賛成多数で法律成立」みたいな)

 参加することに意義があります。


とか

>対案はあった方が理想的ですが、
 そう簡単に作れれば誰も苦労しません。
 また対案が無ければ「反対をしてはならない」
 でもないと思います。

 反対運動は出来てから潰すより、
 出来る前に潰す方がまだ容易です。
 可能性は高いとは言えませんが、
 現時点では事故調に明らかな利権が
 議員にあるとは思えませんから、
 推進派議員も「選挙対策でそうせい」
 と言われているだけのような気もします。
 とくにリーダー役で旗振っている某議員なんて
 その筆頭の様な気がします。


なんて意見もあるし。
それぞれ、なるほどな、とは思いますので。

一般の人でも、医師でも、「厚労省、自民党」の
医療安全査委員会医療事故調)の第二次試案」には反対
という方で、賛同される方は、
議員の方達にメールしてみてはいかがでしょうか。

全国医師連盟」のHPでも、署名や意見を募集しています。
→ 『全国医師連盟HP,医療安全調査委員会新設への意見』

議員のメーリングリストに関しては、
『産科医療のこれから』
を見てね!

ちなみに、私は医療調査委員会
医療事故調=医療安全調査委員会)」
そのものには賛成。
の立場なんで、署名していませんけどねw

医療調査委員会医療事故調=医療安全調査委員会)」
第二次試案」には反対、って書いてくれれば良いのに。

私は、対案が出てから、どうするか決めます。


医療や医療訴訟について知りたい人はこれを読んでね!
クリックすると、アマゾンに飛びます。

→ 医療の限界
小松 秀樹 (著)

定番もどうぞ!
→ 医療崩壊―「立ち去り型サボタージュ」とは何か
小松 秀樹 (著)

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全国医師連盟、総決起集会参加

Dr. I / 2008.01.15 01:34 / 推薦数 : 8

1/13に全国医師連盟 設立準備委員会 総決起集会」
があったので、それに参加してきましたー!

応援も、よろしくね!

→ 人気ブログランキング

全国医師連盟」っていうのは、
「全国医師連盟」設立へ
の記事でも書いたとおり、
患者の事を一番よくわかっているのは、現場の医師だ。
患者最高の治療をする為には、
医師の状態も良くなくては無理だ。
という考えを元に、現場の医師が中心になって、
現場の声を届ける団体を作ろう。
という事で、新しくできた団体が、
全国医師連盟」です。


まあ、今の所「全国医師連盟 設立準備委員会
って事で、単なる準備委員会なんで。
正式に発足したわけではないんですけどね。
その前に、総決起集会をやるって事で、
参加してきました。

椅子席が100席くらいあって、それは全部埋まって。
そいで、30人位立ち見の人がいたから。
大盛況でしたよ。
マスコミ関係者も20人位いたかな。

全国医師連盟 設立準備委員会 総決起集会
には小松秀樹先生と、本田宏先生
この世界では二大巨頭とも言うべき2人を迎えて、
2人とも熱く語ってくれましたよ。


私は小松先生の話を聞くのは始めてなんですが。
いつもは読み原稿だけなのに、今日はスライドも用意して、
相当気合い入っていた、との事で。
話も、すごくおもしろかったです。

内容は、このブログでも書いたと思うけど、
「医療事故調査委員会の第二次試案」の話が中心でした。

こんな、新たな厚労省の天下り先作ったって。
厚労省に医療費の決定に関わる権限に加えて、
調査権と処分権
まで与えるだけなんで。
益々、厚労省の権力が強くなって
現場の意見なんか聞かなくなっちゃいますよ。

医療事故を今後起こさない、って事が目的なら、
事実を医師に隠さず話して貰って、
それを今後に生かす、って事が大事なんですが。

その内容を処分に使うって事になったら、
事実を話す事は難しくなりますよ。

そんなバカな案が通ったら、
医師は、ますます医療をやりにくくなるし、
今後の医療事故を防ぐって事にもならないんで、
全く患者の為にもなりません
だから、そんなのやめましょうよ、って話でした。


私は本田宏先生の話を聞くのは、二回目。
しかも、本まで読んでいるので、
だいたい話の内容はわかっているのですが。

会場の反応も良かったためか、いつもより
更にヒートアップしているようで、
非常におもしろかったです。

いつもの通り、日本の医療費や医師
その海外との比較データーとか。
実際のアメリカの医療はどうだ、とか。

医師警察官、自衛官の数の比較や、
医療費パチンコ産業、葬儀産業との比較など。
正しい知識を、わかりやすく教えて頂きました。

小松先生講演の原稿と、
本田先生スライドはここから
ダウンロードできるんで。
欲しい人は、ここからダウンロードしてね!

本田先生のスライドは、スリムにしても
43MBあるんで、超重いです。
→ 「設立準備委員会 総決起集会 DVD」


私は当日、本田先生のPCから、
USBにもらおうと思ったのですが。
たまたま小さいやつしか持っていってなくて、
断念しました(涙)


そんで、最後に全国医師連盟設立準備委員会世話役の
黒川衛医師(元長崎大学医学部神経解剖学准教授、
長崎県真珠園療養所医師)の
「準備委員会からの報告と、行動提起」が行われました。

日本や諸外国の医師団体の歴史的経緯などを示し、
今の日本医師のあり方が続くのであれば、
勤務医のための団体が必要であること。
日本の医療が正しい方向へ向かい始めるための
行動がしたいとか、そんな話でした。

ちょっと盛りだくさん過ぎた印象はありましたけどね。
個人的には、以前にブログで書いた、
「全国医師連盟」設立へ
こんな感じの事を、もっとシンプルに、
熱く語ってくれたら、もっとみんなに熱気が伝わったのにー。
って、ちょっと思いました。

盛りだくさんな内容だったので、
あっという間に時間が経って、
全国医師連盟 設立準備委員会 総決起集」は
成功だったと思います。

ただ、所詮は「全国医師連盟
の「設立準備委員会」なので。
早急に、本当に「全国医師連盟」を設立する。
って事が大事だと思います。

はっきり言って、今が旬というか。
勢いがありますからね。
医療崩壊とか、そういう事が、特に最近マスコミでも、
たくさん報道されているし。

ここが勝負どころなので、是非頑張って貰いたい所です。

まあ、名称は変わる可能性ありますけどね。


マスメディアも今のところ、おおよそ
好意的に書いているようですね。
産経新聞以外は。


全国医師連盟の創設に向け決起集会

医師の労働環境改善などを目指す
新たな団体を立ち上げようと、
全国医師連盟設立準備委員会」(黒川衛代表世話人)は
1月13日、東京都内で総決起集会を開いた。

全国医師連盟(仮称)の設立は、
医師不足による病院閉鎖など医療崩壊が叫ばれる中、
医師が誇りを持てる労働環境を創設して
医療の質向上につなげることが狙い。
当日の集会には全国から約110人の関係者が駆けつけた。

全国医師連盟設立準備委員会は、
代表世話人の黒川さんらが中心になり、
昨年8月に発足させた。

ことし1月時点で全国の勤務医や研究医、開業医ら
約420人が会員登録しているという。