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がんの5年生存率が病院毎に公表されたようですね。
病院でも、情報は公開した方が良い。
っていう方針には、基本的には賛成なんですけど。
でも、こういう公開の仕方だと、意味がないんですよ。
むしろ、一般の人に誤解を与えるだけなんですよねー。
本文の前に、応援もよろしくっす!
がん5年生存率を公表、
地域中核病院の施設名示し
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071005-00000206-yom-soci
地域のがん治療の中核的な施設30医療機関からなる
「全国がん(成人病)センター協議会」
(事務局・国立がんセンター)は、加盟医療機関の
がん患者の5年生存率などの成績を、
ホームページ上で公表した。
厚生労働省の研究班が治療成績を判定する
基準を示して分析したもので、
施設名を含めて公表したのは初めて。
公表したのは、代表的ながんである胃がん、肺がん、
乳がん、大腸がんの四つのがんの治療成績で、
症例数が100例以上などの一定の条件を満たし、
数字の公表に同意した15医療機関。
99年に初回の入院治療を受けた
がん患者の治療成績について、施設別に、
がんの進行度に応じた症例数や生存率をまとめた。
『2007年10月5日:読売新聞』
読売新聞のこの記事だと、
「がんの5年生存率を公表した」って事しかわかんないので、
こっちの朝日新聞の方が詳しいですね。
だいぶ重複するので、一部省略しますが。
がん生存率、専門病院ごとに初公表
患者の要望に応え
国公立のがん専門病院などでつくる
「全国がん(成人病)センター協議会」
(全がん協、30病院)は10月4日、一部の加盟施設の
胃がん、肺がん、乳がん、大腸がんの
「5年生存率」を公表した。
施設ごとの治療成績の開示を求める
患者の要望に応えるとともに、各施設に「差」の
要因分析を促し、全国で同じ水準の
治療を受けられるようにする目的がある。
30施設の診療内容を、厚生労働省研究班が解析。
99年中に初めて入院治療を受けたがん患者について、
その5年後の生存率を算定した。
データの精度を高くするため、各部位別に
100人以上治療した▽治療した全患者のうち9割以上を、
5年後まで追跡できた▽6割以上でがん進行度を判定できた
――などの基準を満たした施設について生存率を算定。
このうち、公表に同意した施設の名前を明らかにした。
年齢、性別による影響は計算で除いた。
この結果、生存率を算定できた施設数は、
胃がん18、肺がん15、乳がん11、大腸がん12。
それぞれ、5~3施設が公表に応じなかった。
胃がんでは、最も高かった
国立がんセンター中央病院(84.1%)と、
最低の匿名施設(45.5%)には
38.6ポイントの差があった。
偏りを避けるために外科症例のみ解析した施設を除くと、
次に最高と最低の差が大きかったのは
肺がんの30.8ポイント。大腸がん23.8ポイント、
乳がん20.6ポイントだった。
ただ、胃がんで中央病院では、がんが最も早期の
「1期」の患者が70%を占め、
最も進行した「4期」との比が12.3。
逆に最低だった匿名病院は、その比が1.2で、
重症患者の割合が高い。
研究班は「数字をそのまま医療の質が高いととらえず、
治療について医師と話す際の資料にしてほしい」という。
全国286の「がん診療連携拠点病院」でも昨春から、
国が示した統一手順で患者を追跡する仕組みが始まっている。
14年ごろには、全がん協と同様の基準で
5年生存率を算定できるという。
公表データは、全がん協のホームページの
「全がん協加盟施設の生存率協同調査」から、
見ることができる。
『2007年10月5日:朝日新聞』 
重症っていうか、進行がんの方が早期がんよりも、
成績が悪いってのは、当然の事ですよね。
この記事の後ろの方に書いてありますけど。
>胃がんで中央病院では、がんが最も早期の
「1期」の患者が70%を占め、最も進行した
「4期」との比が12.3。
逆に最低だった匿名病院は、その比が1.2で、
重症患者の割合が高い。
簡単に言うと、胃がんの手術で、一番成績が悪かった病院と、
一番成績の良かった病院を比べると、
成績の良い病院は、悪い方の病院の10倍も軽症患者がいた。
って事ですよ。
軽症患者ばっかり手術したら、手術の成績が良いのは当たり前。
逆に、重症患者ばっかりだったら、成績悪くなるのは当たり前です。
手術の腕が良いとか悪いとか以前の問題です。
確かに、手術には腕も重要だと思いますよ、正直。
でも、比較する物が全然違うのに、比較したって
意味ないでしょ、そんなの。
むしろ、知らない人が見たら、誤解しますよ。
例えば、早期胃がんの患者がいて。
がんの5年生存率が、手術をしなかったら80%。
がんの5年生存率が、手術をしたら90%。
だとします。
そういう患者を年間100人手術したA病院の成績は、
がんの5年生存率、90%
結構進んだ胃がんの人がいて
がんの5年生存率が、手術をしなかったら10%。
がんの5年生存率が、手術をしたら30%。
B病院は、そういう患者ばっかり一年で100人手術して、
B病院はがんの5年生存率は、30%。
これで、A病院と、B病院を比べて、A病院の方が優秀とか、
手術がうまい、って言えると思いますか?
言えないですよね、そんなの。
比べてるものが違うんですから。
手術しなくたって、80%は生きているんですよ。
A病院の患者は。
逆に、B病院は手術をして、がんの5年生存率が
10%から30%になって、20%も増えているんですから。
言い方によったら、3倍って言い方もあるかもしれませんけど。
それでも、A病院の方が、B病院よりも成績が良い、
って言って良いんですか?
違うでしょ、それ、明らかに。
医療関係者なら、そんな事わかりますけど。
これって、一般の人達向けに出しているものでしょ。
同じ病期で比べる、って言ったって。
同じステージ1(一番軽症のがん)で、
同じ年齢の患者同士の比較だとしても。
Aさんは、元気でぴんぴんしている人。
Bさんは、ほとんど寝たきりで、心不全も腎不全も
糖尿病もあって、がりがりに痩せている患者。
がんのステージは同じ1だとしても、
比較したって、意味ないでしょ、それ。
誰がどう考えたって、普通はAさんの方が長生きするでしょ。
がんのステージは同じだけど。
そういう患者背景とかを抜かして、
目先の数字同士を比較する事は、全く意味がありません。
こういうのが、あんまり行き過ぎると。
「重症の患者は手術しない。」
って病院が出てきますからね、必ず。
そしたら、一見がんの5年生存率の成績は良くなりますよ。
当然。
軽症患者ばっか、手術して。
重症の患者は、他の病院に丸投げ。
そんな病院で、手術して貰いたいですか?
情報を公開する事自体には、反対しませんけど。
やるならば、もっと細かい患者背景も公表するとか。
利害関係のない専門家が入って、その人達がきちんと分析して
その後に、一般人にもわかるような解説をつけて公表する。
そういう事が必要だと思いますよ。
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